どうも、転生者こと ぬらりひょん(仮称)です。
転生から1月が経過しました。
「なーんにもないんだもんなー、『俺』? 」
「だよなー。転生して異世界っていうんだから、もっとどきどきわくわく面白い日常が待ってると思ったのに何も起きないんだもんな、『自分』。神託とやらも何故か聞こえなかったし、いつまで退屈な日常に飽き飽きしなきゃいけないのか………あーあ」
と自分の問いに答えたのは分裂したぬらりひょん。一人称で区別して『俺』と呼んでいる。ひとりじゃ寂しいし、かといって転生関連の話なんて他人と出来るはずもなく。
「なぁ、『俺』」
「なんだ、『自分』」
「自分ら、自分自身しか話し相手がいないなんて、寂しすぎじゃね? 」
「言うなよ…」
こんなふうにため息をつくしかすることがない日々を現在自分は送っている。こうなり果てる前、転生直近の話でもするとしようか。
「あれは、転生したすぐあと、とりあえず目についた家に押し入って住処を手に入れた後のことだった…」
「回想? 回想シーンはいるんかい? 」
「『俺』うるさい。
ぬらぬらぬらぬら ひょんひょんひょーん」
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鏡、鏡、カッガ~ミン♪
「………っと、あったあったありました、姿見。やっぱでかい家にはあるもんだねー」
さて自分の今の姿は………
「なんつうか、地味だな。混ぜられた誰かの容姿なんだろうけど、可変式なわけだし、ここはイケメンになってみるか? 」
「………」
「いやいや、超絶エロいぼいんぼいんナイスバデイの美女になるのもありだな」
「………」
「いや、ロリだな」
うん。Twitterで某先生も言ってた。ロリになるのは全人類の夢って。
「………」
「―――ってなわけで『へんし~ん』! ロリ九寺真宵にな~れ♪ 」
「………」
お、おお。
「いんじゃな~い? 八九寺真宵そのものじゃない? ツインテールに年の割にはそれなりに発育のいい体! 」
服とリュックサックも変身能力で作って………。
「おおおー…」
すげぇ。なんつうか、あれだ。2.5次元というとコスプレっぽいけど、2次元のキャラを不気味の谷だのなんだのナシで実体化したような…やべぇ、これはやべぇ。
「………」
「あー、あー、あー」
声も変えて…多分同じになったはず。聞こえてる声と実際の声は違うっていうし、これでいいんだよな?
こほん。
「『話しかけないでください。あなたのことが嫌いです』………っ! 」
ガッツポーズ。鏡の中の八九寺真宵が悶えております。
「………『全地球100億人のロリかっけー皆さんコンバトラー! どんなピンチも「まぁ、よい」の一言ですかさず解決。規制法律どんとこい。そうです、私が八九寺真宵っでーす! 』~~~! 」
ゴロゴロしております。八九寺真宵が背中のリュックをものともせず転がっております。
やべぇな、これ。楽しい。レイヤーさんとかの気持ちが分かったような気がする。なりきって再現するのめちゃくちゃ楽しい。
―――ぐちゅ
「っと。ぶつかっちゃった。あーあ、血で服が汚れちゃったよ」
「………」
物言わぬ死体となったこの家の住人(多分娘)のところまで転がっていってしまった。
うっかりうっかり。
―――衣・食・住は大事。
現代的でも異世界は異世界。転生者である自分には戸籍も住所もない。衣・食は何とかなるとしても、直近で“住”を確保したくて、自分は転生場所から一番近い家に侵入したわけ。初めての変身は『ハエ』だった。ハエになって家の中にもぐりこんだってわけ。
本当はねー。殺すつもりはなかったんだけどねー。ハエ叩きで襲い掛かってくるもんだから、ついビーム出しちゃって。
で、奥さんが頭ボーンで死亡。旦那さんも突然のビームに唖然呆然しているわけだから、(能力試す的にちょうどいいなー)っておもって、念動力でグシャっと。
玄関の靴から3人家族ってのは見当ついてたから、そのあと2階の娘さんの部屋に行ってみたわけ。
………下心がないわけじゃなかったけどね。ほら、ホラー映画では序盤のセクシーシーンでそういうのあるじゃん。金持ちの家の一人娘っていったら、期待するじゃん?
そんで期待に胸とどこかを膨らませて入ってみたわけですが………。
死人を貶めるわけじゃないけど…器量よしとは言えんでねぇ………。わかりやすく言うと「てめぇじゃ勃たないんだよ! 」という感じだった。実際無理だった。
なので 即ころころした。 やっちまったゼ☆
咄嗟にぶっ殺そうとすると自分はビームを出すことが分かった。それはまぁ、有意義なテストができた。
今の自分と血だまりに沈む娘さんを見比べても、月とスッポンで自分(はっちー)の方が可愛いと思う。100人に「どっちがいい? 」って聞いたら100人全員が自分を選ぶと思う。ロリコンじゃなくても。
「まぁ、それはそれで置いておいて。情報収集といこうかな。あ、いや……情報収集としゃれこみましょう! 」
こういうのはなりきるのが気持ちいいと思うし、全力でそれっぽくするぞー!
「はっけーん! 新聞を発見しました。さすが私。この程度のこと、朝飯前…いえ、時間から言って『夜食前』と言ったところでしょうか! 」
さてさてー………日にちごとに整理されてますね。奥の方が日付が新しいようですし、今日の新聞はこれでしょうかね。
えっと………今日は?平成29年6月6日(火)…?
!
「今時間は?! 」
―――1時32分!
チャンネル番号211 BS11 !
『―――心の隙間をお埋め致します。さて、今日のお客様は…』
セーフ、です。『笑ゥせぇるすまんNEW』懐かしいなぁ。
………ここ這いニャルとか一存みたいに現実世界の作品がある世界なんでしょうか………まぁいいですけれど。
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………今の自分、サイコパスの殺人鬼みたいですね。
このリビングにも死体が二つ転がってるわけですし。
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………やっぱり藤子不二雄A先生はすごいですねー。心が…自分の心がギュッてなりましたよ。とりあえず学んだとこは結婚は人生の墓場ってことですね。
まぁ、小学生の自分にはまだまだ関係ないですけどねっ! そういう演じること抜きにしても、世界を旅する自分には家庭を持つことは不可能でしょうね。
さてと! 神託とやらがいつ届くのかわかりませんが、とりあえず寝ましょうかね。深夜ですし。子どもは寝る時間です。
シャワーを浴びて―、替えの歯ブラシで歯を磨き~、パジャマに着替えて触覚ほどいて、キングベッドで ぐっない!はばないすでい! です!
おはようございます! 八九寺真宵、覚醒です!
気を失っても変身は解けないというのが判明しました。寝る と 気絶では違うかもしれませんが、少なくとも朝起きたら「やっべ! 」みたいな目には合わなそうなのがわかって一安心です。
冷蔵庫を漁って朝食を用意します。自分は米の気分なのですが、パンしかないのでトーストにします。牛乳とウインナー、ヨーグルト。立派な朝食と言えるでしょう。
テーブルが血でがっさがさのカピカピになっていますが、気にせず頂きます。
ごちそうさまでした。
んー。さて今日はどうしましょうか。この世界が何の世界なのかは不明ですが、派手に動かなければ問題ないでしょう。何事も用心がするに越したことはありません。
オバロの鈴木さんばりに警戒して行動しましょう。
とりあえず能力の確認といきましょう。
実験1・・・怪光線使用実験。
さすがにこれ以上死体と一緒の家にいたくないので。6月ともなると、腐りかねませんし。
ステップ1『薄目で発動』対象を絞って怪光線を照射できるかの実験です。
目標、奥さんの首なし死体。薄目ヨーシ!
照射!
―――実験結果。瞼が崩れ落ちました。全力全
他のものにも怪光線を浴びせてみました。包丁や鍋、庭の樹、色々試してみましたが簡単に分解されました。
ついでに分かったこととしまして、どうやら自分、痛覚がない…もとい肉体の損傷による痛みを感じないようだ、ということも分かりました。実験の後試しに腕を念動力で弾いてみましたが全く痛みを感じませんでした。血はドバドバ出ていたのですが、すぐ治りましたし。
自分 痛いのは苦手
「神様 ありがとうございます」
ええんやで、という幻聴が聞こえました。あのノリのいい神様ならこんな感じに返してくれるかな、と笑ってみます。
続いてー。変身能力の検証実験スタート。
自分、変身能力と言って思い浮かぶのは「怪物強盗Xi」こと怪盗
脳波から記憶を読み取る、そして記憶の中の人物に変身する。
ちょうど、この家の旦那さんの送迎用かな? 運転手が来たので彼を使って実験しようと思います。
開始ー。
―――実験結果、「
ので、直接読み取ってみようと考え、実験してみた。
結果、成功。新しい脳みそを自分の中に作り、それと対象となる人間の脳みそを完全に一致するまで観察模倣再現する。そしてできた「新脳」を同機させる。そしたら記憶人格丸ごとコピー認識できるようになりました。
やった後から、上書きされるかもしれなかった可能性を自覚して震えましたが、結果オーライです。
運転手さんは生きたままコピーしましたが、その後、試しに下半身が爆散した旦那さんの死体でもコピーできるかやってみました。
できました。 二回目ということもあってか、5分とかからずコピーできました。
とりあえず勤め先と娘の学校にはしばらく休む旨を電話で伝えました。そうしないとバレちゃうかもしれませんからね。
実験3・・・増殖実験ー。
腕をちぎって自分になるように念じてみます。
結果、なりました。『自分』の分身だからか、気が合いました。変な自我に目覚めて争う羽目になる…というのもなさそうです。
試しに分身体をあっちこっちに行かせて、その後統合したら、その分身体の記憶や体験がフィードバックされました。
どうやら分身ぬらりひょんは「影分身の術」でもあったみたいです。
分身を10体ほど作り情報収集に行かせてみます。行ってくれました。さすが『自分』、自分のためなら努力を惜しまない心根が分身たちにも備わっているようです。
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それと…………分身を生めたので、その………分身に超絶エロボディの女に変身してもらって(記憶はどうあれ転生して産まれなおしたため)童貞卒業をしようとしたのですが………
できませんでした。
勃ちませんでした。「勃ち上がれチンザム」な感じに、前立腺刺激してみたりしましたが、分身相手に欲情することができませんでした。
なんていうか こう………綺麗とか、可愛いとか、このスタイル美しいとかは思うのですが、全然ムラムラしてこないんですよね。
思えば昨日、八九寺真宵に変身した時も、全裸に全くエロい気持ちを抱きませんでしたし、トイレでもどきどきしたり「どうしたらいいんだ? 」とTSものでよくある戸惑いもありませんでした。
EDにされたのかと思って、エロ妄想したり、旦那さんの記憶たどって見つけたエロ漫画読んだら普通に勃ちました。やっぱり自分では欲情しないように制限を掛けられているようです。
くっそー、神め! 余計な真似を!
悔しくて「せめて」と思って分身とおっぱい揉み合いっこしたら超絶悲しい気持ちになったじゃねぇか!
何だあの悲壮感。賢者モードの何倍も悲しい気持ちだった。罪悪感にも似た申し訳なさが心を満たしてしばらく何もできなかったよ!
エロいはずなんだけどなー! 卒業はまだ先のようです。
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気落ちしていたら分身が帰ってきました。
「おい、『自分』。どしたとね? 」
「ダルイワー…」
「…とりあえず統合するからな、失礼しまーす」
情報統合中ー。
「―――なんだこれ」
これは、まじか。まじなのか。えー。
「どしたー………『自分』」
「ああ、『俺』。いや超・賢者タイム(仮称)も覚めるほどの衝撃が、分身体の持ち帰った情報にあってね」
「………なに」
「この世界…少なくともこの近辺には美人がいない」
「は? 」
「言葉通りだよ、あ~~~…昨日の自分の期待は裏切られはしたものの、間違ってはなかったみたいだ」
「どういう―――おいおい、まさか冗談だろ…? 」
「冗談じゃないさ。あの娘さんは、まだマシな部類、というかこの世界基準で『美少女』だったらしい」
「嘘だろ…あれがか? 」
「信じられないがな。この世界は美形デフレを引き起こしているらしい。試しに分身の一人が美女に変身したら超注目の的になって、襲われそうになったらしい。だからよくある“美醜逆転世界”じゃない」
「本当に、美人のいない世界か」
「男女問わずな。昨日、新聞は日付とテレビ欄しか見てなかったし、テレビもアニメしか見てなかったから気づかなかったが、そうらしい」
「………どうする」
「なにがだ『俺』」
「お前は『俺』で『俺』はお前なんだからわかるだろ。分身する前は『自分』は金持ってキャバクラにでも行こうとしてただろ。よしんば…って考えてたろ」
「なしに決まってる。『私』 が知る前に入って後悔した。話していても容姿が癇に障って文字通り話にならなかったと」
「そか。じゃあ女になって男をたぶらかすのは? やろうと思ってただろ」
「さっき美女に変身したって言っただろ。その『ぼく』が電車内で痴漢されてただただ気持ち悪かったらしい。やるにしても男側に最低グレードの敬意もないんじゃ楽しくないっての。自分の中の女性の記憶残滓がそう言ってる」
「そっか…じゃあどうする…? 」
「このまま次の世界に転移するまで待つ。外を歩いて不愉快になる必要もあるまいよ」
「せやな。正直昨日寝たのも、今日食べたのも、習慣だからって向きが大きかったし」
「そういうこと。この体、たぶん食事も睡眠も本来不要なんだと思う。必要ないけど摂れるってだけで」
「時間の経過を待つだけか………『自分』いつまでだと思う? 」
「『俺』がわからないなら『自分』にもわかんねぇよ」
「「退屈だ………」」
「ひょーんひょんひょんひょん ぬらりぬらりぬらり
回想パート終りょー。
そんなわけで自分たちは次の転移をここ1か月の間、ずっと待っているのです」
「あ、終わった? まぁ退屈しのぎに、巨大怪獣を出してみたりしたけどねー」
「あれはなかなか面白かったな。分身に山の中に移動してもらって巨大変身! 巨大化の練習と、巨大化極小化の反復特訓でもあったけど、おかげでだいぶタイムが縮まった」
「なー。怪獣から微生物への瞬間変身、フィードバックっつーか、ぐっ! となる感覚がなかなか大変だったけど」
「できることが増えるのは楽しいけど、結局自分で完結してる事だからなぁ…早く外的な刺激が欲しい。美少女に遭いたい。イケメンでもいい。きれいなものが見たい」
「絶景すごかったんじゃないの? 」
「それあまぁ、そうなんだけど…」
「分かる、分かるよ。」
せーの
「「性欲を持て余す」」
「なー」
「なー」
「「…」」
「「はぁ…」」
「おーい『自分』ー」
なんだ、だれだ。あぁ、分身か。
「なにー」
「なんか手紙来てたぞー」
「………見せて」
開けてみると、そこには
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能を試すことを望むならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの"箱庭"に来られたし』
―――と書かれていた。
読み終えた後、手紙は光を放ち始めた
「っ来い!! 」
咄嗟に叫び“ぬらりひょん(仮称)”が光に包まれ世界を渡る、その直前で分身体の統合に成功する。
なるほど、転移する前の、この世界も含めてここは『問題児たちが(ry 』の世界だったのか
そう自分は思った。
思った後には自分はスカイダイビングしていた。結構怖い。でも楽しい。
ついに始まる。自分の旅が。いうべきかな?
『俺たちの冒険はこれからだ! 』
現在の転生者(名前はまだない)の資源
・自分(ぬらりひょん ver. GANTZ )
―――以上。
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