きららファンタジア 魔法工学教師は八賢者   作:伝説の超三毛猫

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最終回まで泣くんじゃあないぞ……


“わたし達のために身体を張って戦ってくださった先生が、激戦から三日たちようやく起きたと聞き、部屋に入り込んだ時、ベッドから起き上がりこちらを見つめる金と橙の瞳が、眩しい陽の光を反射してわたしの視界にしっかりと焼き付いた。”
 …ランプの日記帳(後の聖典・きららファンタジア)より抜粋


エピローグ~勇者(意味深)の凱旋~
第89話:星と予感と新たな日常


 転送された先に見えたのは、闇だった。

 先程まで半壊の女神の部屋にいたドリアーテは、ここはどこだと周りを見渡す。

 ……しかし、それは無意味だ。なぜなら、上下左右360度見渡してみても、どこまでも続くような闇しか見えなかったからだ。

 

 

「(まぁいい……どこに送られようと、生きてさえいればいい……! 必ず舞い戻って、今度こそ滅ぼしてくれる!!)」

 

 

 ドリアーテは転送魔法を食らう直前の涙目から一転、不敵で下卑た笑みを浮かべて、これからの事を考えようとしたその時だ。

 ……彼女が、自分の体に異変を感じたのは。

 

 

「(な…こ、これは………………い…息が、できない………!!?)」

 

 

 いくら吸い込んでも、空気が入ってくる様子がないのだ。

 しかも、吐き出す空気が戻ってこない。

 そこでやっと、ドリアーテは自分がどこに送られたのかを理解した。

 

 

「(宇宙! そうか、ヤツめ、私を宇宙へ送ったのか! だが……いくら死んでも、クリエがある限り、地球へ戻るまで再生して―――)」

 

 

 ドリアーテはそのまま、炎を噴き出した反動で進む。

 だが、ドリアーテは忘れていた。ローリエがドリアーテを送る前に言い放った言葉の中に、こんなものがあったことを。

 

『ドリアーテ……そんなに、別世界に行きたいなら…行かせてやる……!』

 

 

 やがて、体が窒息し始め、常人なら意識を失い死にまっしぐらという状態になったドリアーテは、なんの躊躇いもなく自死を選んだ。全身が燃え上がったと思ったら、赤い丸のような炎になった。

 

 そして、体を再構築しようとした時に……ドリアーテは気づいた。

 

「(く…クリエがない!!? な、何故…!?)」

 

 そう。体を再構築する時に必要なクリエが、空気中(といっても宇宙は真空状態だが)から取り込めないのだ。

 ドリアーテが送られたのは、我々が暮らす世界によく似た、木月桂一が住んでいた世界である。そこでは、ファンタジックなものは大分否定されている。当然、聖典を開けば手に入るクリエがあるはずもない。

 

 そして……その事に気づいた時には……もう、取り返しのつかないミスを犯した後だった。

 

「(再生…できないっ!!? まさか、私はずっとこのまま……!?)」

 

 クリエがなければ再生もできない。唯の炎の玉から体を再構築する術が急に失われてしまった。炎を放出して、推進力を得ることも出来なくなった。

 

 

 ―――ドリアーテは、二度とエトワリアに…地球には帰れなかった。

 小さな恒星のような姿で、永久に宇宙空間を彷徨うのだ。

 死ぬ事は勿論、意識を失うことすらも彼女には許されなかった。

 やがて、悠久にも等しい時が流れ、どこまでも広がる壮大な宇宙の中、10等星にも劣る、小さく真っ赤な光を放ちながら………

 

 

 ―――ドリアーテは、考えるのをやめた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 ―――目が覚めたら、そこは首相官邸だった。

 何を言ってるのかわからないと思うが、俺も何が起こっているのか分からない。確かドリアーテとの戦いの中、負っていたと思った腹の傷も、どういうわけか塞がっていた。

 

 何で気付いたのかというと、前世の職場だったからだ。総理大臣・木月桂一。暗殺の一件があったから約二年しか働けなかったが、それでも国民の支持率もGDP・GNPも爆上がりした。そんな仕事をした場所だから、覚えてて当然だ。

 で、部屋にあった全身映る姿見で自分を見たところ、そこには全く無傷のローリエ・ベルベットが映っていたのだ。だからそう判断した。

 

 

「良かった、気づいたようだね」

 

「!!」

 

 

 突然かけられた声がした方を振り返ってみれば、そこにはかつての俺―――木月桂一が立っていた。

 髪も目の色もスーツも全て黒。ネクタイは喪に服してないからかワインレッドだったが、それでもほぼ黒一色だ。身長は木月の方が低い。でも、かつての俺だったという確信がある。

 

 だから、目の前に木月桂一が現れた事に違和感を抱いていた。

 なぜ、コイツが目の前にいるのか。なぜ―――

 

 

「…なぜ、死んだはずの木月桂一がいるのか。魂さえも、元女神ユニによって、ローリエと混ぜられた筈なのに……と。違うかな?」

 

「!!!?」

 

 

 当たり前のように心を読まれ、咄嗟に銃を抜こうとする―――が、ホルスターがあるはずの懐に、それがない。

 

 

「落ち着いてくれ。私は君と戦いに来たんじゃあない」

 

「…じゃあ、ここはどこだ? お前は一体………」

 

「………ここは、君の精神空間。夢の中といってもいい。

 で、私は…その女神ユニに混ぜられた、木月桂一の魂そのものだ」

 

「…ってことは、俺の本体は……」

 

「眠っているよ。怪我もほとんど治されているが、後は体力が戻れば目覚めるだろう」

 

 成る程。つまりここは俺の心の世界………『ペ○ソナ5』でいうところのパレスや『まちカドまぞく』でシャミ子が潜り込んでいた先天的無意識みたいな場所って認識でいいんだな?

 となると、よっぽどのことがない限り、俺自身に危害はなさそうだ。元の世界にも戻れるみたいだからひと安心か。

 

「……ユニ様によると木月、お前は…『オーダー』された直後は“半壊状態”だったって聞いたぞ? それがどうしてここにいる? 実は半壊してなかったとかか?」

 

「いや、それはない。私自身もその当時の記憶が曖昧だったし、君の記憶を通じるまで私が『オーダー』されてローリエと混ざった事も知らなかったから断言はできないが……おそらく、女神ユニは嘘をついていない」

 

「じゃあ、回復したとか?」

 

「ほぼ間違いないだろうね。なにせ君の体に20年もいたんだ。お陰でこうして君と話せるくらいまで回復したんだと思うよ」

 

 

 そうか。俺は木月桂一から生まれ変わったと思ったんだが、ユニ様の証言で木月と赤子の魂が混ざりあった結果ローリエが生まれた事が判明したからな。

 半壊した魂も俺の中で20年もかけて少しはマシになったのか?………ん?

 

 

「つまり……俺と木月は別物……?」

 

「そうだとも言えるし、違うとも言えるね。

 君は『私の記憶の影響』を盛大に受けて人格が形成された。でも…その影響は100%じゃあないはずだ。例えば君が女の子に執着するのは、私の人生の記憶だけじゃなく、今世の君の父上の影響も受けているはずだ。

 かくいう私も、君の知っている『私の37年の人生』に君自身の経験がプラスされて、より成長していると自覚しているよ。

 例えるなら、オリジナルのローリエという名の真っ白なキャンバスに私の経験という名の絵の具がぶちまけられた、という事になる。よく似た存在になって当然だ。でも、君は更にその上から君自身の経験という絵の具を塗りたくった。()()()()()()()()。私も『私自身の経験』と『君自身の経験』という絵の具は得られたが、塗り方は当然、君とは違う。同じ画材・色でも、塗り方次第で人物画にも風景画にも前衛芸術にもなり得るように」

 

「……………」

 

 

 つまり、アレか。闇マ○クや闇バ○ラ、あとは「魔人族の王子」としてのメリ○ダス、「鬼滅の刃」にちょくちょく出てくる、死んだ筈の人達が話しかけてくる現象………みたいな、そんなフワッとしたモンか。そう考えていると、また心を読んだのかフフッと苦笑された。

 

 

「……で、話を戻すが…なんの用なんだ?

 俺のハーレムルートのアドバイスか?」

 

「…その辺りの話は、いちおう大切な話が終わってからにしようか」

 

「大切な話?」

 

 

 なんかイラついたので話を戻しながらジョークを振れば、思いもよらない話題が浮かび上がってきた。

 

 

「まず質問するが、『きららファンタジア』……君がいない、アプリ版の物語の方だ。そっちで、いまだ謎の部分があったはずだ。それが何か、分かるか?」

 

「アプリ版の物語? 謎の部分?

 ………あ、『誰がソラちゃんを呪ったか』か?」

 

「そうだ。生憎、その謎が解明するアップデートが来る前に私が殺されてしまったからもう情報は得られないが………それでも推測はできる」

 

「…チョット待て、木月。それはもう明らかになった筈だ。ソラちゃんを呪った犯人はソウマ。しかし彼は、家族を人質にドリアーテに脅されていた。つまり黒幕はドリアーテだった。そうじゃあないのか?」

 

 

 なんだか不穏な話題になってきたから、ブレーキをかける意味でも話を遮る。ちょっとだけ不躾な真似だったけど、遮られた方の木月は、不快そうな表情や感情は一切せずに俺の言葉に頷いた。

 

 

「………ここでは、そうだった。君は完璧に敵を退け、ドリアーテからエトワリアを守った。

 だが……これで終わりと考えることは、私には出来なかった」

 

「なんでだ?」

 

「為政に“反対者”や“邪魔者”が現れるのは必然だからだ。

 政治に“反対者”は必要だ。アンチテーゼがなければアウフヘーベンは生まれない。肉類と野菜、好き嫌いせずにどちらも食べなければ健康を保てないのと同じだ。

 でも、“反対者”の中から『()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()』とか『()()()()()()()()()()()()()()()()()』とか『()()()()()()()()()()()()()()()()()』とかいう、愚……過激すぎる考えを持つものが現れる。そういった人間は、目的の為に手段を選ばないどころか、手段と目的を履き違えたり、先の事を一切考えず欲望を満たそうとする。それが“邪魔者”だ」

 

 

 まぁ、確かに…事を為すとき、どこかしらの誰かから反対が出るのはある意味当然といってもいいだろう。みんなが皆、100%同じ考えなんて持てるわけがない。

 そして、木月桂一もまた、その“邪魔者”に手を焼いた人生を送った政治家だったし、その記憶を俺も持っているので、気持ちは良くわかる。

 

 

「そして、そういった“邪魔者”が絶えることはない。血縁関係なんかとは違って、思想はより伝播しやすいからね。私と君(わたしたち)は、実力や策略を以て不当に仲間達を貶める“邪魔者”たちから彼女たちを守る準備をしなければならないと考えている」

 

「……キリがなさそうだな」

 

「一生向き合う問題だよ、コレは。油断はできないさ。

 大好きな『キャラクター』……失礼、大好きな人達が増えた今なら尚更だ。

 ……もう、真新しい墓前で懺悔などしたくないだろ?」

 

「……………っ、」

 

 

 図星を突かれた。言葉に詰まる。

 前世において、木月(おれ)が政治家を目指すきっかけになったのは、『大親友の殺害とその隠蔽』だ。当時の木月(おれ)は、復讐を果たすために突き進んだが、それ以前に殺された彼女の苦しみや辛さに気づけなかった自分自身を恨み、後悔した。

 

 例え、それが厳密には別人の記憶だったとしても、だ。

 俺の知る大好きな人達がそんな目に遭うなんて、絶対に嫌だ。

 

 

「まぁ、その話を抜きにしても、エトワリアは大人気を誇ったあの『きららファンタジア』の世界だ。

 私の死後、私ですら知らない新たなストーリーが更新されててもおかしくはない」

 

「………要するに、油断しないでアンテナ張り続けろってことか?」

 

「うん、そういうことだね。そこで、だ。

 私から君に発明品のアイデアを授けたい」

 

「自分自身にアイデアを送るのも変な話だけどな」

 

「ははは、そうだね。じゃあ、私の心を読んでご覧?

 私が君の心を読めたから、君にもできるはずだ。私に意識を集中して」

 

 

 嫌な予感を察しながら、俺は目の前の木月に意識を集中させた。

 すると、木月の心中が脳裏に送られてくる。

 木月の善意やみんなへの心配………そういったプラスの感情ののちに送られてきたのは―――やはりというべきか、物騒のひとことで片づけられないものばかりだった。というか、どれもこれもゲームやアニメで見たことあるヤツばっかだった。

 

 

「…………………キラー○シンってお前…キラー○ジン○ってお前……戦車ギ○レーもか………星○字○士団(シュ○ルン○ッター)の能力や『ネ○ま』の魔道具もある……極めつけはDNAで敵を区別するウイルス型ナノマシン………だと…」

 

 どれもこれも、たった一つでラスボス張れるんじゃね? ってくらいの凶悪な魔道具の設計プロットが送られてきた。だが考えてもみろ。こんなの全部世に出したら色んな意味でエトワリアが終わるわ。

 生前の木月は自重しなかったけど、もうちょっと手加減してくれても良いだろォ!?

 

「なぁ木月お前………実現できるか否かはおいといて、1000%ムチャクチャだろこんなの。もうちょいお手軽というか、オーバーしてないテクノロジーというか……ないの?」

 

「自重して何も守れず死ぬよりかはマシだよ」

 

「自重しなかった結果殺されても仕方ないだろうが」

 

 

 味方から刺されるのも嫌だぞ俺は。

 ただでさえ拳銃やルーンドローン、プロトバトラーやリフレクタービットがオーバーテクノロジーなんだ。これらが全部アウトとセーフの境界線を跨いでるようなモンだぞ? 木月考案のヤツなんて、もうほとんどアウトをぶっちぎったアウトじゃねーか。

 

 

「『アウトをぶっちぎったアウト』ね……命を守るためならば、その境界線なんて些事だと思わないか?」

 

「些事って言うなこの野郎。そのアウトをぶっちぎったアウトが人の命を脅かすんだよ、分かってんのか? でも核兵器の情報を送ってこなかったのだけは褒めてやる」

 

「ありがとう。流石にアレは永遠に封印されるべきだと判断したんだ」

 

「だよな! これに乗じて、もうちょいマシなアイデアを―――」

 

「それは私と君で考えていこう」

 

「チクショウ!!!」

 

 

 この後だが、木月とゲーム・アニメ談義をしていった。

 自分自身との対話にこの話題は変かもしれないが、なかなかない経験だった、とだけ言っておこう。

 

 

「最近のゲームは10股できる、とか生徒と先生の禁断の関係、とかあって刺激的だよね。

 P○4やSw○tc○がハードだと限りなく3Dに近いグラフィックだから尚更にね」

「わかる。ビアンカ・フローラ論争なんてもう遥か過去の話だもんな。10股するヤツ、バレンタインデーでボコされるけど」

「そうだね……ローリエ、悪いことは言わない。彼女たち相手にハーレムはやめるべきだ。ただでさえ一人で一騎当千するような子たちだ。下手な事をすればそれこそ命が5000兆個あっても足りない」

「分かってる。早いトコ、本命を決めないとな。でも、皆に幸せになって欲しいんだ」

「気持ちは分かるけどね……君、ジョー○ーやベ○トみたいに器用じゃあないだろう?」

「うっせーわい。お前も器用じゃあないだろが」

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 やがて木月との会話が一通り終わり、意識が遠くなる。もう一度目を開けると、そこは俺のよく知る神殿の天井だった。

 

 

「ローリエ!!!」

 

 

 最初に目が合ったのは泣きそうなアルシーヴちゃんだ。彼女の声でソラちゃんとハッカちゃんが来て、俺が目覚めたのを見たハッカちゃんがすぐに部屋を出ていった。きっと他の子を呼びに行ったに違いない。

 で、起きた時にアルシーヴちゃんとソラちゃんをまじまじと見たんだが………まぁ、酷いもんだ。

 

 

「…ドリアーテも酷い事するぜ。こんな可愛い顔を、火傷させやがって」

 

「一番重傷者のお前が言うな…!死んでいたかもしれないんだぞ!!」

 

「そうよ!! 傷を塞いだのに、3日間も寝込んで………もう、起きないんじゃないかって…思って………!!!」

 

 3日、かぁ。随分長かったな。木月とそこまで長く語らった覚えはないんだけど………と。アルシーヴちゃんとソラちゃんに抱きつかれながら、ぼんやりとそんな事を考えていた。でも、すぐに二人の頭を撫でた。

 

 

「安心しろ。俺は戻ってきた」

 

「このバカぁぁ………!!」

 

「ほんっっっとに心配したんだからぁぁぁぁ………!!」

 

 

 入り口に立っていたハッカちゃんに「内緒にな」と合図を送った後、離れようともしない二人が泣き止む……もとい、落ち着くまで、俺は二人を撫で続けていた。

 ―――二人のマスクメロンが当たって役得だったぜ☆とか微塵も考えてないからな?

 

 

 その後駆け付けたみんなによると、俺が寝込んでいる間に、色んなことがあったらしい。

 

 きらら達と賢者のみんなには今回の件を全て話していたこと。

 アルシーヴちゃんもランプ謹製の聖典を読んで、『オーダー』の悪影響はすっかりなくなったこと。

 崩壊した部分の神殿の復旧工事が行われていること。

 そして―――

 

 

「―――アリサが神殿に住む?」

 

「あぁ。彼女は元々山奥に暮らしていたが、唯一の肉親であった兄も……な?」

 

「なるほど……でも、アリサはそれでいいわけ?」

 

「はい。ドリアーテもいなくなった以上、どうやって生きていくか……ちょっと、分からなくなったので。

 神殿に住み込みで色々学びながらじっくり考えたいと思います」

 

「……………………そっか。」

 

 

 アリサは、神殿に入学し、「女神候補生」として学ぶことになったこと。

 ちなみに入学用のテストは既に受験&合格済みで、あまりの成績の良さにランプが嘆いていたとマッチが苦笑いしていた。マッチもマッチでミイラっぽくなってるが大事なさそうで何よりだ。

 

 その後、俺に『機密事項だったソラちゃんの呪いをきらら達に話したのではないか』という疑いがあった事が完全に落ち着きを取り戻したアルシーヴちゃんから告げられるが……

 

「俺はクリエメイトを部屋に保護しただけだよ。機密が書かれた本にもロックがかかってたし……パスワードもあった。狙って開けられるモンじゃあない。つまりな…()()()()()()()()。隠してたことが()()()()()()だけなんだよ♪」

 

 そう言えば納得してくれた。アルシーヴちゃんやフェンネル、セサミやジンジャーあたりは頭を抱えたりジト目だったりと「ズル過ぎるぞこの野郎」って顔をしていたけど……最終的に事情が事情だったため、有難いことに『謹慎1ヵ月』―――怪我の完全治癒が1ヵ月くらいかかるから実質的な『お咎めなし』という審判を頂いた。

 

 

「あ、そうだアルシーヴちゃん。ものは相談なんだが……これ着て看病してくれないか?」

「…………一応聞こう。これは?」

「ナース服。聖典にてかのフローレンス・ナイチンゲールが開発した、怪我人看護の為に生まれた由緒正しきものを、エトワリアにて再現したもの―――」

「ふざけるなローリエ。大人しく体を休めろ」

「しょーがないなー。じゃあソラちゃんに着てもらうしかないか」

「ソラ様がこんな破廉恥なもの着るわけないでしょう!いい加減になさい!」

「お、ンなこと言っていいのか?クリエメイトに聞けばナイチンゲールの名くらい出るぞ」

「ぐっ…………!!!」

「……ローリエ、丈が短いのは本当に再現なの?」

「……………………当たり前だろ」

「ねぇ、私とアルシーヴの目をみて言って♪」

「………………」

「やはりセクハラではないか!!」

「わーーーっ!待て待て!!腹はダメ!腹はああああああああああああああああいだだだだだっだだだだだだだだだアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!?」

「「「「「「「「…………………」」」」」」」」

 

 

 ―――そして、また数日の時が流れた。




キャラクター紹介&解説

ローリエ
 木月と会話し、第二部のメタ話をして未来の警戒をしつつも、今の神殿・居場所に生還した主人公。生還してもなおセクハラに余念がない。ちなみに、ナース服は最終決戦どころか賢者になる前に既に設計してあったとのこと。

ろーりえ「みえ…みえ…を意識しました!」
あるしーぶ「着ないぞ?」
そら「着ないわよ?」
ろーりえ「泣きそう」

アリサ
 女神候補生になった呪術師。母親が病死し、兄にも先立たれたために天涯孤独になった彼女を神殿が放っておくことは不可能であった。また、アリサももといた住まいすらも燃やされた為、戦いの後の身の振り方は地味に悩んでいたのだが、神殿に住み込むというソラの案を渡りに船と言わんばかりに乗った。

ありさ「NEETだけは回避します!」
そうま(霊)「………」

ドリアーテ
 ―――再起不能(リタイア)。宇宙空間で窒息死し、クリエの存在しない木月の世界であるためにクリエを補充できず、小さな炎の姿でしかいられないまま『ジョジョ』のカーズやマジェントよろしく考えるのをやめた。カーズは地球から追い出されたことを考えると、位置の特定はカーズよりも難しく、仮に地球から観測できたとしても、一握りの天文学者が「なァんだ、ただの10等星かァ」くらいにしか思われない。



△▼△▼△▼
ローリエ「――俺、復活!」

きらら「良かったです、ローリエさん。皆さん心配していたんですよ? 特にアルシーヴさんとソラ様なんか、毎日ずっとローリエさんの隣に―――」

アルシーヴ「言わなくていい!ローリエに余計な事を教えるなきらら!」

ローリエ「アルシーヴちゃん、そんな感じだったの!?…意外と可愛いね?」

アルシーヴ「うるさいッッ!!!」

ソラ「アルシーヴをからかわないの、ローリエ。さて、皆帰ってきたことだし、心置きなくお茶会ができるわね?」

最終回『「黒一点の」八賢者』
ソラ「次回も……お楽しみにね♪」
▲▽▲▽▲▽




































木月「……おや? 見つかってしまいましたか……まぁ、丁度良かったです。すこし、お聞きしたいことができまして。協力してくださいますか? ……なに、蛇足…つまり外伝のことです。」

「外伝の内容について…どのようなお話を所望か聞きたいんだ」

  • きららVSローリエ
  • アルシーヴVSローリエ
  • ハッカ、夢に潜る
  • 女神候補生アリサの新生活
  • 各キャラ結婚ルート
  • ハ○プリ○、ローリエと出会う
  • 木月桂一の人生
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