きららファンタジア 魔法工学教師は八賢者   作:伝説の超三毛猫

29 / 131
シティーハンター見てきました。
冴羽リョウ超格好良かったなぁ……ああいう格好良さを持つ男になりたい。


“親友の二人には、迷惑をかけてしまいました。
一人は私を庇って一生跡が残る怪我を負い、一人は私を守って手を血で汚しました。
女神として、彼らに何ができるのでしょう。”
  …女神ソラの独白より


第4話:魔法工学生

 盗賊によるソラ誘拐事件。

 その終わりはあまりに拍子抜けしていた。

 

 

 誘拐されていたソラが戻って来たのだ。しかも、同時に誘拐されていた少女を一人連れて。

 

 街は始め、ソラが盗賊の隙を突いて脱走してきたと考えていたが、衛兵隊が盗賊のアジトを調べ、盗賊と衛兵一人の亡骸を発見してからは事態が急変した。

盗賊の亡骸の致命傷となった傷が額の小さな風穴だけだったこともあり、死亡原因の特定は難航した。

調査隊では「衛兵が盗賊と相討ちになった」という説と「第三者が盗賊を殺害した」という説で話し合いが行われたが、結局結論は出ず、真相が不明のまま時が流れていった。

 

 

 

 

 

 その当時のことを、女神ソラはこう語る。

 

「私はあの時、ハッカと震えていることしか出来ませんでした。ローリエが助けてくれなければ、命はなかったのかもしれません。

 

 でも、盗賊を撃ったローリエに、幼かった私は、お礼を言うことすら出来なかった。『独りにさせてくれ』と言われた時、恐怖のあまり彼の言う通りにしてしまった。あの様子の彼を、放っておいたらいけないと直感的に分かっていたにも関わらず。

 

 街に帰ってから後悔しました。お礼くらい言えば良かったって。せめてもの償いとして、ハッカに口止めをし、衛兵たちにも何も言わないことにしました。アルシーヴに事件のことについて聞かれても、『ローリエが守ってくれた』事以外は何度聞かれても答えませんでした。

そうして、時が流れて皆が盗賊の事件を忘れていくのを待ったのです。

 

 

 事件以降、私はローリエとはあまり話さなくなりました。……話しかけづらくなってしまったんです。だって、彼が変わってしまったのは、確実に私のせいなんですから……謝りたくても、何を言われるか分からなくて、怖かったのだと思います。彼のことは、信じているはずなのに。

 

 久しぶりに会話したのが、私の誘拐から3年たった頃の、フェンネルの事件の後だったかしら……

 その頃のローリエは……やっぱりというか、案の定というか………昔とは変わっていました。例えるなら、オモチャのナイフが、一流の鍛治職人によって切れ味を得たかのような……そんな変化が。」

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 時の流れとは早いもので、盗賊によるソラ誘拐事件から3年があっという間に経過した。

 

 

 俺、ローリエは魔法工学を更に勉強するために、神殿に住み込んでいる。

 神殿にある神官の教育。そこの魔法工学科に俺は入った。ちなみに、アルシーヴは魔術科、ソラは女神候補生として神殿にいる。

 

 神殿は広く、学生寮を有しており、その内の二人部屋に俺は今住んでいる。食事は基本、寮から出るが自分で何とかすることもある。

 

 そして現在、何をしているかというと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しゃァ!!完成だぜ!!」

 

「相変わらず元気だな。それで、今回は何を作ったんだ?」

 

「コレだ! テッテレ~!

 インスタントカ~メ~ラ~~!!!」

 

「毎回のようにそのくだりやるけど何なんだよ」

 

 

 相部屋に同居している同級生にダミ声でドラ○もんのモノマネをしながら夜なべして完成させたカメラを見せつけていた。

 

 エトワリアには小型のカメラがないらしく、持ち運びなど不可能だったらしい。だが、それでは可愛い女の子を撮る機会が十分に得られない。世界の損失である。

 そこで、俺は有り余る魔法工学の知識を用いてカメラをコンパクトにし、撮った瞬間カメラから写真が出てくる、小型インスタントカメラを作ったのだ。

 

 

「これでエトワリアの至宝の損失を防げるぜ……」

 

「お前は何を言っているんだ」

 

「いいか!このカメラというのは、いわば『時間を切り取れる』んだッ!女の子の、若い瞬間を、永遠に!代償もなく!保存できるんだッ!!

 アルシーヴやソラだけじゃないッ!!エトワリアの女の子はみんな可愛いッ!

 それを撮らない男は、男を名乗る資格なぞなぁいッ!!」

 

「分かったから落ち着こうか」

 

 

 そして、このインスタントカメラで可愛い女の子を撮ることに思いを馳せている俺に冷静に突っ込みを入れた同級生は、俺が神殿に住み込んでから出来た男友達だ。名前をコリアンダーという。

 

 神殿に入りたての頃、天才的な魔法工学の知識ゆえに孤立しかけていた俺に話しかけ、意気投合した結果信頼関係が出来上がった。

彼は真面目で女が苦手という、俺とは真逆の性格だったので、仲良くなれたことに俺自身も驚きだった。きっと、俺の発明を理解してくれたからここまで上手くいったんだろう。

 

前世の学校ではボッチだったので、今世もボッチは避けたいと思った矢先にできた友達だから、彼には感謝している。

 

 

 

「でもまぁ、普通に考えてスゴい発明だぞ?あのカメラの小型化なんて前例がない。お前、いつもトンでもない発明をするよな」

 

「マ、賢者になるためにゃ、これくらいやんなきゃだしよ。

 ……ところで、お前は何を作っているんだ?」

 

「これか。これはだな、とある人物に依頼されて製作してるモノだ。触れるなよ?万が一があるかもしれないからな。」

 

 一応コリアンダーが造っているものを聞いてはみたものの、樽のような形をした金属は、あまり精密なものには見えない。俺はこのことは頭の隅っこに追いやることにした。

 

 

 そんなものよりもやるべきことがこのローリエにはあるからだ。

 

 それは!

 

 

「美人ちゃんを写真に収めることだッ!!!」

 

「あっ、お前!迷惑だけはかけんなよ?」

 

「当然!」

 

 

 

コリアンダーの忠告をテキトーな返事で流しながら俺は部屋から走り去った。

 

 

 

 

 

 

 

 そうして着いた場所は、神殿の礼拝堂である。アルシーヴは、大体ここで魔術、聖典、筆頭神官の執務について勉強している。

 

 

「アルシーヴちゃーん!」

 

 

 カメラを構えつつそう声をかけて、こっちを向いたところでシャッターを押す。

カシャッという音とともに、写真がゆっくりとカメラから出てくる。そこには、テーブルについて教科書とノートを広げてこちらを向いているアルシーヴが映っている。

 13歳になった彼女は、俺の知っているゲームのアルシーヴに比べ、少し幼さは残るものの、十分に可愛さを備えていた。

 

 

「フッ………完璧だ、これでまたエトワリアの技術は進む……」

 

「なんだローリエ。いきなり来たと思ったらまた変なことを言って…………!!?」

 

 

 俺の言葉に呆れていたアルシーヴだったが、俺が手にしているカメラと写真を見た瞬間、何かを察したかのように目を見開く。

 

 

「お前、それは……!?」

 

「お?分かるか、アルシーヴちゃん。実はこれは、さっき造ったカメラだ」

 

「は!?

 あのカメラを小型化だと……?

 少しそれを貸せ!」

 

「あっ!?

 おい、あんま乱暴に扱うなよ……?」

 

「当たり前だ!」

 

 

目の色が変わった彼女はインスタントカメラをぶん取ってあらゆる角度から見つめていた。カメラを回し、フレームの取り外しを繰り返し、時にはシャッターを押して、出てきた写真を観察しては、さっきまで勉強で使っていたノートに原理を書き込んでいる。

 

 

「そんな珍しいもんかね?」

 

「ローリエ、それは本気で言っているのか?」

 

「え?」

 

「国宝級の発明だ。これだけで、写真技術は30年進むぞ。

……自覚なしに凄まじい発明を持ってくるなといつも言っている筈なんだがな。分かってるのか?」

 

「ああ、もちろんだよ」

 

 

 そう言って警告してる間もカメラから目を離さなかったのだろう。少し無防備になっている。

 

 

 

 そのチャンスを逃す手はない。

 

 

 

 

 俺は両手で彼女の胸を後ろからがしっと掴んだ。

 

 

 

 

「きゃああ!!?」

 

「うん、この前よりも大きくなってる。将来は国宝級の隠れ巨乳になるな……5、6年後に口説かせてあべしっ!!?」

 

「ローリエのエッチ!」

 

 

 ゲームの姿に思いを馳せながらアルシーヴちゃんの成長期おっぱいを堪能していると、国宝級のビンタが炸裂した。しかもいい声のオマケ付き。沢○さんありがとう。

 

 

「いきなり何をするんだ!」

 

「いやぁ、アルシーヴちゃん……毎度のことながらご馳走様です」

 

「本当に何を言っているんだ!!」

 

 

 お礼は言ったのだが、アルシーヴは顔を真っ赤にして抗議してきた。不意を付いてやったのがダメだったのだろうか。

 

 

「こんなことしてる暇が会ったらソラの所に顔を出しに行けばいいじゃないか!」

 

「!!」

 

 

 ソラの話題を出されて、俺は思わずたじろいだ。

 確かに、あの盗賊の事件以降、アルシーヴには会っていても、ソラには会っていない。俺は避けているのだ。別にイジメとかじゃないからそこは誤解しないで欲しい。

 

 ただ―――

 

 

 

「……あんな事件(こと)があった後で簡単に会いに行けるかよ…」

 

「………っ!!」

 

 

 あの事件の影響がない訳がない。事件後すぐに会った時のあのリアクション。話しかけようとしているのだけど、喉につっかえたように見えるあの反応。

それでなんとなく分かる。

 ソラは、男に対してトラウマを抱いているはずだ。俺が自分から話しかけなかったのも彼女のトラウマを思い出さないようにするためでもある。

 

 加えて、ソラが変わった原因が、盗賊だけでなく俺にもあるかもしれないことを、俺はアルシーヴに話していた。彼女に「盗賊に襲われた時、逃げて、守ってやれなくてごめん」と謝ったところ、複雑な顔で「お前は悪くない」と返されたのは記憶に新しい。

 

 

「アルシーヴ先輩、紅茶をお持ち……あ」

 

「あっ、き、君は……!」

 

 

 あの事件に再び触れるかどうかの会話の最中、そのタイミングで、今最も話しかけ辛い女の子と出会ってしまうとは、泣きっ面に蜂とはよく言ったものだ。

 その女の子――ハッカもまた、盗賊のアジトで出会い、そして、あの衝撃的な所を見せてしまった女の子でもある。俺は、あの怯えた目を忘れることはない。

 俺を目にしたハッカも、すぐに俺が盗賊を倒した少年と気づいたようで、俺を視界から追い出そうと目を泳がせた。

 

 すぐにあの日、怖がらせたことを謝らなくては。

でも何て言って謝ればいい?そんなことばかり考えていた。心が苦しくなっていく。

 

 

「? ローリエ、ハッカ?お前達、どこかで会った事があるのか?」

 

 

 しかも最悪なことにアルシーヴが爆弾を投げ込んできた。

おいやめろ、そんな質問答えられる訳ねーだろ。ファーストコンタクト最悪なんだぞ。アルシーヴには俺がハッカちゃんと会ったことがある事を伝えていない。それが完全に裏目に出た。

 

 

「「…………。」」

 

「顔色悪いぞ、二人とも。大丈夫か?」

 

 

そら顔色も悪くなるわ。大丈夫じゃないからな。

 

ハッカの方をチラリと見るとあの頃のことを思い出したのか目から光が失いかけてる。これは、俺がオブラートに包んで答えるしかないか。

 

 

「あー……実はだな、アルシーヴ?

俺と彼女…ハッカちゃんは……」

 

「アルシーヴ様に手を出したのは貴様かアアァァァ!!!!」

 

 

 突然、軽鎧に身を包んだ少女が弾丸のように俺のほうに飛んでくる。

 俺は反射的にその場から飛び退くことで回避する。少女は奇襲が失敗したことを悟り、スピードを落としてこちらを睨みつける。

 

 

「あっぶな!?何今の!!?

当たり屋にしては殺意高過ぎない!?」

 

「とぼけても無駄よ……アルシーヴ様の悲鳴を聞き逃すほど、このフェンネル、未熟ではないわ!」

 

 

 弾丸の如く襲ってきたその少女の言葉で、俺はその正体を察した。

 

七賢者・フェンネル。賢者達の中で一番アルシーヴを信仰しており、ランプをして「アルシーヴが黒と言えば白いものも黒と言う」と言わしめた狂信者だ。現在、俺が12歳だからアルシーヴは13歳なのだが、まさかこの頃からアルシーヴの虜だったのか……!?

 

 

「私と勝負しなさい。そして、私が勝てば、もう二度とアルシーヴ様に近寄らないと誓え!」

 

 

 フェンネルのアルシーヴ信仰が原作開始のかなり前から根深いことに驚いていると、いつの間にか決闘を申し込まれていた。

 だが、俺にそれを受ける理由はない。銃の腕を上げたり、銃の改良を続けているのは、いずれ訪れるソラへの呪い事件を未然に防ぐor犯人をぶっ飛ばす為だ。感情的に叩きつけられた決闘に勝つ為じゃない。

 

 

「嫌だよ」

 

 

 だから、はっきりと断った。

 

 ソラやアルシーヴの為なら戦えるかもしれないが、それ以外となるとまともに戦える自信がなかったのも断った理由としてはある。むしろ、戦いに慣れること自体良くないことだと思う。

 

 

「貴様!何故勝負を受けないんです!馬鹿にしてるのですか!」

 

「馬鹿にするもなにも、いきなり決闘とか無理に決まってるだろう?それに……」

 

「私が、女だから!決闘を受けないと言うのか!!」

 

「違う。戦う意味がないからだ。」

 

 

 フェンネルの言ったことは合っている。女の子からの依頼やデートのお誘いは受けても決闘の申し込みは受けないようにしてるんでね。

 でも決して理由はそれだけじゃない。繰り返すようだが、必要性を感じない戦いはするべきではない、と考えているというのも理由だ。

 

 

「まただよ、フェンネル。アルシーヴ様の為とかいって、突撃して。気持ち悪いな。」

 

「いつも俺達には注意するのにな。人のこと言えねーじゃねーか。」

 

「ウィンキョウ家のお嬢様だからって調子乗ってんのか……?」

 

 

 それに、今気付いたのだが、周りの様子がおかしい。フェンネルに対する敵意をひしひしと感じる。特に、ガタイのいい男どもから刺さるような視線を感じた。そいつらの敵意が、口から漏れ出ているかのような陰口がわずかに聞き取れたのがいい証拠だ。

 

 こんな時に決闘を受けたらヤバい気がした。

 

 

「落ち着け二人とも。いきなり決闘なんてよすんだ。」

 

 

 俺たちが一触即発の空気で睨み合い、周囲も不穏になる中、アルシーヴが仲裁に入ってくる。すると、すぐさまフェンネルはスイッチを切り換えたかのように感情を抑え武器を収めた。

 

 

「フェンネル。気持ちはわからんでもないが、怒りで決闘を申し込むな」

 

「申し訳ございません……」

 

「そして……ローリエ」

 

「ん?俺?」

 

「お、女の子の……その、む、胸は……乙女の宝物なんだ。だから……あまり何度も触るな……」

 

「「ふぁっ」」

 

 

 アルシーヴが俺に向けて言った、困ったような、照れたような、そんな表情と声色でする注意に、俺とフェンネルの驚きの声がハモる。しかも、肺の奥からでた変な声がハモった。

 

 

「可愛い……」

 

「何度も…だと……?」

 

 

ただしその後にくる感情(感想)が真逆といっていいほど違った。俺はアルシーヴちゃんの意外な一面に萌えていたがフェンネルの声は殺気を孕んでいた。

 

 

「貴様……やはりアルシーヴ様のために斬った方が良さそうだな……!!」

 

「待て、ウェイト。それはダメだぜ?止めた方が良いと思うなー?さっきのアルシーヴちゃんの言葉覚えてる?感情に任せて決闘すんなって……」

 

「問答無用ッ!!!」

 

「うわあああああッ!!?」

 

 

 説得も虚しく、フェンネルにレイピア片手に斬りかかられ。

 

 この後滅茶苦茶逃げまくった。

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

「……それで、追手を撒いてここまで逃げてきたのか。お前、学習してないだろ」

 

「えっへへー」

 

「えっへへーじゃない。いい加減にしないと、いつか捕まるぞ」

 

 

 依頼された物の制作を続けていると、親友のローリエが部屋に戻ってくる。何があったかを聞いた俺は、呆れ果てた。

 

 こいつは、女癖が悪すぎる。美人に目がなく、見かけたら片っ端から口説きにかかる。ぶっ飛んだ発明品の数々から感じる情熱や技術は本物なんだが、いつもがナンパ野郎(アレ)だからプラマイはゼロを通り越してマイナスに突入している。

 

 

「ところでコリアンダー、フェンネルについて何か知ってたら教えてほしいんだけど……」

 

「また俺頼みか。知ってる範囲でしか話せねえぞ。」

 

「それでいい。」

 

 

 ローリエは、学生の事情について無頓着だ。こいつの関心事は、自分の発明品と友人、聖典、あと美人くらいしかない。だから、こいつが誰かについて尋ねる時は大体俺の情報を当てにしている。いつものことなのでもう慣れた。

……少なくとも、こいつよりは生徒(まわり)を見ている自負はあるし。

 

「フェンネル・ウィンキョウ。ウィンキョウ家の末っ子お嬢様だ。学年は俺たちと同じ。神殿の騎士科に入っている。……というか、お嬢様なら顔次第でお前の好みになりそうだから知ってそうなものなんだがな」

 

「好きな女がいる女の子には手を出さないと決めてるんだ」

 

「なんだその決まりは……」

 

「百合は本来男の入る余地がないものなんだよ」

 

 こいつは時たまよく分からない事を言う。この時に深く聞かないのがこいつとの仲を保つ秘訣だと思っている。

 

「フェンネルは、アルシーヴちゃんをかなり信仰していた。何か心当たりはあるか?」

 

「ない。ただ、授業態度は騎士科に珍しく大真面目だったと聞くぞ」

 

 

 騎士科の生徒たちは、言い方を考慮せずハッキリ言ってしまえば授業態度などあったものではなく、無法地帯の徒となっている。生徒の9割を男が占めており、表向き授業は受けてるが、常にバレない裏取引の方法やイジメ、セックスの話ばかりしている。

中には崇高な志を持つ騎士候補がいるのかもしれないが、不良共の行いが多く、目に余りすぎているものだから、騎士科全体の印象ダウンに繋がっている。

 

「真面目……ね。あの騎士科で?

 さぞかし浮いたことでしょうな」

 

「ああ。その影響かは知らんが、別科の生徒と一緒にいることが多いらしいな。それがあのアルシーヴか」

 

「みたいだな。となると、アイツらがやりそうな事は……私刑(リンチ)かな?」

 

「可能性は高い。不真面目な連中の中にいる真面目な人間。それだけで奴らにとっては目障りだろうな。」

 

 

 しかも騎士科卒業後の就職先である衛兵・騎士・近衛兵なんかは男社会。女性が出世するのはかなり苦労するだろう。

 

 

「それじゃあ、騎士科の男をひとりとっ捕まえて情報を吐き出させるとしますか……!」

 

「出来るだけ穏便にな。お前の武器、未知な上に攻撃力高いから、無闇に使うなよ?」

 

 

 分かった、と答え部屋を出ようとするローリエの表情は、いつもの腑抜けたものとはうって変わって、研ぎたての刃物のような、鋭い面持ちとなった。

いつもそういうツラ構えなら、モテるのにな。

 

 

 

 

 

 

 

 部屋を出てから少しして、食堂についた俺達は、騎士科の男の集まりを見つけた。

 ほぼ自然な流れで隅に位置取り腰をかけ、耳をすませると、男たちの笑い声の混じった会話が漏れてくる。

 

 

「今日の授業後、裏庭だな。」

 

「俺が決闘を申し込んで戦う。少ししたらお前ら出てきて袋にしろ。」

 

「あの生意気女、二度と俺らに逆らえなくしてやるぜ…!!」

 

「バカ、声がでけーよ!」

 

「構いやしねぇよ、誰が聞かれてもあの女にチクるもんか!」

 

 

 こいつらには、警戒心というものがないのだろうか。食堂で笑いながら話してたら誰かに聞かれるかもしれないのに。

 罠の可能性もあったが、下卑た笑い声と話の内容から、あり得ないと結論づけた。

 

 

「行くぞ。」

 

「ああ。」

 

 

ローリエのその声で席を立ち、部屋へ戻る。

 

その際に気になったことを聞いてみた。

 

 

「なぁローリエ」

 

「なんだ?」

 

「お前、何でフェンネル(彼女)を助けようとする?」

 

 

 俺の質問にローリエは部屋前で立ち止まり、振り向いてこう答えた。

 

 

「美人がピンチなら、助けるのが男だからだ。」

 

 

 何ともローリエらしい答えに笑みがこぼれた。そのまま俺達は、戦いの準備を進めていく……




キャラクター紹介&解説

ローリエ
成長し、かなり女好きになった魔法工学生。イメージCVは○田○和。
彼にはちゃんとモデルがおり、メインのモデルに他のキャラの要素を混ぜ込んだ感じになっているのだが、そのモデルとも差別化を図る予定。


アルシーヴ
CV.沢○○ゆきの可愛い女の子。
原作でクールな彼女が「エッチ!」なんて言わないと思うかもしれないが、不意打ちだったし仕方ない。ボイスについては、某泥棒アニメの女盗賊を参照のこと。


ソラ
CV.ゆ○なの可愛い女の子。
今回は語り部として登場するに留まる。『バキ』的な語り部ではない。
オリジナル設定として、盗賊に拉致されたトラウマで男が苦手という設定を盛り込んだ。まぁきららファンタジアに男がほとんど出てこないので原作ソラがどうなっているかは確かめようもないが。


ハッカ
CV.茅○実○の可愛い女の子。
アルシーヴの取り巻き的な存在になっており、ローリエにとっては過ちの象徴と化してしまっているが、作者は一番好きな子なのだ。しかしヒロインにできるかと言われたら不明。


フェンネル
CV.五○嵐○美の可愛い女の子。苗字の元ネタは、香草フェンネルの和名「茴香(ウイキョウ)」から取った。
アルシーヴにのめり込んでいる彼女だが、相当な理由がなければこうはならないと考えている。詳細は次の話にて。


コリアンダー
本作オリジナルキャラにして、ローリエの男友達。イメージCVは○村○一。
オリキャラは、原作キャラと比べて性格描写や環境を掘り下げる手間がかかるので大変だが、空気にならないように頑張りたい。


騎士科の生徒の授業態度
大体偏見だが、一応元ネタがあって、フランス革命期の革命軍と王国軍のモチベーションの話から。
市民を中心とした革命軍は、家族を守るという使命感が強かったので勇敢に戦ったが、王国軍は、金で雇った傭兵が中心だったため、士気が低かったという話がある(うろ覚え)。
まぁ、兵隊に限ったことではないが、人のモチベーションが落ちると汚職や不正行為に走るのは世の常ではないだろうか。



△▼△▼△▼
ローリエ「真面目すぎて周りが見えない系女子フェンネルに、騎士の男の魔の手が迫る! ここは全年齢対象だからくっころは封印だ。俺が一肌脱いで、助けるとしましょうか!」

次回、『近衛兵フェンネルの神と悪魔』

コリアンダー「必ず、チェックして欲しい。」
▲▽▲▽▲▽


あとがき
やっとこの話を書けたと思ったら、執筆中の小説って所から投稿したためか、前書きとあとがきが全部消えてて萎えた。次から気をつけよう。

きららファンタジアに登場する作品群の中の、次の作品の中で、最も皆様が好きな作品は?

  • ブレンド・S
  • NEW GAME!
  • ひだまりスケッチ
  • がっこうぐらし!
  • Aチャンネル
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。