やぁお久しぶり、みんな元気にしてた?
俺はいつものメンバーと駄菓子屋で元気にたむろってるよ♪
あの後大変だったよ~。思いの他警察の到着が早くてリアル逃走中をやりましたよ(笑)
ま、土地勘のある俺らに掛れば余裕で撒けたんスけどね!!
この話は後々話すとして、廃工場騒動から二日後なんだけど平和そのものだよ。逢魔の連中も大人しくて見かけても軽く会釈する位だ。
まぁ絡まれるよりかはいいし集中して受験対策できるからいいのだが、ぶっちゃけ物足りない。
散々喧嘩吹っかけて来て、あの騒動の後スッと来なくなるとなんか調子が狂う…。
ってだからツンデレか!!!
土倉の奴もしかして応援してくれてんのか!?だから来ないのか!?応援してくれんのは嬉しいけど気ぃ使うなよ!!今まで通り来いよ!!照れくさいわ!!
「最近すげぇ大人しッスよね」
「おん?」
脳内会議に勤しんでいると後輩から不意に話を振って来た。どんな話の内容だったかぶっちゃけ聞いていない。
「今作の戦隊物の話?」
「ちげぇッスよ!話聞いてなかったんスか!!」
「ダブルレッドはいい考えだよな。でも警察側メインの話もう少し欲しい所なんだよね~」
「まだ続けるんスか!?」
「あとギャグとシリアスの温度差激しくね?見てるこっちがつらいんだけど・・・・・・」
「あ~それわかります……って戦隊物から一旦離れて下さいッス!!」
今日も後輩のツッコミは絶好調。
余談だけど壬生浪中にいる殆どがニチアサ勢だ(先生も数名含む)。沼に引きずり込んだの俺なんだけどね!!他人を沼に落とすのは愉悦だよね~(笑)
「逢魔の奴らが大人しいって話ッスよ!!」
「あ~そっちね」
ほぼ俺の脳内会議の内容とそんなに変わらない内容だったらしい。
「やっぱり千鳥さんの熱い言葉が効いたんスかね?」
「あん時の事は忘れろ!」
「え~何でッスか?千鳥さんカッコ良かったスよ!!」
「聞いてて流石千鳥兄貴!!って感動しましたよ」
「去り際のサムズアップも痺れました!!」
「ノリと勢いでやっただけだ!!もう掘り起こすなテメェらはっ倒すぞ!!」
こいつらからかって言っている訳ではなくマジで言っているからたちが悪い!慕ってくれるのは嬉しいが真っ直ぐな好意はむず痒くなる。そんな真っ直ぐな目で我を見るな!!
そんな駄菓子屋の前でぎゃあぎゃあと騒ぐ愉快な不良グループに近づく一人の女子中学生。本来なら通行人だと思うだろう。それにただの中学生ならば不良グループを避ける。だが真っ直ぐとこちらに向かってくる人物は違う。
女子中学生は臆せずに俺の傍まで近寄り無表情のまま話しかける。
「また何かしたの?」
「よっ小大。まぁいつもの喧嘩だ」
「ん」
彼女の名は小大 唯、中学三年で昔俺と虚ではた迷惑なナンパ野郎に絡まれていた小大を助けてそれ以降何故か話しかけてくるようになった。
この子常にポーカフェイスだから何考えているか分からんのよ。虚も似たようなもんだし類は友を呼ぶってこの事?
「あ、小大さんチース」
「ちわっす小大姐さん」
「聞いて下さいッス小大さん!この前の千鳥さんカッコ良かったんスよ!!」
「ん」
後輩たちも小大に挨拶していくが後輩の一人がいらん事を言いそうなので素早くヘッドロックを掛け口封じする。
こいつらも最初は何考えているか分からん小大に戸惑っていたが今じゃ慕っている程だ。まぁ無表情で無口の小大だが美人で可愛いからな。男は美人に弱いのだ(確信)。
「ん」
「あ~虚ちゃんか?アイツなら駄菓子屋でんめぇ棒買ってる」
「ん」
「多分もうすぐ終わるだろ」
「毎度思うけど何で兄貴達は姐さんの言ってる事分かんだろ?」
「マジで不思議だよな」
「千鳥さんギブギブッ!!ギブッス!!」
虚と小大は似たような所あるからある程度なら何となく「ん」は読み取れるが、前触れもなく言われると分からん時も多々ある。初めてそれをやられて適当に返したら拗ねられた時は大変だったな。
「何時も悪いな爺さん」
「大量に買うのはお前さん位だ。気にせんでもええよ」
噂をすれば店の奥から虚と駄菓子屋のじっちゃんの会話が聞こえて来た。
中を除けば会計を済ませ軽く会話をして大荷物を抱えこちらに来る。
因みに荷物の細かい詳細は段ボール箱4つ全部中身はんめぇ棒だ。
読者も驚きだろう。何を隠そう奴はんめぇ棒愛好家だ。隙が有れば常にんめぇ棒を食っていて食わない日なんてない程だ。もはや奴の体はんめぇ棒で出来てんじゃね?と疑いたくなる。
「わりぃ待たせた、って唯も居たのか」
「ん」
「あ?美味いからいいんだよ」
「ん」
「今回は財布に余裕があったからプレミアム味だ」
「ん」
「三本までならいいぞ」
「ありがとう」
(((・・・・・・何で会話成立してんだよ)))
「ギ、ギブッス・・・・・・マジでギブです千鳥さん……」
すごいだろ?小大の「ん」を完全に理解してんのは虚だけなんだぜ。長い事虚とつるんでいるが初めてこの光景を見た時驚きのあまり「熟年夫婦のやりとりかよ!!」って全力で突っ込んだ。そのあと虚に何で分かるか聞いたら、何で分からねぇんだ?みたいな顔されました(笑)。
はよ付き合えや貴様ら……。
「あぁ・・・・綺麗な川と、お花畑が見えるッス~~・・・・」
「お前ら何やってんだ?」
「ん?あ、やっべ」
後輩の存在を忘れてた。危うく三途の川送りにする所だったZE☆
「ゲッホゲッホ!じぬどころだったッス・・・・」
「いや~スワンスワン」
「謝る気ゼロッスね!!」
「ん」
「へ?えっと・・・・」
「何でヘッドロックされたんだって聞いてる」
小大の「ん」の意図が分からず悩んでいた後輩に助け船を出す虚。
な、虚は小大の「ん」を完全に理解している。さっきの「ん」は俺でも分からんかったのに。
虚はすげぇよ…。
「あ~なるほど!聞いて下さいよ小大さん!一昨日の千鳥さんの勇姿を!!」
「勇姿?」
さっきまで三途の川を渡りかけた人とは思えないほど勢いよく立ち上がり目をキラキラさせ一昨日の逢魔との喧嘩を語る。
あ~完全にスイッチ入った。こうなった後輩は止まらない。止めようとしても語る。意地でも語る。色々と盛って語る。小さな子供が好きなヒーローついて話すみたいに興奮気味で語る。
小大は小大で無表情のままで相槌を打って聞いている。
出来れば本人がいない所でやって欲しかったな。すんげぇはずい!ものすごくはずい!!ほら他の通行人も立ち止まって聞きはじめちゃったよ!!そこの小学生スマホでムービー撮らないで・・・・・・・ってこっちにスマホ向けんなっ!!俺を撮らないでッッ!!!!
傍で聞いてる小大さんせめてなんか言って下さい!!お願いイチゴパフェ奢るから!!
「そしてサムズアップをしてクールにその場を去って廃工場の喧嘩は幕を閉じたッス」
「おお~~~!!!」
「ブラボ―――――!!!!」
「流石壬生浪の狼!!」
「そこに痺れる憧れるゥ~~~!!」
「ねえねえ!これSNSに上げて良い?」
後輩の演説が終わり、拍手喝采が巻き上がる。
もうやめて!!俺のライフは0よッ!!
そしてそこの小学生絶対SNSに上げるなよ!!絶対上げるなよ!!今回はフリじゃないからな!!
「やはり一昨日の騒動は貴様らだったか」
演説を聞いていた人だかりの向こう側から聞きなれた声がする。そこに視線を向けるとちょうど通行人達がその声の主に道を開けていてその人物の姿が露わになる。
そいつは藍色のタイツを着ていて、両手両足は木になっており顔は木で出来た被り物をしていた。
そう声の主は、今人気急上昇中のシンリンカムイである!!
当然のプロヒーロー登場に騒ぎ出す人たちだが、俺ら壬生浪中の面々は嫌な顔しかしていない。
シンリンカムイとはまあ長い付き合いで、ここの地区も担当らしくあっちこっちで騒ぎを起こせば必ず奴が来る。
奴との追い駆けっこは両手では足りない程繰り広げられていてもはや顔なじみだ。
「何の事かなシンリンカムイ?」
「はぁ・・・・これだけの演説をしといてまだ白を切るのか」
呆れて溜息をつくが、こっちは捕まったら説教と反省文コースなのは間違いのだ。こうなれば何時もの様に屁理屈をこねまくって逃れるしかない。
「うっせ、俺らを捕まえたきゃ証拠を―――」
「証拠ならさっき演説した映像だ。証拠提供を求めれば直ぐに集まる。それに廃工場で見つかった発煙筒に貴様らの指紋もガッツリ残っている。これ以上の証拠があるとは思わんが?」
「・・・・・・・・」
「フッフッフッ・・・・、貴様らには散々煮え湯を飲まされたからな。今回は貴様らを捕まえるのに徹底的に証拠を探し抑えた。もう逃げられんぞ!」
チクショウメェエッッ!!!!
完全に手の内を呼んでいやがる!この分じゃ屁理屈無理難題言っても直ぐに論破される!!
シンリンカムイの野郎段々と俺らの扱いを学んで来ていやがる。腕組んで不敵に笑いやがって腹立つ!!中坊相手にムキになりやがって、その意欲を
そりゃ逃げる時にドブにハメたり玩具のGを投げたり屁理屈こねて煽って悠々と逃げたりしたけども・・・・・・ってやりすぎ?精神的にキツイ?そりゃ怒るわ?何を言っているんだね読書の諸君。逃げれば勝ちなのだよ。だからあらゆる手を使って逃げるのだよ!!
だが甘いなヒーロー。この状況を想定していない俺だとおもったのか?
思っていなかったとしたら甘い、甘すぎるぞ!!例えるならお汁粉に蜂蜜と黒砂糖を混ぜた位に甘いわ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
自分で言っといてアレだが、想像しただけで胸やけするわ。糖尿病まっしぐらだわ(笑)。
差し入れとしてシンリンカムイに送り付けるのもありだなコレ。
「さぁ観念して一緒に来い!」(ビシッ!!)
ビシッ!!じゃねぇよ。すげ勝ち誇った顔しやがって。マスクで顔は見えないが。
だが油断している今がチャンス。
身をもって味わうがいい、俺の奥の手その2を!!
「あ!
「何ッ!?」
直ぐに後ろを向き戦闘態勢をとる。流石ヒーロー反応が良い。
だが
俺の性格を知っている奴らならばこんな手は引っ掛からないが、シンリンカムイは俺の性格をまだ把握していないしそもそもこの言葉に反応しないなんてヒーロー失格だ。
だから俺はこの習性を利用する。一瞬だけでも意識を反らせばいい。普通に逃げると捕まるがここで妨害行為をすれば問題ない。
後ろを向いたシンリンカムイの腰に素早くしがみ付きズボンを引っ張る。
シンリンカムイは直ぐに反応し両手で抑える。流石ヒーローだ。プロヒーローの名は伊達じゃねえ。
「ぬわぁあああッッ!!何をしている貴様ァァッ!?!?」
「全力で貴様のズボンを下ろしているだけだ!!」
当然の事態に通行人たちは困惑している。まぁ誰だって困惑するかこのカオスな状況。
「ここは俺が食い止める!俺に構わず先に行けぇ!!」
これぞ
一を犠牲に多を助ける寸法だ。ま、逃げ足が一番早い俺が基本囮になるんだけどね。
よくこれを使うと後輩たちが「千鳥さんを置いてくなんて出来ねぇよ!!」って言うから困っちゃうんだ~。人気者って辛いね♪
「了解ッス!!ここは頼みますッス!!」
「千鳥兄貴また明日学校で!」
「千鳥さんお疲れっした~!!」
「行くぞ唯」
「ん」
各々挨拶をして逃走する面々・・・・。
あるえぇぇぇ~~~~~~?????
おっかしぃぞぉ~~~~~~?????
こんな薄情な奴らだったけぇぇ~~~~?????
虚に関しちゃ挨拶も無かったな。俺泣いちゃうぞ(泣)
あ、小大はちゃんと手振ってくれてる。お前だけだよ、優しいのは。今手が放せないけどバイバイ!また明日!!
「いい加減手を放せ!!」
「誰が放すかバーカ!」
まだ追いつかれる距離にいるからもう少し粘らんと意味がないな。
「今ズボンを抑えている両手を放せば奴らを捕らえられるだろう。だが放した瞬間俺は全力で下におろす!!俺らは捕まえられても貴様は社会的に死ぬ!!!!」
「貴様はそれでも人間か!?!?」
「フハハハハハハハッ!!何とでも言うがいい!!壬生浪の狼はタダでは死なんのだよシンリンカムイッッ!!!!」
このくだらない戦いを数分続けお互いに体力を削っていく。クソ、中々にしぶとい。だがここまで時間を稼げばもう大丈夫だろう。後は俺がどう逃げるかだな。
「なにやってんだお前ら?」
ズボンの上げ下げ戦闘を繰り広げている中声を掛けられ視線を向けると、がたいが良く黄色と黒の警告カラーのヘッドギアとゴツイブレスレットみたいな物を付けた人がいた。
「マジか」
「デステゴロさん!?」
筋骨隆々のパワー系プロヒーローデステゴロだ。
ヒーローが二人もいると逃げるのが厳しくなるぞ。今日はなんて日だ!!ってふざけてる場合じゃね。
だがこれはピンチでありチャンスだ。今シンリンカムイは先輩ヒーローに情けない所を見られ動揺している。いくらプロヒーローでも情けない姿を見られたら反応が遅れるはず。俺はそこに賭ける!!
シンリンカムイが動揺している隙に膝カックンを喰らわせバランスを崩し、俺はその場を全力で離脱する。
「ハハハハハハハハッ!!油断したなシンリンカムイ!てかその歳にもなって膝カックン喰らうのってどんな気持ち?ねぇねぇどんな気持ち!?」
「だぁあああッッ!!!今度という今度は絶対に許さん!!貴様にキツイお灸をすえてやるッッ!!!!!」
「ワァーオ、やっべ激オコやん…。ま、捕まんないけどね!!あばよシンリンカムイのとっつぁ~~~ん!!」
「逃がさんぞ清血――――ッ!!」
「・・・・・・・・・」
今一状況が飲み込めないデステゴロは俺とシンリンカムイの鬼ごっこを見守るしかなかった。
「はぁ……。今度酒でも奢ってやるか」
ぽつりと呟いた言葉にデステゴロの
小大さん可愛いっすよね!
勢いで出してみました!!
あぁ、もっと文才が欲しい(´;ω;`)
ご愛読ありがとうございます。