転移前、誕生。神との会話、物語の始まり
………
だめだな、廃棄。
混ざりきってない、廃棄。
誰だ! 不純物入れたの!………私か。廃棄。
成功!―――崩れた………廃棄ぃ…
お、おお、おおお! いけ! がんばれ! よっし!―――廃棄。
やっとできたか。………容量計算ミスってるじゃん。廃棄。
今度こそ。―――想定以下なんですけど………廃棄。
全部ぶっこめ!! 自我無くなってるじゃん、廃棄。
ほどほど ほどほど…よし。インストール開始………ダメか、廃棄。
こっちいじるか。だめだポシャった。廃棄。
うん…動かないな。フリーズだな。ファkk―――廃棄。
あっはっは―――焼却処理! 増殖が止まらん! 廃棄っ!!
あっぶね。出力調整ミスったな。出っぱなしだ。廃棄。
だめだ、記憶リセットされた。ハードとソフトの親和性がアレか。廃棄。
うっっっっわ………気色わる………吐き気してきた。廃棄。
んーー…。ここは規制しとくか。そうしないと自発的行動に移らないかもしれん。惜しいけど廃棄。
―――だめか。耐用年数短すぎだな。もう一回最初から見直しだ。
お猫様よ、どうか奇跡的なコードを描いてくれたまへ………無理かー。廃棄。
へび吉くん、お前が頼りだ。猫畜生に負けるな!―――意外といけたな。廃棄。
しんどい。くそ上司め、もうどうして良いか分かんねーよ。投げ出したーい。でもできなーい。 あれ?
―――できてる。テスト開始。………………………成功? え、まじでか。え、あ。……………終わった~~。いやいやいや。この目で確かめて、もう一回テストして、それが出来たら本当に成功だ。よし。
さて、ぬか喜びもあったが、何とか成功できた。あとは説明だったりだけか。もうすぐ終わる………長かったなー。とりあえず猫とへびは丸焼きにして食おう。
………
ここは…
「目覚めたかね、少年」
! なんだ?!
「そう驚くな、私は神だ」
「………知りたいこと何でも教えてくれるんですか? 」
「何でもは教えないし、wiki調べでもないがな」
この神(仮)、ネタが通じやがる…!
「じゃあ質問しません。ここはどこだ」
あれ?
「かっこ仮を外せ、転生者(仮)」
「『自分がやられて嫌なことは
おかしいな、いやおかしくない。
「まだ思考がまとまりきっていないか。まぁいい、それにしても今のお前、ヒロアカのトゥワイスみたいな言動でちょっと笑えるな」
トゥワイス?
「誰だそれ? 俺超好き、あのキャラめんどくさくて嫌い! 」
テンションがおかしいな。私もっとクールだったはず。いやこんなだった。テンションってなんだ? おかしいな、いや前からそうだった。前? なんだ、前って。
「そーかそーか。さて、説明するぞ。
「『は?』 」
お前たち?
「思考がそろったか。残念。面白かったのに。やっぱりショックを与えるのが一番だな」
待て、
「俺―――俺? 私? 僕? ………『自分』は、なんなんだ? 」
「言っただろう? キメラみたいなもんさ。死者の魂のデータを煮込んで煮詰めてごった煮にした存在。試しに答えてみ。―――問題.あなたはいつどこで誰とどんな風に死んだ? 」
それは…
「…夏休みに、冬山で、孫と、ダイビングを楽しんでいたら、地震で本棚が崩れてきて、溺れて…? 死んだ………? 」
いや、いやいや、いやいやいや。違う違う。そうだ、浮気相手と会っていたら夫が突然現れて――― 夫? 違う、犬だ。でかい犬が噛みついてきて、ライターで遊んでいたら火が移って…んん?
「そういうことだ」
どういうことだってばよ。
「記憶もなんもかんも混ぜこぜ状態なわけだってばさ」
まぁそれはいいや。いいことにしとこ。
「それで転生者ってなんね。自分転生するん? テンプレなあれです? 」
「せやで。けんどただの転生じゃなか」
何訛りだ。わけわかんね。
「ただの転生じゃなかととは? 」
「転生者(仮)には転生後、様々な世界に転生してもらう」
どゆことねん?
「一つの世界である程度過ごしたら、また別の世界に転移するっちゅうこと、わかる? 」
わからん。
「カッ」
善吉くん?
「正解。 で、まぁ例をあげようか。
例として、転生者(仮)くんがドラゴンボールの世界に転生したとします」
はいな。
「その時点で、『○○に別の世界に転移します』と神託を下します。例として「サイヤ人襲来編が終わるまで」としますね」
はい。
「そうした場合、サイヤ人襲来編が終わるか、そもそも転生者(仮)くんが原作ブレイクしてサイヤ人襲来しなくても、その時期が来れば転移します」
? サイヤ人来なかったらベジータ来ないじゃん。トランクス産まれないじゃん。人造人間やべぇじゃん。魔神ブウやべぇじゃん。
「転移した後のこと気にすんな。確かに後々ドラゴンボール世界の地球滅ぶかもしれんが、転生者(仮)くんが転移した後のことだ」
そりゃー、まぁ、そう、だな?
うん。関係ないな。―――いや関係なくない。原作ブレイクとか最悪だ。ふざけるな神(仮)
「仮をつけるなっちゅーに。原作尊重系の人格もあるんだな。そしてそれが影響として残っている。統合人格が擁立しても、ノイズは残っているわけか。興味深い…」
ノイズじゃない。
「ほう」
「自分の一部だ。この感情も」
「倒置法? かっこいいね 」
恥ずい…。
「まあ、説明を続けるぞよ。とまれ、転生者(仮)くんには世界を巡ってもらうわけだ。九つの世界とは言わず、より多くの世界をね」
「ディケイド? 」
「せいかーい。1話のわくわく感と最終回の「えー」感は他の追随を許さないと思ってる」
確かに1話の連続カメンライドは燃えた。
「なー。
で、だ。当たり前だが特典を用意してる」
「やったー、と言うべき? 」
「言うべき」
「やったー(棒読み) ありがとうかみさまー(棒読み)」
「湯前音眼? 」
「たぶんそれです。とりあえずオーバーオールとガム風船とおっぱいのえろっ子です」
「脱線しまくりだな。特典は特異体質だ」
体質?
「そ。ぬらりひょんの体質」
ぬら孫かよ
「違う GANTZ 」
「そっちかよっ! 」
大阪編のラスボスの?
「そう」
あの、千変万化、変善自在、とんでもない柔軟性と再生能力で「やべぇ!」って思わせたあれ?
「そう」
あの前衛的芸術 感の女体地獄で有名な?
「そうや ってゆうとるやろがい。
説明すんぞー。
特質その1、『変身能力』
おっきくなったり ちっちゃくなったり。男にも女にもなれる。外見年齢も思うがままに変化可能。服も体の一部を変化させて作れるから全裸でも安心。応用で分裂も可能。『右を見ながら左を見る』ことも可能。肉体の性質を変化させて鋭い刃を生やすこともできる」
NARUTOか。伊藤淳史か。
「『突き抜き!』イガグリ攻撃。
特質その2、『再生能力』
致命傷に見える傷を負っても、瞬時に回復し、弱点である『意識外からの攻撃』要するに不意打ちであっても再生を遅らせることしかできず、肉片一つでも残っていたらそこからノーダメージで復活する。不意打ちで攻撃しても瞬殺でないと再生能力は弱点時のノロノロ再生でなく、超速再生になる」
不意打ちには気をつけろ、と。
「特質その3、『観察模倣再現能力』
一度見た技術を模倣し、フィードバック、再現・最適化して見せる能力。流石に真似できないものは真似できませんが。
まぁ、この3つは魔神ブウの能力の劣化版ですね。変身も再生も模倣も。大体魔神ブウをイメージすれば合っています」
ぶっちゃけたな…おい。
「特質その4ー! 『不可視の衝撃波』
念動力てきなもの。一発でガンツスーツをぶっ壊し、四肢を捥ぎ取るくらいのパワー。範囲攻撃のように放つこともできる」
………。
「特質その5、『分解怪光線』
名前の通り、目からビーム。照らされたものを塵にまで分解する怪光線を目から発射することができる。Fateの愛憎のアルターエゴパッションリップのイデアスキル『トラッシュ&クラッシュ』同様に? 効果範囲は視界に収まった範囲全体で、遠距離であれば威力は減衰しない一方で効果範囲が広くなる。ただ、当たり前だが見えないところには光線は届かない。壁一枚隔てていれば“壁が分解されるまでの一瞬”は相手に効果を及ぼすことはない」
ふむ、マイナスポイントは弱点の不意打ちを受けやすくなるかもしれない、ってところか。なによりこんな一撃必殺技があると知られたら、だれも目を合わせようとしなくなるし、視界に入ろうともしなくなるな。いろんな意味で使うことが躊躇われる危険な技だな。
「特質その6、『ビーム』
眼からビームが打てる。怪光線との違いは、こっちのビームは当たったら爆発したりする一般的なビームだってこと。口や背中に眼球を配置すれば全身からビーム撃つことも可能。
シンゴジの『内閣総辞職ビーム』をまんまイメージしてもらえれば、それで合ってる。あっちと違って長時間吐いてもスタミナが切れる? ことはないけども」
………あれかぁ。うーん? ん。仮に変身能力でゴジラになってビーム撃てば、映画の再現できるのかな。
「転生者(仮)くん残虐なことをサラッと思いつくね。でも再現っていうのなら、ビーム吐き出す前の火炎放射、あれ出来ないとね」
「あ、あー。できないんですかね」
「できないねー。ファンタジー的世界で火を噴くドラゴンに遭って、身体構造をコピればいけるんじゃない? 」
なるほど。
「いつかやってみますわ」
「がんばれ。応援はしていないけど。
じゃあまとめだ。
特質まとめ、
『変身』 『再生』 『模倣』 『衝撃』 『分解』 『ビーム』 と、デフォルトの超パワー。
アンダースタン? 」
「いえぁー」
かなり
「水着バラキー。
では、転生させますよー。
はい どーん どーん どーん」
なんかキラキラしてきた。転生ってか成仏っぽいんだけど?!
「何か言い残すことはありますか? 」
やっぱり成仏じゃねぇか!
―――っていやいや。うん。
「………………好きに、やらせてもらいますよ? 」
⁂⁂⁂ ええ、どうぞ。転生者(仮)くんのやりたいように。
そのかわり、自分の行いのツケは自分で払えよ? ああ。別に天罰とか死んだあと地獄行きとかそういう意味じゃなくて、
何人も罪のない人々を殺傷した通り魔が、捕まった後「いやだ死にたくない! 」とか、「俺が何をしたっていうんだ! 」とか反省ゼロだったらむかつくだろ? そういうことだよ。
悪行を働いたら、裁かれる覚悟を持て。断罪を受け入れる覚悟を持て。ということだ。⁂⁂⁂
「おう。わかった神様」
「やっと仮が外れたな。転生者くん」
「オマエモナー」
「あばよ」
「ああ」
(脳内イメージ音声)『モコナモドキもドッキドキ! はぁーっぷぅーー! 』
きらきらーひゅーん