どくいものネタごみ箱   作:どくいも

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※100%対魔忍でやる必要のないストーリーを書いてみたくなった


原作・対魔忍シリーズ 「たいま★戦記」

 

──大いなる力には大いなる責任がある。

 

某アメコミヒーローの座右の銘とも言える言葉だが、私は以前はこの言葉を全く賛同出来なかった。

しかし、最近になり、ようやく私はこの言葉の意味を理解し始めてきた。

何故なら、私の第二の人生は生まれながらに強者でだったからだ。

 

それ故に私は悩んだ、自分が前世の記憶を持って生まれた意味とは、この力をどう使うべきなのか、私は何をするべきなのか。

そうして私自身がたどり着いた答えがこれだ。

 

「この能力(ちから)はきっと私が弱者を守る為にある」

 

それ故に私はそんな自分に胸を張れるような人物になるように生きてきた。

小学生の時はクラスの生徒も先生も笑顔で過ごせるように振る舞い、中学では勉学に勤しむ。

孤児院出身故に一流高校や大学を諦め、早々に自衛隊用の高校へと入学と卒業、自衛官になるのであった。

無論、自衛隊というのは国と国民を守る立派な仕事、それと同時に現代社会でどこか疎まれることも多い職だが、だからこそ、自分にふさわしい仕事であろうと確信した。

 

それ故に私はこと仕事を後悔しない。

たとえ、どんなに辛くとも、厳しくとも、それが国やみんなのためならば。

この持って生まれた能力(ちから)で、みんなを救えるのならば……

 

 

「それでも!限度ってもんがあるだろぉぉぉ!!!!」

 

「ゴガァァァォァァ!?!?!」

 

陸自ご愛用携帯丸匙(シャベル)で化け物の頭部を叩きながらそう叫ぶ。

相手は【オーク】、この世界で最も一般的な魔族。

怪力でより粗暴、巨大で蛮行。

何より臭くて姑息で、数が多い。

つまりは最悪な敵だということだ。

 

「おら!死ね!死ね!さっさと死ね!化け物!!」

 

相手の腱切り、臓を穿ち、首を落とす。

おおよそ人間相手ならば過剰すぎるだろう攻撃だが、こいつらは【魔族】。

手足に1つ2つ切り落とした程度では死にすらしない。

心臓を潰しても即死せず、首を落としてようやく一安心と言ったところだ。

 

「あー、だっる。

げっ、しかももうスコップがへたりやがった。

……仕方ねえ、こいつの剣もらうか」

 

今しがた倒したオークの手に持っていた剣をもらいながら、数回素振りをしてみる。

どっしりとした重みに、錆びた刀体。

何よりも獣臭を超えた、酸っぱさと腐臭と血匂いが混じった最悪な香り。

う〜む、ゴミ!!

 

「吉野1曹!助けに来たぞ……って、うわっ!!」

 

うわとはなんだ、うわとは。

 

「いや、さすがオークの群れ相手に一人殿してるから、よくてケツ穴奴隷、最悪は死んでるかなぁと思ってたから……。

というか、火器無しで化け物の群れを倒すとか、相変わらず人間やめてるわね」

 

周りに散乱する化け物だもの死体を見ながら、彼女含め増援の自衛官が恐れ戦いていた。

まあ、確かに我ながらなかなかにおかしいことをやった自覚はある。

しかも、全部をスコップ1つでやったのだ。

頭おかしく見えても仕方ないだろう。

でも1つだけ言わせていただきたい。

 

「でも、噂に聞く対魔忍やパワードスーツならもっと早く終わるらしいから、これくらい普通普通。

むしろ、武器を使い潰した事を考えると半人前以下ではないだろうか?」

 

「私達から見たら、十分どっちも化け物だけどね」

 

ですよねー

 

「それよりほら、後片付けは他の隊がやっておいてくれるらしいから。

あんたはさっさと基地へ戻りなさい、流石にもう疲れてヘトヘトだろうから」

 

かくして、彼女を含め自分たち小隊は増援の装甲車に乗ってゆっくりとその場を後にする。

 

「……あーあ、いつまでこんな戦線が続くんでしょうねぇ。

当初はちょっとした保安活動。

危険はない任務だって聞いてたんだけど」

 

「まあ、米連との合同任務ってだけでなんとなく怪しい雰囲気はあったけどな。

でもまさか、普通の戦場でオークやら魔族やらに襲撃されるとは思いもしなかったが」

 

そうして話し合う軽口。

無論、ここでこんな下っ端同士が会話しても何の解決にもならないのはわかっている。

それでもただの保安任務と聞かされたのに、ガチの魔族&中華連合との戦闘になっているのだ。

愚痴の1つくらいしても許されるというものだろう。

 

「……で、どうだ?

物資の補給は?

一応42番基地には余剰の物資備蓄があるらしいけど」

 

「あ〜、それだけど、ちょっと難儀してて……

どうやら上の許可が降りなくて、私たちに物資をまだ分けてあげられなかってさ。

取り敢えず、元私たちの責任者から正式な報告した後なら多少は融通してくれるらしいけど」

 

「いや、小隊長は真っ先に殺されただろ。

たしか、サキュバスだっけ?なんか、骨と皮だけになってたよな。

今生き残ってる中で一番偉いのは誰だ?」

 

「いや、それあんただから」

 

「oh……」

 

あんまりな事実に思わず頭を抱えたくなる。

というか、つい先ほどまで前線殿つまめていたのに今度は書類仕事と報告もしろと、冗談じゃない。

 

「……どうせ、今の前線は魔族やらなんやらが暴れてるんだし、勝手に銃弾や迫撃砲の1つ2つ持ってってもバレへんやろ……」

 

「バレた時に問題になるからやめて」

 

そんな事を言いながらようやく後方基地へと到着。

なお、どうやら自分のところ以外の基地も魔族からの奇襲を受けたようだ。

米連兵、自衛隊構わずそこには大量の人人々。

しかもその多くが体の怪我やら心の怪我を負ってるのが一目瞭然だ。

え?心の怪我が見ただけでわかるのかって?

わかるんだよ、少なくともアヘ顔白目ダブルピース絶頂しながら痙攣してる人間の心が正常だと私は思わん。

 

「ひっでぇ、有様……

でもこの惨状なら上の方もまともに物資と防衛費出してくれるだろ」

 

「むしろこれで出さなかったらどうなのよ」

 

装甲車から降り、目の前の光景を見ながら思わず彼女と口を揃へてそう溜息を吐くのであった。

 

……そう、ここは【対魔忍】ワールドの【中華】。

日々、中華と米が、科学も魔法を混ぜながら戦争を続けている、そんな地獄のような世界。

この物語は、そんな世界で異能を持って産まれたくせに、魔族でもなく対魔忍でもない、ひとりの【自衛官】として、この戦場を駆け抜けていく、そんな物語である。

 

 

 

なお、対魔忍と自衛官の関わりについて。

 

「補給申請が通ったぞ〜!

しかも、魔族が戦線に出ていることも知らせたから、それ用の装備も送ってくれるって!

これでようやくまともな対魔装備で戦えるぞー!!」

 

「やった〜!!」

 

「……でも、【そんな危険なものを人間同士の戦争で持ち出すな!!】っいう、対魔忍どもの謎の圧力で、その補給線が爆破、そのせいで補給物資が全部お釈迦になったぞ〜

だから、これからしばらくの間、補給物資なしで向こうの魔族傭兵相手に頑張れだってさ」

 

「実質マイナスじゃないですか、ヤダー!!」

 

この世界において、自衛隊は対魔忍と同じ国防を司る身分。

それ故に、ライバル関係を超えて敵対関係にまで発展している有様。

お陰で何かしようする度に、対魔忍どもの妨害を受けるという悲しい事実がある模様。

さもあらん。

 

 

 

 




言い出しっぺの法則で、取り敢えずプロットだけを勢いで書いた。
後々直すかも

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