仮面ライダー ~影を裂く刃~   作:チョコレー党

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第一章 影に潜む刃
プロローグ -始まりの終わり-


~とある採掘場跡地~

 

それは戦争だった。

 

 

相手はたった一人。

全身に装甲を纏った一人の男。

 

多くの兵士とあらゆる兵器をそろえた。

 

英雄と呼ばれたあの男を倒すために。

 

 

遠い視界の先で大きな爆炎が上がる。

 

「第一、第二戦車部隊 共に更新途絶えましたっ!」

 

「っ.....奴は? どこだっ!」

 

部下の一人が双眼鏡を覗き込む。

 

「煙で視認不能......いえっ!ターゲット発見! 11時の方向、1300m先です!」

 

部下の言葉に自分も双眼鏡でターゲットを探す。

 

 

燃え盛る炎の中に佇む人影。その周りには数分前まで交信していた第二戦車部隊の戦車がスクラップ同然

の姿で散らばっている。

 

「くそっ....化け物めっ! 第三戦車部隊 前進用意っ!」

 

振り返って部下に命令を下し、もう一度双眼鏡を覗き込む。

次の瞬間、視界にいたはずの人影はふっと消える。

 

「目標消失っ....周囲にも確認できません! 隊長!どうしっ.....」

 

部下の言葉は最後まで続かなかった。

 

乗っていた戦車が紙切れの様に回転しながら宙を舞う。

 

その勢いは後方に待機していた戦車をも巻き込み一瞬で第三戦車部隊の半数以上は戦闘不能となる。

 

部隊長はあまりのことに先程まで部下とその戦車がいた場所を茫然と眺めるしかない。

 

 

 

ターゲットはそこに静かに立っていた。

 

世界を救い、英雄と呼ばれながらも世界に脅威をもたらしたとして全世界の敵になった男。

 

「か.....仮面..ライダー...」

 

部隊長は部下に指示することも忘れ、ただその男を見つめる。

 

仮面ライダーと呼ばれた男は右腕を振り上げながらゆっくりと自分の乗る戦車に近づいてくる。

 

「ライダァ...パンチ....」

 

そのまま振り上げた右腕を戦車の側面にたたきつける。

 

部隊長の意識があったのはそこまでだった。

 

 

 

 

 

 

ばらばらになった戦車を見下ろす男。

 

その表情は仮面に隠れて見えないが佇む姿は深い悲しみを纏っていた。

 

ふと顔を上げ、空を見上げる男。その視線の先には小さな黒い影が3つあった。

 

「戦闘機....核か...ははっ とうとうそこまで嫌われたか...」

 

通常の人間なら気が付かない距離だったが男の超人的な感覚は戦闘機の音と姿を

はっきりと認識していた。

 

「本郷、一文字......優美....すまない..」

 

大切そうに誰かの名を呼び、空を見上げたまま男は動こうとしない。

 

その間に戦闘機はぐんぐんと近づいてくる。

 

ついに男の真上付近まで接近した戦闘機は機体から何かを投下する。

それでも男は逃げる素振りを見せない。

 

自身を吹き飛ばすそれを待つかのように空を仰ぐ。

 

「ほんと....なんでこうなっちまったんだろうなぁ..」

 

呟いた一言は最早誰にも届くことはない。

 

閃光が男の身を照らした直後、凄まじい轟音と衝撃がすべてを消し去る。

 

 

 

英雄 仮面ライダー0号の死をもって一年近く続いた戦争は終結した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




初投稿です。

これから頑張っていきますので温かい目で見ていただけると有難いです。

今回のプロローグは本編の約50年前の時間の話です。

この作品は明確に主人公を決めずに進めていく予定ですが、一応の主人公は次の話から
登場します。

ちなみに仮面ライダー0号の脳内イメージはTHE_FIRSTの一号を赤と黄色のオッドアイにした感じです。
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