きららファンタジア 魔法工学教師は八賢者 作:伝説の超三毛猫
…ランプの日記帳(のちの聖典・きららファンタジア)より抜粋
※2020-5-22:ビブリオのイメージCVを追記しました。
「……ディーノさん、やっぱり…
「偏見デスよ、ローリエサン。イタリアの銃規制は、
俺の手を掴んだのは、ディーノさんだった。
「……で、話ってなんだい?」
「貴方のこと、夏帆サンから聞きマシた。
……命を救ってくださったそうデスね?」
なんと、そんな事を話していたのか、夏帆ちゃんは。
殺されかけた記憶なんて、下手すりゃトラウマになりかねないというのに。
夏帆ちゃんの方を見たら、こちらの視線に気づいた夏帆ちゃんが話しだした。
「ローリエさんがエトワリアの平和を乱す筆頭神官の部下だって聞いた時はびっくりしたよ。でも、私を助けてくれた事は事実だから……」
「……夏帆サンだけじゃありません。秋月サンや美雨サンを見つけてくださったのも、ローリエサンですよね」
「ああ」
「ワタシや麻冬さんをドローンを通して見守っていたのも、神崎さんを救出する時にクロモン達を引き受けたのもローリエさんデスよね」
「………よく見てんな」
「仮にも店長デスから。それに…今回のオーダーは神殿は関わっていないそうデスね?」
「ああ。すべてビブリオが勝手にやったことだ」
「……ワタシはその言葉を信用しマスし、どんな意図があれスティーレの店員を三人も見つけて、守ってくれた事に感謝していマス。」
ディーノさんはビブリオを一瞥してから、俺を真正面から見つめ結論づけた。
「だから……ワタシは、貴方に手を汚してほしくありまセン。ましてや……あんな人間のために。」
それは、
……最初からビブリオを
「ディーノさん。俺はもとより、クリエメイトの前で人を殺すつもりはありません。
でも…貴方の言う事も一理あります。もしこんなヤツ撃っちゃったら………俺の
……というワケだ、ビブリオ。大人しくしておくことだ」
パイソンからトリガーに指をかけた人差し指以外を放す。ぶらん、とパイソンがぶら下がり、それは懐のホルスターに戻された。
「よ、良かったです……ローリエ先生、本当に撃っちゃうかと思いました…」
ランプがため息をひとつ。それは、クリエメイトの総意でもあるかのようで、ディーノさん以外のスティーレの店員も、同時に胸を撫でおろした。
「はい、苺香さん。手錠、外せましたよ」
「ありがとうございます、きららさん」
「これで、私達は帰れるってことね」
きららちゃんと苺香ちゃんのそんな会話が聞こえた。そろそろ、お別れの時間なのか。
「スティーレのみんな。元の世界に帰る時なんだけどね……ここでの記憶は忘れ去られてしまうんだ」
「ええええーーーーっ!!? イヤですぅ! ライブの記憶を消したくありません!!」
マッチの最後の説明にひでりくんがワガママを言う。
でも、そうも言ってられないでしょ。
「記憶は無い方がいいんじゃないか。今回、『オーダー』で呼ばれた間の記憶は、ちょっと過酷だっただろう?」
特に苺香ちゃんと夏帆ちゃん。とまでは言わないが、スティーレの大人たちは俺の言葉の真意をなんとなく理解したようだ。4人とも何も反論しないあたり、彼ら彼女らに異論はないようだ。
「待ってよ!」
しかし……反論の声があがる。夏帆ちゃんだ。
「じゃあ……私がローリエさんに助けられた事も、ゲーム談義も、きららちゃん達も、みんな忘れちゃうってこと!?」
「……おそらく、ね。」
夏帆ちゃんの不安を、マッチは肯定する。悲しい気持ちは分からなくもないけど、怖い記憶なんてない方がいいんじゃあないだろうか? 世の中、知らない方が幸せな事など掃いて捨てるほどある。
―――でも、だ。
「大丈夫です、夏帆様。わたし達はまた会えます。
だって……きららさんがいますから。」
彼女達が得たものが、まったくもって無駄だったわけでもない。
ランプが夏帆ちゃんの手を取る。きららの『コール』があれば、再びエトワリアに参上することが出来る。そう考えれば、彼女達はかけがえのない『絆』を得られたとは思う。
「でもランプちゃん、私―――」
俺も、人の心は忘れたくないものだ。空いている夏帆ちゃんの手を両手でとり、ありのままの気持ちを口にする。
「大丈夫、夏帆ちゃん。」
「ローリエさん……?」
「人はな、一度あったことは忘れないのさ。ただ、
『飯を食べた記憶はあっても、何を食べたか思い出せない』みたいなことがあるだろ? アレと一緒さ」
「……!!」
「帰った後で、いい思い出を思い出せるようになるように祈ってる。
夏帆ちゃん………イイ女になれよ。5年後くらいにお茶でもしようぜ」
「……もうっ! 最後の
いい笑顔でそう言う夏帆ちゃんが、光に包まれ始める。早くしないとみんなが帰ってしまう。俺もスティーレの皆に言いたい事は全部言わないと。
「麻冬さん。今度『コール』で呼ばれた時は色々お話させてください。今回はあまり会話が出来ませんでしたから」
「あら、目線を合わせるなんて紳士らしい事できるのね。でも、軟派な男は好きじゃないの」
「はは、手厳しいなぁ」
「美雨さん。今度は貴女の……『花園フォルダ先生』の同人誌についてじっくりお伺いしたい。」
「あら、いいですよ。なんならアリサちゃんも――」
「それは駄目」
「ひでりくん、アイドル活動、精進しろよ。応援してるからな……主にランプが。
秋月くん、怪我には気をつけな。特に足の」
「ローリエさんも盛大に応援してくれてもいいんですよ? カワイイボクの名前をエトワリアにまで轟かせて――って腹パンはやめてェ!!?」
「なんか俺だけ雑じゃねーか?」
「ディーノさん……………苺香ちゃん、絶対ゲットしろよな?」
「ちょっ!!? ろ、ローリエサン…!?」
「苺香ちゃん、超いい女だからな。モタモタしてるとかっ攫われるぞ。俺は応援に徹するが、他の野郎どもは保障できん」
「………………は、ハイ……絶対、ものにしマス…!!」
あとは苺香ちゃんだけ、という所できららちゃんとランプがディーノさんと苺香ちゃんの前に進んでいる事に気づく。
「苺香さん、ディーノさん。お二人は、随分お互いを信頼しているんですね」
「はい。店長さんがいなかったら、ここの仲間に会うことすら出来ませんでしたから」
「ワタシも…苺香サンをスカウトできて良かった。お陰で……毎日が幸せデス!!!」
苺香ちゃんの言葉に、鼻血を流しながら涙目で感動しているディーノさん。言葉だけを見ればそれなりに感動できるはずなのに、ディーノさんの鼻血ですべてが台無しである。
「苺香様、ディーノ様、スティーレの皆様……!
どうか…どうかお元気で!!!」
「きららさん、ローリエさん、ありがとうございました!」
「ローリエさんのこと、絶対忘れないから!」
「いつでも、『コール』で呼びなさい。きっと力になるわ!」
「みなさん、またいつか!」
「ボクのこと、忘れないでくださいね!」
「きらら達も、頑張れよ!」
「きららサン、ランプサン、マッチサン、ローリエサン、アリササン、お世話になりました!!」
ランプが涙でぐしゃぐしゃになりながら手を振る。俺やきららちゃんもそれに倣う。スティーレのみんなも笑顔で手を振りながら、光に包まれて消えていった。これで、ようやく俺にとっては大番狂わせの物語―――メタ的に考えると4.5章というべきか―――が終わった。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
未だにスティーレのメンバーとの別れの余韻に浸っているランプをよそに、俺ときららちゃん、マッチとアリサの4人を沈黙が支配する。
「アリサ。ビブリオの書斎へ行って、例の件の調査をしてきて欲しい。俺はこの二人に用事がある」
「は、はい」
最初に沈黙を破った俺は、アリサに証拠探しを頼んで、実質的な人払いをする。そして、きららちゃんとマッチに向き合う。
「さて……スティーレの皆が帰ったことだし。
――色々聞きたいこと、あるんじゃあないの?」
一人と一匹は、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
これからの物語の知識と『オレンジ髪の女の一派』の情報。最大限に活かしつつ、アルシーヴちゃんの命令に背かないように情報を教えてあげよう。
◇◇◇◇◇
きららちゃんとマッチ、そして余韻から戻ってきたランプ。3人が集まり、囲んで作戦会議をしている。やれどういう事だのやれ罠だの言っていたが、やがて3人がこっちを向くと、きららちゃんが口を開いた。
「……どういう、つもりですか?」
「いやに抽象的だな。もっと具体的に聞いたほうが良いぞ」
「……アルシーヴを裏切るつもりなんですか?」
「いいや? 15年以上付き合う幼馴染だぜ、裏切りはしないさ」
「先生同士で幼馴染だったんですか!?」
「あ〜ら、言わなかったっけ?」
我ながらの爆弾情報に、ランプは完全に冷静さを失う。それでもなお、静かにこっちを見るきららちゃんはなかなかのものだ。
「じゃあ………山道で、アルシーヴを止めてまで私と戦った理由は?」
「第三勢力が現れたからだ。君たちの実力と俺の実力を把握する必要があったんだ」
「第三勢力ってのは……」
「心当たりがあるだろう。クリエメイトの命を狙ってきた奴らを。例えば……砂漠で会った黒髪ロングの男盗賊。そして―――そこで跪いてるビブリオ、とか。」
「「「!!!」」」
二人と一匹がビブリオを見る。見られた本人はすぐさま目をそらした。しかし、いま何かを隠すような所作があったな。警戒は解かないでおこう。
「でも、ビブリオはもう倒したんだし、第三勢力の心配はないんじゃあ………」
「ランプ。ローリエがこの話をしているってことは……まだ、その勢力が残ってる可能性がある、ってことじゃないか?」
「その通りだ、マッチ。俺はその第三勢力の首領に会って戦った事がある。そして運良く逃げられた。ゆえに教えられる。
―――あの女は、エトワリアを滅ぼす気だ」
その瞬間、彼女達に動揺が走る。当然だろう。
今までアルシーヴが敵だとばっかし思っていたら、エトワリアを滅ぼそうとする勢力が現れたと聞いたんだから。
「どんな人だったか、訊いても良いですか」
「オレンジの長髪をした、背の高い女。黒を基調とした高級ローブを身にまとい、不気味で不可解な雰囲気を放っている。魔法の実力はすさまじい。そして………自身の体に『不燃の魂術』を施している」
「なっ…………!!!?」
「お? ビブリオ。お前、心当たりあるのか? お前に『オーダー』を命令した、上司とか?」
「!!!!…………………………………し、知らない………知らない、ん、だぁな……………」
図星みたいだな。まぁちょうど良い。きららちゃん達に『オレンジ髪の女とビブリオやサルモネラに繋がりがある』って説明を省けたし、確信も持てた。
「ふ、『不燃の魂術』って……確か、不老不死になれる、『オーダー』と同じ禁忌ですよね…?」
「そう。どんな小さな傷も炎と共に再生する。おまけに自分の肉体年齢を操作することが出来るから、驚くレベルの変装が可能。つまり、あどけない幼女から今にも死にそうな婆さんにまで自由自在になれるってことだ。」
「厄介すぎないか……? 普通、子供とおばあさんが同一人物とは思わないだろう。」
「そうだな。だが頭の隅に置いておけば、不意打ちを防ぐくらいは出来るかもしれない。
とにかく、これからクリエメイトを害する奴が出てきたら、そいつは第三勢力と考えた方がいいだろう」
マッチの言うとおり、『不燃の魂術』による肉体年齢操作は、下手な変装よりもはるかに人を騙せる。別人になるわけではないので、法則性を掴めれば見破れるかもしれないが。
「では、次に……どうしてアルシーヴは、ソラ様を封印したんでしょうか?」
「悪いがそれは言えない」
「アルシーヴの目的は?」
「それも言えない」
「この世界をどうするつもりなんですか」
「言えない」
きららちゃんが質問を切り替えるが、俺はそのことごとくを切り捨てる。アルシーヴちゃんの命令と義理を守るためには、これらの質問にはこう答えるしかない。「言い忘れたけど、言えない範囲のことは言えないからね」と付け足せば、「それ、ちょっとずるいんじゃない」って目で見られた。
「じゃあ、僕から。この前にランプに出した『宿題』………アレはどういう意図で出したんだい?」
続いてマッチが聞いてきたのは、山道でのやり取りだ。「きららちゃんの為に何ができるか」……そして、「ヒントは君自身にある」と言ったあの事だろう。
きららちゃんは、6章でフェンネルに石化される。そして、その石化したきららちゃんを元に戻すのがランプなのだ。また、最終章では、ランプの書いた日記が、新たな聖典となってアルシーヴちゃんとソラちゃんを救う。でもそれを馬鹿正直に伝えても信じて貰えないに決まってる。頭の病院を紹介されて終わりだ。
「さてね。ランプ自身は何も出来ないと思っているかもしれないが、案外そうじゃないかもってことだ。
クリエメイトに託されたものについて、ランプがどう思うか……どうしたいか。フェンネルに会うまでに考えておくといい。
これが、スペシャルヒントってところだよ」
「クリエメイトから託される……私が、ですか?」
「さーて、どうだか。他に聞きたい事は?」
話を逸らして他の質問を探ってみれば、きららちゃんが手を挙げる。
「ローリエさんご自身の、目的は?」
誤魔化しは許さない。
その質問には、そんな気概があった。俺はそれに同じ真剣な面持ちで答えよう。
「世界の平和。そして、大切な人の平穏。これに尽きる。」
俺の言葉は、静かに響き渡った。
「さて………他に聞くことがないなら失礼させてもらうがその前に。」
それ以外に聞くことがないようなので、俺はそう言って目にも止まらぬスピードでイーグルを抜き―――
バァァン!
引き金を引いた。狙いはランプ――――――の後ろでナイフを掲げ、今にも彼女にそれを振りおろそうとしていた
「いぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーッ!!!!?」
肩に被弾したビブリオは、ナイフを取り落とし、数歩後ずさると腰を抜かしたように仰向けに倒れる。後ろを取って、しかも見た目一番幼そうなランプを刺そうとするあたり、コイツの性根の悪さが伺える。
「えっ、えっ……!!!?」
「ら、ランプ!! 大丈夫!?」
「……警告なしで撃っておいてアレだけど、もう少し周りに気を配った方がいい。気持ちは分からないでもないけどさ。」
「……正直助かったよ。僕もきららも全く気づかなかった。」
「気をつけてくれよな」
そう言って、アリサのいる書斎へ歩いていく。
彼女は既に調査をあらかた済ましているらしく、やって来た俺に書類をいくつか渡してきた。
「はいこれ、ローリエさん。ビブリオって人、決定的な証拠をいくつも雑に隠してた。」
「え、そんな事ある……?」
書類に目を通す。
サルモネラへの依頼書の原本。恩赦で釈放した時の証明書・筆頭神官デトリアのサイン付き。そして、『改造兵士計画書』とやらの計画書たちに違法取引の通帳。
出るわ出るわ証拠の山である。これは、明らかにビブリオらにとって不利な証拠だろ。なんで燃やすなりバラバラにするなりしなかった?
「これは確かに……うん。」
「見つけといて何だけど……有利すぎて裏がありそう」
「大丈夫だ。神殿の資料と照らし合わせれば、真偽を調べるのは簡単だ。他に証拠は?」
「それで全部よ」
ともかくこの情報、アルシーヴちゃんやジンジャー、ハッカちゃんも動員して調べる価値大アリだな。黒幕に一気に近づけたような気がするぜ。
あとは―――
「さて……」
「ひっ………!?」
―――
きららちゃん達も帰った以上、多少は過激なことができる。
「黒幕の名前と正体を言えば、命
「へ……!?あ、あああ……え……
あ、あ……ど、ドリ…ドリアーテと、名乗ってたん、だぁぁな……」
「それは本名か?」
「わ………分からない……で、でも、きっと、偽名、なんだぁぁな……住民票が、見つからなかったからぁぁな………『不燃の魂術』については……」
「知ってるから言わなくていい。お前は神殿の名のもとに逮捕する。証拠は十分だ」
背を向けた瞬間、殺気を感じ取った。イーグルを持ったまま振り向けば、ビブリオがナイフをこちらに向ける。まるで、『かかったなアホがッ!』と言わんばかりにナイフが迫り―――
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!?」
そのまま、ビブリオの両手が槍の形をした炎によって地面に縫い付けられた。
「アリサ、助かった。」
「普通に間に合ってたように見えたけど、手を出しちゃいました。ごめんなさい」
「いいや、謝らなくていい」
弾を節約出来たしね。それにしても、苺香ちゃんを洗脳して人質にした上、戦えないランプの背中をナイフで狙い、おまけに反省すらしないとはな。
「ディーノさんは言った。『お前のために手を汚すな』と。つまり『ビブリオには殺す価値もない』って言外では言ってたんだ……」
「ゆ、ゆ、ゆゆゆ許してください………全財産あげますからァァ〜〜〜!!!!」
再びビブリオが土下座体勢で頭を床に叩きつけ謝るがもう遅い。
「確かにディーノさんは正しかった………
お前には、殺す価値もない。だが……生きる価値もなかったようだな」
「ひっ…い、生きる、価値も………」
バァァンと、銃声が鳴り響く。
「あ………り゛え゛なぃ…ん……だ………な………………」
眉間に開けられた一発の風穴は、ビブリオに紛れもない死を与えた。うつ伏せに斃れて、そのまま動かなくなる。
銃口から出る硝煙(火薬は使ってないケド)を吹き消して、イーグルをしまう。初めてではないとはいえ、人を殺したというのに何ともない。これは毒されてるな。
「……なぜ、ビブリオを始末したのでしょう? 神殿に任せれば良かったのでは……?」
「不死身の女・ドリアーテとやらに、こっちの情報を与えない為…だな。ビブリオが神殿の牢獄にいたら、コンタクトを取られる可能性がある」
「それって……!」
「神殿のどこかにいるかもしれない。エトワリアの滅亡を企むあの女が……!
急ぐぞ。黒幕にビブリオの死を感知される前に情報の真偽を照らし合わせねーと」
「は、はい…!!」
手に入れた情報を精査するため、すぐさまアリサの転移魔法を行使する。俺達の姿は、『オーダー』の効果が切れて崩れ去りつつあるイモルト・ドーロから姿を消した。
「あ、そうそう。黒幕が調べられないように、『イモルト・ドーロ』は爆破させるから」
「そういう話はもっと早く言ってください!!」
転移した直後に、ニトロアントの爆発を確認する。崩壊しかかっていた『イモルト・ドーロ』は、崩壊スピードが加速される。これで、しばらく時間稼ぎは出来るはずだ。
ローリエ
クリエメイト・きらら一行に対する優しさとビブリオに対する容赦のなさの二面性が激しい主人公。己の『聖典』の人物を尊ぶ一方で、己の『大切』に手を出す輩や誇りを捨てた外道には一切の慈悲もない。戦場においてはその切り替えこそが肝要なのかも知れないが、平和を享受する者たちからは受け入れられないと知っている。
桜ノ宮苺香&日向夏帆&星川麻冬&天野美雨&神崎ひでり&ディーノ&秋月紅葉
無事、元の世界へ戻ったクリエメイトたち。これからは、きらら達の戦いに『コールされたクリエメイト』として助力するだろう。
きらら&ランプ&マッチ
ローリエからのまさかの情報提供で少なからず混乱している原作主人公一行。ただ、サルモネラの襲撃やビブリオの一件についてある程度納得したので、ローリエの言う『第三勢力と不燃の魂術を身に着けた女』の存在を信じる事にした。
ドリアーテ(仮)
『不燃の魂術を身に施す、オレンジ髪の女』のこと。エトワリアの滅亡を企んでいる。不燃の魂術の特性上、オレンジの長い髪の背の高い女の姿さえも肉体年齢操作からくる変装の可能性が高く、また名前も本名かは不明。
ビブリオ
ランプの背を狙ったりローリエの背を狙ったりして、死に際まで醜かった悪徳商人。イメージCVは茶○林氏。アリサが見つけた証拠は、破棄しておけと言われていたが、ちょっと見えない所に隠す程度のことしかしてなかった。それもそのはず、そもそもビブリオは『クリエメイトを人質にして数で攻めれば勝てる』とばっかし思っていたため、もしもの時の証拠隠滅などしていなかったのだ。名前の由来は同名の細菌から。
日本とイタリアの銃規制
日本にはお馴染み銃刀法があるのはご存知だろうが、イタリアは少し特殊。EUに所属しているため、EUの銃規制の基準があり、各国で更に厳しくするかどうかという形を取っている。特にイタリアは警察と軍隊を除けば持てる銃の種類は少なく、理由がしっかりした「銃所持許可証」が必要になる。まぁ、マフィアなど武器商人の一面もあるため一概に日本並みに安全とは確証できないが。
△▼△▼△▼
ローリエ「ビブリオから手に入れた証拠……それを精査するためには、協力が必要だ。アルシーヴちゃんは勿論のこと、ジンジャーやコリアンダー、ハッカちゃんにも手を貸して貰おうかな。さて、何を伝えて何を伝えないか。それが問題だな……」
次回『黒幕を探れ その①』
ローリエ「絶対見てくれよな!」
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次のうち、もっとも皆さんが好きな人は?
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大宮勇
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佐倉恵
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二条臣
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飯野水葉
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タイキックさん(♀)