「どうしてそんなことになってるの……?」
翌日の昼過ぎ、僕は光君に連絡をとって家に来てもらうことにした。そのときには、剛君はもう僕の部屋に居て、真美さんは押し入れの中で本を読んでいた。なんだか、国民的アニメに出てくる青いロボットみたいだ、なんて思いながら、待っているとインターホンが鳴る。
僕はすぐに光君の出迎えに向かって部屋に案内して、机の椅子に座るよう伝え、僕と剛君はベッドに座るも、二人して押し黙ってしまう。今日、来てもらったのは、昨日の一件を光君にも言う為だけど、どうしても一つのキーワードが僕らの緊張を高めてしまっているみたいだ。
その緊張感は、光君も分かっているのか、怪訝そうにしながらも、自分の膝を見ては、顔をあげるという、落ち着きのなさを如実に表してくる。
そんな無意味な時間、ソワソワしている僕らの耳に聞こえてきたのは、押し入れで横になっていた真美さんの深い溜め息だった。
「ねえ……男の子が三人も揃ってるのに、誰も話しを進めようとしないのは、どうして?それとも、私が話題を出すのを待ってるの?なら、言ってあげようか?あのね、光君、私が君達にセックスをさせてあげるから、私のお願いを聞いてもらえるかな?二人には、OKをもらってる、ていうか、最初に提案してきたのは剛君なんだけどね」
光君は、間の抜けた細い声を出して、数分の間だけ変な顔をしていた。まあ、勿論、目を丸くして僕らに冒頭の質問をした訳だけど……
僕は、昨日、光君から送られたラインの話から剛君の自宅を掃除したこと、その後の話しまで大まかに説明する。
僕の説明を妨げることもなく、黙って聞いていてくれてありがたいな、なんて思いもしたけれど、隣に座っている剛君が僕の腰を軽く小突いて気が付いた。黙って聞いていたんじゃなく、何も言えなくなっていただけだった。というよりも、今にも泣きそうに唇が震えて青くなってる。
「えっと……光君?」
僕が声を掛けると、ダムに貯められていた水が門を開かれて解放されたように、光君の口から様々な言葉が溢れだした。
「無理だよ!無理無理無理無理!絶対に無理だ!だって僕らだよ?僕ら三人が力を合わせたって、なにも出来る訳ないじゃない!特に、そのブラック・ガーデンっていう不良集団の中では、あの新山君が下っ端扱いなんでしょ!僕らが新山君に勝てる筈ないじゃないか!それに、殴られて怪我でもしたらどうするの!もしも、当たり所が悪かったら死ぬかもしれないんだよ!無理だよ!絶対に無理だ!」
短編ミスったぁーー……