たい焼き屋さんと妖怪姫   作:夜半の月

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5ちゃんねる投稿掲示板で投稿していたSSの準改訂版とでもいうべきお話です。
ライブアライブの田所アキラ×淀君の恋愛話です。
ピクシブ様投稿のお話と同様の内容であり、表現的にはR16だとは思うのですが、ご注意を受けた場合はR18に改訂いたします。




夏の夜 伽の始めは 怪談か

 

 

 

 

 夏の夜 伽の始めは 怪談か

 

 

 

 

 

 八月が終わり九月に入ってもまだ暑さが収まる気配が見えない今日この頃。

 

 たい焼き屋から帰ってきた俺がテレビを付けると夏の定番とも言える怪奇特集をやっていた。

 

 

 

『カメラは捉えた××城跡の怪現象!!』

 

 

 

 気のせいか年々減っていくこの手の番組は見間違えであったり作り話であったりと、基本的には臨場感を出すためのやらせが多い。

 

 まあ霊感が無い俺には分からないだけで本物が混じってるのかも知れないが、超能力で心の声を聴こうとしても反応しないのはやっぱやらせってことなんじゃねえのか? 

 

 そう、俺のテレパス能力には幽霊や魂と会話できる機能が備わっている。生まれつきか、それとも闘いの中で鍛えられてきた結果かはしらねーけどな。

 

 

 

『この城跡は以前から火の玉が目撃されたり、女の啜り泣く声が聞こえたりと怪奇現象が後を絶たないとのことです』

 

 

 

 予算の都合上かアイドルなどの芸能人ではなく新人の局アナがリポートしているのが涙ぐましいぜ。

 

 反面、真面目ぶってるようにも映るから映り映えとしては、それなりの取れ高は採れてそうだ。

 

 

 

『最近ではずぶ濡れの着物姿の女性が立っていたという話もあり地元の人は……』

 

 

 

 だがこの番組に関しては本物とは思えないな。起こっているという怪現象も昔からあったテンプレとでも言える物だし、原因とか背景その他も全て子供の頃見た内容と同じような物だ。

 

 演技、やらせ、作り話。そんなフレーズが頭をよぎっちまうが、この手の番組は怖い物見たさとでも言うのかついつい見入ってしまうから困るんだ。

 

 

 

 それに、いくらやらせだったとしても電気の消えた暗い家の中で見ていると急に怖くなってきたりもするものだ。

 

 だからこそ暑い夏でもゾクゾク寒気がして涼しくなるっていうのが昔から有る怪談ってやつの目的なんだが……。……ふ、集中してっとやっぱりちょっと怖いもんだな。

 

 

 

 結局最後まで見てしまった俺は見事番組に引っ掛けられてしまったと言えるのだろう。

 

 その証拠にテレビを消して立ち上がる頃にはちょっとした恐怖心が沸いていた。

 

 

 

「な、なんか生温かい風が吹いてるような……」

 

 

 

 どこからともなく隙間風が吹いてるんだが、その風が生温かいせいか妙に気味が悪い。

 

 夏で空気が湿気てる=生温かい空気で当たり前なんだがよ、怪奇特集なんぞ見た後だとそれが得体の知れない何かのように感じてしまうのさ。

 

 もちろんそんな存在(もの)は居ない。あくまで俺の気のせい。

 

 そう思いこれ以上余計なことを考えないよう一度頭の中を空っぽにして部屋の戸を横にスライドさせて開けると────そこには床に付くほどの長い黒髪を身体の前に垂らした女が立っていた。

 

 

 

 う・ら・め・し・や…………

 

 

 

「ううぉッ……!!」

 

 

 

 恨みの念を凝縮した底冷えのする冷たい声と、髪に隠れた顔から覗くカッと見開かれた目が異様に怖くて声を出せなくなった俺に女は覆い被さるようにのし掛かってきた。

 

 

 

(な、なななっっ……?! ま、まさかホントに本物の幽霊なのか……っ)

 

 

 

 某和製ホラー映画の輪っかに出てくるような女の目が間近に迫りジッと俺の目を見ている。

 

 全身から吹き出る冷や汗と、爆発しそうな激しい鼓動が耳に聞こえてきそうだ。

 

 

 

(びびくらかしやがってくそったれっ、俺のホーリーイメージならテメエくれぇ余裕で浄化できんだぞっ!!)

 

 

 

 驚きと焦りを抑えつつ、冷静になりながら俺は最大の超能力必殺技、聖なる力を持つ天使を召喚するホーリーイメージを発動させようと集中力を高めていく。

 

 そんな俺に女の顔がゆっくりと近付いてくる……そして…… 「いくぜホーリーイ──」その先は唱えることができなかった。

 

 

 

「ちゅっ」

 

 

 

 なぜだか女の幽霊が唇にキスをしてきたんだ。温かくしめった唇の感触がとっても気持ち良くて──って、ええっ?!

 

 て、ちょっと待てよ。なんで幽霊がキスなんかできるんだ? の前によ、俺がキスしてもいいって女はこの世に一人しかいねーんだよ勝手にキスしてくんなっ!! 

 

 と思う矢先だった。軽く唇を重ね合わせるだけの口付けはすぐに終わり、顔を離した女は髪の毛で顔を隠したまま口を開いた。

 

 

 

「ほほほっ驚いたかえ? 妾じゃ、わ・ら・わ」

 

「は……? そ、その声はって……」

 

 

 

 そう言いながら顔の前に垂らしていた髪の毛を両手でかき分けて身体の後ろにサッとはらい除け、露わになった素顔は、某輪っかの映画に出て来るような女ではなく、俺のよく知る女の顔だった。

 

 冷酷な性格を思い起こさせるような切れ長のつり目に細い眉、何も塗っていないというのに血のように紅く艶のある唇と冷たい印象を抱く怖いくらいに整った容姿。

 

 今はほどいているが、いつもは元結とかいう白い紙の紐を使い膝の裏辺りで一つに纏めている、床に付くほどの長く美しい黒髪。

 

 下に着た赤い着物と、その上から着た緑を基調とした白い紋様入りの着物は胸元を大きくはだけさせていて、触り心地の良さそうに大きく実った二つのおっぱいが顔を覗かせている。

 

 

 

「よ、淀君~っ、てめー脅かすんじゃねーよ! 危うくホーリーイメージを発動しちまうとこだったじゃなーか!!」

 

 

 

 この美人という言葉では足りないくらいの妖艶な雰囲気を持つ絶世の美女の名は淀君。

 

 信じられないことに江戸末期の時代の尾手城にいた妖怪の姫で、いまは俺と一緒に俺の世界とあっちの世界を行き来しながら生活している、ま要するに俺の、なんだ……、嫁さんだった。

 

 行き来してる世界ってのは、正確には単純に俺の世界と連続して繋がってる世界じゃなく、異世界の江戸末期というのが正しいか? 起っている歴史的な出来事が違いすぎるもんなあ。

 

 とにかく自分でも訳が分からないまま液体人間から逃げようと、極限状態でのテレポートを発動させた俺がその世界に迷い込んでしまい。

 

 そして俺と死闘を繰り広げた挙げ句に流されるままに結婚し、この世界に帰ってくるとき俺のテレポートの範囲に入り込み一緒に付いてきてしまった女なのである。

 

 どうやってこっちの世界に来れたのか彼女にも分からないらしいが。彼女曰く。

 

 

 

「アキラ、そなたと離れとうないと思うておったら何やら光に包まれてのう。気が付けば妾はこの部屋に立って居ったのじゃ」

 

 

 

 ということだった。 それが一年と少し前のことだ。その間俺はどうやったら向こうの世界と行き来できるかを調べていたんだが、どうも俺のテレポートが原因らしいことが最近になって分かってきた。

 

 何故かというと俺のテレポート、最近になって世界移動や時間移動なんかも可能なくらいにパワーが増していたのさ。 おそらくはやつ、オディオとの闘いにも原因はありそうだがよ。

 

 共に戦った仲間達の世界になら自由に跳べるのさ、今の俺は。最初初めて淀の部屋にテレポートしたときは極限の中での力の高まりが世界や時間の壁を偶然にも越えさせた奇跡の産物なんだろうが、そのあとからは能力の高まりによっての部分が大きいんだろう。

 

 下手すりゃ、オディオの各時代ごとに住んでいた仲間達を“あの絶望の世界”に強制転移させた能力の類、つまりテレポートと似て非なる別な能力の可能性もあるんだが、そのあたりはよくわかっちゃいねえ。

 

 

 

「ほほほほほ! どうじゃアキラ、少しは涼しくなったであろう?」

 

 

 

 そんなことを考えてた俺に対し淀君──淀の方はというと、口元に手を当てて優雅に微笑んでいる。

 

 俺が怖がってたのが面白いみたいだがな、平安や戦国大名の姫とでもいう外見の淀が幽霊の真似事をやると、妙に本物さが増しちまってシャレにならん。

 

 彼女が美人というのもそれに拍車を掛けていた。美人が凄んだり幽霊の真似とかしたりすると思ってる以上に怖いんだぜ? 

 

 

 

 これがかわいい系の美人ならまだしも、淀君みたいな妖艶な美女じゃ怖さ倍増もいいところだ。

 

 しかも淀君は人間ではなく妖怪だから本物的な雰囲気をより一層強く出すことが出来る。これはもう特技と言うより生まれ持った特性や力だな。俺と同じ様な、な。

 

 

 

 青白い火の玉や炎を浮かび上がらせたりなどお手の物だ。お陰でちょっとちびりそうだった……いっとくがマジではちびっちゃいねーぞ。

 

 

 

「んでよ、なんでまた幽霊の真似事なんざやってたんだよ」

 

「うむ、それはじゃな。てれびの怪談話やいんたあねっとのさいとにこのような怨霊が出て居ったから真似てみたのじゃが……どうであった?」

 

 

 

 それって輪っかのことだよな?

 

 その為に髪ほどいて全部身体の前に垂らしてたのか……。

 

 

 

「あのなぁ、わりーけど淀がやるとホントに怖いんだから止めてくれ……心臓止まるかと思ったぜ」

 

「ほほほ、それはすまぬ じゃがそなた暑い暑いと申して居ったではないか? それ故、妾なりに涼しくしてやろうと思うたまでじゃ。それとも……」

 

 

 

 淀君は言い掛けて俺の頬に手を伸ばしてくる。

 

 

 

「そなたにはこちらの方が良いのかえ?」

 

「うおっ! つ、冷てェ!」

 

 

 

 頬に触れる淀君の手はいつものように温かくはなかった。

 

 まるで死人みたいな冷たい手。これは多分淀君の技の『冷たい手』だ。

 

 そのままじゃないかって技名だがな、敵にダメージを与えられるということは相当冷たくも出来るんだろう。

 

 もちろん俺にそんなことする訳ねーから丁度いい冷たさだけどよ。

 

 

 

「アキラ、そなたはいつも初々しい姿を妾に披露してくれるのう」

 

 

 

 淀君はその冷たい手で俺の頬を優しく撫でてくれる。

 

 頬が冷たくて気持ちいい。こりゃいーや。天然クーラーだぜ。

 

 

 

「妾はそんな初々しいそなたが大好きじゃ……んっ」

 

「んむっ」

 

 

 

 撫でてくれながらそっと顔を寄せてきて口付けをしてくれた。

 

 いつもそうなんだが、こういう愛情表現は自分からじゃ恥ずかしくて割とできねーもんなのさ。

 

 普通男が女をリードするものだと思うが、そんな事情もあってよ、俺たちの場合は逆だった。

 

 俺が淀君を抱くんじゃなくて、淀君が俺を抱くんだ。

 

 こうやってキスされて受け身になってるのが証拠みたいな物。

 

 っつっても、積極的にこっちから求めるときだってあるんだぜ? 男、田所アキラ。意地でも通すときゃ通すのさ。

 

 そんときゃ淀が失神しちまうまで終わらねえ、いや俺が終わらせねえ。そんな風にマジんなってっときは、大抵淀の排卵日が絡んでんのさ。わかるだろ? 俺だって早く淀との子が欲しいんだ。

 

 クルセイダーズやヤマザキ達陸軍との戦いも終わって、そのあとに続いたオディオとの闘いも終わって、戦争も死闘も暫くはなさそうなこのときが、一番イイ時期なんだよ。

 

 

 

「んっ……んむっ……、あ……ンっ、ちゅぱっ……っ」

 

 

 

 遠慮の欠片もない淀君は口付けて終わりじゃなく、触れ合わせた俺の唇をこじ開けて舌を口内に入れてきた。

 

 こういうディープなキスをされるのってマジで気持ちがいい。俺だけじゃねえ、俺がいま淀君のやってるようなキスをしてやると淀君も色っぽく切なく受け入れやがるから、こっちも乗ってきてそのまま──ってパターンが割りかし多めか?

 

 

 

「ちゅっ……ちゅるっ……っ……ちゅぱ……っ」

 

 

 

 入って来た舌は俺の舌に触れると巻き付くように絡められる。

 

 温かい淀君の舌に口内を蹂躙されるのが気持ち良くて、触れ合う舌の粘膜の感触と味を楽しみながら、俺は淀君からの熱い接吻を受け入れた。

 

 

 

「んちゅっ……あむっ……」

 

 

 

 少し唇が離れると粘つく唾液の糸が伸びるがしかしそれは直ぐさま重ね合う唇で見えなくなり、また離れると糸を引くというのを繰り返す。

 

 唇と唇の重なりは、もう一方的指向性を持つ物ではなくなっていた。そう俺からのも混ざる双方向のキスとなっていた。

 

 そうやって混ざり合った唾液は、俺の舌と口内とを舐めて愛撫し続ける淀君の舌を通じて俺の口の中に流し込まれ、相反するように俺の舌は淀君の口の中を歯茎から始まり、歯と、そして絡ませてやった彼女の舌をすくい上げるように舐めあげて興奮を誘う。

 

 舐め上げ、絡め、そして俺の口内より唾液を送り出す。淀君はそれを頬を赤く染め上げて受け止めながら“こくっこくっ”喉を鳴らせて飲み干していく。

 

 

 

「ちゅ……んううっ……んっ……んくっ……っ」

 

 

 

 もちろん俺も口の中に流し込まれた淀君の唾液を飲み干す。

 

 淀君の唾液は甘酸っぱく感じてとてもおいしいから。いや、淀君の唾液だから美味しいんだ。淀君だからこそなにもかもがイイんだろうぜ。

 

 それに愛する奥さんの唾を飲むのは夫として当たり前だ。

 

 喉の奥に送り込みながら唾液を味わう俺は淀君と二人で互いの唇を味わい尽くしながら、満足するまで堪能し、ゆっくりと唇を離していった。

 

 

 

「どうじゃアキラ妾の唾液の味は? 美味であろう?」

 

 

 

 混ざった唾液を唇の端から垂らしながら妖艶に微笑む淀君。

 

 互いに息の掛かる僅か数センチの距離で見つめ合う。血のように赤い瞳をしているが、とても綺麗な瞳なんだぜ。

 

 

 

「ああ、どんな銘酒よりもおいしいぜ。たぶんな」

 

「そうかえ……よく味わって飲むのじゃぞ……? 妾の唾液はこの世でそなただけしか味わえぬもの故な……んっ」

 

「んっ……!」

 

 

 

 そうしてもう一度口付けをされた俺の耳元で淀君は囁く。

 

 

 

 “隣の部屋に床を用意してある……”

 

 

 

 立ち上がった彼女が隣の部屋の戸を開けると、畳の上には既に布団が敷かれており、燭台に見立てた蝋燭形のランプが一つ着いていて、薄暗いながらも部屋全体を照らしている。

 

 伽の準備は整えられてたってことか。

 

 

 

「夜も更けた……、今宵は彼の日でもある……。どうじゃアキラ?」

 

「ああ、それなら文字通りに貫き通すぜ、男アキラこの意地に懸けて俺自身を淀に突き立て、貫き通してやる」

 

「そうかえ、妾もまたそなたに総てを捧げようぞ……、ゆるりとで構わぬ、明日の朝を迎えるそのときまで熱く静かな伽の時間を過ごそうぞ」

 

 

 

 伽、ずいぶんと古風な言葉だが、戦国の世から江戸末期に掛けて生きてきた淀君ならではの言い方だ。

 

 こっちの世界(近未来)と江戸(幕末)時代を往来するようになってからは多少現代的な物言いも覚えたみたいだが、若干発音がおかしかったり棒読みだったりと、現代語についてはまだまだその言葉遣いは拙い。

 

 まあ、淀君も本気で言葉遣いを変えようとはしてないし、生まれてから何百年もの間使い続けた言葉遣いは今更変えられないだろと思う。

 

 俺としてはこのままの方がいいんだけどな。日本古来よりの大和撫子である淀君に今風な言葉遣いは似合わないから。

 

 

 

「さぁアキラ……近う」

 

 

 

 布団の上に腰を下ろした淀君の手招きに誘蛾灯に誘われる蛾のようにふらふら~っと吸い寄せられた俺は彼女に抱き止められた。

 

 

 

「淀……」

 

「照れるでない……妻を受け入れるのは夫の責務じゃ」

 

 

 

 俺を抱き留めた淀君はそのまま俺を布団の上に押し倒し、覆い被さるように身体を重ねてきた。

 

 纏めていない為に大きく広がった淀君の長い黒髪が彼女の肩から流れ落ちて俺の顔に掛かる。 床に付くほど長い鴉の濡れ羽色の美しい黒髪は、まるで黒色のシーツのように淀君の身体とその下に居る俺の身体を優しく包み込み、頬を撫でる髪の感触が気持ち良くもくすぐったい。

 

 

 

「初やつじゃ……妾はそなたと出逢い、契りを交わし、夫婦(めおと)となれたこと嬉しゅうて叶わぬ……故に毎夜の伽が待ち遠しい、そなたと愛を語らうこの時に幸せを感じるのじゃ……」

 

 

 

 そう言って微笑む淀君は一度身体を起こして帯を解くと着ていた着物を脱いでしまった。

 

 全体が露わになるとても大きな二つの膨らみ。手で掴もうとも手に余る弾力の塊。

 

 その大きな胸に目を奪われている間に俺の下半身がひん剥かれたのは言うまでもない。

 

 そして再び仰向けになっている俺の身体に、淀君は自分の身体を重ねてきた。

 

 ただし──

 

 

 

「うっ……あっ……ああっ! よ、淀……っっ……っ!」

 

 

 

 今度は俺の自身も、重ね合わされ淀君の下腹の奥へとぬるり飲み込まれてしまったが……。

 

 

 

「ほほほ……そなたの一物……美味であるぞ?」

 

 

 

 俺の胸には淀君の大きな胸の膨らみが押しつけられ、自身は根の本までも迎え入れられてしまった。

 

 優しく包み込んでくれて、異様なまでに気持ちいい淀君そのもの。あまりの気持ち良さに声も出せない。

 

 

 

「さあ……今宵もまた一夜の快楽を与えてやろうぞ……」

 

 

 

 そんな俺を見て妖艶な笑みを浮かべた淀君は、宣言通りに腰を動かして俺を抱いてくれた。

 

 こうして怪奇特集の恐怖は一夜の快楽へと変わっていくのだった。

 

 もっとも彼女が述べたとおり、今日は彼の日である。つまり俺が積極性を持ち強くなる日でもある。

 

 子を成すために常時よりも遥かに強くなったときの俺を知る淀君は、そのときに至るまでの束の間の刻を己の意思のみで抱いてくれる。

 

 だが、俺のスイッチが入ったそれ以後は──。

 

 

 

 

 

 あ゛っっああ゛っっ──―アキっラァァァァ────っっっ!! 

 

 

 

 

 

 総てにおいて俺のペースへと切り替わるのさ。

 

 

 

 宙を舞うようで長すぎるが故に舞わず波打ち続ける鴉の濡れ羽色をした淀の黒髪。

 

 下より見上げる形の視界には波打つ黒髪と大きく揺れ続ける二つの丸い果実。

 

 熟した果実にそって黒髪が流れ落ち、俺の脚や腹に纏わり付く。

 

 静かな切なさは、いまや熱く激しい劣情の嵐に変わり、受ける淀君は叫び続けていた。

 

 すなわち田所アキラ。俺の名を、達する度に、鈍痛と下腹奥へと吐き出される煮えた熱いものをその身で受ける度に、妖艶な微笑みを、妖艶なる叫びに変え、俺を更に煽り立ててくる。

 

 

 

 もちろん淀君はそうなった俺をも文句なく、逃げ出さず、唯々受け入れ続ける。

 

 彼女も俺と同じだからだ。

 

 

 

 

 

 あっ、アキラぁ……っ、わらわっ……に。やや子、を……、アキラとわらわのの、やや子を……っっ。

 

 

 

 

 

 俺も淀も子が欲しい―─共にそう考えて居るから。

 

 

 

 当たり前だろう? 

 

 

 

 だって俺達は、夫婦(めおと)なんだからな。

 

 

 

 




繰り返しとなりますがR16と考えておりますが、R18とお見受けされたされた場合には、ご指摘のほどよろしくお願い申し上げます。

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