きららファンタジア 魔法工学教師は八賢者   作:伝説の超三毛猫

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“金髪のためなら、私は命だってかけられます!…って、忍様なら言うのだろうか。”
 …ランプの日記帳(のちの聖典・きららファンタジア)より抜粋


2020/4/30:次回予告の誤植を修正しました。


第53話:慇懃無礼な横槍

 

「オラァっ!!!」

 

 

 ジンジャーが拳を振り上げる。私が杖を構えて防御体制をとると同時にずしん、と杖から衝撃が全身に走る。

 さっきからジンジャーの攻撃はこんな感じだ。でも、今までにないほどの威力と脅威。一瞬でも気を抜けば吹き飛ばされそう……っ!! 火事と燃えている家を拳圧だけで消したパンチは伊達じゃあない!

 

 

「流石八賢者というべきか…パワーが段違いだ!」

 

「どうしたんだ、召喚士? あたしはまだ本気を出せてないぜ?」

 

「―――っ!」

 

 

 今の状態でもなかなか厳しいのに、本気ではないというジンジャー。彼女の全力を受け止めるには、どれくらいの魔力を使えば良いんだろうと思ってしまう。

 でも、私は―――

 

 

「私は……みんなを、守る……」

 

「それで守っている?甘えるんじゃねぇよ!!」

 

「きゃあっ!!?」

 

「きららさん!」

 

 再びジンジャーの拳が私を捉える。

 直撃は免れたものの、あまりの衝撃に態勢を大きく崩してしまった。

 ランプの声が聞こえる。

 確かにこの人は強い……! でも、だからといってここで負けるわけにはいかない……!!

 

 でも、どうすればいい?

 唯一にして最大の切り札である「コール」は確かに強力。でも、私だって何度も召喚していたら、さすがに限界がくる。『誰を呼ぶか』、慎重に選ばないと状況は良くならない。呼ばれてすぐにダメージ超過で消えてしまったら申し訳が立たないし。

 

 判断材料を得るためにはもう少しジンジャーと戦い、攻撃の特徴を捉えないといけない。でも、この人の攻撃力は今までにないくらいに高い。しかも、市長官邸の前の広場で戦っているから周囲に住宅が並んでいる。受け流そうものならランプ達や街に被害が及ぶかもしれない……!

 

 

「旅の恥はかき捨てと言いマス。とにかくやってみるデース!!」

 

「?」

 

 

 カレンさんのそんな声が聞こえてちらりとそっちを見る。

 

 すると―――そこには、どういうわけか踊っているカレンさんとアリスさんがいた。

 アリスさんの方がなんか動きが鈍い。直撃の発言からしてカレンさんがなにか言ったんだろうけど……

 

「ふ、二人とも急にどうしたの!?」

 

「きららの方が先に引っかかってるんだけど!?」

 

 し、しまった。いくらなんでも、戦いの最中に余計なことに気を引かれたら、ジンジャーにつけいる隙を与えることに……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「金……髪…………!!」

 

 

 ………………あ、あれ?

 ジンジャーも引っかかってる……?

 

「ジンジャーの気が引けています!?

 か、カレン様、もっとです! もっと頭を振ってみてください!」

 

「もっと……こうデスか!?」

 

「あぁ……金髪が舞い踊っている…!」

 

 カレンさんが頭を使ってダンスを踊る。ジンジャーの目が激しく揺れ動く金髪に奪われている……! ものすごく見ている事に気づいたアリスさんが効果があると知り、カレンさんに倣う。

 

 

「アリス様はカレン様とは逆方向へ! ジンジャーを混乱させます!」

 

「な、なんなんだこのふわふわした空間は……でも、この機を逃すわけにはいかないね。」

 

 

 ランプの号令でアリスさんとカレンさんがダンスをしながら逆方向に移動し始める。ジンジャーは二人を交互に目で追うので精一杯で戦いどころではなさそう。

 

 だったら、今のうちに逃げて、態勢を立て直すのがいい。

 

 

「きらら、今のうちだ! 二人が注意を引きつけている間に逃げ道を確保しよう!」

 

 

 ……なのに、どうして。

 

「………」

 

 どうして、こんなにイヤな予感がするんだろう。

 私の……私だけが感じられるパスが不穏なサインを送っている。

 

「…きらら?」

 

 霧が濃くなって、見えにくくなっているマッチがまた私を呼ぶ。ここまで濃い霧なら、ジンジャーを撒くことも十分可能なはずなんだけど。

 

「……ちょっと待って、マッチ。」

 

「なんだよ。早くしないと、ジンジャーへの時間稼ぎがなくなるぞ?」

 

「分かってる。でも……この霧に違和感を感じる。」

 

「え、きらら? どういうこと?」

 

 戸惑うマッチに答えるより先に、目を閉じて全神経を集中させる。

 

 霧だらけの中、全力で周囲のパスを探る。

 

 感じるのは、まず私のそばに小さな反応が一つ。マッチのパスだ。

 あと、官邸の門の前で動かない反応。これはジンジャーのだろう。

 更に、逆方向にゆっくり動くクリエメイトのパス。これは、カレンさんとアリスさんだ。そして、アリスさんのそばにあるやや小さい反応はきっとランプのものだろう。

 

 

 そして―――

 

「…っ!! 『コール』っ!!!」

 

 周りから何かが集まって出来たような、()()()()()()()()()反応が―――

 ()()()()()()()()()()()()()()()()……!!

 

 

「きらら!!?」

 

「誰かが現れた! たぶん敵!」

 

「なんだって……!?」

 

 ほぼ反射的に、「コール」を使いアリスさんとランプのいる方向に向かって霧の中に突っ込んでいくように走り出した。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「はい。今では()()()()()()()跡も残りませんでしたけど………()()()をつけられたのは、アリス様とカレン様がジンジャーを惑わし、いざ逃げようとしたその時でした」

 

 

 八賢者ジンジャーとの戦いのさなか、その動きを金髪の機転で止め戦略的撤退をしようとした直後、とんだ横槍を入れられたのだという。その体験をした人物の一人が、女神候補生のランプだ。彼女はその時のことをこう語る。

 

 

「わたしはその時、アリス様と行動していたんです。カレン様が金髪を振ってダンスしていたので、それに続くアリス様を誘導していました。カレン様と別方向に移動することで、ジンジャーを撹乱しようとしたのです。

 その時でした。急に霧が濃くなって、視界が悪くなったんです」

 

 異変に先に気づいたのはランプだった。すぐさま踊っていたアリスに伝えたのだという。

 

『アリス様、アリス様』

 

『ランプちゃん? どうしたの?』

 

『霧が濃くなってきてませんか?』

 

『え? ……あ、ほんとだ。でもどうして……?』

 

 それは、わずかな違和感。しかし…違和感は、たちまち疑惑になっていった。そして、その答えはすぐに突きつけられる。

 

 

「隣にいらっしゃるはずのアリス様もはっきり見えなくなるほどに霧が濃くなった直後、自分の目を疑うような光景を目撃したんです。

 

 ―――真っ白な霧が音もなく集まって、ローブをまとった男の姿になっていったんです。」

 

 

『―――っ!? アリス様、危ないっ!』

 

『きゃあ!!?』

 

 

「……その男はナイフを持っていました。

 どうしてアリス様を狙うのか、どうやって霧から人になったのか。そんな事を考える前に、体が動いていました。

 もし、あそこでわたしがアリス様を突き飛ばさなければ、わたしではなくアリス様が刺されていたかもしれなかったから。」

 

 

 ランプの行動は、間違いなくアリスを守った。

 だが、その代償は皆無ではなかった。

 

 アリスを突き飛ばしたことで、ランプは無防備な身体を迫りくる男の刃の前に晒したことになる。とはいえ、男の存在に気づいていたランプも咄嗟に回避を試みた。

 

 そして―――

 

『ううっ!!?』

 

『え、ランプちゃん……!!?』

 

 

「アリス様を狙った刃は、わたしの左の二の腕に掠りました。出血はあんまりなかったんですが、じくじくと痛むほどのものでした。」

 

 

 切られた腕を押さえ倒れるランプにアリスが駆け寄る。その様子に……アリスを襲った、霧でできた男が今まで閉じていた口を開いた。

 

 

『ほう。悪運ばかり強いとは。いやはや、流石昨今の女神候補生はとても素晴らしゅうございます。この私めにもお教えして欲しいものですな』

 

「………とても嫌な声と喋り方でした。

 表面上は敬語を使って恭しく話しているのに、話している内容はむしろわたしを馬鹿にしているかのようでした。」

 

 

 しかしそこに、きららとカレン、コールされたクリエメイト達、そしてマッチが到着した。

 先頭に立っていたきららは、霧から現れた男を見つけるやいなや杖を構えて臨戦態勢を取り、警戒しながら話しかけた。

 

『……あなたは何者ですか。その子を…ランプを、傷つけたのはあなたですか』

 

 きららからの問いかけに対して、男はフンと鼻を鳴らしてこう言った。

 

『貴女は初対面の人に先に名乗らせ、武器を向けるマナーをお持ちなのですか。流石、世界は広い。私の浅学未熟さを恥じるばかりである』

 

『何を、言っているんですか…! いきなりアリス様に斬りかかってきたくせに!』

 

 

 人に名乗らせる時は、まず自分から名乗るのがマナーであり、人とのコミュニケーションを円滑に始めるコツでもある。しかし、出会い頭にナイフで刺そうとしてきた人間がそんな事を言っても説得力など生まれるはずもない。

 遅れて来たきらら達もランプの反論で何が起こったのかを理解した。

 

 

「……思えば、この時には既に体の様子が変でした。

 立ち上がった時、違和感を感じたんです。怪我は軽いもののはずだったのに、体が少し重く感じたから。でも、私の声もきららさん達の怒りの視線も無視して霧の男は、こう続けたんです。」

 

『……ならば、私はその貴女独自のマナーにお答えになるとしようか。

 私はセレウスとおっしゃる者。貴女達の命を頂戴になる者である』

 

 

 横槍を入れた人間は、慇懃無礼にそう名乗る。今ここに、マッチの恐れていた事態―――三つ巴の戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 突然現れた霧が集まり現れた男は、セレウスと名乗った。

 そして、間違いなく言い放った。私達の命を頂くって。ちょっと言葉遣いが変だったけど。これで、ローリエさんの言っていた「第三勢力」に真実味が出てきた。

 

 今のこの状況。ランプとアリスさん、私とカレンさんとマッチの間にセレウスがいる立ち位置だ。セレウスと二人の方の距離が近く、ナイフの攻撃範囲内に入りかねない。

 しかも、どういうわけかランプの表情が苦しそうだ。怪我を負っているとはいえ、立てるはずなのに、立つのだって少しゆっくりだった。

 

 再び感じる嫌な予感。セレウスはそんなもの知ったことかと言わんばかりにナイフを振り上げる。アリスさんとランプにまた斬りかかるつもりだ。

 

 させない!

 

「!!!」

 

 セレウスのナイフを弾いたのは、緑の装飾が中央にある盾を持った少女―――いや、クリエメイト。その後も何度か攻撃を試みるも、アリスさんとランプは距離を取っている。

 

 

「突如現れたな……」

 

「きららさんの仲間には手出しさせません」

 

 そう宣言し、クリエメイト―――美紀さんがセレウスの攻撃を盾で弾き、槍で攻撃する。

 しかし、セレウスの表情から余裕の2文字は消えなかった。なぜなら……

 

「攻撃が効いてる様子がない……」

 

「ですね、きららさん。手応えがまったくない」

 

「ようやくお気づきしたか。貴女達に私を倒す事など出来ませんよ」

 

 美紀さんの攻撃は何度かセレウスの身体を掠めたり当てたりしているのだが、まるで効いていないから。まるで、相手は当たっても痛くも痒くもないことを分かってるかのようだ。そして、事実ダメージを与えられていない。

 

 

「そんな事より……私にばかり注意を払っていていいのですか?

 少しは手負いの仲間に気をお配りした方が良いと賢慮しますがね」

 

 セレウスが意図の読めない発言をした直後……

 

 ガキン、と。

 

「「!!?」」

 

 金属同士がぶつかる音がした。方向は、ランプとアリスさんが逃げた方向。二人には、「コール」したクリエメイトを一人つけているけど、すぐに駆けつけないと!

 

 

「美紀さん! その人の事はお願いします!!」

 

「はい!」

 

 すぐさま、ビブリオとの戦いで身につけた加速魔法を私自身にかける。この状態での全力疾走は、霧の中の私達の距離を一気に縮めた。

 

 

 

 

 ランプ達のもとに駆けつけた時、目に見えたのはランプとアリスさんはもちろんのこと、「コール」で呼び出した麻冬さん。そして。

 

「如何なさった、幼い少女よ。武器のリーチは私より長いのだから、攻めてきたらどうかな」

 

「前衛は苦手なのよ、私は…!」

 

 

 その麻冬さんの杖にナイフを食い込ませんと力を入れる、セレウスという男だった。

 

「さっきまでは美紀さんと戦ってたのに……!!?」

 

 そう思いながら、麻冬さんに専念しているセレウスに加速した勢いで一撃を入れる。

 

 

「「「!!!?」」」

 

 

 ―――やはり、手応えがない。空振りしたみたいだ。

 でも、セレウスの気を一瞬でも引けた。

 

「みんな、大丈夫!!?」

 

「きらら! ランプが……!」

 

「ランプがどうしたの!!?」

 

「身体が痺れるって言うのよ。おそらく、最初の攻撃で毒か何かを盛られたみたいね……!!」

 

 

 ランプの異常を麻冬さんから知る。最初の攻撃。確か、アリスさんにいきなり斬りかかったという攻撃。きっとランプが気づいて咄嗟の判断で庇ったんだろう。今、庇った本人はうつ伏せになって倒れている。

 

「きらら、さん……来たんですか?」

 

「うん、来たよ! だからもう安心して!」

 

「ランプ! 身体は動く?それともまだ無理?」

 

「ご…ごめんなさい……まだ、ちょっと―――」

 

 

 

「無駄だ。その麻痺毒は大型クロモンでさえ15分は動けなくなる代物。小さな子供の体躯に打ち込まれたなら1時間は全く動けまい。」

 

「「「「!!!!」」」」

 

「助かるなどという傲慢な考えはお捨てしろ。ここを死に場所と愚考した方が身の為だ」

 

 なにを……言っているの、この人は…!? 

 助かるって考えが傲慢? ここで死ぬ方が身の為?

 私達を…クリエメイトをいきなり襲っておいて、なんて勝手な事を言う人なの。

 

 

「あなたは……あなたは何を言ってるんですか!!」

「随分身勝手な事を言うじゃない…!!」

 

 

 私と麻冬さんが同時に怒りを口にしたその時。

 

 

ゴウッ

 

 

「「「!!!?」」」

 

 突風が巻き起こった。

 全員が全員、いきなり吹き付けてきた風に耐える。私と麻冬さんは顔を覆い、アリスさんは倒れているランプに覆いかぶさる。

 しかし、一人だけ様子が変わった人がいた。

 

 

「くっ……このタイミングで風だと……!?」

 

 

 セレウスだ。忌々しげに呟いたかと思えば、身体を霧に変えてあっという間に消えてしまった。それに伴う形で、ものすごく濃かった霧が徐々に晴れてくる。すっかりなくなった訳ではないが、セレウスがいた時と比べるとかなり薄くなっている。

 

 

「セレウスが……消えた?」

「いったいどういうことなの?」

「きららさん!」

「美紀さん! 大丈夫でしたか?」

「はい。そちらは?」

「突然セレウスが現れて……ランプが麻痺毒を盛られたみたいなんです」

「えっ……? セレウスは消えるまで私と戦ってましたよ?」

 

「!!?」

 

 アリスさんも麻冬さんも突然の敵の撤退に困惑する。美紀さんからの情報に、私も混乱した。

 つ、つまり……セレウスは、分身のような事が出来るってこと?

 

 

「くそ、何だったんだ今のは。もしやさっきローリエが襲われたって言う霧の男、か……?」

 

 ジンジャーの呟きが聞こえる。どうやら、ジンジャーも霧の男に襲われていたようだ。となるとさっきの突風はジンジャーさんの拳圧とか?

 何だかいきなりの事で色々と分からないけれど、取りあえず今は、クリエメイトを狙うジンジャーから離れないと。

 

 

「アリスさん、ランプを背負えますか?」

「任せて!」

「麻冬さんは麻痺の治療をお願いします!」

「わかったわ」

「アリス! ミナサン! 大丈夫デース!?」

「ら、ランプ!? 何があったんだ!!? さっきの霧といい風といい……」

「はうぅ……アリス様の金髪が近いです…役得です………!!!」

「……余裕そうだな、こいつ」

「とにかくここから離れるよ!」

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「ごめんね、ランプ。私のために…」

「謝らないでください!! わたしは必死だっただけですから!

 麻冬様もわざわざありがとうございます…!」

「いいのよ。今の私はそうりょなんだから、早く身体を治しなさい」

「ところで、ランプはジンジャーと知り合いなのデスか?」

「顔見知り…よりは少し親しいくらいです。この街はエトワリア最大の都市なので、統治者は代々八賢者の一人に任されていました。」

「その統治者がジンジャーさんなんだね。」

「はい。ジンジャーは神殿に来ることがなかなかなかったから…わたしのような神殿の使いを気に入ったのかもしれません。声をかけてくれて、時々お茶菓子もゆずってくれるようになって…」

「まぁ要するに可愛がられてたってことさ。」

 

 カレンさんとアリスさん、マッチ、そしてアリスさんに背負われているランプで話に花を咲かせている間、私はさっきの霧の男……セレウスについてちょっと考えていた。

 

 パスの反応は確かにあった。小さなパスが集まって人間のパスとして現れたり、かと思えば空気中に散って溶けていくかのようにパスの反応が消える。そんなパスは初めて見た。

 そして、極めつけはランプの見た、セレウスが現れる瞬間。

 

『アリス様の真後ろあたりで、霧が濃くなって集まっていくのを見たんです。そして、それは男の人の姿になりました。』

 

 霧から出来ている身体ならば、攻撃が効かなかったのにも納得だ。突風を受けて消えたのは、身体を固めることが出来なくなったからと考えるのが自然だろう。

 

 

「あんなに金髪が好きとは知りませんでした。戦闘中に気を取られるほどとは……」

 

「きっと、オーダーの影響を受けているんだろうね」

 

 セレウスについてある程度まとめたところで意識を皆さんに向けると、オーダーの影響の話になっていた。私は、「前にも八賢者が影響を受けていたことがありましたし」とセサミを思い出しながら話に参加する。

 

 

「そっか…まぁそうじゃないと金髪令なんて出てこないよね」

 

「ともかく、ジンジャーからはなんとか逃れられたけどこれからどうしよう。」

 

「あの屋敷に二人が囚われているのはパスで分かるんだけど……」

 

「すぐに戻るのは得策じゃあないだろうね。

 少なくとも、ジンジャーがいないタイミングを狙わないと難しそうだ」

 

「でも、そんなタイミング来るのかな…? セレウスの事もあるし、クリエメイトがあそこにいるなら、ジンジャーは離れなさそうだけど。

 きららさん、他の方のパスは感じられそうですか?」

 

 

 クリエメイトの命を狙うセレウスが現れた以上、ジンジャーが市長官邸から離れることはあんまりなさそうではある。

 でも、だからといってこのまま何もしないなんてありえない。私の出来ることをやってみよう。

 

 

「うん。ここでのパスの感じ方はだいたい掴めてきた。北の方に二人だね」

 

「北……か。そこにも市場があるから、そこでまた聞き込みだな」

 

 

 パスを頼りに他のクリエメイトを探すため、私達は霧が晴れない街の中を北に向かって歩き始める。




キャラクター紹介&解説

きらら&マッチ&九条カレン&アリス・カータレット
 八賢者と戦っていたら第三勢力と思われる男に横槍を入れられた原作主人公一行とクリエメイト。ジンジャーの気を逸らすために金髪ダンスをしたはいいものの、最悪なタイミングで乱入された。しかし、きららは視界が悪くなる中機転を利かし、セレウスの襲撃を最低限の被害で退ける。

ランプ
 アリスを庇い、麻痺毒を受けた女神候補生。大型クロモン(主にド・クロモン、クロモンヌ、ソルジャー、キングクロモン等)用の麻痺毒を受け、アリスに背負われる事になる。しかし、それはアリスの金髪を間近で見れるという役得だったため大した精神ダメージはない。むしろ金髪に近づけただけご褒美と思ってしまう節を持つ。逞しすぎでは。

直樹美紀&星川麻冬
 きららが「コール」したクリエメイト。美紀はセレウスの攻撃から一時的にランプとアリスを守り、麻冬は麻痺毒を受けたランプの治療に当たった。

ジンジャー
 召喚士からクリエメイトを奪おうとして第三勢力に乱入されるという、一番厄介な場面に出くわしてしまった市長兼八賢者。きららやランプにセレウスが襲いかかる中、ジンジャーも何気に襲われている。しかし、拳圧から放たれた突風で難を逃れる。これにより、セレウスの逮捕を中心的に考えるようになる。

セレウス
 きらら達とジンジャーの戦いの最中に現れ、一網打尽を企てた、第三勢力の男。アリスを狙い、ランプを麻痺毒で行動不能にすると、仕留めそこねたアリスと賢者のジンジャーを葬るべく分身して攻撃を始める。その間も息をするように失礼すぎる言葉を発する事を忘れない「失礼の呼吸」の使い手。しかし、ジンジャーのパワーによる突風により撤退を余儀なくされる。




△▼△▼△▼
カレン「突然の襲撃で危機一髪デシタね。ランプが受けたマヒの状態異常はまだ治らないみたいデス。ゲームならまんげつそうやキアリクで一発なのに、ズルいデス!!」

綾「か、カレン…襲撃って何のこと!? まさか、カレン達も不審者に襲われたの!!? 怪我はない!!?」

カレン「ワーォ、すごい剣幕デース……でもアヤヤ、心配ゴ無用デス! 詳しくは次回に話しますが、誰も死んでまセンので!!」

綾「当たり前でしょ!! 誰かが死ぬとか縁起が悪すぎるわ!!!!」

次回『しろいろメット・アゲイン』
カレン・綾「「See you next time!!」」
▲▽▲▽▲▽

きららファンタジアに登場する作品群の中の、次の作品の中で、最も皆様が好きな作品は?

  • まちカドまぞく
  • 球詠
  • アニマエール!
  • 幸腹グラフィティ
  • 落ちこぼれフルーツタルト
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