きららファンタジア 魔法工学教師は八賢者 作:伝説の超三毛猫
でも、急ぐあまり描写が雑になってはいけない……!そして皆には勝って欲しいけど、圧勝したんじゃつまらない……!!これが創作者のジレンマだろうか。
“ハッカさんの手当を終えて部屋に入った時、目に飛び込んできたのは、全身から血の気が引くような、そんな光景でした。”
…アリサ・ジャグランテの独白
時はほんの少々遡る。
神殿内を駆け抜ける姿が、そこにはあった。
まず、八賢者ローリエの助手にして呪術師のアリサ。
同じ八賢者のソルト、セサミ。セサミは、未だ意識が戻らない(爆睡中ともいう)シュガーを背負っている。
そして、復活を果たしたカルダモン。そして――先ほど合流を果たしたフェンネルがいた。
「アルシーヴ様の危機ですか……アリサさん、本当に信じていいんですよね?」
「お恥ずかしい限りですが、セサミ。ドリアーテが攻めてきた事は真実ですわ。わたくしを含めた八賢者三人でも抑えきれなかった事も」
「さっきの爆発の後、ローリエさんから通信がありました。ハッカさんとフェンネルさんと三人でドリアーテに挑み、爆発によって大きく吹き飛ばされたと。幸いけがはないようでしたけど……」
「八賢者が三人がかりでも勝てないドリアーテって、何者なんだろうね」
「分かりません。ですが、エトワリアの滅亡を企んでいるのと、女神様の部屋に向かっている事は確かです」
アリサは、女神ソラの呪いと封印…そしてそれらに関連した真実を未だ喋っていない。「ドリアーテが侵入したこと」「八賢者三人がかりでも止めきれなかったこと」「アルシーヴの元へ向かっていること」を中心に話して、同行を求めたのだ。他の八賢者は全員、仕える主の危機と聞いてアリサと行動している。
「ちなみになのですがアリサさん、貴方の上司になっている、ローリエさんは今どこにいるのですか?」
「きっと先回りしてもう女神様の部屋に着いているのではないでしょうか? …さっきから呼び出しても反応しません。意識があるのは先程確認しましたので……応じる余裕もない、とか」
「急いだほうが良さそうだね。あとはここを真っすぐ行くだけだし、走るよ」
一同は、走るスピードを上げて大広間の壊れた入口と女神ソラの部屋へ至る道を駆ける。
大広間を抜けた先で見たものに…全員が絶句した。
「な……何ですの、これは…!?」
「通路……だったよね? ここ…」
「壁も天井も吹き飛んでいます……!!」
そこは、フェンネル・ハッカ・ローリエがドリアーテと一時しのぎを削った戦場となった神殿廊下の面影は、全くなかった。
天井や壁は吹き飛び、床はガラス化して、地面が焼けている。
変わり果てた様相に、言葉が出ないアリサと賢者達。
そこに、声をかける者がいた。
「これは破壊の魔法・ティタノマキアによるもの。ドリアーテは危険。」
「ハッカ! ここにいたのですか!」
「先程到着したばかり。」
「無事だったんですね! ローリエさんから、爆発で吹き飛ばされたと聞いて……」
「ローリエの魔道具を含めた全力防御の結果。」
ハッカは、ドリアーテの力は危険だと警鐘を鳴らす一方で、自身は三人で協力してバリアを張ったから吹き飛ばされただけで済んだとアリサの質問に言葉少なに返す。
「先を急ぐべし。僅かに戦闘の音あり」
「……!! えぇ、そうですね、ハッカ。アルシーヴ様の身に何かあったら大変ですわ」
アリサは、先を急ぐことを促すハッカの、腕に視線を注いでいた。
………合流した時から、左腕を押さえる右手を。
「……皆さん、先に行っていてください。」
「アリサさんは?」
「ハッカさんと話があります」
ハッカ以外の八賢者を行かせると、すぐさまハッカの抑える手と服の袖をどかして腕を見る。
よく見れば、その腕はドリアーテに吹き飛ばされた時に怪我をしたのであろう。腕からの出血が指先へ伝い、下へ垂れているではないか。合流した時に誰にも気づかれなかったのは、ハッカが長袖かつ黒色の和風メイド服に起因していた。
「ひどい怪我……! すぐに治します!」
「心配無用。かすり傷なり」
「かすり傷にも毒が入ったら死ぬんです!大人しく治されてください!!」
答えを聞かずに、アリサは治療を開始した。
あまりにも一方的な理由とはいえ善意で回復魔法をかけ始めたアリサを、流石に振り払うわけにもいかず、ハッカはアリサの治療にしばし甘えることとなる。
◇◇◇◇◇
一方その頃、ローリエに前線を任されたジンジャーときらら、そして『コール』で召喚された千矢・紺・小梅は、ドリアーテの様子を伺っていた。
先ほど、ローリエの魔法弾によって強化されたジンジャーの必殺技『爆裂猛打三連撃』をモロに食らわせたのだ。相手が不死身とはいえ、すぐさま元通り、とは考えたくなかったのだろう。
「…………うざい。ウザすぎる…!」
「………チッ……化け物め」
舞い上がった土煙の奥から小さな声が聞こえたことで、ジンジャーは悪態をつく。
仲間の力をも借りて全力で放った必殺技だ。食らった後でも喋れるとは、タフさが段違いだと思った。
「エトワリアが邪魔だというのだ。黙って大人しく滅ぼされるのが筋というものだろうが……!!」
「なにを……言っているんですか…!!?」
「皆そうだ。不老不死になった程度で、化け物扱いして、あげくに封印までしようとする……!」
ドリアーテは、瓦礫を払いのけながら、そんなことを口にする。
年を取らなくなったことで、己が不利益を被ったのだろうことが伺えた。
きららやジンジャー、クリエメイト達が初めて知ることになった彼女の事情は…いったい、何を思って吐露しているのだろうか?
「そこまで化け物扱いするのなら……化け物らしく振舞ってやろう。
―――ただし、滅ぶのは貴様らだがなァ………!!!」
「何を言ってやがんだ。黙って滅ぼされろと言われて聞く訳ねぇだろうが…!」
「私たちのいるこの世界を……エトワリアを、あなたなんかに滅ぼさせはしません!」
死なない化け物としてエトワリアを滅ぼすと断言したドリアーテに、正論で返すジンジャーと純粋な決意で立ち向かうきらら。
「黙れ!!もう少しで、私の理想が叶うのだ! それを阻むというのなら―――!!!」
ドリアーテが魔力を集め始める。それは、きららやジンジャーにとっては初めて見たもので……しかし、これまでにない強大な何かの準備動作だと察するには十分過ぎた。
「賢者も!女神も!!エトワリアも!!! まとめて消えろォォォオオ!!」
「―――ッ!!!? マズい! みんな、距離を取るかガードを―――」
ローリエの声が聞こえた。
それを聞いて、ジンジャーはドリアーテから離れ、きららもクリエメイト達に防御を指示しようとした。
だが、一手遅かった。
「ティタノマキア!!!」
荒ぶる不死鳥の烈火が、彼女達に襲いかかった。
「………?」
きららは、想像していた爆発や熱が襲ってこないことが不思議に感じた。
目を開いてみれば……そこには。
「みんな………だいじょうぶ…?」
「なんて熱量なのでしょう……!!」
きららが倒したはずのセサミが、ジンジャーの前に立っていて。
自身が呼び出した千矢が、紺や小梅ごと守るかのように目の前で仁王立ちをしていた。
「せ、セサミ!! 大丈夫なのか!?」
「咄嗟に『ウォーターウォール』を張ったお陰です。…それでも、まさか蒸発されるとは思っていませんでしたが」
「千矢! まさか私達を…!!」
「こん…こうめ、ケガはない……?」
「こっちの台詞よ!! なんて無茶してんのよ!!!」
セサミはドリアーテのティタノマキアに対抗するべく、水属性の防御魔法『ウォーターウォール』を最大出力で発動したからか、ジンジャーを庇っても大した怪我はないようだ。
だが千矢は違う。防御力の高いナイトの力を持って『コール』された身であり、強化されているとはいえ……建物が下手すれば溶けるレベルの火炎の大魔法を複数人分、生身で受けて無事なはずがない。
元の世界に帰った千矢に影響はないとはいえ、千矢の身体は透け、実体を保てなくなっている。無茶した結果だ。もうすぐ、ダメージ超過で消えてしまうだろう。
「私達を、守ってくれたんですね」
「うん。さっきの…なんとなく、あぶないっておもったから」
「……ありがとうございます。そして、ごめんなさい…!」
きららは杖を振り、立ち往生した弁慶のように直立不動で笑顔の千矢を消した。ダメージ超過で消える寸前だったのだ。この戦いで彼女の力を頼ることはもう出来ないだろう。
「ハァ……ようやく一人…!」
「ドリアーテ……どうしてそこまでして、エトワリアを滅ぼそうとするんですか……! ユニ様の命を奪ったのも、ソラ様を呪ったのも……なんの意味があったと言うんですか……!?」
全身から噴き出す炎が消えかかったドリアーテを、きららが問い詰める。例え再び「これから死ぬ貴様に言う事はない!」と言われようとも、きららは問わずにはいられなかった。
きららは、両親こそいなかったものの、理不尽に何かを奪われた事はない。彼女の本質的な性格もあって、誰かを…自分以外の誰かを責めたことも、恨んだ事もなかった。
だが、きららの「答えてもらえないだろう」という予想は、意外にも裏切られた。
「……エトワリアは、私を“不死の怪物”と見ている」
「!?」
「私を否定し、追放し、封印しようとする!
死を超越した私に絡みつこうとする異常者どもにはもううんざりだ!
故に私は! こことは違う世界に行く! くだらぬ聖典やクリエメイトと無縁の世界で、頂点に立つ!! その為にも……貴様ら過去の亡霊は一匹残らず駆逐してくれるわッッ!!!」
ドリアーテが
「そんな…ことで、ユニ様やソラ様や、ソウマさんを……? 全部…全部、自分の為じゃないですか!」
「当たり前だ!! 人は誰しも、自分のために生きる! 私の願いは自由に生きること!ゆえにあらゆる手を尽くして世界を滅ぼす!! 偽善を掲げる貴様ら異常者とは違うのだ!」
自分が永遠に生き続ける為に、多くの人々を犠牲にしてきた事を棚に上げ、正当化するドリアーテ。自分達の……仲間達の思いを『偽善』とか『異常者』と一蹴したことで、きららの堪忍袋の緒が切れた。
「…………よく分かりました。
貴方は、自由になってはいけない事が。
貴方を許しちゃあいけない理由が。
エトワリアを守るため……私は貴方を倒します!! 『コール』!!」
目の前の不死の女を野放しにするわけにはいかない。
自分が今まで得てきたもの……仲間、絆、旅の記憶。それらを守るために、きららはその言葉を叫ぶ。
今まで、自分が使ってきた、最も信頼できる力の名前を。
『コール』に応じて現れたのは、水着のような恰好をした二人の少女だ。片や背の低い黒髪の少女であり、その胸は平坦であった。片やオレンジ色のハイビスカスの飾りが特徴的な金髪の少女で、その胸は豊満であった。
二人のクリエメイトの名は、一井透と日向夏帆。かつて、きらら達とエトワリアを冒険した個性的な二人が、せんしの力を得てここに現れた。
「夏帆さん、トオルさん……巻き込んでしまってごめんなさい。でも……」
「事情は大体わかるよ。るんちゃんや私のいる世界に、こんなの来て欲しくないしね…!」
「そうだね……私で良いなら、いくらでも頼ってよ!」
「ありがとうございます!!」
再び現れたクリエメイトを忌々しげに一瞥したドリアーテは、黒い炎の玉を放つ―――きららに。呼び出されるクリエメイトよりも『コール』を使う召喚士を明確に狙った、殺意ある攻撃だ。
だが、2つの剣閃が、殺意の黒炎を切り裂いた。
トオルも夏帆も水属性だ。炎属性とは、相性が良い。
「トオルさん、夏帆さん、ドリアーテに魔法を使う隙を与えないようにいきましょう」
「オッケー」
「攻撃を続けていれば、再生力が落ちます。そこを何とか突ければ……」
きららの言葉は厳密には「即死以外の傷を受け続ければ再生の火力が落ちるが、即死級の傷を受ければ再生力が元通りになる」という意味では違うのだが、十分的確であった。
きらら・紺・夏帆・トオルが四方からドリアーテに急接近する。せんしのクリエメイト達の剣が、ドリアーテに命中した。反撃の黒い炎やネズミ型の炎は、剣で弾くかきららがバリアを展開して防いでいる。
「オラァ!!」
「ッ!? ヌウウウウウウッ!!!!」
「ハァーーーーーーーーーッ!!!」
ジンジャーも負けていない。
釘バットで鍔迫り合いに持ち込んで、自慢のパワーで押しきりつつ、本命のキック。
内臓にダメージを与えられたかと思うのもつかの間、全身が燃え上がりながら再生した。
これが、吹き飛ばされてから立ち直るまでの間で行われるのだから、タチが悪い。
「……フゥ。さて、あと何年続ける?」
「ふざけた野郎だ!!」
余裕綽々なドリアーテに、再び肉弾戦を仕掛けるジンジャー。
だが、誰も気づかなかった。ドリアーテが余裕の笑みを浮かべている意味を、読み切れなかった。
「『ルーヴェンボルケーノ』」
「なッ―――ぐぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!?」
「「「「ジンジャー(さん)!!?」」」」
ドリアーテの手元から突如現れた存在――ドリアーテの背丈の2倍ほどの大きさの、炎の雄牛だ――それが、ジンジャーを撥ね飛ばした。
ドリアーテの隠し玉をジンジャーはマトモに食らい、宙を舞って床に叩きつけられた。
「じ、ジンジャー! 大丈夫ですか!!?」
「………くッ…油断した……!」
セサミが駆け寄ると、すぐさまジンジャーは上体を起こす。
しかし、全身が焼け焦げ、ススがついている。戦闘不能ではないかもしれないが、それでも大ダメージだ。
「私は別世界に行く用があるのだ。さっさと消し炭になるのだ……『ルーヴェンボルケーノ』」
ドリアーテの指パッチンの音が鳴る。すると……恐ろしいことに、先ほどジンジャーを撥ね飛ばした炎でできた雄牛が群れをなして現れたではないか!
現れた牛はどれもこれも人の背丈を優に超えていて、しかも今にも突進してきそうに鼻息を荒くしてこっちを見ている。
「―――負けるわけには参りません! 『デリュージカノン』!!」
セサミが水属性大魔法『デリュージカノン』を放つ。高圧の水流はドリアーテが出した炎牛の一匹に当たり、消滅させた。だが……ドリアーテの周りにはそんな存在がうじゃうじゃいる。一匹相殺したところで、戦況が変化したとは言いにくい。
「…くっ! 『デリュージカノン』でやっと一匹ですか。嫌になりますね……!!」
「だったら、協力してすべて倒すまで!」
「えいやー!!」
紺がトオルと一緒に炎牛に斬りこんだ。
だが、純粋な炎ではありえない、質量を持ったパワーで、雄牛は二人を押し返そうとする!
「負けないっ!」
「えいっ―――!!!」
そこに夏帆と攻撃力強化をかけたきららも参戦。
ようやく雄牛の歩みが止まり、4対1の押し合いにもつれ込む。
押して、押されて……やがて、勝利したのはきらら達だ。炎の雄牛は、形を崩し、やがて霧散する。
「よし、押し勝てたわよ!」
「4人がかりでコレって、なかなかだね」
「そうだね。それに――――あと何体いる?」
「――! みなさん、周りを警戒してください」
きららが注意を促す。
顔を上げれば……先程の、雄牛の数々が、きららやクリエメイト達、ジンジャーとセサミを囲んでいた。
「……いけるか、セサミ?」
「いけるも何も、突破しなければ明日はありません」
「……お願いします、クリエメイトの皆さん。それに、ジンジャーさんとセサミさんも」
「……小梅、闘牛ってどこの国だったかしら?フランス?」
「スペインね!そんなこと言ってる場合!?」
「あはは、ちょっと緊張ほぐれたかも」
「…行くよ!」
各々がそれぞれ軽く言葉を交わすと、エトワリアの未来を守るべく、炎の雄牛達に敢然と立ち向かった。
◇◆◇◆◇
ドリアーテが放ったティタノマキアは、きららちゃんもジンジャーも、それぞれ庇われる形で事なきを得たようだ。
それは、こちら―――後方でソラちゃんの封印を解くべく集まった俺達3人も例外ではなかった。
「アルシーヴ様、おにーちゃん、大丈夫…?」
「シュガー!ソルト!」
なんと、八賢者のロリ姉妹が、俺の危機を察知して自動で飛び出したリフレクタービットと一緒にバリアを展開してガードしてくれたのだ。
「これがティタノマキアか。確かに、まともに食らったらタダじゃあ済まないかもね」
「カルダモン、お前…!」
「あそこで燃えてるのがドリアーテで良いんだよね? アルシーヴ様の敵だって聞いたけど、なんできららと共闘してるの?」
「ドリアーテの目的がエトワリアを滅ぼす事だったからだ。オマケに先代女神の暗殺疑惑もある。世界が滅んだら、クリエどころの話じゃあないだろ?」
「……へぇ。ちょっと詳しく聞きたいな」
「後で教えるから、今はアイツ倒すの手伝ってくんない?」
「もちろん」
さらにカルダモンまで来てくれた。流れるように協力を取り付けることに成功すると、カルダモンはナイフを両手に持って臨戦態勢をとった。
「ご無事ですか、アルシーヴ様!」
「フェンネルも無事で何よりだ。」
「さぁ…ご命令を。私はアルシーヴ様の盾ですから」
「フッ………それなら、なにも聞かずに私達を守ってほしい」
「承知いたしました」
フェンネルも到着したようだ。真っ先にアルシーヴちゃんの元へ行き、彼女の命令に跪いて従う。
人も集まってきたことだ。きららちゃんやジンジャー、セサミがドリアーテの足止めしてくれている以上、今なら行ける気がするぜ!!
「アルシーヴちゃん! 今なら行ける!」
「あぁ。封印を解くぞ」
アルシーヴちゃんが杖に念じると、眠っていたソラちゃんの身体がひとりでに起き上がる。
そして、胸に南京錠と鎖のようなものが浮かび上がり、鎖がほどけ、錠は開いて消えた。
それが終わると、ソラちゃんが目を開き、意識を取り戻した。………封印が解けた、証拠だ。
「………これは…どういう状況なの?」
「…ソラ様。ソラ様をお救いする手立てが見つかりました」
「え…ほ、本当なの!!?」
「あぁ。まずはその身で確かめて欲しい。ランプ。ソラちゃんに日記帳を」
「――――――」
俺の言葉に何も言わずに頷いたランプは、日記帳をソラちゃんに手渡した。
「させるかァァァァァァァァァあああああああアアアアアアアア!!!!」
「「「「「「「!!!!?」」」」」」」
突然の絶叫に振り返れば、そこには炎を纏いながらこっちに突っ込んでくるドリアーテが。
バカな!? きららちゃん達はどうしたんだ!!?
「ソルト!」
「えぇ。させません!」
「ここは通しませんわ!!」
「邪魔だ!!『アドラスクレイモア』『ルーヴェンボルケーノ』!!!」
「「「!!!?」」」
通すまいと立ち塞がるシュガー・ソルト・フェンネルだったが、ドリアーテは炎の鷹と巨大な炎の牛を呼び出し、それぞれに襲わせた。
三人はひとりでに動物を象って襲ってくる炎に驚いてそっちに気がそれた。成る程、そうやってこっちに来やがったのか………!!
「その聖典を渡せェェェェェェェェェ!!!!!」
ドリアーテの手の中の炎が、波打った刃の剣の形になる。
マズい!! いま、ランプやソラちゃんに攻撃されたら、ランプの日記帳を燃やされたりしたら………エトワリアを守ることができなくなってしまう!!
………いや、そうじゃない。
させるものか! 絶対に守るんだ!! 今度こそ!!!
だって俺は―――
ランプも、ソラちゃんも死なせるわけにはいかない。
だから、俺は。
「―――ロー、リエ?」
「――――――ぇ、――ぁ…!!
――せ…先生ッッ!!!!!!」
……リフレクタービットを貫いてくるとは思っていなかった。
炎の剣は、二人の前に飛び出した俺の腹に突き刺さっていた。
キャラクター紹介&解説
ローリエ
ソラを復活させ、呪いを解こうとしたところで襲い掛かってきたドリアーテから生徒と親友を守るために自身の身を呈した男。構図は「ONE PIECE」の頂上戦争時のエースによく似ているが、凶器がマグマより低温なので、ソッチよりは軽傷ではある。
マダオ「不滅の炎も焼き尽くすのがマグマじゃあ…!」
ろーりえ「……………」
きらら&千矢&巽紺&雪見小梅&日向夏帆&一井透
ドリアーテに立ち向かった召喚士と彼女に呼ばれたクリエメイトの方々。千矢は二発目のティタノマキアでダメージ超過となりリタイアしてしまったが、それ以外は被害は軽微。そもそも、ドリアーテが召喚士メインで攻撃してきているため、呼び出されたクリエメイトのダメージは幸か不幸か少ない。
ジンジャー&セサミ&シュガー&ソルト&フェンネル
ドリアーテとの戦場に辿り着いた八賢者たち。セサミが特にドリアーテと相性がよく、ティタノマキアを全力防御ウォーターウォールで防ぎ、炎の巨牛をデリュージカノンで消滅させた。
ソラ
久々に復活した女神。呪いを解く手立てが手に入ったかと聞いてひと安心と思ったところで、見知らぬ燃える女に襲われ、結果的に幼馴染が炎の剣に刺されるというショッキングな光景を封印解除直後に見せられる。
Q.結局ドリアーテは何がしたかったのか?
ドリアーテの目的―――それは、『エトワリアとは違う世界(自身が不死身であることを知らない世界)に行き、そこを征服すること』『自身が不死身だと知っているエトワリア及びその住人を滅ぼすこと』この2つである。
その為に、先代女神ユニを女神交代のゴタゴタに紛れて病死に見せかけて殺害したり、ソウマを脅して女神ソラを呪うよう強要した(勿論、呪いの種類まで注文した)のである。
『オーダーで呼び出したクリエメイトのクリエを貰おう』というアルシーヴの考えも立場上知ってたため、盗賊団やサルモネラ、ビブリオやセレウスを使い、神殿側ときらら一行の妨害を同時に行っていた。
我々のいる世界に、こんな不死身の化け物が侵略目的に来るなど冗談ではないだろう。だから、きららやローリエ達はコイツに抗っているのだ。
Q.そんなことをしたら移動先の世界でも
彼女としては、裏から世界を支配するつもりである。そもそも、『魔法』がマトモに信じられていない世界で魔法で不死身になった存在を看破することなど、科学の概念をかなぐり捨て無い限り不可能。もしバレたなら、そいつを口封じすればいいだけのことだそう。
△▼△▼△▼
ランプ「先生ッ!お願いです、死なないでください!!わたしはまだ……先生にも、言いたいことがあるのに………!!」
ソラ「やっと、呪いが解けるって思ったのに……ここで貴方が傷つくというの!?お願いだから…死なないで!生きて帰ってきて!!!」
次回『わたしの銃士様』
ソラ「お願い……ローリエ………!!!」
▲▽▲▽▲▽
一番印象に残ったオリジナルキャラは誰ですか?(ローリエは主人公なので除く)
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コリアンダー
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アリサ
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ローズ&リリィ
-
サルモネラ
-
ソウマ
-
ビブリオ
-
セレウス
-
ナット
-
エイダ
-
01型57号
-
ドリアーテ(デトリア)
-
その他