英雄達の夏休み   作:宇宙人と呼んで

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第7話

楔のように、僕の胸に打ち込まれた卑怯者という一言は、なかなかに深く食い込んでいるみたいだ。何も言い返せない。

そうしていると、真美さんは、くるりと矛先を変えて、光君に突き刺すように言った。

 

「光君、君もだよ。昨日、豊君にメッセージを送ってたよね?」

 

光君の黒目が震えたのを知ってか知らずか、真美さんは磨いた鋒を逸らさずに続ける。

 

「あれ、どうして電話じゃなかったの?悠長にラインでメッセージを送る手間を考えたら、それこそ、ラインの通話機能を使うべきだよね?」

 

「そ……それは……その……」

 

口ごもる光君の代わりとばかりに、真美さんが切り込む。

 

「豊君が犠牲になれば、自分はもしかしたら逃げられるかもしれない、そう思ったんだよね。実際、あのあと、君達の天敵みたいな子達がすぐに怒鳴ってたし、豊君の取り乱しかた、尋常じゃなかったよ?」

 

さっきまで剛君と言い合っていた光君が、途端に喋らなくなる。図星だったのだろうけど、そう聞いていると、なんだが、腹が立ってきそうだ。けど、真美さんに指摘された手前、強くも言えそうにない。

 

「剛君もさ、一人でやれるって自信がないなら言えば良いのに、どうして強く出るの?」

 

まさか、といった表情の剛君が首を振った。

 

「真美さん、俺は違うでしょ?今回の話しを進めたのは、俺ですし」

 

「なら、どうして?」

 

「どうして?って……」

 

「だって、君……さっき言ったよね?俺と豊だけでやるからよってさ。それって、一人じゃ不安だから言ったんでしょ?」

 

「それは、俺一人でやっちゃったら、コイツらを置いていっちゃうから……」

 

真美さんが溜め息を吐く。

 

「だーーかーーらーー、二人にヤル気がない以上、それなら一人でもやるってならないんでしょ?って聞いてるのであって……私はね、君の言い訳を聞きたいわけじゃないの」

 

「言い訳なんかじゃない!」

 

ムキになった剛君が目元の剣を強めたけれど、真美さんは一蹴する。

 

「やってない以上、それは言い訳だよ、剛君」

 

剛君の頬が動いた。多分、悔しさと怒りと恥ずかしさで、どうしていいか分からず、奥歯を締めているんだろう。真美さんが放った三股の矛は僕ら三人をそれぞれ貫いたんだ。おまけに、鋒で抉るように言った。

 

「君達三人ってさ、それぞれがそれぞれに卑怯なんだよ。泥棒、臆病、嘘吐きって感じかな」

 

僕らを順番に指差しながら、真美さんが小首を傾げる。

悔しかったさ。このときばかりは、本当に言い返せない自分が悔しすぎて堪らなかった。

 

「ま……真美さんに……真美さんに僕らのことを好き勝手に言われたくありません……たった、数日しか一緒にいないのに、何が分かるっていうんですか……」




あーー……ゾンビねぇ……ゾンビ……
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