まあ、つまりは、自信をもてってことだ。あのお笑い芸人の人がテレビで言っていたことの延長みたいなものだ。不安があるから自信がなくなる。たから、出来るだけ考えて、備えてさえいれば、自信なんてものは、自然と出来てくる。漠然と、自信をもて、なんて言われても分からないけれど、これなら理解できる。
僕らは、ひとまず、これから先に起こるかもしれないことをあげていった。
一つ、晒に気付いてB.Gの連中から狙われてしまうパターン、これに関しては、真美さんのお母さんが入院している病院にいくまでの間だけじゃなく、常にアンテナを張っておき、怪しい人物がいたら逃げること。不良は、見ためから入る人も多いから、わかりやすいし助かる。
二つ、真美さんの姿を見られない方法。黒崎を縄張りにしているB.Gの奴等は、恐らく、黒崎の不良をメンバーにこそいれていないが、顔は売れているだろう。もしも、鬼山が通達をしていたら、非常に動きにくくなる。タクシーで病院まで行って、偶然、なんてパターンは絶対に避けるべきだ。近辺の人が多く集まる病院っていう点は、良いことばかりではないんだ。
三つ、鬼山が新山に直接、指示をだして僕らに詰問をしてくるパターン。これがもっとも可能性が高く、もっとも難題になるかもしれない。新山は、動こうと思えば、すぐに動き出せ、僕らには、新山達への恐怖が植え付けられている。
「それも、聞かれそうなことを予め準備していたほうが良いね」
ノートの一ページを破って渡すと、真美さんは挙がっていく問題点を簡易的に、さらさらと書いていく。僕と剛君は、新山に問われそうな内容を唸りながらも出し合い、答えまで記入していった。決めてさえおけば、細かい部分についても臨機応変に対応できる。この教えは、いまでも僕のなかで息づいている。
まあ、それでも、問題は多く出てくる訳だけど……
あらかた出尽くしたところで、僕らは内容に目を通していく。うん、これ以上は想像できないってほどには埋められてる。同じく、真美さんも作業を終えたみたいだった。
時刻は、夕方六時、そろそろお母さんが帰ってくる時間帯に差し掛かってくる。その前に終わって良かった。
剛君が自宅に戻り、部屋に二人だけになると、真美さんが、思い出したように言った。
「あのさ、お店のお婆ちゃんは元気そうだった?」
「ああ、はい。元気でしたよ……あれ?なんで真美さんがお婆ちゃんのこと知ってるんですか?」
真美さんは、なんでもない、と残して、庭の塀を越えると、いつものように近くのコンビニへ夜食を買いに出掛けた。
僕は、なんとなく、気になりながらも、真美さんが寝起きしている押し入れへ入り、深い一人の時間へと没入する。嫌なことがあっても、これだけは止められそうにない。
本当、中学生男子って変なところが突出してるよね。
次回より7月28日に入ります
その前に、ちょっと新しいの書いてみます