きららファンタジア 魔法工学教師は八賢者 作:伝説の超三毛猫
…フェンネル・ウィンキョウ
2020/10/25:本文の誤字を修正しました。
第59話:死んだ魚の目・情けないオッサン・しょーもない変態部
「……………。」
「……………。」
「……ドーモ、ハジメマシテ。ローリエデス」
「えっ…あっ……ど、どうもローリエ…さん? む、
目の前にいる、西洋のスマートな鎧を着込み、死にかけの魚のような目をした儚げな美少女にアイサツする。アイサツは大事。古事記にもそう書いてある。
だというのに彼女はオドオドするだけである。
まぁ、彼女は初対面の人と簡単に打ち解けられるタイプの人間じゃあないし、無理もない。アイサツは返してくれたからスゴイ・シツレイではない。寛大にいこう。
さて、説明が遅れたね。
俺、ローリエ・ベルベット。現在―――言ノ葉の樹の中の自然の塔の中。クリエメイト・村上椎奈と二人っきりである。
……どうしてこうなったのか、少し遡りながら説明するとしようか。
ジンジャーの市長官邸に訪れてビブリオ商会とセレウスの調査が終わった後。屋敷を後にした俺達は、まずリリアンちゃんからセレウスの物品を受け取り確認。そのなかに良い物があったので拝借した。
その後アリサの転移魔法で神殿に戻ろうとした。しかし………魔法を行使し、いざ転移をしようと思ったその瞬間。
『こ…これはっ!?』
『一体何が―――』
転移最中に変な音が出始めた。キィーーーンとした、耳に痛い異音だ。それと同時に、転移が発動し――――――気がつけば大樹の中に転移されていた。
そして、アリサを探して大樹の中の森を彷徨い歩いていたらクリエメイトの椎奈ちゃんと会った。これがここまでのいきさつである。
ここまで起こって、現在の状況を理解できない俺ではない。
またオーダーが使われたのだ。ソラちゃんを救う手立てが整いつつある事を知っている身とすれば「オーダーをやめろ」とは言えないが……アルシーヴちゃん。あまり無理はしないで欲しいものだ。
都市を抜け、神殿へ行くために言ノ葉の樹を進むきららちゃん達に襲いかかるのは、『先に進めなくなる』という、ゲームのバグのような現象。そこに現れたのは、
もし…この『先に進めなくなる』バグが神殿へ進む人すべてに影響しているのであるならば…………神殿へ転移しようとしたアリサに同行した俺がこんな所に飛ばされたのに納得がいく。
だとしたら、アリサもこの大樹の迷宮のどこかにいることになる。少しマズいな。早く見つけなければ、安心できない―――
「……あの、ローリエ、さん?」
「む? あぁ、ごめん。少し考え事をね。
君のその様子を見るに、どうもここらの地理に明るくないだろう?」
「ええ…………まぁ、正直困っていまして…」
「ならちょっと話しておきたい。長くなるがいいか?」
今は兎に角、椎奈ちゃんと先に進むことにしないとな。その為には、親密度が必要だろう?
地図と聖典を取り出して、この世界についての説明を始めた。
「……まさか異世界に来てしまうなんて…………
私達は、帰れるのでしょうか……?」
「クリエケージを壊せれば帰れると思うよ。少なくとも、こっちに永住する覚悟は必要ない」
俺の事情説明に顔を青くして帰りの心配をする椎奈ちゃんに、さらりとジョーク混じりにそう答えるも、あまり顔色が良くならない。うーん、どうしたものか。
「他の人達も探さないとどうにもならないのは確かだ。
ほら、これでも飲んでおくといい。気が楽になる」
「これは……水筒? しかも2つ??」
「それぞれ漆黒麦コーヒーとシャインドロップ…じゃあ分からないか。エトワリア特産のフルーツで出来た独特な味のフルーツジュースだ。個々に飲むなり
「………私達の事をよく知ってますね。」
「混ぜるのは椎奈ちゃんしかしないだろう?」
そもそも、村上椎奈という少女は、メンタルがそんなに強くない。冷静沈着で真面目で、責任感が強い反面、躓いたり想定外の事態に陥るとドツボに嵌まるのだ。
あやめちゃんでもいれば、もうちょいスムーズに会話ができて、SAN値が回復すると思ったんだけどね。
ただまぁ、彼女の非日常を楽しむやり方を知っていたお陰で、出会い直後の気まずい空気は少し緩和されているが。
こうして俺とコミュ障クリエメイトという奇妙なタッグは、景色の変わらない森を歩いていくのだった。
ちなみに、漆黒麦コーヒーとシャインドロップを混ぜて飲んでみたものは、彼女的には普通だったらしい。なんでも、「それぞれの味は物珍しくて好みでしたが、混ぜたら予想通りコーヒーの味が勝ってしまった」とのこと。
◇◇◇◇◇
「ぐがぁ〜〜…………ごがぁ〜〜……………」
「「…………………」」
……歩いて暫く。
俺たちは、とんでもない奴を見つけてしまった。
荷物を枕に、いびきをかいて眠っているオッサンである。
年は見た目から予測するに50代。髪はやや寂しげだが整えているからか情けなさや物悲しさは感じない。たまちゃんこと珠輝ちゃんが間違いなく食いつきそうなチョイ枯れである。額にある切り傷のケロイドも、歴戦の風格を醸し出すにはぴったりだ。
……だが、寝顔と寝姿ですべてが台無しである。まるで週末にテレビの前で酒を傍らに横になっている家庭の父親のようだ。
俺と椎奈ちゃんは、そんな情けないオッサンを目の前に、ただ絶句するのみだ。「ちょっと!」と一言声をかけて起こすにも勇気がいる感じの空気になりつつある。
「あ、あの……彼は一体…?」
「俺も知らないよ。ちょっと起こしてみるから、椎奈ちゃんは下がってな」
椎奈ちゃんを下がらせてオッサンに近づいてみる。
こうして見ていると、やはりただの抜けたオッサンにしか見えない。そんなオッサンの、肩を強めに揺らした。
「ングッ………?
ふあ〜〜〜〜〜ぁ……………………???」
ものすごく伝染りそうな大きな欠伸をして、オッサンはバンデッドメイルを着た上半身を起こす。眠そうな目をこすると、再び欠伸をした。
「なんだよもぉ………オッサンが気持ちよく寝てんのによ………」
「今の言ノ葉の樹は異常事態が起きてんの。一般ピープルのお前は閉じ込められたんだぞ?」
「メンドくせぇ……誰かが解決してくれるだろ。
オッサンは今ここを動きたくないの。メンドくさいし」
やっぱりダメなオッサンじゃねぇか。前世でもかなりの数見てきた無責任な人間の極地だなコレ。
なんでこんなヤツがここにいるし。
「つーか、オッサン何者だよ? 定職には就いてるんだろうな?」
「えぇ……これ俺が自己紹介しないといけない流れ?
メンドくせぇなぁ、自己紹介。やんなきゃダメ?」
「自己紹介すら面倒くさがるとか筋金入りかよ」
もう完全にまるでダメなオッサンじゃねぇか。略してマダオ。
この樹の迷宮内で、俺・きららちゃん一行・クリエメイト・フェンネル以外の人間がいるとしたら、それはまさしく第三勢力側の刺客だと思っていた。だが、目の前のマダオはとんでもなくだらしがない。本当にクリエメイトを狙う刺客かと疑うレベルだ。
「仕方ないな。椎奈ちゃん、この人の事は『マダオ』と呼ぶことにしよう」
「まだお……ですか?」
「そう。『まるでダメなオッサン』略してマダオだ」
「…失礼では?」
「こんな、この世の全てを面倒くさがるようなオッサンに敬意なんて払ったら敬意に失礼だろう」
「敬意に失礼って何ですか」
「だぁぁもう、やめろ!
出会ったばっかの俺をダメなオッサン呼ばわりとか、お前さん方、手厳しすぎやしないか!? ったく……」
オッサンは気だるげに立ち上がり、文句でもありそうな不機嫌な顔で自己紹介を始める。まぁ、ずっとマダオ呼ばわりは嫌に違いない。
「俺にはちゃんと、ナットって名前があるんだよ。
仕事は……まぁ、何もしていない人さ。今回はただ、巻き込まれただけだからヨロシク」
ため息混じりの自己紹介に、椎奈ちゃんは「なるほど」といった面持ちでよろしくお願いします、と小声で言っているが、俺はそうではない。
何故なら…明らかに一般ピープルには必要ない装備を身に着けているからだ。
1つ。荷物が人を駄目にするソファのミニバージョンと同じくらい大きいのがまず怪しい。まぁ、こっちは旅の準備と言われればそれまでだが。
2つ。オッサンが身に着けている、バンデッドメイル。赤黒い金属と深緑の毛皮を素材にして作り出されたそれをなぜ身に纏っているのか。自衛にしても金をはたきすぎではないだろうか? 「推定無職の、しかも巻き込まれただけの一般ピープル」なら尚更である。
だが、メタ視点だけで疑っても仕方がない。オッサンにイキナリ背後を狙って襲ってくるような気配もない。警戒するに越した事はないが、暫くは泳がせてみよう。
「オッサン、自衛とか出来るか?」
「自衛?」
「強そうな見た目の鎧着てるからよ、気になってな。」
「自衛ね……全く出来なくもないが、期待しすぎんなよ。鎧も…この盾も、所詮は見た目だけの代物だ」
オッサン―――ナットが荷物からチラリと盾を見せる。ほんのり赤がかった黒色と銅色の縁取りをしているソレは、シワが出始めたナットの年相応に渋かった。
一応、コイツの言葉は鵜呑みにしないでおく。素が自堕落なオッサンだからか、どうも信用出来ないんだよね。
それに、俺の前世の勘が告げている。――『こういう物臭なタイプの人間の本気は凄まじいと相場が決まっている』―――と。敵に回って本気でも出されたら大変そうだ。
「さて。オッサンも起こしたことだし、これからどうしようか?」
「本田さん達を探すにしても、私達には手がかりもありませんし……」
「よー分からんけど、まずは身を守る準備だな」
「は?」
「近くに何体かいるぞ。構えな」
オッサンがそう言った直後、なんと茂みの中からクロモンの数々が飛び出てきて、あっけにとられた俺達の前に現れたではないか。
しまった。オッサンばかりに気を取られて周囲の警戒が薄くなった。だが、クロモン相手にいまさら遅れは取らない。
「椎奈ちゃん、俺の側から離れるなよ」
「へ? ―――きゃあぁ!!?」
片腕で椎奈ちゃんを抱きしめると、『パイソン』でクロモン達に発砲。弾はぷにぷに石弾だが、直撃したクロモン達はポリゴンのように消えていく。それほどまでに、レベル差がもうついているのだ。
「どどっ、どどどどどうして銃をぉ!!?」
「話は後、だ!!」
全方向から来るクロモンに向かって、回転しながら弾幕をばら撒いていく。二人はまるで、社交ダンスのダンサーだ。まぁ、俺の右手は銃で埋まってるし、時折リロードもしないといけないからちょっと荒っぽいエスコートになってしまうけど、クロモン達は確実に一掃できている。
もちろん、クロモン軍団も負けていない。圧倒的に劣る質を数でカバーしようとしている。そして、近づこうとするのだ。そんな時は……
「おっさんガード!」
「おいぃぃぃぃ!! 何の予告もなしにオッサンを盾にしないでくんない!? ビックリしちゃうわ!!!」
………とまぁ、こんな感じで危なげなく戦えてる。
そう……
戦い方は全体を通して危なっかしい。まんま剣と盾を持って間もない素人そのもの……のように見える。だが俺は見逃さなかった。致命傷を適切に防ぐその盾づかいを。クロモンを一太刀で合理的に倒すその剣さばきを。
つまりこのオッサン―――ただ剣と盾に振り回されているだけのド素人ではなさそうなのだ。偶然……にしても出来過ぎているな。
………本当にコイツ何者だ?
これじゃあまるで、戦いの素人ではなく、むしろ―――
「あの………………ローリエさん……………」
「? ……あ! もう終わったかな?」
「ええ。ですからその………手を、離して……」
「あぁ、悪い悪い! つい、な。」
そうこうしてたら大方片付いたので椎奈ちゃんを離してやる。今回はあまり満足の行くエスコートができなかったな。もう5年たった後なら、もっといいエスコートを約束出来るんだが―――
「あの、ローリエさん、後ろからどなたかが……」
「どなたかってどわああぁぁぁぁあ!!?
あっぶねぇ!!!?」
「椎奈様から離れなさい、八賢者!!」
突然、何者かが突っ込んできたので咄嗟に回避行動を取る。
突っ込んできた赤い風は、俺がいたところを通り過ぎ、なにかにコケたのかそのまま少し先の地面にぶっ倒れた。「へぶっ!」と悲鳴をあげて顔面ダイブを決めた赤髪の小さな女の子は、よく見なくても俺の生徒だった。
「あ、あの……大丈夫ですか?」
「いったたた……あれ、椎奈様?
はわわぁ〜、もしかして今、椎奈様に心配された!?
こ、これは体を張った甲斐がありました〜!! 最高です! 幸せです〜〜!!!」
「おう元気そうだなダイナミックお馬鹿。聖典だけじゃあなくて魔法工学も勉強してんのか?」
椎奈ちゃんを見て幸せそうに身をよじっていたランプは、俺を見るなり固まる。失礼極まりないリアクションだ。だが俺は寛容である。
「よし、神殿に戻ってこられた暁には貯まりに貯まった課題をプレゼントだ。今からでも楽しみに待っておくといい」
「うわぁーーーーーーーーっ!!!! 嫌なこと思い出させないでください!!
ローリエ先生の鬼!悪魔!!変態!!」
「変態は関係ねーだろうが―――」
銃を抜く。
椎奈ちゃんとランプの驚き顔をよそに、俺は振り向かずに右側に構える。そして……
「よっと」
キィンッ!
―――と、金属音が鳴り響く。
遅れてそっちを見れば、銃とレイピアが鍔迫り合っていた。俺に対して振るわれた、神速の細剣。思い当たる人間など、一人しかいない。
「―――そうは思わないか? フェンネル」
「貴方が変態なのは今に始まった事ではないかと」
俺の言葉を辛辣に返したのは、先端を三つ編みにした青緑色の髪の少女。黒色の肩掛けに黒と白が基調の制服を着て、三日月の飾りを施した半スカートと鎧のようなロングブーツを履いている近衛兵のような姿。
八賢者、フェンネル・ウィンキョウがそこにいた。
「ところでフェンネル。なんでイキナリ斬りかかってきたん?」
「ローリエが遂に未成年にナンパを始めたかと思いまして」
「は?キレそう。おっぱい揉みしだくぞ」
「やってみなさい、両手を切り落として差し上げますわ」
◇◇◇◇◇
一触即発になりかけていた空気はきららとマッチ、そしてクリエメイト・
というのも、誰かが説得したとかそういうことではなく―――
『異世界のおじさまぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!』
『え、ちょっ―――ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!?』
『うへへ……やっぱり世界を越えてもおじさまは格好良いです……!!!』
『ぐふぅ……………だぁぁぁぁ離れろッ!! オッサンはおめーみたいな乳くせえガキに興味ねーんだよ!!! つーか誰だお前は!』
『あっ……申し遅れました…!
本田珠輝といいます! おじさまは?』
『おじさまってお前な………
俺の名はナット。取り敢えず離れてくれ』
―――とまぁ、俺の予想通りにたまちゃんがナットに食いついたため、さっきまで張り詰めていたのが皆馬鹿馬鹿しくなったのだ。
冷静さを取り戻したフェンネルは、言ノ葉の樹に辿り着いた経緯―――辺境への出張から戻ってこようとしたが、オーダーの影響で神殿に着けず困っていたこと・アルシーヴちゃんのオーダーの反動を心配していること―――を話した上できらら達一行に「手を結びませんか?」と尋ねる。勿論、先へ進むためにオーダーを解除するという意味でだ。だが―――
「あり得ません!! フェンネルは八賢者なんですよ!? しかも……アルシーヴを一番信仰していました。
常にアルシーヴに付き従い、アルシーヴが黒と言えば白いものも黒と言う。
そんなフェンネルがアルシーヴに歯向かうなんて…たちの悪い嘘です…!」
「ランプ……アルシーヴ様とお呼びなさい。」
まぁこの有様である。
俺という例外はいたものの、彼女たちは基本的にクリエメイトをめぐってきららちゃん達と戦ってきたのだ。今更敵に手を組もうと言われても、信じられるはずがない。
これがもし、カルダモンやシュガーからの提案だったなら、ランプは俺という前例を元に、賢者を信じただろう。だが相手はアルシーヴちゃん専門の百合女ことフェンネルだ。話は変わってくる。
「まーフェンネルが裏切るなんてあり得ないな。アルシーヴちゃんがダジャレの乱舞を耐えきれると断言するくらいあり得ない」
「ローリエ…アルシーヴ“様”とお呼びなさい…!
あとアルシーヴ様ともあろうお方がダジャレ程度耐えられないなんてことある筈ないでしょう…!!」
悪いなフェンネル。実は君の出張中にもう検証済みなんだよ。サルモネラの逮捕報告をした際、耳元でぼそりと「これで砂漠は安心だ。
まぁ、それは置いといて。
「オッサンはどうする?」
「ぶっちゃけ動きたくないが……まぁ、頂上の街に着ければなんでもいいさ。メンドくせぇし、一緒に行動した方がいいんじゃねーの?」
「…このマダオが」
オッサンに手を組む件を尋ねると、思った通り投げ槍な答えが帰ってくる。この場にいた皆は、どうやらこのナットというオッサンの人となりをある程度理解したようだった。
「ローリエ……その自堕落な中年は?」
「ナット。今回のオーダーに巻き込まれただけの一般人らしい」
「なるほど」
「………カラダ捌きが尋常じゃないから、絶対ただの一般人じゃない事も注意しておけ。俺も常に見ておく」
「………仔細把握いたしましたわ」
ナットについても、フェンネルときららちゃん一行に紹介しておく。最後の会話だけ、フェンネルにだけ聞こえるような小声で伝えた。フェンネルはどうやら目的を達成するためにクリエメイトを護衛する方針を取るようだ。
こうして……俺とフェンネル、きらら一行に――おそらくナット。
それらの様々な思惑が絡みそうな珍道中が今、始まる。
「しかし、オーダーね……クリエメイトと会えるこの光景も、アルシーヴ様の崇高なるお力があってこそね。
不可能を可能に………聖典を現実のものとするその力、どうして貴方様以外の者がなし得ましょうか…!」
「す、すごいですね。フェンネルさん……」
「……けど、似ていますね。」
「似てるって、何がですか?」
「フェンネルさんと本田さんがです。」
「ええっ!? 私が!!?」
「本田さんもお父様の話をする時はあんなふうに笑顔で話されていますから。フェンネルさんが本田さんならアルシーヴさんの魅力が分かるというのもそういうことかと思います。」
……しっかし相変わらずフェンネルのアルシーヴちゃん崇拝具合は半端ないな。宗教関連に前世から疎い俺からすればちょっと考えられない。
「ええ、その通りですわ、椎奈。
ですが、1つ勘違いをなされている。
それは……そもそもアルシーヴ様の魅力を理解できない人などいるわけがないという事です!!」
アルシーヴちゃん関連の話題で仕上がっていくフェンネル。大丈夫なのかこれ、オッサンに隙を突かれや……あ、オッサン引いてるわ。
「以前、アルシーヴ様が庭園をひとり散策されていた時のこと―――」
うーわ、また始まった。フェンネルのアルシーヴちゃん語りは表現が誇張的かつ語彙力抜群なので時間がかかる。ちょっと茶々入れて時間短縮だ。
「確か、星が綺麗に映る夜の中、
「ローリエ………どうやら今ここで死にたいようですわね…?」
「お、やんのか? オッサンを重点的に、ついでにクリエメイト二人を巻き込んで久しぶりに勝負といくか?
確かフェンネル、お前との戦歴は900戦中俺の451勝だったよな?」
「寝ぼけてますねローリエ。わたくしが451勝ですわ!」
「あーはいはい、お前ら賢者だっけ? 二人とも仲良すぎだな、ホント」
「「冗談は自堕落さだけにしろ(てください)」」
「お前らホントにオッサンに厳しかないかい!!?」
「大丈夫ですおじさま! 私は優しくします!!」
「やめてくれ……プライドに刺さる…」
たまちゃんに好かれたからって調子乗るなよナット。
誰がフェンネルと仲が良すぎるんだよ。
キャラクター紹介&解説
ローリエ
帰宅しようとしたらオーダーの進行不能バグで大樹内に転移してしまった八賢者。彼自身転移魔法が使えない訳ではないが、大樹内で椎奈を置いたまま転移などあり得ないとその選択肢を切り捨てている。また、クロモンの襲撃をナットと協力して退けるも、その戦い方はランプとフェンネルの誤解を招いた。
村上椎奈
オーダーで大樹内に召喚されたSNS部部長。人見知りでネガティブな性分なのだが、ローリエの差し入れの飲み物で落ち着きを取り戻す。
ナット
大樹内にて進行不能バグに巻き込まれたという一般人。無気力で無責任なオッサン。年齢的には珠輝の好みだが、彼にロの付くアレの気はない。「メンドくせぇ」が口癖。個人的なイメージCVは平○広明氏だが、人によっては小○力也氏、あるいは故藤○啓○氏をイメージする方も多いかもしれない。
本田珠輝
きらら達に保護して貰ったクリエメイトにして、「ステラのまほう」の主人公。ファザコンであり、その影響でおじさま好き。作者的には渋くて責任感のある中年も好きそうだが、ナットのような物臭な中年も「これはこれで」と好みそうではある。
フェンネル
第6章のボスを務める八賢者。アルシーヴを深く信仰しており、ローリエとは馬が合わない。しかし、アルシーヴのため最低限クリエメイトを守らなければならないと考えているので、ローリエの懸念だけは受け入れている。
漆黒麦コーヒー
作者が2秒で考案。エトワリア特産の麦を黒くなるまで煎り、コーヒー豆を使わずにコーヒーの味と香りを再現した飲み物。
シャインドロップ
作者が16秒で考案。エトワリア特産のフルーツを原料に岩塩、砂糖などを使いジュースにした。ただただ甘味だけでなく、渋味と酸味も味わうことのできる独特の味。故に好みが別れる。
ステラのまほう
く○ば・U氏によって2012年〜2020年7月現在連載中の、4コマ漫画。本田珠輝が、村上椎奈や関あやめ所属するSNS部に入り、部活動として同人ゲームの製作を通して青春を過ごす。登場人物のかわいさだけではなく、人間的な悩みを持つこともこの作品の魅力である。
△▼△▼△▼
ナット「次回予告ぅ? そんなん適当にパパッとやっちゃえばいいだろ」
珠輝「そうですね!おじさまがそう仰るなら!!」
椎奈「ダメですよ本田さん、ナットさん。次回予告の一面を預かった人として無責任な真似はできません」
珠輝「そ…そうですよね部長……ごめんなさい、異世界のおじさまが目の前にいるのでつい…」
椎奈「では話を戻します。賢者達、そしてナットさんと行動を共にすることになったきららさん達でしたが、クリエメイトの情報がありません。そ、そこで……聞き込みをするのですが……
………良いんでしょうか。私なんかが、町の人たちの営みを邪魔するようなマネをして……」
次回『シナリオ担当と黒い歴史』
ナット「椎奈ちゃん……お前、意外とメンドくせぇな」
椎奈「仕方ないじゃないですか……こんな性分なんです……!」
ナット「……難儀だねぇ」
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きららファンタジアに登場する作品群の中の、次の作品の中で、最も皆様が好きな作品は?
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まちカドまぞく
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球詠
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アニマエール!
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幸腹グラフィティ
-
落ちこぼれフルーツタルト