英雄達の夏休み   作:宇宙人と呼んで

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第5話

カムズ通りの入り口前で立ち止まった僕は、同級生がいないかどうかのチェックをする為、長く延びる通路を慎重に眺めた。

屋根も高く、反対側まで見通せず、ときおり、十字路があるけれど、見える範囲にはいないみたいだ。

 

「とりあえず、カラオケ屋までいってみるか……」

 

頷いて一歩目を踏み出した僕にならって、剛君も進みだす。左側のシャッターには、黒いスプレーで書かれた文字が長い年月をかけて褪せていて、なんだか不気味な雰囲気を放っていた。そこに、右側のパチンコ店から人が出入りすることで漏れだした冷気が拍車をかけてくる。

僕と剛君は、早足でグングンと歩き、三個目の十字路の左側にカラオケ屋を発見する。鶏のデフォルメキャラクターがマイクを持って楽しそうに笑っている。僕らとは大違いだ。

 

「えっと……ここ……だよな?」

 

「うん、そうだと思う。この近くにあるってことだけど……」

 

アーケード内の中央通りには、飲食店や個人商店は多いみたいだけど、それらしいお店は見当たらない。

剛君がキョロキョロと周辺を見回している間、僕はスマートフォンで検索をかけてみることにする。ディスプレイに汗が垂れ落ちた。

 

「剛君、黒崎の手芸屋で検索してみたけど、何件かあるみたいだよ」

 

少しだけ荒い声で剛君が返事をして、画面を覗きこんだ。

 

「地図って出せないの?ほら、なんだっけ、空から写してるやつあんじゃん」

 

ストリートビューのことだろう。その手があったと、僕は画面をタップする。ここから、一番近い手芸屋までの当たりをつければ、真反対の通りにあった。

確かに近いけど、すいぶん分かりにくい。黒崎の商店街中央通りから外れて数メートル歩いた先みたいだ。

 

「本当、便利だよなぁ、スマホって」

 

「そうだね、使いこなせてなかったけど……」

 

剛君が言うまで、僕はスマートフォンで地図を見るってことに気づけなかった。そう考えると、この世の中にどれだけの人がどれだけの物を完璧に使えているんだろうな。物を使うというより、物に使われている気がして、少しだけゾッ、とした。

夏空の下、僕らは手芸屋さんに向いながら、ついでに晒ってものを検索してみた。以外なことに、ドラッグストアーやベビー用品を扱っているお店にもあるみたいだ。

あれ?ちょっと引っ掛かる。それなら、どうして真美さんは、わざわざ黒崎の商店街にまで足を運ばせたんだろうか。ドラッグストアーなら、黒崎駅にまで来なくても、手前にある大型質屋の向かいにあるし、距離も離れてはいない。そこにベビー用品だって置いてあるはずだ。まあ、最近、黒崎も開発ってことが進んでいるってお母さんが言ってたし、知らなかったのかもしれない。

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