きららファンタジア 魔法工学教師は八賢者   作:伝説の超三毛猫

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 どうも、ナットの意外な人気に驚いている作者です。
 前回、ドリアーテの正体について「予想通り」というコメントがありました。これを見て、「しまった、ヒントを与えすぎた」と思いましたね。初めての創作なので匙加減が分からなかったのは事実だけど、これからの反省点にしたいなぁ。
 さぁ気を改めて、今回からドリアーテとの戦いが始まります。今回の推奨BGMはコチラ→『戦乱 紅炎は猛り白刃は舞う』最初は静か、かつ不穏に、そこからだんだんと盛り上がってまいります。


2021/6/8:本文を一部修正しました。


“ドリアーテの…不燃の魂術の恐ろしさは本人の魔法力ではない。決して死なず、疲れない。その一点にある。”
 …ローリエ・ベルベット著 自伝『月、空、太陽』
  第9章より抜粋


第86話:燃える魂と燃えない魂 その③

「さ、ランプちゃん。その日記帳を私に見せてくれないかしら?」

 

 

 デトリア様にそう言われた時、どうしてわたしがこんなに迷っているのか疑問でした。

 それと同時に……臣様の占い結果―――『迷った時、日記帳を渡したら世界が焼き尽くされる』という―――を思い出して、まさか、この人が……と思ってしまいました。

 

 だって、私の知っているデトリア様は、公明正大なお方。筆頭神官を70年近くも続ける立派なお方だったから。信じられなかったけど、臣様を裏切るわけにもいかなくって。

 

 でも、声が出ない今、駄々っ子みたいな拒み方しかできませんでしたけど、それでも渡すまいとして、アルシーヴ先生とデトリア様をなんとか誤魔化した時………デトリア様の頭に風穴が空いて。

 

 

「…足を引っ張るなと言ったはずだぞ、ゴミクズが」

 

「ご立腹だな。マトモな人間の顔じゃあないぜ。そんなカッカしてっとただでさえ少ない寿命が縮むぞ?

 まぁ……生ゴミ以下の本性が暴かれちゃあ無理もないか、デトリアさん………いや、()()()()()

 

「不燃の魂術……!! 貴様がドリアーテだったのか…!!?」

 

 

 噴き出す炎にあっという間に治った傷、デトリア様とは思えない恐ろしい顔つきに、乱暴で尊大な口調。そして……やってきたローリエ先生の言葉。そして、そのやり取りから察したアルシーヴ先生の言葉。

 

 信じられない。本当に、デトリア様が、今までわたし達の命を狙ってきたドリアーテだったなんて……!

 

 

『ランプちゃん。あなたは正しいわよ。』

 

『あなたが見たもの、あなたが聞いたこと。それを信じているから、ここまで来たんでしょう?』

 

『―――ランプちゃんが『ソラ様を救いたい』って思ったのも、あなた自身の意志でしょう?』

 

『―――わたしは、どこにいても、ランプちゃんの味方です。応援していますよ。』

 

 

 港町でかけてくださった言葉が頭をよぎる。

 ……あれも、全部嘘だったんですか?

 一体、何を思ってああいう言葉をかけてくださったんですか?

 わたしを、わたし達を……みんなを、今の今まで騙していたんですか?

 

 頭に浮かんだ疑問は……やはり、どうしても喉が言うことを聞かず、言葉に出すこともできないまま、心の中に留まっているのです。

 そしてそのまま、最後の戦いは始まったのです。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 ドリアーテの正体は誰か?

 俺は、ある程度前から、それに何となく予想はつけていた。きっかけは、ビブリオの書斎でデトリアさんのサイン入りの恩赦証明書を見つけた時だ。

 どうしてデトリアさんは、あの性悪デブ商人を牢から出したのか?……女神就任の大赦と言ってしまえばそれまでだし、そういう事が今までなかった訳ではないが、それでも何か引っかかったのだ。

 

 そして、疑いを決定的にしたのは、この台詞だ。

 

『わたしも信じたいんだけどねぇ。砂漠の盗賊、変な依頼を受けてたそうじゃない。なんか、()()()()()()()()()って言ってたわよ』

 

 ビブリオ撃破後に戻ってきた際に出会ったデトリアさんの言葉。これは……実は良く考えればおかしいんだ。

 思い出して欲しい。俺はサルモネラに対しては……『金を積まれてクリエメイトを狙ったこと』()()()()()()()と釘を刺してある。サルモネラが余計な事を話していればすぐ分かる。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()? ―――答えは一つ。彼女が依頼人だったからに他ならない。

 

 ダメ押しに……ドリアーテが「役立たず」扱いした、あの少年の手帳。

 ハッカちゃんは見落としていたようだが、予定がビッシリ書き込まれていて……その中に『ドリアーテ様が筆頭神官の職務をしに行く』旨の内容が書き込まれていたのだ。これこそ決定的な証拠。ドリアーテとデトリアさんが=(イコール)で結びついた。

 

 そして、それらの証拠をあらかじめ手に入れ、確証を得ていた俺は、ソラちゃんの部屋に着いてすぐに日記帳を持つランプに近づくデトリアさんの頭に向けて発砲。その結果が……

 

 

「楽には殺してやらないからな……覚悟しろ、カス共が…!」

 

 

 ……これだ。

 炎が燃え上がる。

 それは、デトリアさんの姿を包み込んで激しくなる。

 炎が晴れた後に立っていたのは…よぼよぼで腰が曲がり、今にも倒れそうな老婆ではなく、オレンジ色の長髪とユー子くらいの背丈のある、緑の目をした美女(かいぶつ)だった。

 ソイツこそ、ドリアーテ。ソラちゃんを呪うように仕向け、エトワリアを滅ぼそうとした黒幕だ。

 

 

「きららちゃん、アルシーヴちゃん。コイツを止めるぞ。……できなきゃ、エトワリアはおしまいだ」

 

「…はい!」

 

「元よりそのつもりだ!」

 

 

 きららちゃんが『コール』を始める。アルシーヴちゃんは俺と並び立つ。これから戦うのか分からないくらいに、この場は静かだった。……嵐の前の静けさとはこのことか。

 そして……それは、始まった。

 

 

「『ギガントフレア』!」

「『シャドウバインド』!」

 

 巨大な火の玉と、真っ黒な茨がドリアーテとアルシーヴちゃんそれぞれから放たれる。激突した魔法は爆発を起こし、少しの間煙幕になる。

 

「―――フッ!」

「っ!!? だぁっ!」

 

 煙幕に身を隠し、ドリアーテに斬りかかった俺のサイレンサーは、ドリアーテがデトリアさんだった時に持っていた杖で防がれる。その勢いを利用してドリアーテから飛びのき、距離を取ると同時に弾丸を何発かブチ込んでやる。

 

「小癪な……っ!?」

 

 その弾丸の追撃に、別方向から魔法が飛んでくる。

 その存在に気づかなかったドリアーテは魔法をモロに食らうも、ダメージはない。

 魔法が飛んできた方向を見れば、『オーダー』が解除されて帰ったはずの小梅ちゃん………いや違う。アレ、『コール』の小梅ちゃんか!

 

「ホントに手応えないわね……」

「まだ始まったばかりです! 油断しないで!」

「はあああぁぁぁぁっ!!!」

 

 小梅ちゃんを睨んだドリアーテに、今度はキツネ耳をつけた黒髪ロングの美少女が斬りかかった。紺ちゃんだ。

 

「邪魔だァァァあああああ!!!!」

 

「うおっ!?」

「きゃっ!!」

 

 

 全身から弾けるように出てきた炎でできたネズミの群れに、俺も紺ちゃんもその場から離れた。そして、サイレンサーの回転斬りで、襲いかかる炎ネズミを消し飛ばす。

 

 

「助かりました!」

 

「いいってことよ!」

 

「千矢さん、二人を守ってください!」

 

「任せてー!」

 

 

 きららちゃんの指示で新たに戦線に加わったのは、千矢ちゃんだ。「かしこみかしこみ!」と呟けば、残りの炎ネズミの矛先が千矢ちゃんに向いて、そしてそれらが彼女の黒い剣で切り裂かれていく。

 

 

「ドリアーテさん! どうしてこんなことするの!

 悪いことするなら見過ごせないんだからね!」

 

「これから焼け死ぬ貴様らに言っても無駄なことだァ! 『アドラスクレイモア』!!」

 

 炎ネズミが無力化されたのを見て、次にドリアーテが放ってきたのは、一言で言えば火の鳥だ。大きさと姿はカラスやワシなどの猛禽類のそれであり、それら十数羽が、甲高い鳴き声を上げながら襲ってくる。

 

 

「もう!この分からず屋!!」

 

「まったくだ。こんな美少女の言葉を無視するなんてなぁ!!」

 

「どんな理由があれ……みんなを傷つけるなら、許さないんだから!」

 

 

 それぞれ、炎の猛禽を捌きつつ、ドリアーテの接近を試みる……が、ネズミの時と違ってしぶといな。

 だが、そう思ったのもつかの間、猛禽たちが氷の槍に貫かれ、あっけなく消滅したではないか。

 ここまでの魔力を操れるのは………

 

 

「…アルシーヴちゃん、助かった。」

 

「造作もない。だが…前に出れないことが少々歯がゆいな」

 

「無茶すんなよ?」

 

 

 今まで連続で『オーダー』やってきたんだから、と援護してくれたアルシーヴちゃんにそう言いつつ、俺達はドリアーテに突っ込んでいき、武器を振るう。

 

 

「いつになっても馬鹿の一つ覚えのように……無駄だと分からんのか!!」

 

「ううん、分からないよ。例え無駄だったとしても……悪いことは見過ごせない!!」

 

「うっとうしいぞッ! 『コール』で出てきた模造品の分際でェェェェェ!!! どこまで…どこまで私の邪魔をする!!」

 

「あなたが悪いことするわけを話すまで!」

 

「くどいわァァァ!!!」

 

 

 千矢ちゃんに真っ黒い炎をバンバン撃ってくるドリアーテ。その隙を紺ちゃんが突いて攻撃する。その後ろから、小梅ちゃんが魔法で狙い撃つ。ドリアーテから、絶えず炎が噴き出している。でも、奴の様子はいまだ変わらない。なんて奴だ。

 

 

「そんなにしつこい小娘は―――こうだ!」

 

 ドリアーテは、何を思ったのか左手を広げ、千矢ちゃんの剣に向ける。まるで、片手で白刃取りをしようとするかのように。

 そして、襲い来る剣に指を動かす―――ことはなかった。剣はそのまま、指の間から肘と手首の間まで食い込んでいった。

 

「―――っ!!?」

 

 かと思えば、真っ二つになった掌を握り……剣を固定したのだ!

 簡単に大怪我が治らない普通の人間がやる事じゃあないッ!!

 

「ウオオオオオオ!!」

 

「うわわわッ!!?」

 

 残った手で拳を握り、黒い炎を纏って千矢ちゃんを殴りかかる。

 千矢ちゃんは、予想外の防御を目の前でやられて、剣を手放せば距離を離せるという考えに至っていない! …いや、それが出来たとしても後々マズいが……

 とにかく、魔法弾で…いや、アブねぇけど徹甲弾で援護するべきか―――と思った時。

 予想外の人物が二人の間に飛び込んだ。

 

 

 

「ウオオオオオラアあああアアアアアアアア!!!」

 

「「!!!?」」

 

 

 黄色い一陣の風となった彼女は、突如千矢ちゃんとドリアーテの間に割り込み、正拳突きをドリアーテの隙だらけのどてっ腹にブチ込んだ。

 ドリアーテの身体はくの字に曲がって吹き飛び、やがて両足を地面に突き刺して減速した。いきなり現れた乱入者に、肩で息をしながら睨みつける。

 

 

「チッ………手ごたえがちと軽かったか…後ろに飛んで逃げたな」

 

「ジンジャーさん!!」

 

 

 ジンジャーだ。左手に釘バットを握りしめ、右の拳にふっと息を吹きかけながら、吹っ飛ばしたドリアーテをかっと睨む。

 さながら、群れを守るひときわ大きな獅子である。

 

 

「テメェの部下共が世話になったんでな……借りを返しに来た!!!」

 

 

 ジンジャーにはドリアーテと直接の因縁こそないだろうが、ジンジャーの治める都市でセレウスの一件があったし、暗殺者の少年・57号の時も犠牲になった女将と人生を操られた子供に心を痛めていた。それらを引き起こした目の前の元凶を、許す道理はないだろう。

 

 

「八賢者、ジンジャー………!!」

 

 ドリアーテは、さっき拳に纏った黒い炎を、複数の散弾にしてジンジャーに放つ。

 ジンジャーはバットや拳の風圧で炎を弾き飛ばし、千矢ちゃんと紺ちゃんは各々の武器で身を守り、俺は最低限の動きで躱す…といった風にそれぞれが飛んできた黒炎に対応する。

 

 続いてジンジャーに肉薄したドリアーテは、いつの間に生成した炎の剣を両手で握り、周囲を別の剣状の炎を舞わせながら剣を振り抜く。が、すべてジンジャーの釘バットに捌かれる。持つ剣は釘バットに阻まれ、周囲の炎も風圧のため近づくことができていない。もともと拳圧だけで火事を消せるような人だ、正面からの戦闘で遅れは取らない。

 

 

「はあっ!」

 

「ウォォオオアアアア!!」

 

「だりゃあ!!」

 

「ぐおおおおッ!!?」

 

 

 やがて、ジンジャーはドリアーテに一発、釘バットの一発をお見舞いすることに成功する。

 

 

「はぁぁぁぁあああ………!!」

 

 

 その際に生まれた隙で、ジンジャーが床を踏みしめ、全身に力を溜めた。

 ―――あいつのとっておきを…『アレ』を放つ準備だ。

 

 

「ジンジャー!」

 

「おう!」

 

 ジンジャーがバットを構え、周囲に三つの光玉が浮かび上がる。

 その玉に魔法弾を発砲。玉は……俺の弾丸を食らい、輝きが増した。

 

「トップギアで決めてやる!一発目―――シュートバースト!」

 

 ジンジャーが輝きが増した玉のひとつを釘バットで打った。

 飛んで行った玉はまっすぐドリアーテへ飛んでいき………彼女に直撃。

 

「ぬ…ぅううう! この程度……!」

 

 いや、違うな。受け止めているんだ。ジンジャーの全力フルスイングで打った剛速球を。しかも余力がありそうだぞ。このままだったら、やがて弾き飛ばされてしまう。

 だがこれでジンジャーのとっておきは終わりじゃあない。三つあるうちの一つしかまだ打ってない。

 

「しまっていくぜ、二発目―――メガバッシュMk31!!」

 

 続けて打たれた二発目。それは、さっきの一発目をようやく無力化したドリアーテに間髪入れずに飛んで行った。

 一瞬、ドリアーテの顔が驚きに染まるも、すぐさま防御態勢を取ったが、間に合わなかったようだ。剣状の炎が何本かかき消えている。

 ここにつけこまない理由はない!

 

「ジンジャー、今だ!!」

 

「わかってらぁ! コレで最後だ、よーく味わえ!!」

 

 ジンジャーがフルスイングの体勢に入ると、最後まで残った光の玉が大きく、より輝いていく。眩しくて前が見えない程に。―――そして。

 

 

アンブッシュスライダー!!!

 

 打った音は、果たして釘バットと光の玉だったか。もしかしたら、金属バットで金属ボールをはじき返した時の音の…30倍くらいか? の轟音が部屋中に鳴り響いて。

 

「ヌッ!!? グッ…グオオオオオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!?」

 

 

 二発目に気を取られて対応が遅れたドリアーテのみぞおち辺りに直撃。そのまま彼女を、ソラちゃんの部屋のガラス張りの壁まで運んだ。

 これぞ、ジンジャーのとっておきの必殺技『爆裂猛打三連撃』。だんだんパワーアップしていく必殺技を立て続けに放つ大技だ。今回は、俺の魔法弾で打球が強化された特別バージョンだな。

 

 

「ジンジャー」

 

「…なんだ?」

 

「まだいけるか?」

 

「当たり前だ。相手は不死身なんだろ? 今のでバテてたらやってられねぇよ」

 

「そっか。少しばっかり、前を任せてもいいか?」

 

「お前はどうするんだ?」

 

 俺はそれを確認すると、ジンジャーに前を任せようとする。どうする気だと問われるが、答えは一つ。

 

 

「ドリアーテを倒す術をアルシーヴちゃん達に話してくる。いま必要なのは……ソラちゃんの復活だ」

 

 

 俺の答えに頷いたジンジャーを信じて、アルシーヴちゃんの元に駆けつける。アルシーヴちゃんは、今までの『オーダー』の反動とデトリアさんがドリアーテだったショックで動揺している。それが手に取るように分かった。

 

 

「アルシーヴちゃん!」

 

「…ローリエ? どうしたんだ?」

 

「ドリアーテは不死身だ。だから、手を打つ必要がある。

 その為には、アルシーヴちゃんと………」

 

 

 だが、作戦が先だ。考えていたことを実行に移すのに必要な人を見つけて、手を掴む。

 

 

「―――ランプ。君の協力が必要だ」

 

 

 指名されたランプは、見て分かるくらいにはうろたえた後、チラッときららちゃんとマッチを見て……二人が頷くのを見て、口を開き―――

 

「―――! ……」

 

 何か言うのかと思ったら何も言わずに、強く頷いた。

 その行動の意味が気になるが、今は戦闘中だ。

 OKが貰えたんだから、それ以上追及する暇も必要もないか。

 

 

「それで、どうするつもりなんだ? 私とランプの協力が要ると言ったが……」

 

「ソラちゃんの復活だ。それ以外にはない」

 

「だが、それは―――」

 

「俺はランプを信じる。コイツの先生だからな」

 

 

 封印中の呪われたソラちゃんが、ランプの聖典で呪いが解けるのか?

 俺の知っている『きららファンタジア』では上手くいったが、今この状況でそれと同じ奇跡が起こるとは限らない。

 

 だが……俺は信じることにした。なぜなら、ランプは今、ここにいるから。

 偶発的な事故とはいえ、真実を知ってしまったランプは大きなショックを受けただろう。しかし、折れることなくこの子はここにいる。

 仲間がいたからか? 自分で立ち直ったのか? いずれにせよ、諦めて歩みを止めることなくここまで来たんだ。しかも……聖典の内容は、おそらくオリジナルよりも多い。ソラちゃんの呪いを解くには十分すぎる。

 

 

「………まったく。お前はなんで、ここぞという時に根拠がないんだ…」

 

「アルシーヴちゃん……えっとな―」

 

「…だが、悪くない。前代未聞だが、やらねばエトワリアを救えん」

 

「……!!」

 

「ローリエ、具体的にどうするんだ?

 足止めは召喚士とジンジャーがやってくれているが、限界はある」

 

「…いつもありがとな」

 

「まったくだ」

 

「で、だ。作戦内容なんだが―――」

 

 

 

 

 

「賢者も!女神も!!エトワリアも!!! まとめて消えろォォォオオ!!」

 

「―――ッ!!!? マズい! みんな、距離を取るかガードを―――」

 

 

 俺は、ドリアーテの絶叫に目を向けた。

 そしてその瞬間、奴が何をしようとしているのかを察した。

 なにせそれは、先ほどの戦闘で最大ガードの八賢者三人を吹き飛ばした凶悪魔法なのだから。

 

 

 

 

「ティタノマキア!!!」

 

 集まった魔力が、神々の大戦の戦火のような破壊をもたらさんと、俺達に襲い掛かった。




キャラクター紹介&解説

ローリエ
 不死身のドリアーテを討つべく、ジンジャーと協力して強化した必殺技で隙を作り、アルシーヴとランプの協力を取り付けた拙作主人公。真実を知っても尚、ここまで来たランプの強さを信じて、女神ソラ解呪に移る。ちなみに、この時点ではまだランプが声が出せない事を知らない。

ジンジャー
 ドリアーテが本性を見せる前からソラの部屋の前でスタンバっていた八賢者。ローリエと入れ替わるように前線へ出てきて、必殺技を食らわせる。ローリエと入れ替わるようにドリア―テに殴りかかり、接近戦を仕掛けていたようだが…?

千矢&巽紺&雪見小梅&ドリアーテ
 正体を暴かれた黒幕とそれに必死に食らいついた、きららに『コール』されたクリエメイト。あまりの粘着具合(ドリアーテの主観)に怒りがMAXを突破したドリアーテは、八賢者三人を吹っ飛ばした魔法『ティタノマキア』の再度使用を敢行した。
 千矢・紺・小梅のそれぞれのモチーフはそれぞれ☆5ナイト・せんし・まほうつかいの性能になっている。



爆裂猛打三連撃
 ジンジャーがゲーム内でも使う、代表的な必殺技。『シュートバースト』『メガバッシュMk32』『アンブッシュスライダー』を連続で放つパワーのゴリ押しを体現したものだ。ちなみに筆者は、『メガバッシュMk32』を長い間『メガバーストMk2』と勘違いしていた。

ティタノマキア
 ドリアーテが使用する、周囲を暴力的な破壊が襲う炎属性魔法。通路で使用した時は通路の外観を跡形もなく吹き飛ばし、八賢者三人をガード有りとはいえ遠距離まで吹き飛ばすほど。もちろん、代償がない道理はない。
 元ネタは『女神転生』『ペルソナ』のスキル。ギリシア神話で語られる大戦からとった技名でもある。



△▼△▼△▼
ローリエ「再び発動されたティタノマキア。どうする俺達!?」

セサミ「どうするではありません。防がなければ大ピンチ必至ではありませんか」

ソルト「しかし、召喚士もローリエも、タダで転ぶつもりはないのでしょう?……ソルト達が来るまでの辛抱です。しっかりしてくださいね」

次回『燃える魂と燃えない魂 その④』
ソルト「次回もお楽しみに。」
▲▽▲▽▲▽

一番印象に残ったオリジナルキャラは誰ですか?(ローリエは主人公なので除く)

  • コリアンダー
  • アリサ
  • ローズ&リリィ
  • サルモネラ
  • ソウマ
  • ビブリオ
  • セレウス
  • ナット
  • エイダ
  • 01型57号
  • ドリアーテ(デトリア)
  • その他
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