きららファンタジア 魔法工学教師は八賢者   作:伝説の超三毛猫

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“俺が女の子達を愛するのには理由がある。下世話な欲望だけじゃなく、ちゃんとした理由があったのさ。
まぁ、こんなこと書いても誰も信じないだろうが、自伝にくらいこういう事書いてもいいだろ?”
   …ローリエ・ベルベット 著 自伝『月、空、太陽』
    第1章より抜粋


第6話:ローリエの華麗なる日常

「じぃぃぃぃっ………」

 

「………。」

 

「じぃぃぃぃぃぃぃっ………」

 

「………。」

 

「じぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ………。」

 

「なあ、こんなの見てて楽しいのか?」

 

「うん、面白いよ。」

 

 

 俺は今、とある女子にストーキング……もとい、観察されている。エイジアンな格好をした、赤い髪の褐色系女子。名前をカルダモンという。

 ……そう、あのカルダモンだ。好奇心の塊にして、キャンプが趣味のアウトドア女子。そして、きららファンタジアでは第3章に登場した、賢者の一人である。

 

 彼女には、少し前にナイフを作る依頼をこなしてからというもの、興味を持たれたようだ。

 

 

「今度は何作ってるの?トランプゲームの台?」

 

「違うよ。別のゲームに使うものだ。」

 

「そっか。この前のゲーム、面白かったんだけどね」

 

「どれのことだ?ブラックジャック?ポーカー?それともスピード?」

 

「全部。どれも聞いたことないルールだったけど、楽しかったよ。ルール本は書かないの?」

 

「いいや。他にやることがあるから、まだ書かん」

 

「えー……」

 

 

 俺は制作物から目をそらさず、手を動かしながら勝手にベッドを占領しているであろう、カルダモンとそんな会話をしていた。コリアンダーは依頼の品が出来上がったとかで席を外している。

 飄々としており、掴み所がなく、それでもって持ち前の冷静さで学園生活部やきらら達を翻弄したが、本質は退屈嫌いな色んなものに興味を持てる()なのだ。そんな彼女を従えるアルシーヴは流石の一言に尽きる。多分俺のは発明品に対する興味が6割だろう。

 

 

 そんなことを考えている間に完成した。

 

「出来たぜカルダモン!見よ!

 テッテレ~!将棋盤~!!」

 

「なにそれ?」

 

 カルダモンは俺のモノマネをスルーして、身を乗り出してこっちを見てくる。現在マフラーをしていないため、首もとから奥がよく見える。

 ………フム、アルシーヴほどではないが女性の魅力は胸だけに非ず。カルダモンの場合は太ももがしなやかでかなり美味し……失礼、魅力的だ。(この間、0.2秒)

 

 

「駒を並べて、お互いに一つずつ動かして王を取る遊び。その、ゲームボードだ!」

 

「駒は?」

 

「もう作ってある!」

 

「よし、やろう!」

 

 

 カルダモンはベッドから飛び降りて、俺とともに出来たばかりの将棋盤に駒を並べ始める。俺の駒の並べ方を見て、真似するように並べていく。あ、飛車と角の場所が違うぞ。鏡合わせじゃないんだ。

 カルダモンが駒を正しく並べたのを確認して、さぁ、始めるか、と、そう思った時だ。

 

 

「ねぇローリエ」

 

「ん?」

 

「この、『飛車』とか『角行』とかってなに?」

 

「えっ?」

 

「あと、この……『銀将』とか、『金将』もよく分からないな……教えてくれないかな?」

 

 

 なんてこった。まさかのそこからか。

 

 カルダモンの話によると、「歩兵」や「王将」というのは雰囲気で何となく分かるらしいが、それ以外は聞いたことのない言葉らしく、誰も分からないだろうとのことだった。

 駒を分かりやすく作り直すということにして、対局はまたの機会に、ということになってしまった。

 

 

「悪いな。折角、楽しみにしてくれてたのに」

 

「いいよ。ローリエとなら、退屈しそうにないし。」

 

 

 カルダモンのその言葉に、自己史上初のスピードで手を取る。腰に手を添えて、顔を近づける。

 

 

「奇遇だな、俺もそう思っていたんだ。

 どうかな?今夜あたり、俺と一緒に、飽きない夜を…………ッ!!!?」

 

「そういう方面の『楽しいこと』は遠慮するよ」

 

 

 ……あ、ありのまま起こったことを話すぜ!

 

『カルダモンを口説いていたと思ったら、急にカルダモンが消えて、後ろから声が聞こえてきた上にナイフを突きつけられた』

 

 な、なにを言っているかわからねーと思うが、俺も何をされたのか分からなかった……

 

 頭がどうにかなりそうだった……

 

 瞬間移動とか超スピードとかそんなチャチな……いや、超スピードだけどチャチなもんじゃねぇ

 もっと恐ろしい3章のトラウマの片鱗を味わったぜ……

 

 

「両手を上に上げて、そのままベッドに座って」

 

 

 カルダモンの言うことに従いながら、すぐさまマジの考察に思考を切り替える。

 内容はもちろん賢者の実力についてだ。

 さっきはポルナレフ状態でボケたが、カルダモンの俺の背後に回るまでの動きは本当に何も見えなかった。

 俺の『ソラちゃんに呪いをかける奴を捕まえる』という目標を達成するには、賢者にならないといけない。

 それに必要なのは、実力だ。発明の腕だけで選ばれるとは思っていない。一応、拳銃の練習はしているが、それだけでは些か不安である。

 

 確かに拳銃は強力だ。そもそもエトワリアにそういう武器がないので、一目見ただけで何が起こるか見抜ける人は皆無だろう。まさか金属の弾が音速で飛んでくるとは誰も思うまい。その時点で、拳銃はある種の『初見殺し』となっている。

 でも、それを攻略されてしまったらただのカカシ、では少し頼りなさすぎる。せめて武器がなくても戦えるようになりたい。それがこの前、フェンネルをリンチしようとした奴らを返り討ちにした感想だ。そのためにも、拳で戦う師匠みたいなのが欲しい。

 

 

「………ローリエ?」

 

 

 そこまで考えた所で、カルダモンの声が俺を思考の海から引き上げる。彼女はもう入り口のドアにいる。

 

「…!

 ああ、悪いカルダモン、考え事してた。」

 

「えっちなこと?」

 

「違うわ、強くなる方法だよ。なんでそう思ったの?」

 

「だって、さっき私の服の中覗いてたでしょ?

 バレてないと思った?」

 

 

 やばい。カルダモンにそう言うことがバレると、ほぼ確実に誰かに言いふらすので口止めしないと、と思った瞬間に「また来るよ、じゃーねー」と言い残して部屋から去った。追いかけようとしたが、部屋から出た時点で見失ってしまった。あいつ足早すぎだろ。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 その後、俺はカルダモンから報告を受けるであろう、フェンネルから(あらかじ)め逃げる事も兼ねて神殿の外れ、森の奥に作った、射撃場にて射撃の練習を行っていた。

 

 今回の練習はピンホールショットと跳弾である。某シティーハンターやイタリアのギャングがバンバンやっているが、実はこの二つ、かなり難しい。なぜかというと、拳銃というのは、連続で発砲すると、銃身に熱がこもり、弾丸が変化し、軌道が毎回微妙に変化するのだ。その微妙な変化が、着弾時に大きな着弾地点の変化に繋がるからである。俺も1年ほど前から練習しているのだが、一度も成功したことがない。

 

 

 今日も基礎練習を終え、そんな高難易度の技術の練習を始めようとした時、誰かの気配を感じて、すぐさま『パイソン』を懐のホルスターにしまった。

 拳銃というものが広めてはいけないものと知っている以上、練習風景も誰かに見られるのもマズい。森を切り開いて作った射撃場は見られても誤魔化せるが、練習風景を見られるのだけは避けなくては。

 

 そう思い周りを注意深く見回すと、木々の間から、それは見えた。

 シャツとホットパンツの上から学ランのような上着を羽織っている少女が、シャドーボクシングをしていた。俺には、その人物の正体が一目見ただけで分かった。

 ジンジャー。未来の賢者のうちの一人にして、言の葉の樹の(ふもと)にある都市の市長でもある人物だ。剛胆で豪快、街の平和と市民の幸せを第一に考えられる、政治家の鑑のような人でもある。きららファンタジア(ゲーム)では、第5章に登場し、比類なき物理攻撃力できらら達と戦う。俺も初見で必殺技を食らった時は、パーティが半壊するさまを見せつけられて度肝を抜かれた。

 

 そんな物理特化の賢者(予定)の演武を俺は木の陰から見させてもらうことにした。

 なんというか、一つ一つの動きが洗練されている。しかも、それが流れるように連続で繰り出されており、これが達人の技かと納得できた。そんな感じでジンジャーの演武に見入っていると、演武がひと段落ついたところで彼女は近くの岩に置いてあったタオルを手に取り汗を拭きながらこっちを見ている。

 ……あれ。見てたのバレてる?

 

 

「おい、そこのお前。私になにか用か?」

 

 あっ、これ見つかってるわ。茂みから出てきて挨拶するとしよう。

 

 

「悪い悪い。たまたま見つけて見入ってたわ。

 はじめまして、俺はローリエだ。」

 

「ジンジャーだ。それで、こんなところで何をしてたんだ?」

 

 

 来た。この質問は、いつか誰かに聞かれると思っていた。

 考えてみて欲しい。もし、学校の同級生が、毎日のように裏山や、ビルの路地裏などの、人目につかないところに日常的に入っていっているのを見たら。もし、人目につかないところから、同じ学校のヤツが出てきたら。お前、何してたんだ?ってなるだろう。それと同じだ。

 

 だから答え(カモフラージュ)を既に用意してある。俺は、ポケットから手のひらサイズの機械をジンジャーに見せた。

 

 

「これの試運転をしていたんだ。」

 

「なんだこれは?」

 

「センサーだよ。」

 

 

 ジンジャーには、カメラにつけることで、人が通ると自動的にシャッターが押される仕組みであると伝えた。彼女は機械の詳しい説明を聞くのは苦痛だろうと思ってひとことで説明を終えて、あとは実演した。

 こんな感じで、俺は射撃場に行くときは、いつも持ち運べる発明品を持ち歩くようにじている。何してるのと聞いたヤツにはそれを取り出して試運転だと言えば大体信用してくれる。これが俺が用意した答え(カモフラージュ)である。

 

 更に俺は、原作(みらい)のため、もう一つの作戦を実行する。

 名付けて、『ジンジャーを師匠につける大作戦』だ。

 

 

「でも、こういう発明だけじゃなくて、体も鍛えないと、と思ってるんだけど、やり方がわからなくって……あ、そうだ!ジンジャー、色々教えてくれないか?」

 

「ああ、いいぜ。私でよければな!」

 

 

 よし、成功だ!ジンジャーは拳での戦闘に最も明るいはずだから、OKを貰えて良かった。前世で見た通りの、面倒見の良い性格だから、悩んでいる人の力になろうと思うはず。そう思ってジンジャーの市民に好かれる理由である性格を少々利用させてもらった。許せ。

 

 

「……その代わり、私の半径1メートル以内に近づくなよ?」

 

 あれ?

 

「…? な、なあジンジャー、それってどういう……」

 

「分かっているはずだろう?カルダモンから聞いたぞ。

 私でよこしまな事を考えたら承知しないからな」

 

「しないよ!絶対しない!猫っぽいから面白い事はするかもしれないけど、変な事は絶対しないから!」

 

「おい!お前今なんつった!?」

 

 

 ここで作戦が失敗したら、俺の目標が遠のく。だから折れるわけにはいかない。拝み倒してお願いしまくってでもこの作戦は成功させたかったので良かったと内心安堵している。

 

 

 修行の内容?あまりにもキツ過ぎて、ここに書くとその時の辛い記憶がよみがえるから勘弁してほしい。ただ、一つだけ言えることは、室内で発明と魔法ばっかりやってたヤツが、武闘派の本気についてこれるはずがなかった、ということだ。後に俺向きに改良されるワケだけれども。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「今日も筋肉痛か、ローリエ。本当にお前は、世話のないヤツだ。どうせ、また色香に誘われたんだろ?」

 

「そんな訳ねーだろ!ただ強さが欲しかっただけだ!…イデデ……」

 

 

 ジンジャーから修行を受けた翌日。

 修行開始から数日は経ったが、案の定というべきか、情けないことにというべきか、俺は全身の筋肉痛に苦しめられていた。しかも、コリアンダーの奴、ジンジャーが可愛いから修行を受けたと思っていやがる。親友を信用できないのかコイツは。

 

 え、信用してるからそう思ったんだって?いらないよそんな嫌な信頼は。

 

 ジンジャーに師事してもらったのには明確な理由があるんだよ。

 そもそもジンジャーは、可愛さのベクトルが違う。アルシーヴやソラ、カルダモンやセサミのような「抱きたい」要素のある可愛さと違って、ジンジャーの可愛さは、人が飼い猫に向ける感情のような、そんな可愛さだ。というかまんまソレだった。

 現に、休憩中に猫じゃらしを見つけて目の前で揺らしたり、帽子にマタタビを振りかけたり、差し入れのおにぎりの具をササミやマグロっぽい赤身魚にしたり、ネズミ型木製魔道具を視界の端でチョロチョロさせたりと、そういう猫系のイタズラは大方やった。その結果、ワッハッハと笑いながら腹パンされたり、追い掛け回されたり、修行がハードになったりした。マタタビの時は理性が吹っ飛びそうだったとのことで、「マジでふざけんな」とガチトーンで怒られた。

 

 

「そんなんで大丈夫なのか、このあと図書館にいくんだろ?」

 

「ああ、残念なことにな」

 

 

 賢者のなり方はここに来て分かったことなのだが、功績を挙げるだけではダメみたいで、筆頭神官が交代する時、前任者と新任者、そして女神の三人で決めることなのだそうだ。

 ……お察しだろう。ちょっとマズいのだ。アルシーヴに認められなければならないのだ。今、俺はアルシーヴからの好感度は低めなので、ここいらで画期的かつ斬新な発明をしなければいけない。そのためのヒント探しに今日は、図書館へ行く予定だった。

 

 でも筋肉痛がヤバイ。

 

 

「だぁぁが!筋肉痛程度で、断念してたまるかってんだ!ふんぬぬぬぬぬ……!」

 

「無理すんなよー」

 

 

 コリアンダーのどうでもよさげな心配の声を背に、俺は移動(戦い)を始めた。

 

 

 

 

 

 

「やっと着いたぜ……!痛ッで!?」

 

 普通なら5分程度の図書館への道を20分かけて移動した俺は、扉から入ってすぐのカウンターに寄りかかる。道中の階段が一番キツかった。エレベーターかエスカレーターが恋しくなったほどに。早く椅子を見つけないと色々ヤバい。

 

 

「あ、あの……大丈夫ですか?」

 

 

 椅子を探している俺に、カウンターから声がかかった。声がした方へ振り向くと、声の主は青い髪をして、端正な顔にモノクルをかけた女性だった。()()()()()()()()()()女性で名前は知っているが初対面の(てい)で言葉を返すことにする。

 

 

「俺は大丈夫…ただの筋肉痛だから……イデデ……き、君は?」

 

「私はこの図書館の司書をしているセサミというものですが……大丈夫そうに見えないんですけど…足が生まれたばかりの小鹿以上に震えているんですけど…」

 

「君は優しいんだな……じゃああそこの椅子まで肩を貸してくれないか?」

 

 

 図書館の椅子の一つを指さしてそう頼むと、分かりました、といって快く肩を貸してくれるセサミ。でかい。今の服装もゲーム同様あぶない水着の上からローブを羽織った格好である。でかい。しかし、本当に優しいものだ。前世なら、こうやって見知らぬ人に肩を貸す人など稀だろう。でかい。できるだけ彼女のことは見ないように前を向いたり、目を閉じたりするが、やっぱりチラ見してしまう。でかい。しかも近い。

 はっきり言おう。筋肉痛に耐えて図書館(ココ)に来て良かった。

 

 

「おいローリエ、何をしている?」

 

 

 そんなラブコメ主人公並みのイベント中に聞きなれた声がした。見ると目的地の椅子の近くに本の山に埋もれかけているアルシーヴがいた。入口付近からはちょうどアルシーヴの座っていた場所が見えない死角になっていたようだ。シット!

 

 

「あ、アルシーヴちゃん…!?」

 

「アルシーヴ先輩、この人を知ってるんですか?ローリエってあの“恐怖のセクハラ男”の……!?」

 

 

 ローリエと聞いた途端、セサミの様子がおかしくなった。これはもしやアレか、悪評だけ知ってるパターンか。あとその新宿あたりで聞きそうな不穏なあだ名は何だ。

 

 

「早くそいつから離れたほうがいいぞ、セサミ。お前相手ならこいつは確実に手を出す!」

 

「アルシーヴ、余計なこと言わんでいいから!!」

 

「は、離れてください!もう一人で十分椅子まで歩けるでしょう?」

 

「ば、バカ!筋肉痛なのは本当なんだって!うわわ!!?」

 

「「きゃああああ!!?」」

 

 

 どんがらがっしゃーん、とセサミが急に離れたことと筋肉痛で足がもつれた俺はいろんなものを巻き込んですッ転んだ。

 

 

 

 

 

 

 筋肉痛プラス激痛で意識が無理やり戻された俺は自分は転んだんだ、と自覚する。今の俺には本が体に落ちてきたってだけで大ダメージだ。とはいえいつまでも倒れてる訳にもいかないから立ち上がろうとして、気付く。

 両手に伝わるこの柔らかい感覚はなんだろう、と。

 神殿の床はまずない。膨らみはないし、何より温かい。

 じゃあそれらしき置物はあっただろうか? ……いや、なかった。周りにあったのは、山ほど積まれた本くらいしかなかった。あとはアルシーヴとセサミがいて……

 そこで思考に待ったがかかった。

 

 ウソだろ?そんな伝説の(スーパー)ラッキースケベ男みたいなT〇l〇veる(事故)、あるのか?試しに指を動かしてみる。俺のピンクがかった脳細胞が考えついた可能性を確かめるために。

 

 

「んんっ!?」

「あっ……!?」

 

 

 ……結果、二種類の艶やかな声が返ってきた。あ、コレは確定だわ。

 顔をあげて両手をみると、右手にアルシーヴの、左手にセサミの、それぞれの胸を鷲掴みにしていた。

 何がどうしてこうなった?転んでからこうなるまでを思い出そうとしても、なぜか思い出せない。謎のスタンド能力(キング・クリムゾン)でも受けてたかのようだ。おまけに手が胸から離れない。筋肉痛か、はたまた別のスタンド能力か……

 どちらにせよ、俺にはこの黄金体験(ゴールド・エクスペリエンス)を無駄にすることはできない。むしろこういう時は、離れないと考えるから駄目なんだろう。

 

 

「そうだ、逆に考えるんだ……離さなくても…揉んでもいいさと……」

 

 

 

「駄目。論外。」

 

 

 自分に言い聞かせるように口に出した言葉に後ろから答えが返ってきたことに驚いた俺は、振り向く瞬間に頭から重いものが叩きつけられ、図書館の床に再び倒れる。筋肉痛でボロボロの体にトドメを刺された。

 なにが起こったのか分からず、叩きつけられたものを見てみると、それは、いつかコリアンダーが製作していた、金属の樽のようなものによく似ていた。そこから柄が生えていることでようやくそれが大きなハンマーだと分かる。その柄を目で追っていくと、柄の端を握っていたのは、和風メイド服を着た、ハッカちゃんであった。

 

 

「は、ハッカちゃん……なんでこんなものを……」

 

「依頼した。コリアンダーの力作。」

 

 

 似てるどころか同一の品だった。つまりコリアンダーは、ハッカの依頼でハンマー(コレ)を作っていたのか。どんな意図があったか知らんが、コリアンダーめ、許さん。後でとびっきりの美女たちに囲まれた場所で、一人置き去りにしてくれる。

 

 

 そんなことを頭の中で思いながら、この後ソラちゃんを含めた4人からみっちり説教されまくった。

 

 

 

 

 




キャラクター紹介&解説


ローリエ
カルダモンをナンパしたり、ジンジャーに猫系イタズラのオンパレードをかましたり、セサミのでかいモノをゲットしたり、ポルナレフになったりジョースター卿になったりしたセクハラ男。前書きの苗字の由来は、月桂樹(ローリエ)のドイツ名、『ロールベールブレッター』より。ラッキースケベを体験したことにより、結城〇トのことを笑えなくなった。

カルダモン
ローリエのスケベ被害者その1。でも彼の発明する物やゲームが見たことも聞いたこともないため、興味を持っている。
きらら世界のトランプって大体ババ抜きや大富豪くらいしかないと思う。理由としては、女神の書く「聖典」には、きららっ娘たちがババ抜きをするシーンがあっても、ギャンブル染みたトランプゲームをするシーンがないと(独断で)思ったからだ。そういうシーン、ないよね?あったらスミマセン。

ジンジャー
ローリエの被害者。セクハラはされなかったが猫扱いされていた。
彼女自身が豹人族とストーリーで明言していたことから、ヒントを得た。豹もトラもライオンもみんな猫科だから、猫じゃらしには弱いはず。

セサミ
ローリエのスケベ被害者その2。あぶない水着を常に装備しているのは、彼女が暑く、海の近い国の出身だからではないだろうか、と考察してみるが、彼女の種族については明言されていない。

アルシーヴ
ローリエのスケベ被害者その3。図書館にいたらセサミとローリエにバッタリ遭遇し、運の悪いことにそのままおっぱい揉まれちゃった人。少しづつ情報を小出ししていくシステムを公式が採り始めたので、作者は致命的な矛盾が出ないかとビクビクしている。

ハッカ
ローリエのスケベ制裁要員。ハンマーでローリエを成敗するシーンのモデルは、言わずとしれた冴羽リョウと槇村香のやりとりから。でも、これからはローリエのスケベに対して制裁する方法はバリエーション豊かにしていく予定。

コリアンダー
ちょこっと登場。ハッカが使ったハンマーを製作し、ローリエからしょーもない逆恨みを買った。美女の中に取り残されるのは、ローリエにとってはご褒美だがコリアンダーにとっては地獄の宴。彼には強く生きてもらおう。

ピンホールショット
一度空けた弾痕の穴にもう一度弾丸を通すように撃つこと。現実ではかなり高難易度の技である。これを行う『某シティーハンターとイタリアのギャング』についてだが、前者は『シティーハンター』を、後者は『ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風』を参照。アニメのギアッチョ戦は燃えた。

伝説の(スーパー)ラッキースケベ男
転ぶたび女の子の色んなところ(意味深)に突っ込むことに定評のある『Toloveる』の主人公・結城リトのことである。なぜああなるかは作者も疑問であるが、あの展開を思いつける原作者様は偉大である(色んな意味で)。



△▼△▼△▼
ローリエ「さぁ待ちに待った筆頭神官交代の儀が始まるぜ!」
ジンジャー「大丈夫なのか? 賢者は演説するらしいぜ?」
ローリエ「問題ない。原稿はアルシーヴちゃんに渡した。あの名演説で人々を煽動してやろうじゃんか!」
ジンジャー「いや、煽動しちゃダメだろ!?」

次回、『賢者昇格、女神誕生(前編)』
ローリエ「見逃すなよ!」
▲▽▲▽▲▽


あとがき
 実は投稿直前に書いてたデータが全部消えて萎えました。まじで泣きそうだった。
あと、諸事情により、投稿ペースが今年一杯は落ちると思われるので、早めに読者の皆様にお伝えします。

きららファンタジアに登場する作品群の中の、次の作品の中で、最も皆様が好きな作品は?

  • ブレンド・S
  • NEW GAME!
  • ひだまりスケッチ
  • がっこうぐらし!
  • Aチャンネル
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