きららファンタジア 魔法工学教師は八賢者   作:伝説の超三毛猫

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いやーお待たせだよ。球詠特別編なんて書くからだね。後悔はしてないけど。





“たとえ「守りたいものが指先から零れ落ちる」なんて言われても、私は…大切なものを守りたかったんです。ランプの為にも、素敵なクリエメイトの皆さんのためにも。そして、ソラ様を救い出すためにランプと一緒に戦えているんです。”
  …召喚士きらら


第57話:この力は、みんなの為に

 ジンジャーの屋敷にある筈の、見つからないクリエケージ。

 カレンさんが隠し通路を見つけていなかったら、見つけるのにもっと時間がかかっていたかもしれない。そして、見つけたクリエケージを破壊しようとした瞬間………

 

 

「あ……………」

「きらら、危ない!」

 

 ジンジャーの襲来。綾さんが気づかなかったら、不意打ちを受けていたかもしれない。あの腕力で不意打ちは絶対に受けちゃいけない。

 

「―――いい反応するじゃあねえか。」

 

「ジンジャー! どうしてここに!?」

 

「セレウスを捕まえたからな。心配する必要がなくなったのさ。それに………スイッチが押されれば、当然戻ってくるさ。準備も万全でな!」

 

 スイッチ。それは、クリエケージのある部屋に来る前、忍さんと穂乃花さんのいた部屋に備え付けられていた赤いスイッチ。

 忍さんがうっかり押してしまった結果、クロモンに一時的に取り囲まれたあのスイッチか。押すのを止めることができていればと後悔するももう遅い。

 

「「「「「くー! くー! くー!」」」」」

 

「クロモンに囲まれちゃってる……!」

 

「これはピンチデスね……」

 

「全員揃ってるな?

 召喚士、今度は守りきれるかな?」

 

「きらら! 気をつけ―――」

 

「遅いッ!!!」

 

「きゃあっ!?」

 

 クリエメイトのみんなを再び囲むクロモン達。ブレるジンジャーの影。マッチが何かを言い切る前に、私の体にとんでもない質量が襲いかかった。それを受け止めて、全身が揺らいで、飛びのくジンジャーを見てそれがジンジャーの一撃だとようやく分かった。

 

「キララ!?」

 

「人の心配が出来るやつは好きだな。まずはアリスから奪わせてもらうッ!」

 

「あわわわわわわ………。」

 

「「くー! くー!」」

 

「アリス!?」

 

 私がよろけている間に、アリスさんがクロモンに囲まれてクリエケージの方へ連れて行ってしまった。

 

「皆様、注意してください!」

 

「あわわわわわわわ………」

 

「カレンちゃん!」

 

 続けて、カレンさんまで。穂乃花さんが悲痛な声をあげた。

 

「……これで二人目。

 ランプ、注意を促すだけじゃあ意味がねぇぜ。相手が何を狙っているのかを考えねぇとな!」

 

 私から目を離した一瞬。

 そこで、私は自身に加速魔法をかける。

 『イモルト・ドーロ』でローリエさんと共闘した時にビブリオを翻弄したあの力を。

 それをもってジンジャーに攻撃をしかけるも、やすやすと対応し、持っていた釘バットで防ぐ。

 

 

「召喚士のほうから仕掛けてくるとは、驚いたな。」

 

「ようやく…皆さんが一緒にいられるようになったんです。

 それを引き離すなんて、絶対に許せませんっ!」

 

 街を霧が包んでいた時は、いつセレウスが襲ってくるか分からない恐怖があった。さっきジンジャーがやって来た時は「捕まえた」って言ってたけれど、それまでは違った。

 アリサさんの協力やランプの咄嗟の判断がなかったら、クリエメイトの誰かが大ケガを負っていたのかもしれないのに……

 

「いいや、一緒にいられるさ。

 ……クリエケージの中でなッ!!」

 

 ジンジャーが私を押し返す。

 最初に戦った時から思っていたことだけど……やっぱり、この人は強い。純粋な力はさることながら、動きもまるで違う。

 力の強さだけは、ビブリオと同じか、それよりもちょっと強いくらい。大した違いはない。

 でも、ビブリオはその力にモノを言わせると言わんばかりに力の籠もりやすい武器で大暴れしていたのに対して、ジンジャーは動きの一つ一つに無駄がない。

 牽制も本命も、その時その時に最も効果的な……『狙われたら嫌な位置』を狙ってくる。また、攻撃の受け止め方も受け流し方も非常にうまい。ランプから聖典の話を聞く時に少し話題に出ていた、『武道』というものの強さがこういうものなのかなと思った。

 

 状況を打開するために「コール」を使いたいけど、そんなスキを見せたら確実にジンジャーが動くだろう。

 

「オラオラオラオラオラッ!!」

 

「くっ………! うっ!?」

 

 釘バットで押し返した勢いのまま、ジンジャーは蹴りの連撃を放つ。持続している加速魔法で攻撃の回避を試みてみる。ジンジャーがやっていた事の見様見真似だ。でも、最後の一発をかわしきれず、せめてと防御態勢を取って受け止める。勢いを殺しきれず、吹っ飛ばされてしまった。

 

「ハッハッハ! 私の真似のつもりか?

 線はいいが、粗削りもいいトコだぜ! 鍛えてやろうか? クリエメイトを全員回収した後でいいならな!!」

 

「まだ……まだ!!」

 

 しかし、そのままじゃあ終われない。

 加速魔法を再びかけて、ジンジャーにつっこむ。あらゆる魔力の攻撃を同時に放つ。

 

「効かねぇな!!」

 

 もちろん、簡単に勝てるとは思っていない。

 魔力の攻撃は撹乱、本命は杖の一撃……

 

 

「はああああっ!」

 

「おおおおおっ!」

 

 

 ……に隠した、魔力を纏ったパンチ!

 

「ぬっ!!?」

 

 杖の攻撃という囮に気を取られたジンジャーは、私の本命の一撃をモロに受けた。

 攻撃の勢いで後ろに吹っ飛び、着地する。

 確かに当てたと思ったのに……なぜか、手応えがあまりなかった―――!!

 

 

「…なかなかやるじゃねぇか。」

 

「はぁ……はぁ……」

 

「だが、もう息があがってるみてーだな? そろそろ限界か?」

 

 一瞬でも気を抜いたら負けてしまうかのような戦い。

 一息つく暇もないから息が上がってもおかしくない。

 防戦一方の私に、皆が心配そうにこちらを見ている。このままじゃあ、勝てない。

 

「ジンジャーさんは………

 この街を守っているんですよね。」

 

「ああ、そうだ。この力はすべて、街の幸せと平和を守るためのものだ。セレウスみたいな悪意のある奴から、な。

 そのために、私はお前を倒す。」

 

 ダメ元で話しかけてみたら、律儀に答えてくれたジンジャー。守るための力だというなら、強いのも納得だ。

 でも―――私だって、みんなを守ってきた。

 

 シュガーやセサミを中心とした、賢者4人からクリエメイトを守り抜いて見せた。

 砂漠では、ゆきさんや悠里さんを狙う黒髪の男盗賊を倒した。

 時には、クリエメイトの命を狙う悪徳商人を撃退するため、ローリエさんと手を組んだ事もあった。

 そして……さっきは、変幻自在な霧で私達を襲うセレウスを退けてみせた。

 

 守るために戦っているのは―――ジンジャーだけじゃあないッ!!!

 

「私の力も……ランプやクリエメイトの皆さんを――――――この世界を守るためのものなんです。

 今も戦うことは怖いです。でも……大切な人たちのために、負けられませんッ!!」

 

 

 全身に魔力を込める。「コール」の態勢だ。

 ジンジャーはそれに気づくと、戦う姿勢にすぐさま戻り、様子を伺い始める。

 裏をかけ! 隙を作り出せ! 私とジンジャーの戦いは、そこにかかっている。このまま戦い続けても私の体力がなくなってしまうのは目に見えている。ならば、次の攻撃で決める気迫で行くんだ……召喚士・きらら!!

 

 「コール」を使う魔力が集まってくる。これをこのまま解き放てば「コール」になる。でも、これをこのまま使って……私を強化する!!

 

 

「―――っ!?」

 

 

 てっきり切り札(コール)を使ってくると思っていたであろうジンジャーの表情に焦りが生まれる。ここで、彼女の読みをついに外したのだ。

 ジンジャーの意表を突いた私の一撃は、圧倒的なパワーを誇っていてまるで叶わなかったジンジャーと互角に鍔迫り合い、弾くまでに至った。

 

「くっ……!?」

 

 私の新たな強化魔法。

 それは、ビブリオ戦で使ったそれとは違って、パワーの強化に重きを置いた強化だ。今までの加速をカルダモンをイメージしたというならば、今回の魔法はそれこそジンジャーを意識したもの。

 正面からマトモに戦っても勝負にならないくらいの強力なパワーは、私の強化魔法の構築に大きく役に立った。その結果が、私がギリギリで競り勝った今の状況だ。

 

 盤面がひっくり返った事で、戦いを見ていた全員が息を呑んだ。

 

 

「ジンジャーに隙ができた! きらら! 今のうちに攻めるんだ!」

 

 

 マッチが大声で私に言う。でも、私ももう限界だ。これ以上ジンジャーと戦っていたら、流石に持たない。

 それに……私の狙いは、()()()()()()!!

 

 

「これで、おしまいです!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 振り下ろした杖から放った魔法弾は――――――ジンジャーが守っていたクリエケージに寸分違わず命中し、粉々に砕け散った。

 ジンジャーが砕けたクリエケージに呆気に取られるも、すぐにこっちに向き直った。戦闘態勢はもう解いていた。

 

 

「……狙いは、最初からクリエケージ……オーダーの“楔”だった訳だ。」

 

「…私の実力では、ジンジャーさんに敵いません。

 力を振り絞って、ようやく隙を作れるくらいです。でも…………これで、忍さんたちを縛るものはなくなりました。」

 

「あぁ……その通りだ。私の失策だな。目的を見失わず、己の意志を貫き通した―――きらら、お前の選択が正解だ。

 おい! アリスとカレンを放してやれ!」

 

「ジンジャー…………」

 

 

 ジンジャーのひと声で、クロモン達がアリスさんとカレンさんから離れていく。というか、お二人と他の皆さんの間の道を作っている!?

 

「さて、私もクリエメイトを見送る準備をしないとな。」

 

「えっ…?」

 

「なんだ? クリエケージが破壊されたってのにクリエメイトを集める意味もないだろ? …それとも、まだ私と戦いたいのか?」

 

「あ、いえ! そういう事ではなく!!」

 

「ま、これ以上戦う意味なんてねーって事さ。

 あと……二人とも、悪かったな。」

 

 クリエケージが破壊されて……戦いが終わった途端、ジンジャーが忍さんと穂乃花さんに謝罪までする。さっきのアリスさんとカレンさんの解放といい、切り替えが早いというか、気持ちがハッキリしている人だなぁ。

 突然謝られたお二人も、戸惑いながらおもてなしてくれたお礼を言っているようだ。

 

 ともかくこれで、オーダーの影響もなくなるだろう。街の人達も重度の(って言うとちょっとおかしいかもしれないけど……)金髪好きじゃなくなるね、と言うと何故か残念そうに落ち込む忍さんと穂乃花さん。

 

「残念です〜〜。

 皆さんと金髪について三日三晩語り明かしたかったというのに…」

 

「……長くない?」

 

「まったくだな。是非私も参加した……はっ!!」

 

「ん?」

「おや?」

 

「な……、なんだその目は!」

 

 金髪について三日三晩語り明かしたいと驚くべき事を言う忍さんに綾さんがツッコんだかと思えば、ジンジャーさんから耳を疑うような言葉が………最初の時のオーダーの影響が抜けきってない、って事で良いのかな…?

 

「皆まで語らなくて良いのです。」

「金髪好きは皆兄弟……ですから」

 

「おいやめろ!」

 

「ずいぶん仲良くなったんだね。エトワリアでも友達が出来るなんて、さすがシノだよ!」

 

「友達というより脅迫に近いデスけどね。」

 

 

 ―――そうこうしているうちに、アリスさん達の体が光り始める。今まで何度も目にしてきた、クリエメイトの皆さんが元の世界に帰る合図だ。

 

「アリスもカレンも、まるで妖精―――いえ、天使ですね!」

 

「シノだって、後光が指してるみたいだよー!」

 

「それにしても、この楽しかった記憶が残らないのは……とても寂しいですね。」

 

「シノ…………」

 

「大丈夫です。皆さんが忘れてしまっても、私が覚えています!」

 

 忍さんやアリスさんを始め、この記憶が残らない事を残念がっているが、私が今宣言した通り、私達が覚えていればいい。だって……後で『コール』した時に、教えられる事ができるから。

 二度と来れない訳でも、二度と会えない訳でもない。私が『コール』を使う限り、必ずまた会えるんだ……!!

 

 その言葉に、クリエメイトの皆さんが涙ぐんで……あれ、忍さん?

 

 

「あの……忍さん、今になってどちらに?」

「ちょっと忘れ物をしてしまって……綾ちゃん、みなさん、待っててくれますか?」

「このタイミングで? それで…何を忘れたの?」

「金髪メイドを少々―――」

「ダメに決まってるじゃない!?」

「そんな! こんなにいっぱいいるのに、一人も持って帰れないなんて!!」

「いやいや、それ完全に誘拐だからな!?」

「まったくだ、忍。屋敷の主の前で堂々とメイドを誘拐しようとすんじゃねえ」

「シノ………」

「わああぁーーっ! アリスの目が虚ろにーーッ!?」

 

 

 あ、あはは…お別れの時なのに、皆さんってば……

 

 

「もー、ほらシノ! 帰るよ!

 皆さん、本当にありがとうございました!」

 

 アリスさんが、私達に頭を下げる。

 

「うう……ジンジャーさんも次に合う時は金髪同盟にぜひ!」

「ローリエさんにもよろしく言っておいてください!」

 

 忍さんが別れを惜しみ、穂乃花さんがローリエさんへの言伝を頼む。

 

「キララもランプもマッチもまた、会いマショウ!」

 

 カレンさんが、手を振って―――

 

 

 ―――そして、皆さんが、光に包まれて……元の世界に戻っていった。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「……行っちまったか。

 最後の最後まで、飽きさせない連中だった。」

 

「はい……皆さん、楽しい人達ばかりでした。」

 

「…ランプはこれまでも、こんな別れをずっと経験してきたのか。それは――――強くなるな。」

 

「ジンジャー………」

 

 天に登る光を惜しげに眺めるランプとジンジャー。ジンジャーと仲が良かったというランプの言葉は正しかったようで、ジンジャーの言葉はしんみりとした感情と親しさを感じた。

 

「ま、湿っぽいのはこの辺にしておくか。

 それにしても……まったく、きららには負けたよ。」

 

 それも束の間、文字通り気持ちを切り替えて私に話しかけてきた。

 

「いえ、そんな! ジンジャーさんの方が強くて、私にはクリエケージを壊すことで精一杯でした……」

 

「だが、正しい判断だった。

 それを冷静に選べたのも―――きらら、お前の力だ。

 私は街を守る為に戦った。お前はなんの為に戦ったんだ?」

 

 

 ……何の為、か。

 それは、最初からずっと変わらない。

 たとえ「守りたいものが指先から零れ落ちる」なんて言われても。

 

 

「私は…大切なものを守りたかったんです。ランプの為にも、素敵なクリエメイトの皆さんのためにも。そして、ソラ様を救い出すためにランプと一緒に戦えているんです。」

 

「そうか…大切なものを守りたい気持ちは同じか……

 ならば良し! やっぱり私の完敗だ!!」

 

「そんな事を胸を張って言われてもな……」

 

「私が動き出せたのは、ランプのお陰ですから……」

 

「そっか…二人は似たもの同士か。

 ランプはいい相棒を持ったな!」

 

 私の答えを聞くと、やはり快活に笑う。話してみて分かった。ジンジャーさんは……本当は気持ちの良くて、素敵な良い人だ。

 だからか……気になってしまう事ができた。

 

 

「ジンジャーさん……2つほど、良いですか?」

 

「お、良いぞ! 何だ?」

 

「どうしてジンジャーさんは、アルシーヴに従っているんですか?」

 

「ん? そんなの私が八賢者だからに決まってんだろ。

 アルシーヴの命には逆らうことはできない。だが………まぁ、アルシーヴの言う事が絶対じゃあないと思っている事は確かだ。」

 

 

 ジンジャーさんはそう答える。

 やっぱり、納得していなくても従うしかない、と思っている。従者としては当然だ。

 だとすると、ローリエさんが『イモルト・ドーロ』で行った情報提供は……ある意味異常とも言える。下手したら、裏切りに思われるからだ。でも一体、どうしてそんな事をしたんだろう? 目的は聞いたけど、釈然としない。まるで、「嘘はついてないけど本当の事も全部言ってない」かのような―――

 

 

「……おい、きらら。2つ目はなんだよ?」

 

「え? あ!ごめんなさい!

 えーとですね……ローリエさんに負けた時に言われたことなんですけど―――」

 

 考えを中断して、ローリエさんの「守りたいものが指先から零れ落ちる」発言について、ジンジャーさんに言ってみる。それが、妙な説得力を持っていることも含めて全部だ。

 

「―――という訳なんですけれど、ローリエさんに何かあったのかなって思って……なにか心当たりはありますか?」

 

「……ねぇな! 悪いが、他を当たってくれ!」

 

「そ…そうですか…」

 

「ただ―――」

 

「?」

 

「アイツは賢者になる前、学生の頃は魔法工学と聖典学以外はからっきしだったと聞いたことがある。

 神殿に来た頃から魔法工学の天才だったけど、その前はそうじゃあなかったかもしれねぇ。」

 

「!!」

 

 ローリエさんについてのジンジャーさんの発言に、ランプが食いつく。聖典学以外のあらゆる学問がからっきし……それってまるで―――

 

「ローリエは昔、きっと何も出来なかったんじゃあねえか? その頃に……きっと嫌なことでもあったんだろう。」

 

「な、何故でしょう…なんか貶されてる気がする……」

 

「まぁ、あながち間違ってないかもね。」

 

「マッチ!!!」

 

「ワッハッハ!悪い悪い、ランプを貶す意図はなかったぜ? ただ、今話した事は、ただの推測でしかないからな。詳しくは本人を問いただすことだ! まぁ、アイツは秘密主義者なトコあるから、簡単には教えちゃくれねーと思うがな!」

 

 でも、ジンジャーさんの考えは、全くの的外れって訳でもなさそう。もし本当の事だったとしたら、私達の理解を越えた発明をするのにどれだけ努力した事だろう。きっと、嫌な事があった時に何も出来なかった無力な自分を誰よりも恨んだはずなのに。

 

 

「……アルシーヴは『ローリエがお前たちを倒した』と言っていた。

 ま、私はランプは来ると思っていたがな。もし、私を越えていくというなら……それに賭けてみようとも。」

 

「ジンジャー………」

 

 聞きたいことが終わると、ジンジャーさんからそんなことを聞く。八賢者の中にも、こういう人がいたんだね。

 

 

「よし、ランプ。せっかく私の街に来て神殿に向かうときたんだ。色々と持っていけ!」

「あ、ありがとうございま―――」

「食料がこれで、旅に役立つモンは大方そっちに入ってる。それでこっちは―――」

「ちょ、ちょっと量が多いかな? もう持っていくのも大変そうなんだけど!」

「この程度で遠慮はすんな! もっと持っていけ!」

「そ、そういえばおつかいの時もお土産をたくさん持たせてくれたっけ……」

「わけの分からない荷物がどんどん増えていってるんだけど!? よ、よくこんなに準備ができたな。」

「それで全部と誰が言った? ほら、もっともっと持っていけ!!」

「あ、あはは……ジンジャーさん、その、いろいろ、ありがとうございました……?」

 

 

 ―――街から言ノ葉の樹へ行く際に持ちきれないほどの大荷物を持たされるとは思ってもみなかったけど…

 

 




キャラクター紹介&解説

きらら
 見事、ジンジャーの守るクリエケージを破壊し勝利条件を達した召喚士。戦いの中で圧倒的に強敵なジンジャーを相手に戦力差を分析し、冷静な戦略を立てつつ、ジンジャーのパワーからも新技のヒントを盗みとった。これが後の『きららMAX』である(ツーアウト)。

ジンジャー
 どこかの慇懃無礼クソ野郎とは違って、素直に敗北を認めた八賢者。ローリエの発言についてきららから相談されると、「心当たりはない」と前置きしつつ、「こうだったんじゃあないか」と推測を立てていた。

大宮忍&アリス・カータレット&猪熊陽子&小路綾&九条カレン&松原穂乃花
 無事、誰一人欠けることなく元の世界に帰還したクリエメイト。今回築いた絆をもとに、「コール」のクリエメイトとしてきらら達と肩を並べて戦う日が来るだろうか。



△▼△▼△▼
ローリエ「俺達と敵対し、クリエメイトの命すら狙ってきていた『ドリアーテ』。ソイツの住民票が、ようやく見つかったぜ!!」
アリサ「何の偶然か分かりませんが、利用しない手はないですね」
ローリエ「コイツから分かる、驚くべき真実とは一体……?」
アリサ「そして、それを理解した私達は、新たな戦いへと赴きます……!!」

次回『ドリアーテ』
アリサ「しーゆーねくすとたいむ? なにこれ?」
▲▽▲▽▲▽

きららファンタジアに登場する作品群の中の、次の作品の中で、最も皆様が好きな作品は?

  • まちカドまぞく
  • 球詠
  • アニマエール!
  • 幸腹グラフィティ
  • 落ちこぼれフルーツタルト
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