アニメだけだとカットされてる場面もあって…漫画版や原作も参考にしつつ書いています。
頭首面会side(リリちゃんに植毛した『自分』擬態毛髪より)
・ジンくんとリリちゃんが新頭首サンドラちゃんと和気あいあいしてたら、キレられて斬り捨て御免!されそうになった。
→面子の問題だってさ。新体制はちょっと綻びあると崩れかねないからね。仕方ないね。同情。
・白夜叉「ウチのモンが予知したんやけど、魔王来るって。あ、確定やから。変えられない未来だから」
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「そのー…その、なんだ? 小人? どうするのさ」
肩に少し前に見つけて旅の道連れにした小人? 妖精? な見た目のあのアレ(名前忘れた)を乗せ、コロッケ(?)をぱくつく飛鳥お嬢様に尋ねてみる。
精霊だっけ。まぁ妖精さん(出典:人類は衰退しました)と呼ぶことにしよう。
「どうするって、別にどうもしないわよ。一緒にお祭りを回ろうと思って」
「そですか」
脱走騒ぎ終了からしばらく、自分は飛鳥さんとお祭りを回っている。
初めはレティシアさんと三人でクレープをパクパクしていたのだが、飛鳥さんが尖がり帽子の精霊を発見し、問題児としての性質からか 追いかけて行ってしまったので。自分が付いていってレティシアさんは放置してきてしまったのだ、うむ。
特に甘酸っぱいイベントもないが、見たことのない景色や展示物、東側では見られない人々。何もかもが新鮮で最高に楽しい道中。
夜になれば話し合いの終わった黒ウサギやらが迎えに来て、温泉イベント………のはず。それまで時間はもう少しあるし、ゆったりできるというもの。
これから黒死病の魔王襲来で月に行って槍投げてエンド。こお世界も終わりが見えてきた感があって、名残惜しい…。コミュニティの仲間たちもみんな大好きなのに別れなくちゃいけないなんて…寂しぃ。
「仲良くなった所で自己紹介をしましょうか。私は久遠飛鳥。それで…」
ほいほい
「自分は奴良九朗、よろしく小人さん」
「………あすかー? くろー? 」
………ん? この声…エルフナインくんちゃん?!
すき!!
「ちょっと伸ばしすぎね。締まりがなくてだらしないわ。最期を綺麗に区切って発音するのよ」
「あすか! くろう! 」
きゃわたん。
飛鳥さんも笑顔ですよ、無邪気でちっこい生き物は可愛いよね。うんうん、わかるわかる。
「あなたの名前は? 」
「らってんふぇんがー! 」
「…? それがあなたの名前? 」
「響きは可愛らしいけど…厳ついねぇ」
「んー…、こみゅ! 」
「コミュ………コミュニティの名前ってことかしら? 」
聞かれたからには答えましょう。真実は知っているけど知らない体で。
「じゃない?
コミュニティの、じゃなくて、あなたの名前は何ですか?」
意味が分からない、という風で首をかしげる妖精さん。
「んー? ………らってんふぇんがー! 」
飛鳥さん困ってる困ってる。うまくごまかそう。
飛鳥さんにこそこそと耳打ちする。あ、これめっちゃドキドキする。
「もしかして、名前がないんじゃないの? 」
「え? 」
「ほら、コミュニティの方針なのかもよ? この子まだ子どもみたいだし、若い時は呪いを受けないように名前を与えずに育てるとか、そういうの」
「そんなコミュニティのルール、あるの? 」
「わかんないけど名前ってのは重要なものだし、飛鳥さんもなんとなくわかるでしょ? 」
思い当たる節?記憶か知識があったのか納得してくれたようだった。
「そうなのね…」
ちょっと悲しい目をしてる飛鳥さん。妖精さんは「?」って顔で可愛い。
あ、おすそ分けしてる。
「じー…」
「なに…? 」
「なんでもないよ~? 」
「あげないわよ」
「えー」
「奴良くん、あなた確か年上なんでしょう? 自分の分は自分で買って食べなさい」
ぐ、見栄張った虚言が足を引っ張るとは…。
「自分はただ、『半分こ~』とか、そういう食べ歩きでよくあるシチュエーションを体験してみたかっただけなのに~」
しょんぼりー(ふり)
「………仕方ないわね、はい」
「ありがとうございます飛鳥さま~! 」
いただけた!本当に欠片だけど!
おいし~♪…飛鳥さんの味がする(気のせいです)。
「様はやめて。
それじゃ、展覧会の見学に行きましょう」
「はーい」
「はーい! 」
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ところ変わって洞穴の展示場。
「すごい数…こんなに多くのコミュニティが参加しているのね」
「きれー」
「それだけデカいお祭りだってことなんかね? 展示場も、展示物も、実に興味深いものばかりですなー」
美しい出典物にそれぞれのコミュニティの名前や旗印がぶら下がっている。“
燭台かな? を鑑賞するため飛鳥さんが前かがみになる。
…
「確かに素晴らしいわね………。
制作・コミュニティ…“ウィル・オ・ウィスプ”…? 旗印がないのとあるのとでは、作品の表現も違うものなのね…」
カモフラージュ目的で他の展示品…ランプ?ランタン?ロウソクを収める系の品々をサラッと見回す。確かに凝った可愛らしいデザインだったり、ロウソクの明かりを際立たせるような工夫がしてあったり、『自分』の記憶にもないような美しい展示物だ。美術系の知識がなく、たぶん才能もない自分でも一目でわかるすごさ。何時間でもここにいて、鑑賞していたいと思う。
でもそんなことよりも! だ。花より団子ならぬ、団子より花。もとい美術品より美少女だ!
はー…!
はやくぶっぱなしてぇーなー!
押し倒してぶち込んでぶっ放してーなー!
でもそれはしたくない。好きだし。嫌われたくない。やっぱり初めてはラブラブ相思相愛でシたいよね。無理矢理とかそういうのは現実的には萎えるわ。
自分童貞だから怖いのよなー、色々。それに襲い掛かったら撃退されるってのもある。『威光』普通に効果ありだし、自分。
「(立派な主催者を目指すなら、やっぱり旗印がないと締まらないわ。―――是が非でも魔王から旗印を取り返さないと…)」
小さく握りこぶしを作って気合を入れる飛鳥お嬢様。
かわー。
「あすかー? 」
「なんでもないわ。行きましょ」
どこまでもお供しますとも!
「あれは…? 」
「おっきー! 」
「巨人…てか人型ロボ? 鎧とか…? 」
えーっと? ディーンだっけか。飛鳥さんが後に手に入れることになる鉄人形の展示されているところに到着。実物を見ると、なんとなくすごいのが伝わってくる。
真似させていただこう。
装飾もすげぇし、一目で強いのがわかるのは素晴らしいよね。他の世界行ったとき、この姿で「なんだあの巨大ロボットは!? 」みたいに驚かせたい。
実際見て、覚えたから姿だけなら『模倣』して『変身』できる。
『自分』を怪獣にして大暴れさせて、それに合わせて変身、バトルとかな~。寸劇・マッチポンプ・ヒーローショー(被害甚大)。どこかの“愛と正義の伝道師”みたいだけど、そういうのしてみたいのよ、自分も。
「いったい…どこのコミュニティが……」
「あすか! ラッテンフェンガー! 」
「え? 」
「確かに、そう書いてあるね。ほら紹介のココ」
「えっと…『制作:ラッテンフェンガー、作名:ディーン』……これ、あなたのコミュニティが作ったの?! 」
飛鳥さんの方で妖精さん〔 (・ワ・)に非ず〕が頷いて、えへん!と胸を張る。
可愛い。
「ディーン………すごいのね、ラッテンフェンガーのコミュニティは」
「まさかこれだけの物を作る力のあるコミュニティとはねー。すごいね、妖精さん」
「ラッテンフェンガー!ラッテンフェンガー! ふふ! ふふっ! 」
ただひたすらに可愛い。声も仕草も。飼いたいね、うん。
内心ニヤニヤで眺めていると、突然風が吹き、火が消え、暗闇に。
「な、なに? 」
観客の皆も動揺している。なんだこれ。こんなのあったか?
『見つけた…ようやく…見つけた………』
「卑怯者! 姿を見せなさい! 」
ちょっ! 飛鳥さん?!
「飛鳥さん、挑発――やめ! 」
『あぁ…‼ やっと見つけた……ラッテンフェンガーの名を騙る不埒者‼ 』
闇の中に浮かぶ無数の目。
「ネ、ネズミ? 」
………忘れてた! そういえばネズミあった!
ネズミの大群が濁流のように押し寄せる。
「いくらなんでも出すぎでしょー! 」
飛鳥さんがツッコミ、妖精さんが絶叫する。自分はというと身の振り方を考えている途中。
間違いなく襲い掛かってくる。たしか『威光』が通じず、ピンチになるという流れだったはず。自分は何をするべきなのか…。
「『自分の巣に帰りなさい』! 」
ギフト使ったな。そして通じなかった。動揺が伝わってくる。知らないふりで合わせよう。
「飛鳥さん、ひとまず逃げるよ! 」
変身。モード:
「奴良くん?! わかったわ! 」
さすが名家のお嬢様。ひらりと飛び乗ってくれたので早速走り出す。
背中の感触が最高です。お尻やーかーいっ!!
横乗りだからオパーイの感触を味わえないのが残念だが…残念だがっ!
ぱからっ ぱからっ。
「飛鳥さんのギフトで止めてくれない?! 」
「それが、効かなかったの! 」
「ギフト消去のギフトとか? 」
「………いいえ! ギフトカードには『威光』の恩恵がまだ確かにあるわ! 」
「だったら…操作されているものは操作できないとか そういう感じなのでは?! 」
早い者勝ち、操作系の念能力。
「………(ネズミに支配の力が及ばないのは、私よりも高位の支配を既に受けているから? ) 」
ぱからっ ぱからっ。
追ってくる万単位のネズミたち。
『振り切るぜ』―――と言いたいところだが人外の速度で駆けると、まず飛鳥さんが耐えられない。だから、なかなかどうにもできない。
「っ! 奴良くん、上から! 」
天井伝いにネズミたちが飛鳥さん、もとい妖精さんを狙ってダイブ!
「―――させん! 」
腹から触手を出し、落ちてくるネズミたちを蹴散らす。牙と目玉を備えた二本の触手―――参照:『SPEC~天~』伊藤淳史 「銀だこ」
ぐぅ…一瞬速度が落ちた。咄嗟だったからって銀だこは、そりゃあバランス崩すわ。失敗した、噛まれた。痛みがなく、再生も一瞬で済み何ともないとはいえ、このままではじり貧だ。原作ではどうなったんだっけ?
えーっと………。
「むぎゅ! 」
「掴まってなさい! 落ちては駄目よ! 」
妖精さん お前ーッ!
見たぞこの野郎! 銀だこの無数の眼球でしっかり見たもんね!
胸の谷間に押し込められるとか! とか! とかっ!
うらやまけしからんぞてめー!
UMAに変身したのは失敗だったか! 揺れるからな! 落ちないように谷間にか、飛鳥さん優しッ! いやわからんけどもー! 密着してもらうため大げさに揺れたりしたせいか? 自分のバカバカ! 自分は嫉妬しぃだから、こういうの駄目なんだよ。
幸せな思い(乙女の柔肌:密着)をしても、隣人がより幸せ(谷間にイン)だと、嫉妬の念を抱いてしまう奴なんだよ自分は!
走る自分、追いつかんとするネズミの群れ。払っても払っても、抉っても抉っても数が減った風に見えない。
どーしたもんか、早く出口つかないかなー、と考えていたところ黒い影が前方から押し寄せてきた。
「うぉっ! 」
「きゃあ! 」
「ネズミ風情が、わが同法に牙を突き立てるとは何事だ! 」
だれ? あ、そうそう! レティシアさん!
影はネズミたちをネギトロ()に変え、しかし壁や天井のランプを一切気づつけることなく、レティシアさん自身の足元に戻っていった。
「無事か、飛鳥、奴良」
「あなた…レティシアなの? 」
「大人モード…武装形態かな? 」
vivid。
変身を解除し、飛鳥さんを降ろす。名残惜しい…。
レティシアさんは愛らしい少女の姿から凛々しい女性の姿、服装は赤いジャケットに妙な形のスカートに変わっていた。良い。
「術者はどこにいるッ!? 姿を見せろ! このような場で強襲した以上、相応の覚悟があってのものだろう。コミュニティの名を晒し、口上を述べよッ‼ 」
レティシアさんの声が洞窟内に響く。しかし、答えは返ってこず。
洞窟から出て、しばらく。戻る道中黙っていた飛鳥さんが口を開いた。
「貴女、本当にすごかったのね…」
自分たちに背中を向けたまま、いまだ大人モードのレティシアさんがちょっと呆れたように言葉を返す。
「…あのなぁ主殿。褒められるのは嬉しいが、その反応はさすがに失礼だぞ」
リボンを結ぶと、少女に戻った。
「私はこれでも元・魔王にして吸血鬼の純血! ネズミごとき、幾千万を相手しても問題はない」
『ぱないの!』な元怪異殺しを連想した。
とりあえず胸に手を当てて腰に両手をもっていってこちらを責めるように見上げてくる姿勢が可愛すぎる。
「(けど、私は……)」
ふむ。
「いやぁ、助けてくれてありがとう、レティシアさん。あんなふうに数で攻めてくる奴もいるもんなんだねぇ」
なんとなく飛鳥さんが落ち込んでそうなので味方アピール。『自分もあれは対処できなかったヨー』アピール。
「そうか? まぁ、しかし数に頼るということは全体の質は低いということ。対処法は結構あるものだぞ」
飛鳥さんの顔に光が戻った。よし。
「飛鳥さん飛鳥さん、そろそろ出してあげたら? 妖精さん」
「え? あ! 」
慌てて、恥じらうように胸元からとんがり帽子の妖精を取り出す。
「ぷはー! 」
「ごめんなさい、大丈夫だった? 」
「んー、暑かった! でも平気。ありがとー! あすかー! 」
暑かっただと! 蒸れてたのかにゃ? ぐふう…!
首元に上っていってぎゅーってしている妖精さん。その姿を見てレティシアさんがやれやれと言わんばかりに首を振る。
「ずいぶん懐かれたな。今日はもう日が暮れて危ない、連れて帰るべきだろう」
「そ、そうね」
躊躇いがちに頷く。実際暗くなってこの夜道で小さな精霊一体だけで帰るのはまぁ、その、ねぇ…というものだ。
というわけで自分ら3人と1体は町を抜け、ここにやってきたときの“サウザンドアイズ”の店に戻るのでした。
振り返ってみると、自分にはまだまだ経験が足りないな、と実感する。とっさに最善の攻撃に移れないのは本当に経験不足ゆえだ。この肉体の能力はまだまだこんなものじゃない。『自分』がもっと戦闘の空気に慣れれば、もっともっと力を発揮することができるはずだ。
まぁ、生後一か月じゃあ仕方ないけどね。
自分の生はまだまだこれからだ。これから、いくつもの世界を越えた先で、自分は一体どうなるんだろうか…どこまでいけるんだろうな。