きららファンタジア 魔法工学教師は八賢者 作:伝説の超三毛猫
今回はついにオッサンの人質救出作戦です。ゆっくりたのしんでいってね!
“大地の神兵と呼ばれたナットは、ただ姪を守るため、そして姪の元へ帰るため、その槍を振るった。”
…ローリエ・ベルベット 著 自伝『月、空、太陽』
第7章より抜粋
ローリエとナットの二人の筆談から始まった「エイダ争奪作戦」。
それも今、大詰めを迎えようとしていた。
彼が呼び出した「コリアンダー」という人物。そして、『高度な偽装』の伝手。
きららが提案した「嘘の報告」でドリアーテをおびき出す手段。
それらが上手くいくかどうかは、まだ誰も知らない……
◇◇◇◇◇
言ノ葉の樹の、神殿へと続く森の中。
一人の女性が、美しいオレンジの長髪を揺らしながら歩いていた。
誰もが振り向きそうな美女であったが、あいにくここには誰もいない。しかし、美しいものはあらゆるものと相性がいい。森の木々や草、花たちも彼女を彩る景観になっていく。
やがて彼女は、代わり映えしないはずの森の、目の付く場所まで辿り着いた。
そこは、植物がなくなった場所だった。クレーターのように地面が抉れて、地面が曝け出されている。そこでは、何か尋常ではないことが起こったことを容易に想像させられることだろう。
彼女は、クレーターの中心に、いくつもの人影を見つける。
一人は、額の傷と歴戦の風格、そしてだらけた表情が特徴的な、中肉高背の中年。
一人は、全身が血にまみれ、地面に縫い付けられたように這いつくばる少女。星型の髪飾りが特徴的だ。
やってきた女性――この女こそ、ドリアーテである――は、満足そうに少女を一瞥すると、その笑みを隠さずに中年に向けた。
「……よくやりました、ナット。召喚士の討伐に成功したようですねぇ」
「…………」
対する中年―――ナットは、女性の言葉に対して、何も言わない。
「……他の者たちは?」
「…フェンネルには深手を負わせたが逃げられてね。だが他の連中は御覧の通りだ」
「ほぉ………」
女性は周りを見渡す。
よくよく見れば、地面に真っ赤な華が大小合わせて6つほど咲いている。倒れ伏してくたばっている召喚士の仲間のなれの果てだろう、と女性は思った。
「よろしい。では、報酬です、ナット」
ドリアーテは満足げに魔法を呟くと、彼女の傍に転移のワープゲートが開き、一人の少女が降ってきた。
深緑色のはねっ毛がやや目に付き、つぶらな黄色の瞳が特徴的な少女。SNS部に見せれば、本田珠輝の2Pカラーのようだと言われていたことだろう。
そんな珠輝をカラーリングチェンジしたようなこの少女こそ、ナットが取り戻したかった人物―――エイダ、その人であった。
「エイダ!」
「おじさん!!」
エイダはナットの姿を見とめると、すぐさまナットの胸元へ飛び込んだ。ナットもまた、エイダをしっかり受け止めた。
はたから見ればどう見ても感動的な親子の再会の場面である。惜しむべきは、場面がややというレベルで誤魔化せないほどに血なまぐさいことだ。
そんな二人をドリアーテはただ見つめるだけである。ただ冷たい視線で様子を見ていた彼女は…
「…………………
…………………………………………フ」
二人の視界から自分が出ていったことを確かめると。
抱き合っている二人に左手をかざし。
その左手の指先を向けると。
――――――その左手ごと、左半身が吹き飛ばされた。
「―――ッッ、なっ!!? これ、は……」
驚き。
その表情に染めたのも一瞬で。
ドリアーテは、己を炎で包んだ。
「……ナット………これは、なんの…マネですかっ…!?」
普通なら、左半身が消し飛ばされるなど致命傷のはずなのに、それでもこんな事を言えるドリアーテは、間違いなく普通の人間から逸脱していた。
そして、己を包んだ炎は、徐々に消失した部位を再生していた。
それが意味する事は……たったひとつだけ。
「それはコッチの台詞だ。エイダが五体満足で戻ってきたからまさかと思ったぜ。
―――お前、随分性格悪ィじゃあねーか。俺達をまとめて始末するつもりだったか?」
「…っ、随分と用心深いんですねぇ」
ナットの不敵な笑みとともに投げかけられた質問。
口ごもるのは一瞬。だがナットにとっては……しいては
「へへ……エイダは俺の家族だ。必ず貰っていくぜ」
「小癪なマネを―――」
再生が終わり、反撃をしようとするドリアーテ。
しかし、それは彼女たちが許さない。
「どおりゃあぁぁぁーーーーー!!!」
「えいやっ!!!」
シャベルとバットが同時にドリアーテを襲う。
それらはかろうじて躱されるものの、攻撃の余波をモロに食らい、身体のあちこちにかすり傷がついて―――そして、肌から吹き出す火によって癒されていく。
ドリアーテは、不満が表情に漏れ出ていた。攻撃してきた人物……恵飛須沢胡桃と一井透の二人を見た途端に、何が起こっているのかを察したからである。
「クリエメイト……!? なぜ、コイツ等が……っ!!」
「エイダさんには……手出しさせませんっ!」
「!!?」
生きているはずのない人物の声に、ドリアーテは咄嗟に魔力のレーザーを放った。狙いは、倒れ伏して動かないボロボロの召喚士。
雑巾のような召喚士は、そのレーザーに貫かれ………跡形もなく、消えたのだ。文字通り。まるで、高温の金属か焼石に水をかけ、その水が蒸発したかのように。
「―――ナットォォォオオ!! 貴様!この私を図ったな!!?」
「あー……なんのことだ?」
「とぼけるな!! 確かに聞いたぞ……召喚士と、クリエメイトの討伐に成功したと!!!
裏切りおったな!なにが『大地の神兵』だ!! このドリアーテの……私の依頼を達成など、できていないではないかッ!!!」
嘘のように消えた召喚士・きららを目にしたドリアーテはすぐさま激高してナットに襲い掛かる。だが、ナットはドリアーテの魔法の数々を軽くいなしながら煽るようにすっとぼける。ドリアーテが『依頼』の話を持ち出すと、ナットは表情を険しくしながらこう告げた。
「何を言っているんだ? お前さんからは、依頼なんて受けちゃいねーよ」
「なっ!!? 依頼ならしただろう!! 召喚士とクリエメイト、そして八賢者の討伐依頼を―――」
「報酬はエイダの命。それもてめえが攫っておいた、だ。おまけに契約が終わった瞬間に消しにかかるときた。あのな、そういうのは、ふつう『依頼』って言わねえ。『脅迫』って言うんだよ」
言外に自分が受けたのは「脅迫」だというナット。そして。
「―――人を馬鹿にすんのも大概にしろ」
地が揺れるかと錯覚するレベルの威圧。
まさしく「大地の神兵」の通り名に相応しいオーラを身に纏い、膨大な殺意がドリアーテ一人だけに注がれる。流石の彼女も、これには動きを止められた。
このタイミングで、現れた人物がいた。
星の髪飾りをツインテールにかざりつけた、黒いローブが特徴的な少女・きらら。
ライトグリーンの髪、そして紫と群青色に染まった瞳を鋭く突きさす、二丁拳銃の男・ローリエ。
そして……近衛兵のような姿をした少女・フェンネル。
三人の登場に、ドリアーテは確信する。自分は嵌められたのだと。
「いい気になるなよ……一度騙した程度でこの私に勝ったつもりか!!」
だが、ドリアーテは貪欲に、傲慢に立ちはだかる者たちを亡き者にせんと、黒色の炎を全身から噴き出した。周囲の木々に燃え移ることなどお構いなしと言わんばかりの超火力が、五人に襲い掛かる。
「オブジディアン!」
「クレセントフレア!」
だが、ナットの鋭利な一突きとフェンネルの月の魔力が、禍々しい炎を相殺。
「お願い!」
「でやっ!!」
「でええええいっ!!」
「!!?」
消えた炎から胡桃とトオル、きららが現れ、ドリアーテに肉薄する。
胡桃とトオルは『コール』の力で、きららは攻撃力の自己強化を乗せた三人の攻撃は、ドリアーテに命中する。しかし、ドリアーテは全身を燃え上がらせたと思えば、あっという間に三人の攻撃のダメージを回復してしまった。
すぐさまドリアーテはレーザーの魔法で三人に反撃する。
―――が、三人はレーザーに命中した途端、再び消えた。周囲を見渡せば、既に三人はドリア―テから距離をとっていた。
「幻か……これまた小癪な手を……!」
「くっ……!」
「なんてズルい力……!」
「なんとでも言うがいい!『不燃の魂術』は不滅の魔術……私を殺すことなどできぬ!
たとえ1000回死のうが、不死鳥のごとく蘇る!! 貴様らの攻撃、全てが無駄なのだ!!!」
ドリアーテが生み出した「不燃の魂術」。決して死ぬことはないということは、それだけで十分なアドバンテージだ。「たとえ負けてもコンテニューし続ければ勝てる」という、ゲームでしか通じなさそうな暴論を実際に行う事を可能としたおぞましき秘術に、彼女は絶対の自信を持っている。
「ふーん、1000回殺しても生き返る、ねぇ。流石に要らないかな。
オッサン、40年近く生きてきた人生でもかなり疲れが溜まるのよ。寿命はあんま伸ばしたくはないかな」
「だな。独りで不老不死になっても意味がねぇ。どうせならカワイ子ちゃんを嫁にしてから考えるわ。
それに―――」
メンド臭がりなナットと女好きのローリエがそれぞれの武器を向けた。
完全にドリアーテの死角を突いている。
「「千回殺しても死なないんなら一万回殺るまでだ」」
ローリエの魔法弾とナットの槍の衝撃波。二つが重なり、ドリアーテの頭を消し飛ばした。
◇◆◇◆◇
ローリエの電話に答えたかと思えば、いきなり言ノ葉の樹の根本の町まで来いと言われた。『ドリアーテを拝める』と言われて。
半信半疑で転移してみれば、そこで迎えに来たのは、ローリエと同じ八賢者のフェンネル。
何があったんですかと問えば、彼女は合流地点へ案内しがてら、事細かに教えてくれた。
再び『オーダー』が行われ、SNS部の部員だというクリエメイトが召喚されたこと。
同じ賢者のローリエとフェンネル、そして召喚士きららの一行が巻き込まれたこと。
ナットと呼ばれる、かつての伝説の傭兵と戦いになったこと。
ナットの裏にいた監視の目を再起不能にしたこと。
だが、ナットの人質をドリアーテが握っていて、依頼を報告しなければ解放されないこと。
そして―――ドリアーテの目を誤魔化すために俺の力が入り用になったこと。
『俺の力が必要になったことは分かった。それで、どうすればいい?』
『そうだな……幻影魔法と
ローリエが『オーダー』とクリエメイトに関わる事件でふざけないことを知っている俺は、すぐにきららという少女の幻影を作り出す作業に取り掛かった。幻影を作るのに必要なのはイメージだ。きららという少女には協力してもらって、土埃を被ったり血糊を塗りたくってもらったりした。正直、年頃の女の子にこんなことをするのは気が引けた。
だが………おかげで、ドリアーテですら初見では本物と誤認するようなクオリティの高い幻影を作り出すことに成功したから僥倖だ。
―――そして、今に至る。
「……あいつら化け物かよ」
「なんて戦いだ……目で追うのが精一杯だよ」
「きららさん………」
俺たち――俺の他には女神候補生のランプとその保護者のマッチの他、『オーダー』されたクリエメイトと人質にされてたエイダという少女もいる――は今、戦場と化しているだろう取引の場所であるクレーターから距離を取った、入り組んだ茂みの中に身を隠している。ローリエの迷彩型ルーンドローンから映像を中継して、ローリエ達の戦いを見守っていた。
この中継を見てて思ったことだが……俺も一応は戦える自覚はあったが、これは桁違いだ。俺は今、幻影魔法と水鏡魔法を使ってローリエ達の援護を陰ながらしているが、ドリアーテの目の前に姿を現したらすぐさま殺される自信がある。それくらい………今の俺では、届かない次元の戦いだった。
悔しい自覚はある。親友が表立って戦っている中、俺は隣に立つことが出来ないんだ。悔しくない訳がない。
だが、それ以上に…心配だった。
相手は死なない化け物だ。
ローリエとナットによってたった今、頭がぶっ飛ばされたというのに、首から炎が吹き出したかと思えば、新たな頭が生えているじゃあないか。こんなの、もはや人間じゃあない。
こんな化け物を、どうやって倒せば良い?
『……ッチ、キリがねぇぞこりゃ』
『…メンドくせぇな。お前ら! 1分稼げ!それでどうにかする!!』
『させると思っているのか、この馬鹿がアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああァァァッ!!!!』
ドリアーテが炎を纏ってナットの方に突貫してくる。その姿は、まるで炎でできた鷲か鷹のようだ。
だが、ナットの前に誰かが立ち塞がる。
『邪魔はっ、させないん、だからぁぁあああああああああ!!』
金髪のツインテールの少女が…おそらくあの子もきららさんが呼び出したクリエメイトなんだろうが、その子が盾を構えて炎の鳥を受け止める。炎の鳥は盾を強引に突破しようとするが、少女はそれを押し返そうとする。
そこに、フェンネルもやってきて、金髪ツインテの女の子に加勢する。
『そこをっ、どきなアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!』
『うわああああああああああああああああああああああああああ!!!』
『負ける、ものですかァァァァァァァァァッ!!!』
魂の叫びがドローン越しに響き渡る。
皆の視線は、画面に集まった。
勝ってくれ。
ここにいる俺たちの願いはただ一つだけだ。
頼む………コイツに、首や左半身さえ吹っ飛ばしても再生するような不死身のコイツに、勝ってくれ!
全員がそう願った時。
『ぐわッッッ!!?』
『『!?』』
炎の鳥が風圧で吹き飛ばされたかと思えば、画面全体が揺れる。今のをドローンがまともに食らったのか……! 墜落さえしなければ大丈夫そうだが、激しく揺れていて何も見えない。
「こ…これは……?」
「暴風をまともに受けたんだ! 頼む操縦、地面に落ちてくれるなよ……!」
必死に遠隔操作で上昇を試みる。運良くコントロールを早く取り戻したお陰で墜落はしなかったが、バランスを取り戻したドローン越しの映像に、全員が言葉を失う。
クリエメイトとフェンネルの後ろからざっざと前に出て現れたのは―――厳つい顔をした男だった。ローリエにはない、ツッパったリーゼントヘアに、人を数人殺していそうなほどに恐ろしく鋭い目。そして………黒が基調の鎧と長槍。
「だ…誰だ、コイツ………!?」
「新たな刺客…!?」
「ナットさんが確認出来ません! コリアンダーさん、ちょっとカメラを回してみてください!」
「お、おじさま……!?」
『貴様ァァ……何者だッ!?』
『アァン!!?テメェこそなにジロジロ見てんだよ…………タコにされてェのかオラアアァァァッ!!!』
「「「「「「ひいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃっ!!?」」」」」」
ちゅ、中継で見ているだけの皆すら震え上がらせるこの男…一体誰だ!? 敵なのか!!?
マズいな。敵だとしたら、すぐさま手を打たないとッ! 幸い今はドリアーテに目を引かれているが………
『あの……あなた…ひょっとして、ですけど……
………………………
『オウともよ! 俺こそがかの「大地の神兵」にして「不敗の戦士」!!
「「「「「「「……………え?」」」」」」」
きららの質問。堂々と答えたヤンキー。
それに一拍、茂みが静まり返り。
そして。
「「「「「「「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!?」」」」」」」
茂みが大きく揺れて、鳥たちが逃げ去っていった。
「な、な、ななななな、ナットさんんんんーーーーっ!!!?」
「ウっっソだろ!? 完全に別人じゃねーか!! ホントにオッサンなのかあのヤンキー!?誰だよアイツ!!」
「お……おじさまが、おじさまじゃあ、なくなっ―――きゅう」
「わあああああああたまちゃーーーん!!大丈夫!!?」
「若返る……だと……もう何でもアリだな…」
「だだだだだ、誰ですか!あの不良のボスみたいな人は!!」
も、もう訳がわからん。ナットって確か、見た限り中年だったぞ? それが若返るだと?? 不燃の魂術……じゃないよな。かすり傷が一切治ってないし。だとするともう意味が分からん。
こっちはもう滅茶苦茶の混乱状態だぞ。大慌てする
…………本当に、なにがどうしてこうなった??
◇◆◇◆◇
…あ、ありのまま今起こったことを話そう。
『夏帆ちゃんとフェンネルがドリアーテを抑え、俺が援護射撃していたと思ったら、変なヤンキーがナットの名を名乗りだした』
―――うん。本当にありのまま起きたことを書き連ねただけなのに、これは間違いなく言ったら
「言っている意味がわからない…頭がイカレてるのか?」と言われるな。
……え、理解できないって?
安心してほしい。俺もよく分かっていない。何を言っているか分からないかもしれないが、本当になんだこれは。
「あの……あなた…ひょっとして、ですけど……
………………………
「オウともよ! 俺こそがかの『大地の神兵』にして『不敗の戦士』!! 傭兵
……というか、きららちゃん…よくあの不良染みた野郎がナットだって分かったな。まさか、それもパスを感じ取れるお陰なのか?
「……オッサン、なのか? なんでそんな―――若返った、でいいのか? そんな姿をしてるんだ??」
「オッサンじゃない、ナットだ。 それと、これは“本気の姿”だ……!!」
「………………本気の姿?」
まぁ若返った今ならオッサンじゃあないよな、とは言わずに気になるワードを追及する。
「俺くらいのオッサンは、本気出せば最盛期の若い姿になるくらいわけないの。
……さて、ドリアーテをぶっ潰すぞ。この姿で戦うの久しぶりだな。ちと加減を忘れそうだ」
「おい、オッサン……! その姿で本当に戦えんのか!?」
「安心しなローリエ。
―――この姿の俺は
槍を持った手元がブレた気がした。
そして……再び黒い炎を出そうとしたドリアーテの
「「「「!!!?」」」」
そして………さらにワンテンポすると、ナットの前方…ドリアーテの後ろの木々が木端微塵になっていた。
「―――
すべての動作が終わってから、技名を呟くと、大爆発が再び起こった。
「お……オッサン…!?」
「な、なんて強さですの…!!?」
「で、でも! これなら勝てます!ドリアーテに勝てますよ!!」
俺と一緒に呆気にとられるフェンネルに、俺のぶんまで大喜びするきららちゃん。
だが、俺はきららちゃんの喜びには全面的に賛成しかねる。
確かに…一見、俺達いらなくね?ってくらいに圧倒的な戦闘力を、ナットは見せてくれた。
だが………よく考えてみて欲しい。
いくらこの状態のナットといえども、もとはと言えば自堕落なオッサンだ。自堕落うんぬんはさておいても、オッサンなのである。若い頃ほどの持久力を期待するのは良くないだろう。
しかも、相手は「不燃の魂術」をその身に施したドリアーテなのだ。決して死ぬことはなく体力もどうなっているかは分からない。
つまり……持久戦ができないこの状況の不利は、何も変わっていないのだ。
「………なぁオッサン。
「「!!?」」
「あー………ローリエには分かっちゃうかぁ。年は取りたくねーな、ホント。
―――逃げる時間も加味して
「ご、5分!!?」
きららちゃん、声がデカい。
しかし…5分かぁ。ウルトラマンよかマシだけどぶっちゃけどうなのよ。
俺はここに生まれてから今まで、こんな状況下で戦いをしたことがない。時間制限という点では広大な砂漠からサルモネラを探した時や、イモルト・ドーロでスティーレのメンバーを保護した時と似ているが、ここまでハッキリとした生死に繋がる制限時間というものを感じたことはなかった。
ドリアーテが徐々に再生していく。
こっから先は、撤退戦だ。
だが……タダでは終わらん。
オッサンが余裕をもって戦えるこの5分間。ここで必ず、ドリアーテの……不燃の魂術の弱点を見つけてやる。
キャラクター紹介&解説
ローリエ
ドリアーテ戦に地味に参加しながら、ナットのトンデモ大変身の裏を真っ先に読み当て、「不燃の魂術」について分析し出来るだけ見極めようとする主人公。ローリエの攻撃手段は拳銃という実在する武器によるものなので、ナットのド派手な攻撃に比べるとどうしても見劣りしてしまうが、それだけ合理的に敵を無力化することに特化していると言うべきか。
フェンネル&きらら&日向夏帆&恵飛須沢胡桃&トオル
ナットとローリエと共にドリアーテと戦っていた八賢者&原作主人公。きららの今回の『コール』は、夏帆(ナイト)、胡桃(せんし)、トオル(せんし)の物理よりの編成。実際、ドリアーテがきらファンに実装されるならば()、水☆5キャラのオールスターズによるワンパンリレーが幕を開けるだろう。
ナット
本気を出すことで一時的に若返った大地の神兵のオッサン。戦闘力も桁違いで、槍の連撃で人の上半身を周囲一帯ごと消し飛ばすことが可能。だが、年には勝てず、あまり長い時間若返ることはできないようだ。
なっと「オッサンと張り合ってた勇者、元気してるかな…今頃だいたい――」
きらら「す、ストップです!なんか、それ以上言ってはいけない気がします!」
ろーりえ「勇者ってのもさ、本気出したら若返ったりするのかな?」
らいね「……………。」
ドリアーテ
念入りに準備された状況証拠と偽の討伐報告にまんまと騙された黒幕。怒りに任せてナット達戦闘員を消しにかかるが、ナットの本気により状況が変わる。なお、本人も知らないことだが、状況は未だ彼女の有利にある。
コリアンダー&ランプ&マッチ&本田珠輝&村上椎奈&関あやめ&藤川歌夜&布田裕美音
ローリエに呼ばれて工作を行った神殿事務員&きららの仲間&クリエメイトたち。ドリア―テがやってきた後は距離を取って身を隠し、またコリアンダーはドリア―テの隙をついてナットの姪・エイダを保護した。迷彩型ドローンで密かに戦況を見守っていたが、ナットの大変身にほぼ全員が狼狽する。
△▼△▼△▼
ナット「大地の神兵として生きてきたが……ここまでマジに戦うのは初めてだぜ。」
ローリエ「頼むぜオッサン。ドリア―テは必ず倒す。だがそれは今じゃあない。神殿の禁書にも載ってないような『不燃の魂術』の弱点……この戦いで見つけてやる!」
フェンネル「撤退戦、ですのね………不本意ですが、不死身というのは厄介ですわ…」
きらら「皆さん、無事に戻りましょう!命あっての次ですから!」
次回『Goddes Save The Heroes』
ランプ「きららさん…先生…ナットさん…必ず戻ってきてくだs―――」
フェンネル「ランプ。わたくしは?」
ランプ「…………」
フェンネル「こっちを見なさいランプ!」
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きららファンタジアに登場する作品群の中の、次の作品の中で、最も皆様が好きな作品は?(決戦投票編)
-
がっこうぐらし!
-
きんいろモザイク
-
夢喰いメリー
-
ゆるキャン△
-
まちカドまぞく