ぬらりひょんの口調はですますだったり、砕けていたり、まちまちです。
ゲームが終わり、ホームに戻った自分ですが、早速暇を持て余してしまっています。
どうも、奴良九朗こと ぬらりひょん(G)です。
「………暇やな」
「暇だな」
答えたのは暇なので増やした『自分』です。
「次ってなんだっけー? 」
「次はなー、吸血鬼来て力比べで、ペルセウス?とギフトゲームだったと思うでー」
「そやったそやった。まだかなー、ってか乗り遅れたりせんかなー」
「乗り遅れはしないやろ。確かワンクッションあったはずだし、自分らも呼ばれるってーの」
ぐだぐだ喋っていると轟音が鳴り、屋敷が揺れた。
「「キター!! 」」
融合して扉を開け廊下に出ると、ちょうどジンくんと黒ウサギ・飛鳥さんが合流したところだった。
「何の騒ぎ?! 」
「分かりません! 」
「きっと十六夜さんだね、間違いない! 」
「奴良さん――…ええその通りでございましょうね。あの問題児様は~! 」
ガチャっと開けて震源地到着。
………うむ。吸血姫、いいね。目の保養目の保養。
戦闘態勢に入る十六夜さんを見て取って、黒ウサギが制止する。
「だ、駄目です十六夜さん! 」
「邪魔すんな黒ウサギ 」
「違うんです! その方が私たちの 仲間のレティシア様です! 」
「何? 」
あ、バトル終了ですか。
お茶。
「そうか、あんたが元魔王の…」
いったん話そうということになって、現在座ってお茶しています。
ちなみに部屋は惨状から回復していません。だれか部屋移そう言うと思ったんやけどな。誰も何も言わずそのまま話し始めるんだもん。おじさんびっくりしちゃった。
「YES。“箱庭の騎士”と称される貴重な吸血鬼の純血、それがレティシア様なのです」
あ、風が気持ちいい。箱庭の夜は冷えるなぁ。茶がうまい。
「よせ黒ウサギ、今は他人に所有される身。単なる物にすぎん」
モノとか、興奮しますね…。失礼、下種でした。
「そんなことありませんよ」
「でも…会えてよかった」
ジンくん座ったら? ソファー座れるところあるよ?
君仮にもリーダーだよね?
「………すまない、きみには合わせる顔がなかった」
「そんなこと――」
ちなみに自分はレティシアさんの隣に座っています。風に乗っていい匂いが運ばれてくる位置取りです。なんでおにゃのこはいいにおいするんだろう。きっと美少女は生物的に人間とは別の生命なんだろうな。
「――ひとついいかしら。
仲間のはずのあなたが、ガルドに手を貸したのはなぜ? 」
あ、吸血鬼だった。ホントに人間じゃねぇや。
「友達が怪我をしたの。私には理由を聞く権利があるわ」
強気~。ちなみに耀さん、傷はもう何ともないけど眠っています。特に苦しそうにもしていないしもう少しで目覚めるはず。
「………あなた方の力量を確かめたかったのだ。このコミュニティを託すに値するかどうか…。負傷した彼女には心よりお見舞い申し上げる。だが、あなた方のギフトはまだ青い果実。任せるには荷が重すぎる」
侮られたと受け取ったようで、飛鳥さんの顔色が険しく。
「そもそも私がこの階層に来たのは、このコミュニティを解散するように黒ウサギを説得するためだった」
黒ウサギが息をのむ。
「ノーネームからのコミュニティ再建は茨の道。これ以上ジンに苦労は掛けられぬ。
だがその矢先、あなた方が召喚されたという噂を聞いた」
噂早えな。
「…そこでまず俺らの力量を見極め、見込みがなければ…と考えたわけか」
お茶がうみゃい。
「だが、あれだけジンの名前を売られては…もう、解散もできぬ…」
せやなー。ジンくんが魔王打倒言ったみたいになってるし。解散したらそれこそ魔王本人でなくても、魔王に取り入ろうとする馬鹿から狙われることになるかもしれんしなー。
「でも、あなたが帰ってくれば 状況は変わるのでしょう? 」
「そ、そうですよ! 今度のギフトゲームに勝てば、レティシア様は堂々とここに戻れます! 」
「それは………」
うむ。
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説明によると、賞品になるゲームが、高額買取者が出たため中止になったとのこと。
「ギフトゲームが中止に…」
「待ち望んだチャンスだったのに…」
泣かないで…(泣いてないけど)
「このままここに匿ったらどう? 」
「無理な相談だ。私がここに来ていることくらい、知っているだろう。下手をすれば、“サウザンドアイズ”傘下の全てのコミュニティを敵に回すことになる」
対面上、まぁそうするでしょうねぇ…。名無し風情に、商品を隠されたら。さ。
「なるほど。自分が戻れないことがはっきりしたから、急いでたのか。
だったら要件を済ましちまおうぜ。確かめたいんだろう? 俺の力を」
「それを言うなら、『俺たちの』でしょ? 」
「ああ、そうだったな」
「ま、自分は後でいいけど。お先にどうぞ、元魔王との手合わせ、一番乗りは譲るよ」
たぶん自分勝てないし。
場所を移して、ランス投げ合い勝負。
ランスを構え、上空からピッチャー・レティシア、第一球投げた!
あーっと! キャッチャー・十六夜、ピッチャーの投げた打球をぶん殴って返した! 訳が分からない! 自分は多分受け止められないと思います!
………いや、自分がパワー不足なわけじゃなくてね? この世界の基準が凄まじいだけで。自分(ぬらりひょん)は物語シリーズの吸血鬼みたいに防御力=不死性って感じで、軟いんだよな。だから今の投擲も受け止めきれず肉体が破裂する。表皮を変身させれば耐えられるかもだけどなー。やっぱこの世界一発目には不釣り合いなほどレベル高ぇや。
「やはり………“
「吸血鬼のギフトだけってわけか。どーりで手応えのねぇわけだ」
「なぜです…どうしてこんなことに」
黒ウサギがつぶやいたすぐ後に、空から光が地上に降り、落ちた地面が石化を始めた。
「『ゴーゴンの威光』…いけません! あれを浴びたら! 」
光は飛鳥さんの元に迫ってくる。
レティシアさんが身代わりになるのは察しがついたので自分は付近にスタンバイしておく。
「飛鳥さん! 」
ジンくんの声、走り出すレティシアさん、飛鳥さんを押し出し身代わりになるレティシアさん。
「きゃあ! 」
そして首から下を変身させ、クッションに変身。
「大丈夫? 飛鳥さん」
「ええ、ありがとう奴良さん…一体なにが」
うっひょい! うっひょい!
柔らかい。合法! 合法ですよ! 人助けのためだし仕方ないですね!
バレないようにクンカクンカ。
………ええ匂いや。やっぱ美少女はええなあ。
ここまで一秒弱。バレるとまずいし、名残惜しいけど変身解除して手を貸す。
「レ、レティシア様…?! 」
すごいなー、まじで石化してるよ。自分これ喰らって大丈夫かー?
………んー、まぁなんとかなる、か?
「いたぞ! 」
「あれは…」
「コミュニティ“ペルセウス”! 」
「ゴーゴンの首に、翼の生えた靴…伝説のまんまか…」
ひとりでにレティシアさんが浮き上がる。
「 レティシア様! 」
姿を現すペルセウスの騎士。すごいな、不可視の兜。ガチで見えなかった。
「よし、引き上げるぞ! 」
「待ってください、その方をどうするつもりですか!」
「この吸血鬼は我々の所有物。どうしようと勝手だろう」
「これより、箱庭の外へと売却するのだ」
「なんですって?! ヴァンパイアは箱庭の中でしか太陽を受けられないのですよ?! 」
「首領が決めた売却だ。部外者は黙っていろ」
「ここは我らの本拠敷地内です。非礼を詫びる一言もないのですか! 」
いいぞ黒ウサギ!(観戦モード)
「黙れ。こんな下層の名無しコミュニティに礼を尽くしては、我らの旗印に傷がつくわ」
ま、せやな。舐められるわけにいかないのも分かる。でもねー、うちの兎さん怒っちゃうよー?
「なんですって?
―――ありえない。ええ、ありえないですよ。献身の象徴とうたわれたこの黒ウサギを、これほどまでに怒らせるなんて…! 」
「な、なんだ!? 」
「出でよ、インドラの鎗! 」
どーん、と超すげー感じの鎗が現れる。気配云々のスキル持ってないので、自分はすごいとかすごくないとかよくわからないんだけど、すごく強そう(小学生並の感想)。
「あれはまさか、インドラの武具?! 」
「ありえん! レプリカだ! 」
「ならば、その身で確かめてみるがいいでしょうっ! 」
振りかぶって~?
―――十六夜さんにうさ耳引っ張られてシリアスブレイクした。
あらぬ方向に投擲された鎗は上空で どーん。
「な、何するんですか十六夜さん!」
「落ち着けよ。相手は仮にも“サウザンドアイズ”だ。それに、
俺が、手を出すのを、我慢してやったのに、一人でオタノシミとは、どういう、了見だ」
うさ耳を引っ張りながら叱る十六夜さん。何気に自分触ってないな。まあいいけど。
「っおっしゃることはもっともですが、あの無礼者は見逃せません! 奴らに天誅を与えねば!」
と、指さした先には何もない空が。
「もう皆、帰ったみたいだけど…」
Niceジン坊ちゃん。
「不可視のギフトで隠れたんだろ。見逃してやれ」
「しかし………」
「逃げる相手を攻撃したとなれば、非礼云々の前に人間としてアウトだと思うよ黒ウサギ」
「確かにその通りですが…」
「話があるのは奴らの親玉だけだろ―――御チビ! 」
「あ、はい! 」
「お前は春日部を見てろ。
俺たちはちょっと出かけてくる」
「皆行くなら、自分は残ろうかね。ないとは思うけど、ペルセウスの連中がビビらされた仕返しに来るかもしれないし」
自分で言ってて苦しい言い訳だけど、めんどくさいし、行きたくないのだよね。
「………そうね。まさかそんなことがあるとは思えないけれど、万が一ってこともあるもの。私たちがいない間、“ノーネーム”を頼むわよ、奴良さん」
「極めて了解、行ってらっしゃいませ」
そういうことになった。
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交渉は決裂したという。帰ってきた3人のうち、冷静に話が聞けそうだった十六夜さんに聞いてみたところ、ペルセウスのリーダー ルイオスは面の皮厚く、ギフトゲームを行うことも嫌だと言って、レティシアを返す見返りに黒ウサギの隷属を要求したという。
で、黒ウサギは自分たちに会いに来るためギフトを手放したレティシアさんへの負い目から、NOと言わずにいたらしい。
「な~るほどねぇ……それで黒ウサギと飛鳥さん、あんな感じなわけか。
で、“ペルセウス”のリーダーはどうだった? 十六夜さんから見て」
「まぁ、完全に名前負けだな。個人としての脅威度はそんなでもないとは思うぜ」
さよか、と答えて。口論?する二人の少女に目を向ける。
目を向けた瞬間に十六夜さんがどこかへ行こうとしていたので待ったをかける。
「どこへいくつもり」
「さぁて、どこだろうね」
「当てようか。ペルセウスとのギフトゲームのために動くつもりなんでしょ? 」
「…だったら? 」
「自分も行く」
多分死なないし。ここらで活躍したいし。
「いいのか? どこ行くかも何に挑むかも聞かずに決めちまって」
なんてことはない
「役に立ちたいしね。自分の助けなんていらないかもだけど、コミュニティの為にこの力を使わせてもらいますよ」
「いいね、じゃあ行くか」
「おうとも! 」
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白夜叉にヒントをもらい、それを元に答えを得た感じの十六夜さんの先導受けてやってきました、“
『挑戦者よ、よくぞ参った! 』
『汝試練を乗り越え、我らを打倒すれば―――』
「御託を聞いてる暇はねぇ。マジ時間ねぇからな! 」
「十六夜さん、自分は“
「分かった」
超スピードで弾かれたように飛び出し“グライアイ”をぶん殴って彼方に消えていった。
『今のは一体なんだ…?! 』
さて、
「彼も言ったが時間がない。なので早速始めさせていただこう」
こちらを見るが、そこに自分はいない。
「ぐっ、ぬう…! 」
念動力で自分を音もなく打ち上げ、“海魔”の頭上をとる。
痛みは感じないが、Gがすごい。
「でも慣れた」
変身、変化、肉体膨張
『! な、足?! 』
「ギガトンッ キィッーク! 」
“海魔”と比べても巨大すぎる足で、思いっきり踏みつける!
「セイヤー! 」
命中!
『ぐ、舐めるでないわ! この程度の攻撃で倒れてなるものか! 』
当然だが、こんな攻撃じゃダメージは微々たるもの。軟体生物でもでかいから効くかと思ったけどそんなことはなかった。
うだうだ考えている間に触手を足に絡めて絞め上げてきた。
「いたたた(棒読み)」
『骨を砕き、肉を喰らい、魂を喰らいつくそう! 挑戦者よ、死ねぇ! 』
殺していいゲームだっけ。詳しいこと十六夜さんに任せてたから知らないんだけども。
十分に絡みつかれた。今だ!
「脚部変身、眼球増殖―――ビーム発射」
―――ビィィィィ。
終わった。何百本の光線で体を焼き貫かれ、“海魔”はたこ焼きになった。
焦げた匂いしかしないけど。
「終わったみたいだな」
十六夜さん。
「いまいちだったけどな、あの蛇の方がまだマシだったぜ」
「じゃあ? 」
「ああ、これでペルセウスをゲームに引っ張り出せる」
自分はスッと手を挙げる。
十六夜さんも応えて手を挙げてくれる。
―――パッァン!
ハイタッチ。いいね!青春ぽい。
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「邪魔するぜ」
「い、十六夜さん…と、奴良さん?! 」
「どこ行ってたのよ こんな大事な時に! 」
「鍵、開いてたのに」
「あ、耀さん起きたんだ。もう平気ですか? 」
さぁ、はよ。感謝の言葉、はよ!
「うん。ジンくんから聞いた、傷塞いでくれたって。
ありがとう」
はふぅ………。
「いいって、いいって。コミュニティの仲間として当然のことをしたまでだよ」
「黒ウサギ、これ土産な」
「なんですか、これ」
「スイカ? 」
「スイカね」
「ところがどっこいそうじゃないんだなー、ちなみに一つは自分がゲットしました」
???
布を広げると中には。
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「我々“ノーネーム”は、“ペルセウス”に決闘を申し込みます」
ギフトゲームが始まる。
明日、一巻分終了まで行きます。
前書き続き→魂闇鍋状態から生まれたので、自我が統合されても名残として口調が切り替わったりします。人への接し方も同様ですが、「さん」付けしている人はぬらりひょん的に“目上の人物”と考えている相手です。(黒ウサギは黒ウサギだからしゃーない。もといしゃーなしだな! )
・ビーム(目からビーム)について
物理法則の違いから、このビームは肉体的頑強さがいかほどであっても防げません。者に当たれば焼き切り裂き、物に当たれば爆発します。