きららファンタジア 魔法工学教師は八賢者 作:伝説の超三毛猫
ハーメルンでいろいろ作品見てるうちに自分でも書きたくなって投稿しました。ほぼ素人なので生暖かく見守ってくだされば幸いです。
それでは、物語の始まり始まり。
第1話:八人目の賢者
「次、ランプ!」
「はい……」
俺が名前を呼ぶと赤髪の女の子が返事をし、教卓の前へ進み出る。そして、テストの答案用紙を受け取ると顔を青ざめさせる。
「授業をマトモに聞いてれば30点は取れる筈だぞ。次は二桁乗るように。」
「すいません……」
俺がこっそりそう告げるとランプと呼ばれた少女は、壊滅的な点数の答案用紙を片手に、青い顔のまましょんぼりと自席に戻っていく。俺はそれを横目に次の生徒の名前を呼んだ。
俺の名前はローリエ。訳あってエトワリアの神殿にて教鞭を振るっている。
担当は魔法工学。簡単に言ってしまえば、魔道具の仕組みについて学ぶ教科だ。神殿では主に杖の魔術回路の構成・修理やオリジナル魔法の作成などの授業を行っている。
さっきのランプって子は俺の生徒の一人で、教師になってから初めての問題児だ。隙あらば聖典を読みふけり、授業を全く聞きやしない。……まあ、その甲斐もあってか、聖典学だけは優秀だから叱るに叱りきれないのだが。
……そう。聖典学だけは超優秀なのだ。女神ソラの目線から見たまんがタイムきららシリーズのお話について書かれているのを聖典といい、それを学ぶ教科を聖典学というのだが、その教科に限り、ランプは積極的&優秀になるというのだ。
アルシーヴが作ったテストに俺が悪ふざけ&イジワルで入れた
「メタル賽銭箱とミニ賽銭箱の違いを形状・材質・呼称の経緯に触れ説明せよ」
という問題に完璧に答えられたのもランプだけだ。
(ちなみに、この問題についてランプから『性格が悪い』と苦情が来て、アルシーヴからも『二度とやるな』と言われた)
これで他の教科も優秀……いや、人並みにさえ出来れば一番有力な女神候補なのに、と思う。
今回の魔法工学もどれだけ苦手な奴でも30点は取れるというのに、ランプは5点だった。俺でも取った事ないぞそんな点数。
「平均は62点だ」と告げ、問題の解説をして教室を出る。そしてそのまま神殿の大広間へ向かうと桃髪の美しい女性の後ろ姿を見かける。
この美人はアルシーヴといって、俺の上司にして筆頭神官だ。女神ソラの仕事を補佐している。
……でも、そんなの俺には関係ない。
だって。
「アルシーヴちゃーん!元気してるー?」
「ひゃああ!!?」
これくらい気安い間柄だから。
しかし、今後ろから不意打ちでブラホックを外したんだが、中々乙女なリアクションをするではないか。
「んふ~なかなかカァイイリアクションするじゃん、アルシーヴちゃん♪」
「ローリエ、貴様はいつも……!」
こちらへ振り向いたアルシーヴちゃんはいつものクールな筆頭神官とは思えないほど顔を真っ赤にしてこちらを睨む。
そんな顔して睨んでも可愛いだけだぞ。
さて、次は彼女の意外おっぱいを揉みしだいて……
と、考えていると俺のにやけ顔の目の前をレイピアが通り過ぎ、近くの柱に刺さった。
「ローリエ!!今度はアルシーヴ様に何をしている!」
「やっべぇまたうるせえ奴が来た……!
今日はまだブラホックを外しただけだ!
だから……」
「十分です!!貴様を断罪する!!」
「やめろやフェンネル!俺はアルシーヴちゃん専門の百合女と事を構えるつもりはねーんだよ!」
「説得力がありません!今度という今度はもう許さないからね!あとアルシーヴ様と呼びなさい!!」
怒り狂った翡翠色の髪をした兵隊風の女性ことフェンネルは、壁に刺さったレイピアを抜き俺に襲いかからんとそれを振り回しながら追いかけてくる。俺はそれに対して背を向け逃げることしかできない。
しかしこのフェンネルという女性、中々いいスタイルだというのに、アタマの中はアルシーヴ様一色である。流石は『アルシーヴの盾』を自称し、筆頭神官たる彼女の為に尽くす近衛兵だ。
……俺の想像していた盾とは違い、かなりアグレッシブな盾だったが。なんでこの女性は
なんて考えているとフェンネルが俺をめった斬りにするべく距離を詰めてきた。
相変わらずアルシーヴちゃんの事になると全力以上を出せるフェンネルに呆れながら、俺は
「あっぶねえ!!」
「私にはモロに当たってるがな!?というかローリエ、なんで私なんだ!?」
「手頃な防具が見つからなかったからだ!あと味方も!」
「思いっきり肉盾にする気満々か!今回も全面的にお前が悪いんだろうが!!」
文句を言うジンジャーをフェンネルの方向へ押してお見合いをさせることで時間を稼ぎ、角を利用して視線を切る。勝ったな。
そのまま走り続けること3分、やっと撒けたと思った瞬間……ゴチン、と。
「ぎゃああァァァーーーーッ!!?」
凄まじい重さと衝撃が頭に走り、床にたたきつけられた。
「……変態、成敗。」
「計算通りです。」
「流石、ソルトだね!ローリエお兄ちゃんの逃げた先を予測しちゃった!」
俺に叩きつけられたのは巨大ハンマーだ。
それで俺を叩いた犯人は口数の少なさからしてハッカだろう。ソルトとシュガーの声も聞こえたことから俺のやったことを知り、先回りしてきたものと思われる。またしても女性陣のチームワークにやられてしまったという訳だ。
この後、アルシーヴとソラによる説教で1時間ほど絞られる。これが俺の日常だ。
だが、俺は知っている。
この後、平穏な日常が一瞬で崩れ去ることを。
……女神ソラに呪いがかけられることを。
◇◇◇◇
ここで俺自身について話をしよう。
どういう訳か俺には、エトワリアの住人・ローリエとしての記憶の他に、別の記憶がある。
ビルに囲まれた都会の中で生まれ育ち、社会人として仕事をしていた記憶。
所謂ミリオタというものとして、マグナム型のモデルガン片手にサバゲーというものに参加していた記憶。
アニメや萌え系漫画が大好きで、特にきらら関連の漫画を読んだりアニメを見たりゲームをしていたりした記憶。
何十年生きていたのかは分からないが、大体こんな感じの記憶がある。
今、一番重要なのは三つ目に挙げた記憶。
俺はその当時、よく遊んでいたゲームがあった。
きららファンタジア。
まんがタイムきららのキャラクター達がほぼオールスターで登場するゲーム。
ストーリーモードにあった、数々の魅力的なオリジナルキャラクターがエトワリアで織りなす物語に胸を踊らせた記憶はもちろんある。
ここまで説明したらお分かりだろう。
俺は、このエトワリアが『きららファンタジア』の世界であることを知っている。
ランプが、アルシーヴの女神ソラ封印の瞬間を目撃することも。
それがきっかけで、きららと出会い、新たな『聖典』となる物語を編み出すことも。
……そして、アルシーヴが女神ソラを封印した理由も。
ソラは突然、何者かに呪いをかけられる。
「体からクリエが抜けていく呪い」。
エトワリアの住人は、クリエがないと生きていけない。
アルシーヴはやむを得ずソラを呪いとともに封印した。
その間、アルシーヴは呪いの解呪方法を探し、その結果呪いを解くには大量のクリエを入手する必要があると判明した。だが女神を封印した今、聖典を読んでも意味はない。故に、クリエメイトを直接呼び出すオーダーに手を出したってワケだ。
だが、一つだけ分からなかったことがある。
女神ソラに呪いをかけた張本人だ。
初登場時はローブを被っていたため、8章の終わりまででは誰が黒幕なのかが全く分からない。
ハッカから逃げ切り、女神ソラの封印が解けるまで雲隠れしていた人物。
エトワリアに前世の記憶というべきものを持って生まれ直した身としては、その黒幕を倒してみる、もしくは女神ソラへの凶行を防いでみるのも悪くない。
可愛い女の子を辛い目に遭わせた愚か者を成敗してやろうではないか。
言い忘れていたが、これは『エトワリアに紛れ込んだ独りの男が、原作8章でパーフェクト・グッドエンドを目指す物語』だ。
ローリエ「あぁ~、すっげぇ気持ちよかった!」
アルシーヴ「本当に何なんだお前は!」
フェンネル「まったくです。今すぐ切り捨ててしまいましょう」
ローリエ「ま、待て!主人公をいきなり殺すな!!幽○白書じゃないんだから!」
次回、『少年ローリエ』
ローリエ「絶対見てくれよな!」
きららファンタジアに登場する作品群の中の、次の作品の中で、最も皆様が好きな作品は?
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