きららファンタジア 魔法工学教師は八賢者 作:伝説の超三毛猫
そう聞いて、貴方は何を思い浮かべますか?
アーサー王が渡った
永遠の若さと希望が手に入る
莫大な富が約束された
……それとも、正しき心の持ち主だけが辿り着ける
えー、という訳でお試し投稿・映画の予告MV風です。
第2部をベースにストーリー作っているので、当たり前のように『きららファンタジア第二部 断ち切られし絆』のキャラクターやネタバレを含んでおりますからそこだけご注意を。
それと、外伝の内容をアンケートした結果、以下の様になりました。
1位:各キャラ結婚ルート
2位:きららVSローリエ
3位:ハッカ、夢に潜る
4位:女神候補生アリサの新生活
5位:ハ○プリ○、ローリエと出会う
木月桂一の人生
7位:アルシーヴVSローリエ
とりあえずは1位の「各キャラ結婚ルート」を細々を書いていきたいと思います。まぁ必ずしも結婚というわけではないですが、要するにそれぞれのキャラ一人×ローリエってやつですね。2位3位以降は余裕があれば書いていこうかな~。
次作予告・Elysium
―――意識が闇に沈む。
一言でまとめるならば、そんな感覚がローリエを襲っていた。
何も思い出せない。何も分からない。
確かなのは、己の身体が何かから落ちていくような感覚だけだ。
『―――哀れだね、ローリエ』
男の声がした。
続いて、現れる姿。
黒髪・黒目に黒縁眼鏡、スーツ姿も黒とほぼ黒一色の無個性な男。
だが、その姿は覚えがあった。…なにせ、
『すべてを救うと息巻いて、徒にクリエメイトを苦しめ、最後にはきららの身代わりになっておしまい、か……?』
「うるせぇ。死人が今更なんの用だ……!」
『もはや沈んでいくだけの君を助けるのは不可能だ。パスを断ち切られたんだ、命綱なしでバンジースポットに放り込まれた状況に等しい。
でも……何故、君は諦めていないんだろうね?』
「何が言いたい……!!」
『…あぁ、焦らなくていい。君が諦めない理由など、問わずとも分かる。
大好きな「きららファンタジア」を穢されて、怒らないわけがないだろう?』
「!!!!!」
図星だった。
ローリエは、この世界を愛している。
女性にはやや遠慮がないが、それでも本質は変わらない。
たとえ図星でなくとも、ローリエは答えに窮した。
なぜなら、目の前にいる男―――木月桂一は、ローリエの前世だ。ローリエにとっての『もう一人の自分』である木月が、ローリエの心中を察することは容易いことを知っていたからだ。
『私ならば、リアリストを倒すことができる』
木月が、笑みを浮かべた。
『君が良ければ、なんだけどね―――』
そして、ある案を提示する――――――
◆◇◆◇◆
「移民キャンプ?」
「そうなんだ!最近現れた移動する理想の都!建都記念の超豪華式典も行われる、人助けのパレードみたいだぜ!嬢ちゃん達も行ってみたらどうだ?」
リアリストとの戦いが終わり、平穏を享受していたきらら・ランプ・マッチ・うつつ。四人は偶然耳に挟んだ『移民キャンプ』の話が書かれたチラシを男性から受け取ると、頬を寄せて覗き込む。
「うわぁ、うさんくさ……みんな、行くのやめない?」
「そうですね…うつつさんの言う通りかも…」
「聖典の新約版のバーゲンセールなんかもやってたなぁ、確か」
「行きましょう!!」
「ねぇ、いま行かないって言わなかった…?
いくら何でも手のひら返しがヒドすぎない?」
聖典絡みの話が出るなり食いついたランプに、面倒くさげに徹底して不参加を勧めるうつつ。自分自身に降りかかる災難を恐れているようでもあった。
きららは、いつも通りの二人を前に、穏やかに笑うだけだった。
だが。
「ローリエ先生が、帰ってきていない?」
「うん、そうなんだ。アルシーヴ様から探し出せって命令が出されてね。フェンネルやシュガー達と一緒にあの都市に行くことになったんだけど……」
「やだよぉ……完全に事件の予感だよぉ……」
ローリエが行方不明。
そんな事情を持ちアルシーヴに捜索命令が出されたカルダモンと合流し、八人目の賢者の心配をしながら移動都市へ赴くことになる。
『常若の希望が集う、幻影の都市・ティルナノーグ。
そこでは、人々が助け合い、平和に生きる理想郷が展開されていた。』
「す、すごい……!」
「うわ、なにこれ……ま、眩しすぎて直視できない……」
「何て言うか…完璧だね……うん…」
賑わう商店街。
笑い声が絶えない住宅の数々。
お互いに助け合う人々の姿。
絵にかいた理想がそのままキャンバスから出てきたような光景に、一同は言葉を失うが………調査を始めていくにつれ、彼女たちはその都市の姿に魅了されるようになる。
「うわぁ……すごいです! こ、こんなに聖典が!!はぁぁぁあああああっ!!!」
「えへへへ……陽キャの町だと思ってみたけど…住めば都、かも…」
「面白い…どれもこれも興味深いな」
「ねーソルト!今度はあっち行こ!甘くて美味しそうなお菓子が売ってたんだ!」
「ま、待ってくださいシュガー!まだお土産を買い切れていません!!」
「な…どうして、アルシーヴ様が……あぁっ、いけませんわアルシーヴ様、まだ…まだお昼なのに…!」
聖典の山に埋もれるランプに、陰キャ専用の施設に入り浸るうつつ。尽きることのない様々な娯楽に惹かれるカルダモン。古今東西百種のお菓子に夢中になるシュガーとソルト。そして、アルシーヴとの蜜月の時を過ごすフェンネル……
仲間が街の魅力に惹かれる中、きららは衝撃的な出会いを果たす―――!!
「―――えっ!!? は、ハイプリス……!?」
「……? 確かに私はハイプリスですが…私を知っているのですか?」
きららが出会ったのはかつてのリアリストを束ね、『リアライフ事件』を引き起こした黒幕であったハイプリスだ。
しかし、今の彼女に当時の雰囲気はない。髑髏の被り物をしておらず、深緑色のローブを身にまとい、行く先々の人々を手助けしながら、身構えたきららに本当に分からないといった様子で首を傾げた。
邪悪な彼女を知っているきららからしたら、ひっくり返るレベルでの人物の豹変だ。
……しかし、驚くのはまだ早かった。
「もう私は私の罪から逃げないの。残りの一生で、償うって決めたの」
「暴力からは暴力しか生まれない。私はそう学んだんだ」
「人助けもできて、お菓子も貰える。こんな良い生活他にないよねー」
己の悪事と向き合い、ひたむきに奉仕作業を行うヒナゲシ。
非暴力を唱えながら、喧嘩の仲裁をするリコリス。
心の底からの笑顔で、一汗かいた後のお菓子を齧るスイセン。
リアリスト達と戦ったきらら達からすれば、誰だお前らと異口同音にツッコむレベルで人格が変化している彼女たちに、動揺を隠せない。
改心したといっても、限度がある。中身だけが入れ替わったと言った方がまだ納得できるくらいであった。
―――しかし、衝撃はまだ、終わっていなかった。
そして……これが、空前絶後の事件のきっかけになる事も、まだ知らない。
『予期せぬ再会』
「―――やぁ、観光客の皆様。ティルナノーグは…私と『贖罪の聖女』達が作り上げた都市は気に入ってくれたかな?」
「ろ………ローリエ!?」
「その…格好は?」
「………あぁ、成る程。皆さん、詳しい話はこちらにて……」
きらら達の知るものとは口調も服装も全く違うローリエが現れる。
しかし彼は…己を『キヅキ・ケーイチ』と名乗った。
『残酷な真実』
「ローリエさんが………再起不能…!?」
「リアリストとの戦いでパスを断たれまして……私がいなければ彼は廃人まっしぐらでしたよ」
「じゃあ君は一体………?」
「正直に言うなれば……ローリエの、『前世』…ってところですかね」
ローリエの豹変の正体。
それは、リアリストとの戦いで受けた致命傷をカバーした前世の魂だった。
そして、キヅキは自身の目的を話しだす。
「ご覧になったでしょう?生まれ変わったリアリスト達を。
私達が作り出した『優しい世界』……誰も理不尽に何かを奪われる事のない世界で過ごした結果だ。
―――君達には、エトワリアがそんな世界に生まれ変わることを認めて欲しいんだ」
『真っ二つに分かれる仲間たち』
「それってさ、キヅキ。君の自己満足で人を洗脳してるだけじゃあないの?」
「兄さんに会える可能性が少しでもあるなら……私はそれを信じたい!」
「私はアルシーヴ様の盾。もし、アルシーヴ様がこのような現実を望まないのであらば……この命ある限り、アルシーヴ様の望むがまま従いますわ!」
「理不尽に何かを奪われない世界……か。もしそれが本当ならば、どれだけ良いだろうな。だが、奪われない事と引き換えに、何を失うってんだ……?」
「ソルトは…シュガー達のパパとママに会いたくないの!?」
「会いたいに決まっています!でも……だからってこんなの、間違ってます!」
「や…や、やめようよぉ……」
静かに自身の意見を述べるのは、カルダモンとアリサ。
面白いものが正しいという独特な価値観を持つカルダモンには、キヅキが『優しい世界』を口実に洗脳を行っているように見えたようだ。対してアリサは、二度と会うことの叶わない兄への想いを…少女らしい純粋な思いを口にする。
また、フェンネルとコリアンダーは明確に『こっち』と決めることが出来ていない。
フェンネルはいつもの様に「アルシーヴ様のお望みのままに」と言っている。だが、これは一種の盲信であり、思考の放棄と言われても仕方ないだろう。コリアンダーは未だ、「理不尽に何かを奪われない事」への代償・代価が何かが見定めかねており、すぐに決定する気配でもなさそうだ。
そんな4人に対して珍しく意見をぶつけ合わせてるのは、シュガーとソルトだ。
幼いながらも両親不在で苦労したからか、姿も知らない親への想いを口にする妹のシュガーと、世の中の柵を己にも言い聞かせるように語る姉のソルト。
お互いが血を分けて常に一緒にいた姉妹だからか、その様子に遠慮などは一切ない。
うつつが臆病ながらに言い争いをやめるように促すが、議論はヒートアップするばかりだ。
「きらら……どうするの、これ?」
「きららさん…そうだ、きららさんなら!」
「……………」
長い旅の中で芽生えた信頼が、ランプとうつつの心を光で照らす。
しかし。
「………ごめんね、二人とも。
私には……どっちが正しいのか、わからないよ……!」
「「…………」」
『今、最大の決断を迫られる―――!!!』
「ローリエを返してもらうぞ、英雄気取りの亡霊よ。
その身体は―――貴様が使っていいものではないッ!」
「アルシーヴ…君には私がそう見えるんだね……残念だ」
「例え貴様が何と言おうと……私の英雄はローリエのみ!」
アルシーヴの魔法とキヅキの兵器が衝突し、爆発を巻き起こす。
更に、ハッカが放った魔法符から放たれた攻撃を、ひとりでに動く石像が庇った。
その石像は一つに限らず、その全てがリアリスト達を象っているように見える。どうやら、石像もキヅキが造り出した攻撃の仕掛けのようだ。
『敵か、味方か!?』
月明かりに照らされたティルナノーグの移動要塞の屋上に、ひとり黄昏るローリエ………否、キヅキ。
そこに足音が響き、それに気付いてキヅキが振り返る。
彼の視線の先には―――覚悟を決めた。そう言わんばかりの表情をしたきららが立っていた。
風がお互いのローブをたなびかせる沈黙の中、先にそれを破ったのはキヅキだった。
『正義は、どこにあるのか?』
「―――よく来たね。
答えは、出たのかな?」
「…………キヅキさん、私は―――」
きららが、キヅキの問いに答えるべく口を開いた。
貴方の世界に、抗います―――
Q:なんだって!本当かい!!?
A:もちろんさぁ☆きらファン八賢者第二部、公開予定!震えて待て!!
Q:13月なんてねーよ!
A:すまない……具体的なスケジュールは未定なんだ…すまない……
Q:内容の急変更とかある?
A:ある。
ろーりえ「なぁ木月…この芽はなんだ?」
きづき「“理想郷の芽”だ」
ろーりえ「“理想郷の芽”?」
きづき「育てれば夢に描くような理想郷が生まれる木だよ」
ろーりえ「……それ、詐欺だったりしないよな?」
きづき「断言はできない。だが、もし生まれた理想郷が詐欺だと思ったなら……きっとそれは『思ってたのと違う』という感情だろう。多くの無辜の人々が救われる事実は変わらない」
きづき「君は………この芽に水をあげてもいいし、逆にこの芽を摘み取ってしまってもいい」
ろーりえ「……………」
〝理想郷の芽〟を……
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育てる
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摘み取る