きららファンタジア 魔法工学教師は八賢者   作:伝説の超三毛猫

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どうも、うらら迷路帖を見たのが昔過ぎて見返しながら書いてる作者です。
今回のお話は、千矢ちゃん視点です。

“分からないけど、分かんないことがあったほうが多分楽しいよ”
 …千矢


第82話:予知夢とくろう、時々信念

「―――ちょっとここで、占っていかない?」

 

 私達うららがランプを占うことを決めて、臣がランプに声をかける。

 このことを決めたのは、ついさっきの事だ。

 

 部屋に入った時に臣が持っていた鍵のかかった本がきららの力によって開いたのはいいものの、その本を読んでからかな。ランプが、苦しそうにもがき出したんだ。私も見たけど内容はよく分からなかった。でも紺や小梅や臣が真剣な表情になってたし(紺は「分からない方が幸せかもね」って言ってたけどどういうことだろう?)、ノノが不安そうにしていたから明るい内容じゃあないことだけは分かる。

 きっとその本に書かれてたことが、ランプにとってはとっても辛かったのかな?………だって、今のランプはまるで、しかけた罠にかかって痛そうに、苦しそうにして弱ってた動物たちみたいだったから。

 

 だから、私は今こそ占いで何とかならないかなってみんなに言ったんだ。みんな、すぐにうなずいてオッケーしてくれたよ。

 

 

「……なんとかできるのかい?」

 

「直接は無理よ。でも…ランプは今、この先、どうすればいいのか迷ってると思うの。

 だったら、迷ってる手を引っ張って一緒に歩くくらいの手助けはできる筈よ」

 

 

 私達はうららだもの、と胸を張る紺。

 それにね、と話を続ける。

 

 

「私も、悩むこととか、怖くなることだってあるもの」

 

「友達がいないこと?」

 

「違うわよ!泉中術の時の話!」

 

 

 せんちゅーじゅつ? せんちゅー………あ! 泉で一緒に見たおばけのことか!

 だってあの時は、紺の様子がおかしくって、話そうって誘った夜に紺の悩みを…『神様を見ちゃったかもしれない』って聞いて、たとえ神さまにダメって言われても紺のそばで力になるって言って、皆で占ったら占えて、紺の力が奪われてなくって………結局あの時見たのはおばけだったって話だったよね?

 

 

「そんな事があったのね……」

 

「今のランプも、あの時の私みたいだったから。

 あの時の私は千矢に助けてもらったけど……今度は、皆でランプを助けようってなったのよ」

 

「まぁ、最初に言い出したのは千矢だけどね。ホント、千矢はすごいわ」

 

「え? そ、そうかな~?」

 

 

 臣が感心してる横で、ランプが何かを言いかけて……何度も頷いてる。

 涙は止まってないけど、笑顔だった。うれし泣き、って言うんだよね、こういうの。

 

 ランプは、しばらく何か言いたげな様子だったけど、すぐに書いてあった紙に何かを書き込んでいく。そして、書き終わった紙を私達に見せてきた。紙には、こう書いてあった。

 

 

『ぜひ、お願いしてもいいですか?

 占う内容は、ずばりこれからの戦いです。

 ここで知った事が本当か、アルシーヴ先生の真意は、

 そして、ソラ様をお救いする方法も、できれば。』

 

「……これは、正直僕達も知りたいところだ。

 アルシーヴがオーダーをしていた理由もそうだけど、ソラ様を救う手立て……これが一番知りたい。

 こんなところでソラ様を救う方法が分からなくなっちゃあ、僕達がここまで来た意味が無くなってしまう」

 

 

 マッチの言葉と、すっごい幸せそうな笑みのランプの言葉(が書かれた紙)を見て、私達も頑張らないとってなった。

 私の占いはくろうの力が必要だからどうなるかわからないけど、他のみんなも占うつもりだ。

 

 

「ふふん! このミス・プラムに任せなさい!」

 

「ま、マツコさん…いける?」

「マカセテ!」

 

「あ、紺! ここでお狐様を呼び出せるかな?」

「えぇ。きっとここでも呼び出せると思うのだけれど…」

 

 

 きらら達の力になるために、みんなの力を集める時!

 よーし、やるぞ~!

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「まずは私ね……行くわよ。」

 

「あの、臣が眠りだしたんだけど良いのかい?」

 

『臣様は夢占いで占うお方なのでいいんです!!』

 

 

 臣が目を閉じて寝息をたて始め、まずは紺が占いを行う。

 

 

「奇々も怪々お招きします、こっくりこっくりおいでませ。

 …この身を差し出す御代わりに、どうか導いて下さいな。」

 

 

 紺の占いは、こっくり占い。

 本当は紙とおかねを使う占いだけど、紺のこっくり占いはお狐様が紺に宿る特別なものだ。

 …ランプが紺の祝詞に目を輝かせているけど、喋れないのはちょっと辛そうだなぁ。

 

 

……ふむ。これはまた珍妙なところに招かれたものだな。

 

「えっと……紺さん…?」

 

お主…初めて見る顔じゃの。ほれ、近くで見せてみい―――わひゃっ!

 

「お狐様だー!!!」

 

 やったぁ! とりあえず、お狐様を呼び出すこと自体には成功した!!

 

「…一体、何が起きたんだ?」

 

「紺のこっくり占いはね…お狐様を体に憑依させることができるんだよ…」

 

「まぁ、ちょっと気まぐれなところあるけどね。」

 

おぉ、千矢か。わらわを撫でてくれるのは嬉しいが、これはいったいどういう状況なのかのう?

 

「実はね…………」

 

 

 小梅とノノがきららとマッチに紺の占いについて話してる間に、私がお狐様に今のことをちょっと話してみる。

 きらら達は、ソラ様っていう女神様を助けるためにあるしーぶって女の人と戦ってて…でも本当は女神様を救うために動いてたんだって。

 

 

……す、すまぬ、千矢…お主の説明は、少しばかり要領を得ん…

 

「あ、あれ?」

 

「しょうがないわね、千矢。私からお狐様に説明してみるわ」

 

 

 なんだか伝わらなかったから、紺がお狐様に説明しだした。

 ……うん、さすが紺は頭がいいから、説明のしかたが上手だね。私も見習いたいな。

 

 

ふむ……つまるところ、その女神を助ける為には、その生命を蝕む呪いを解かねばならぬということだな。……では、その呪いを解く方法を占ってみる、というのはどうじゃろう?

 

『で、できるんですか!?』

 

? なぜ筆談を……あぁ、お主が声が出なくなった子供か。不可能ではないぞ。

 しかしのぅ。タダ働きは気が乗らぬのぅ……?

 

「お願いお狐様。全部終わって迷路町に帰ったらいっぱい撫でてあげるから………ね?ダメかな?」

 

「ちょっ」

 

仕方ない。それで手を打つとしよう

 

「お狐様ってば、ホント千矢には甘いわよねー」

 

 

 お狐様のごきげんを取ったところで、占いが始まる。

 紺の身体を借りたお狐様が目を閉じて、部屋の中が静かになる。

 

 …………

 ………

 ……

 ―――そして、ゆっくりと目を開いた。

 

……ふむ。見えたぞ

 

「な、何が見えたんですか?」

 

桃色の髪をまとめ、白黒の神官服を来た女が、書庫の本を漁る姿じゃ。呪いを解く方法を探っているようで、かなり切羽詰まっておった

 

「ま、間違いない……その特徴はアルシーヴだ!」

 

 

 お狐様が占って出てきたのは、昔のできごとみたい。

 それも、きらら達が倒すって言ってた、あるしーぶって人の様子みたいだね。

 

 

「それで、解呪の方法は……!?」

 

『大量のクリエを以て呪いを体外へ弾き出せ』……と呟いていた。女神が封印された今聖典を開いても意味がない、という事も

 

「そ、そんな事が……」

「つまり…ローリエの日誌に書かれてた事は事実ということか……!」

「そのアルシーヴって人は、ソラ様の事をすっごく大事にしているんだね!」

 

 『くりえ』……確か、私達を捕まえようとしてきた賢者たちは、それを取り出すために襲いかかってきたんだっけ。

 

「だから、私達を捕まえたのね。」

 

「それなら…少しくらい、分けてあげてもいいんじゃ……?」

 

「………!!!」

「分ける程度の気分で分けられるものじゃあない。凄まじい苦痛を強いられるはずだ。例えソラ様を救うためとはいえ、その提案は簡単には認められないな」

 

 ノノが『くりえ』を分けることを提案したけど、ランプはぶんぶんと全力で首を横に振った。そして、いま話せないランプに代わってマッチが代弁する。

 

 うーん。痛いのはやだし、女神様を助けられないのもやだなぁ。なにか、ノノの言う『私達のくりえを分ける』以外の方法で女神様を助けることってできないのかな?

 

「他になにか見えなかった、お狐様?」

 

うーむ……いま見えたのはアレで全部じゃ。

 これ以上は紺に負担をかけかねん。しばし休ませてはくれまいか

 

「そっか……それなら、仕方ないね」

 

 

 あんまり紺とお狐様に頼ってばかりもいられない。

 だったら、小梅やノノや、臣や私の占いで手がかりを掴むしかないね。

 

 

「私は…アルシーヴと話がしたいです」

 

「きらら?」

 

「『オーダー』に手を出した理由は分かりました。クリエメイトの皆さんの持つクリエなら、ソラ様の呪いが解けると思ったんでしょう。

 でも………クリエメイトを呼び出す方法は、何も『オーダー』だけじゃありません」

 

「「「「「「!!!」」」」」」

 

 

 そっか! きららは、『コール』で色んな人を呼び出してたよね!!

 『オーダー』はデメリットのある怖い魔法だけど、『コール』は神殿が迷路みたいにぐるぐるになるとか、そういうデメリットがないんだよね!

 

 

「『コール』か……! でも、いまさらアルシーヴが聞き入れてくれるかどうか…」

 

「その為にも、ここからクリエケージを通って、アルシーヴに辿り着くまでの道が知りたいです。」

 

「クリエケージの場所だね! いけそう、ノノ?」

 

「う、うん……頑張る。」

 

 

 ノノが祝詞を歌い上げる。

 やっぱり、ノノの歌は綺麗な声だよね。

 この歌のような祝詞は、ノノの優しさが溢れてるみたいで……私は大好きだよ。

 やってみるまでノノは自信なさげっぽかったけど、ノノとマツコさんの人形占いは、きっとうまくいくはずだよ!

 

 

「ンー、コノ部屋ヲ出テカラ左カナ。ソノ後ハグルグル回ルケド………」

 

 

 うん、成功だね!

 ランプがマツコさんの言葉を聞き逃さないように全部聞きながら道を書いてるみたんだから、これでここからの道は大丈夫だね!

 

 それから、小梅は……?

 

「……なにしてるの?」

 

「ユレールちゃんで占おうと思ったんだけど、この紙と一緒にタロットカードがあったから、こっちでも占ってみようかなーって…」

 

 

 そう言って小梅が見せてきたものは、色んな絵が描かれたカードと、『占いに必要になったらぜひ使ってほしい byローリエ』と書かれた紙だ。そういえば、小梅って振り子以外の占いもできるんだっけ。

 

 

「随分と用意がいいな……で、コレはなんなんだい?」

 

「用意が良すぎてちょっと怖いくらいよ……で、コレはタロットって言ってね。

 22種類のカードを混ぜて、順番にめくって未来を占うのよ」

 

「どうやって占うの?」

 

「それぞれのカードに暗示があって、それを元に推理していく……みたいな。そんな感じよ」

 

 

 マッチと会話しながらカードを混ぜている小梅に聞けば、そういえばって感じの答えを返してくれた。

 

「ちなみに、どんな暗示があるんですか?」

 

「そうね……きらら、例えばこのカード…『力』のカードなんだけど、どんなイメージがある?」

 

「えっと………元気とか、勇気とか…あと、負けないぞってイメージがあります」

 

「そう。『力』の暗示はだいたいそれで合ってるわ。でも、逆位置―――逆さまの状態だと、甘えとか無気力とか、そういう暗示に変わっちゃうの」

 

「デザインがひっくり返るだけで意味が変わってくるのか…」

 

 けっこう難しそうな占いだね。でも、そういう占いをそつなくこなしていく小梅なら、できるような気がするよ!頑張って!

 

 

「ちょっと待っててね……」

 

 

 小梅がカードを混ぜ終えて、慎重にカードを一枚ずつ上からめくり始める。

 そして、それを繰り返すこと5回。出てきたカードは………

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

「…………えっと、小梅? これは……」

 

「これが戦車で、これが運命の輪。……で、こっちが塔。あとは、星と悪魔ね。」

 

「う〜〜ん、よく分からないなぁ……」

 

 

 ちょっと頭がぐるぐるしてきたかも。

 私、こういうむずかしい占いって苦手なんだよね…

 つまり、これはどういう結果なんだろう?

 

 

「悪魔って……なんだか、不吉なイメージですね…」

 

「この悪魔は逆さま……逆位置だから、良い暗示なのよ。『回復』とか『解放』とか、そういうイメージがあるわ」

 

「そうなんだ! ねぇ小梅、他のカードはどういう意味なの?」

 

「そうね……まず戦車は『勝利』や『成功』の意味。

 運命の輪には『良い方向に向かうチャンス』みたいな意味が込められてて、星も『希望』みたいな良い暗示があるわ。」

 

「………小梅?」

「あの、小梅ちゃん?…そんな顔してどうしたの?」

「カードの暗示はすごく良さげの筈よ?」

 

 

 占いの結果は私が聞く限りだとすごく良い結果だと思うんだ。

 ―――でも、小梅の表情が晴れないのはどうしてなのかな? それに気づいたノノと紺も心配そうに小梅に尋ねた。……すると。

 

 

「いや、他の4枚の暗示は確かに全部良いのよ。

 ただ………このカードが出てきた事が気になってね…」

 

 小梅がそう言いながら指をさしたのは、クワガタと雷に当たったような建物が描かれたカードだった。アルファベットで『THE TOWER』って書かれている。

 

 

THE TOWER(ザ・タワー)……確か、塔だっけ。小梅、これにはどういう暗示があるんだい?」

 

「……崩壊」

 

「―――え?」

 

「悲劇、惨劇、災害、事故。……いずれにせよ、ロクな暗示じゃあないのよ、この『塔』のカードは」

 

 

 小梅から告げられた占い結果に、みんな黙ってしまう。

 だってそうだよ。これからの戦いを占うのに、そんな悪い暗示のカードが出たら、みんな不安に……そうだ!

 

「わ、分からないよ! どんな悪い事が起こるかなんて、その時にならないと分からないでしょ?

 そうだ、小梅! ちなみに…その『とう』のカードを逆さまにしたら、どんな意味になるの?」

 

「千矢……『塔』は正位置も逆位置も悪い暗示なのよ。塔の正位置が災害なら、塔の逆位置はそういう悪い事の瀬戸際に立たされてる、みたいな暗示だからね」

 

「うっ………!」

 

 そんなカードがタロットにあったなんて……

 

「でも、逆に言えば他はぜんぶ良いカードなんでしょ? だったら、すっごい悪いわけじゃないと思うんだけど……どうかな?」

 

「………そうね。千矢の言う通り、全体的には悪い結果じゃあないわ。『塔』だけじゃなくって、『星』とか『戦車』とか、今出たカードの暗示を全部組み合わせて、これから起こることを推理するのがタロット占いだから」

 

 組み合わせか……つまり、どう受け取るかでこの結果は良くも悪くもなるのかな?

 この5枚の暗示を組み合わせると……組み合わせると…

 ……暗示、なんだったっけ?

 

「…小梅、もう一回どんな暗示だったか言ってくれる?」

 

「あんた、もう忘れたの…?」

 

「やれやれ……」

 

 

 む、むずかしいの覚えるの苦手なんだもん!しょうがないじゃん!

 

 

「ええと……タロット占いの暗示はそれぞれ…」

 

『戦車→勝利

 星 →希望

 運命の輪→チャンス

 悪魔・逆→回復

 塔 →災害』

『―――です!』

 

「あ!そうそう! 書いてくれてたの、ランプ?」

 

「……!」

 

「ありがと~!!」

 

 小梅の言ってたことはちょっと忘れちゃったけど、ランプが書いてくれていたんだ!

 声が出せない分、きららの力になりたいって気持ちが伝わってる気がするよ。きららの嬉しそうな言葉に、笑顔で頷いてる。

 

 

「じゃあ、ちょっと組み合わせてみるけど……そうだな、例えば……

 希望はあるし、勝つこともできる。それはチャンスを掴めるかどうかで、ソラ様の回復にも世界の崩壊にもなり得る………みたいな?」

 

「それが妥当なのかしら……

 今は理不尽な災害に見舞われているけど、成功・解放のチャンスは必ず来る。希望を持ち続けることが転換点になるだろう……といった風に解釈はしてみたけど」

 

「なんだか……どっちもちょこっとだけ意味が違うね…」

 

 そうだね…。いま、マッチと紺が小梅のタロット占い結果をもとに考えをまとめてくれたけど、マッチの考えだとチャンスを掴めるかどうかで大成功と大失敗が分かれるみたいな言い方だし、紺の考え方だと今がものすごくつらくて苦しいけど諦めなければ希望がある、という風にも聞こえるね。

 

「これ、どっちが正しいのかな?」

 

「う~~ん、こればっかりはノーヒントだから……こっち、ってはっきり言えないのよね。」

 

 さすがの小梅もそれは分からないみたい。何かがつっかかる感じがしてスッキリしないなぁ。こういう時にはっきりと分かればいいのにな。

 

 

「……私はマッチの解釈が合ってると思う」

 

「「「「「!!!」」」」」

 

「臣!!!」

 

 

 起きたんだね!臣が起きたってことは……夢占いについても何かが出たってことだね、きっと!

 

 

「おはよう、臣。早速だけど、理由を聞いてもいいかしら?」

 

「おはよう。……私、さっきまで『ランプの身に起こる近い未来』を占ってみたんだけど……」

 

「う、占ってたのかい? 寝てるようにしか見えなかったけど…」

 

「ランプが筆談してたけど、臣は夢で未来とかを見て、それを踏まえたアドバイスをする『夢占い』が得意なの」

 

「寝ながら占えて、お金も稼げる……一石三鳥の占い」

 

「…言っとくけど、超高難易度の占いよ?」

 

「「……………」」

 

 

 あ、そっか。臣の夢占いを知らないと、ただの居眠りに見えちゃうか。

 ランプは知ってたみたいだけど、紺と小梅が改めて説明すると、きららとマッチが何とも言えないような目で臣を見た。

 楽ができるからって言いながら、一番むずかしい占いをマスターするなんて、臣ってすごいよね!

 

 

「それで…占いの結果に戻るけどね。

 私が見たのは……ランプが誰かに本を…今持ってるそれを渡すか、渡さないか迷う光景

 ―――そして、渡した場合…()()()()()()()()()()()()って光景

 

「「「「「「「!?!?!?!?!?」」」」」」」

 

 

 ―――え、臣…いま、なんて言ったの?

 せかいが、焼きつくされる???

 

 

「な…それは、」

 

「それって………!!」

 

「そんな…!!」

 

 

 みんなの顔色が青くなる。

 世界が焼き尽くされるなんて想像できないよ……! どういう、ことなの?

 

 

「落ち着いて、みんな。」

 

「………悪いけど、今の占い結果を聞いて、落ち着いてなんていられないな。」

 

「私は『ランプが誰かに本を渡したら、世界が焼き尽くされる』って未来を見たの。

 そして、本を渡す前、ランプは本を渡すか渡さないか迷ってた。」

 

「…………!!!」

 

 

 ランプが何かを閃いたかのように、突然持っているペンを紙に殴りつけるかのように書き込んでいく。

 そして……書き終わって見せてきた紙には。

 

 

『つまり、私のこの日記を()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んですね!!』

 

「そう、その通りだよ。ランプ………というか、その本は日記だったの?」

 

 

 ランプが頷く。きららが付け足して言うには、今までの旅で出会ってきたクリエメイトとの思い出を書きとめた日記なんだって。クリエメイトが大好きなランプの宝物みたい。

 臣はすごいな。もしこの占い結果を知らないで日記をその『誰か』に渡しちゃってたら、大変な事になってたんだね。それを避けることができたんだから、ホントにすごいや。

 

「ちなみに……その、ランプが日記を渡すか迷ってた『誰か』は分かりましたか?」

 

「ごめん…そこまでは。でも、髪の色は覚えてる。確か白っぽかった」

 

「白っぽかった……?」

 

 

 きらら達が「ランプの日記に気を付けよう」って確認したところで、臣の占いは終わった。

 あとは私が力になる番だね。私だって、紺たちと同じ、九番占なんだから!

 

 

「あとは私の番だね!」

 

「千矢、まさかアレをやるの…?」

 

「九番占試験の時の、くろう占い…!」

 

「そう! 私だってなにか力になりたいもん。

 試験で成功してからも、こっそり練習してきたんだから!」

 

 

 ランプに近づいて、「何か占ってほしいものとかある?」って聞いた。

 クリエケージの道も、あるしーぶがくりえを集めた理由も、これからの戦いの流れも、日記についても分かったランプは、きららやマッチと相談してから、紙に何かを書いていく。

 ランプときららが一緒に私に差し出したそれを、読んでみると………

 

 

「『不燃の魂術を使っている人が誰かが知りたい』……!」

 

「お願いしてもいいですか…?」

 

「………」

 

「………」

 

「……不燃の魂術ってなーに?」

 

「あっ」

 

 

 知りたいことがあるのはわかったけど、その『不燃の魂術』が何か知らないと占えないかな……

 

 でも、すぐにきららが教えてくれた。要するに、『不燃の魂術』っていうのは不老不死になる魔法で、オーダーと同じで使っちゃダメって決められているものみたい。

 小梅が「永遠に若いまま…体重も増えない!?」って少し揺れてたけど、私は不老不死って憧れないかなぁ。だって…そんなコトして不老不死になったら、紺や小梅や、ノノや臣が年を取って死んじゃっても、私だけ一人ぼっちになっちゃうもん。

 

 

「今回の事件…クリエメイトの命を狙う人たちの話はしたよね?

 その人達もボスが、『不燃の魂術』を使った不死身の人かもしれないの」

 

「わかった、きらら! 任せててね!!

 ―――いでよくろう!! 『不燃の魂術』を使った不死身の人の正体をこの眼に視せて!!!」

 

 

 さぁ、来い!!!

 

 ………

 

 ……

 

 …

 

 

「………………………………………。」

 

 

 …………あ、あれ?

 

 

 

「ち、千矢ちゃん………?」

 

「………ええっと、それで、何が見えたのかな?」

 

 

 ……おかしいな。

 なにも、見えてこない……!

 

 

「………ふぅぅ~~~~っ、ダメだぁーーーーーーーッ!!!

 失敗しちゃったみたい。なんにも見えてこないや…」

 

 

 九番占試験の時はうまくいったのに、どうしてここで上手くいかないんだろう?

 あの時も今も、「誰かの力になりたい」って気持ちはちゃんとあるのにな……

 

 

「千矢……」

 

「やっぱり私、占いでは全然―――」

 

 役に立たないね、って言おうとした時。

 ぶわぁっ、と。何かが隣に立ったような気配がして。

 気配のする方に振り向けば。

 

 

「―――あ!!」

 

 私よりもはるかにおっきな、透き通った真っ黒い姿。

 ウサギの耳と、吸い込まれるような真っ赤な目。

 くろうを呼び出せた、って嬉しさもつかの間。

 

 

 

 ―――視えた。

 オレンジの髪をした女の人が見たことのない笑みで燃え上がる姿が。

 金髪のキレイな人が、ランプと一緒に戦う姿が。

 

 他にもいろんなものが視えたけど、見えたものを忘れないうちにきらら達に伝えなきゃ。

 

 ―――間違いなく、ランプの日記が光ってたよって。

 

 

 




キャラクター紹介&解説

千矢
 野生児うらら。自分から主導してランプの為に占ってみた。原作ではくろう占いは失敗してしまったが、拙作ではほんの少しだけくろうは力を貸してくれた模様。命の危機とあったら保護者と言えども力を貸さないわけにはいかなくなったようだ。
 くろうが千矢に何を見せたかは、だいぶもったいぶって秘密にする予定。

巽紺
 ぼっち(過去形)うらら。お狐様をその身に憑依させて、『アルシーヴがオーダーに手を出すきっかけになった過去の出来事』を見た。迷路町に帰った後は、千矢にたっぷりお腹ナデナデされる予定。これによって、巻き添えが確定した。

雪見小梅
 西洋かぶれのうらら。ローリエの部屋に何故かあったタロットのカードを使い、タロット占いで『きらら達の戦いの行く末』をざっくりと占い、未来を推察した。小梅自身は塔のカードに一抹の不安を抱いていたが、他の4枚のカードが良かったため千矢のフォロー(?)を素直に聞いた。
 なお、ローリエのタロットカードのデザインは、『星』こそ気に入ったものの、その他のデザインは理解できなかったor不評だった模様。

棗ノノ
 引っ込み思案なうらら。マツコさんとの人形占いで『クリエケージへの道』を占った。きらら達からすれば人形が喋る時点でだいぶホラーだったが、ランプは知っていたため怖がることはなかった。

二条臣
 ねぼすけうらら。お得意の夢占いで『世界の分岐点になるランプの行動』を見た。夢占いが「未来を夢で見てそれを元にアドバイスをする」という修得難易度に見合った合理的な効果を持つ以上、彼女の今回の寝落ちはガチのファインプレーだったと思われる。

きらら&ランプ&マッチ
 うらら達に占ってもらった原作主人公一行。原作とはまったく違う形の占いになったことで迷路の正解ルート以外の結果を知ることになった。原作との最大の違いであり、ここから原作とは違うエンディングに向かって彼女たちは動き始める。
 なお、くろう占いの結果を聞いたランプはきらら&マッチいわく「いつも以上に晴れやかな顔をしていた」そうだ。




タロット占い
 タロットカードを1~5枚めくり、その暗示で未来を示す占い。アルカナは22種類あるため、全てを説明はできないが、
・基本的に正位置は良い暗示、逆位置は悪い暗示
・悪魔は正位置が悪い暗示、逆位置が良い暗示
・塔は正位置&逆位置ともに悪い暗示。最も良くないよ
この3つを押さえて欲しい。挿絵のデザインは『ジョジョ』3部と『ペルソナシリーズ』のタロットのデザインを組み合わせた。



△▼△▼△▼
ローリエ「ドリアーテの正体はもう暴いた。ジンジャーを説得し、フェンネルを何とかくぐり抜けてアルシーヴちゃんの元へ行かなきゃならない。」
ハッカ「ローリエ。フェンネルの説得、やはり不可か?」
ローリエ「アイツの正義はアルシーヴちゃんだ。ダマくらかしてでもどいてもらうしかあるまいよ。」

次回『統治者と転生者、時々幻』
ハッカ「次回、乞うご期待。」
▲▽▲▽▲▽

コレで最後DA!きらファン登場作品の中で、最も好きな作品は次のうちどれ?

  • きんいろモザイク
  • 夢喰いメリー
  • ゆるキャン△
  • まちカドまぞく
  • ご注文はうさぎですか?
  • その他(コメントにて!)
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