if "双王"   作:おすまし

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第三話 超克を果たす者

 □■戦場:クレーミル及び周辺

 

 <SUBM>は単純に<超級>複数人分のスペックを保有する。

 【グローリア】ならば<超級>四人分と等しいスキルを持っていると言っていい。

 光撃・即死・強化・復活。復活の尻尾(バックアップ)を落としても、その危険度にはいささかの翳りもない。

 

 だが、抗う術はある。

 

 ブレスは口を封じることで脅威度を引き下げた。

 喉からのブレスは結界外には届かず、一瞬入るだけならかろうじて耐えられる。

 即死結界は元々500レベル以上には効果がない。

 HP減少比例強化の存在は知られていないが、コアを直接破壊すれば最小限の強化で済む。

 

 勝ち目はある。

 

 超級職が四人揃った。

 【剣王】【天騎士】【大賢者】【超付与術師】。前衛二人、後衛二人とバランスも良い。

 【剣王】フォルテスラと【超付与術師】シャルカは<エンブリオ>持ち。並の超級職より強い。

 【天騎士】ラングレイはティアン前衛として屈指であり、【大賢者】は先代の"魔法最強"。

 バビロニア戦闘団の500カンストした猛者も十人以上。

 結界外で待機している回復・支援役は百を超える。

 <超級>三人分とはいかないが、二人分くらいの力はあるだろう。

 

 勝機はある。

 

 【グローリア】のステータスは高い。

 最も高いHPは、コアの破壊に徹すれば気にしなくていい数値だが、それを差し引いても十二分。

 STR、ENDは初期値で四万以上五万未満。特化型超級職のそれをも上回る。

 AGIのみは管理AI(運営)からの制限込みで一万に届かないが、制限を外せばSTRやENDと同等にまではね上がる。

 だが逆に考えれば、制限を外すまでは亜音速のままということ。

 巨体とはいえ亜音速なら回避は容易だ。

 

 超克を果たしその力を上乗せしたフォルテスラの前では竜の防御力も機能しない。

 HP減少強化が十全には働いていないからだ。

 数に頼らずHPを減らすことに固執せず、動きを止めることを優先した。

 上乗せされる力は剣破壊時のもの。その後上昇した分は加算されないが、それで十分。

 今はまだフォルテスラの元々の攻撃力と合わせて十分破壊できる防御である。

 

 後は即死と結界外からの防御を司る"二本角"を破壊すればいいだけ。

 絶対の防御を失った三極竜は、四㎞先から皇国部隊が放つ【超重砲弾】を喰らい死ぬ。

 

「ふむ、あの"二本角"が即死の首である可能性が高い、と」

 

「はい。"三本角"が目を閉じたまま使っているとも考えましたが、今奴は目を薄く開いています。

 これまでは能力を発揮していなかったと考えるのが自然かと」

 

「なるほど。《看破》してみましたが、どうもステータスが徐々に上がっているようです。

 こちらが"三本角"の能力と見るべきですね」

 

「条件は時間経過か、HPの低下か。或いは他の何かでしょうか」

 

「さて、それはなんとも。ですが早々に勝負を決めた方が良さそうです」

 

「分かりました。俺が突っ込むので、お二方にはフォローお願いします」

 

「おっと、その前に私が強化しておきましょう。補助魔法も心得ていますから」

 

「ありがとうございます。じゃあ強化を受けてから―――」

 

 しかけましょう、と言いかけ、フォルテスラは言葉を止めた。

 ずっと視界の端にあった【グローリア】の"一本角"と、()()()()()

 圧倒的な殺意と絶対的な悪寒がフォルテスラの全身を包み、身を震わせる。

 ふと、彼は気付く。

 "一本角"の有する三つの目が全てこちらを向き、三人をそれぞれ睨んでいることに。

 【大賢者】と【天騎士】の二人も同種の感覚を覚えたのか、緊張が一段増している。

 

「【大賢者】様、可能な限り早くお願いします」

 

「ええ、私も感じます。()()()()()()

 

 更なる強化を受け、フォルテスラとラングレイの力は超級職でも最上位のものにまで上がった。

 準備は万全、しかし不安はまったく拭えない。

 首の能力も全てが判明し、御膳立ては整ったはず。そう信じるも、悪寒は消えない。

 

「……行きます」

 

 不安が心に重く溜まろうと、倒すためには行動あるのみ。

 フォルテスラが踏み込み、戦闘団メンバーが竜の動きを止める。

 【大賢者】の魔法は的確に、妨害・攻撃・補助と作用する。

 極竜が攻撃を無視して【大賢者】を狙うも、【天騎士】の巧みな馬術の前に触れることすら許されない。

 

 魔法への対処を諦めた魔竜はひたすらにフォルテスラを狙う。

 最も警戒すべきであり、命に届く攻撃を放てる存在。

 【大賢者】も全力の一撃ならば届くかもしれないが、その場合詠唱が必要となる。

 剣を振るうだけで良いフォルテスラの方が今の危険度は高い。

 

 妨害すら無視して振るわれるブレスに対し、フォルテスラは回避に専念する。

 ネイリングで防御力を上げたとはいえ、物理攻撃でない極光を防ぎ切る力はない。

 一瞬だけ耐えても、一度踏み込んだフォルテスラを範囲から逃すほど大魔竜は甘くない。

 文字通り光速のブレスを避け続けるも、攻撃に使う余裕は失われていく。

 必殺スキルの効果が消えるのが早いか、フォルテスラが回避できずに当たるのが早いか。

 少なくとも、どちらも【グローリア】のHPが尽きるよりは早い。

 【グローリア】が勝利を確信した瞬間、"一本角"の上に乗る存在を感じた。

 

「!?」

 

 結界で全方位を把握できても、その全てに意識を割くことはできない。

 フォルテスラと【大賢者】に集中したため生まれた意識の死角。

 静かに佇み両手を合わせる人影は己の必殺スキルを切った。

 

「《千手羅漢激震拳(センジュカンノンボサツ)》」

 

 文字通り、千の拳が"二本角"に降り注ぐ。

 大破壊力の超連撃が頭部を穿ち、コアを破壊し、結界が消える。

 あとは全力で動きを止め、皇国部隊に託すのみ。

 

 

 

 そんな未来を、誰もが一瞬幻視した。

 

 

 

「なん……だと……?」

 

 【グローリア】の纏った光が、人影の二本の足と千の拳を蒸発させた。

 残った肉体も溶けて消え、光の粒となる前にこの世から消滅する。

 輝く三極竜は()()()で動き、驚きの表情で見つめる戦闘団の面々をその五体で壊滅せしめた。

 

「なんだ、アレは!?」

 

 最も強化されているが故に辛うじて生き延びたフォルテスラは、光を纏った巨竜を見上げる。

 

 驚くのも壊滅するのも無理はない。

 これこそが運営にすら隠された三極竜の秘奥が一つ。

 "一本角"が編み出した絶対の切り札。

 ブレスを鱗に纏い、神話級金属さえ融解させる熱量で物理攻撃を遮断、光で物理以外の攻撃も超弱体化させる無敵の剣。

 《極竜光牙剣(ファング・オブ・グローリア)》である。

 

 だが、これは本当に最後の切り札。

 制限されたAGIの解放と併せ、三本の首全てを破壊される可能性を悟らなければ使わない技だ。

 【超重砲弾】を知らない【グローリア】がその可能性を悟るはずもない。

 

 或いは、レベルで判定する即死能力を持つ"二本角"ならば。

 【大賢者】の1500を越える圧倒的なレベルも察知できる。

 とはいえそれを含めても、最悪の危機というには程遠い。

 

 だから、極竜にその決断をさせたのはもっと根本的な理由。

 尻尾(第四頭部)、すなわち復活能力(バックアップ)を壊されたからだ。

 

 

 

 何を隠そう、戦闘団とティアン二人(挑戦者達)が考えているほど【グローリア】に心理的余裕はなかった。

 

 復活は【グローリア】の生命線だ。

 どんなに戦っても、バックアップがあれば完全回復して復活できる。

 ゲームでボス戦の前にセーブをしておけば安心できるようなもの。

 では、逆にセーブが出来なくなれば。

 多少の傷すら避けたくなり、敗北がこれまで以上に恐ろしくなるもの。

 それは<SUBM>をして逃れられない恐怖となる。

 

 あとのことを考えれば伏せておきたい切り札。

 ここで切った以上、今後の戦いは【グローリア】にとって厳しいことになるだろう。

 しかしこと今回の戦いに関しては別。

 特化超級職以上の超音速と絶対防御により、既に超級職の三人以外は殲滅した。

 結界外に逃げたことで【超付与術師】は仕留めそこない、口の封印は外せていないが、そんなことは問題にもならない。

 

 

 

 されど、希望はまだ消えてはいない。

 

『フォルテスラ君、聞こえますか』

 

「【大賢者】、無事だったのか」

 

 突然脳内に声が響く。

 驚き思わずこれまで使っていた敬語を外し問いかけたフォルテスラ。

 【大賢者】も構うことなく念話を続ける。

 

『ええ、なんとか《電磁縮地(レイル・ジャンプ)》でかわし切れました。

 今は結界外の空に逃れ存在を隠蔽しています』

 

 天を仰ぐも、その姿はまったく見えない。

 竜も同じように上空を警戒しているのが見て取れた。

 

『手短に行きましょう。私はこの状況を打開する術を持っています』

 

「……それは本当か!?」

 

『ええ。私の《イマジナリー・メテオ》なら光の上から攻撃を加えることも可能です』

 

 《イマジナリー・メテオ》。

 【大賢者】の奥義と知られるオリジナル魔法スキル。

 三百m超の隕石を生み出し、地上に叩きつける極大魔法。

 かつ、生物のみに影響を与え、ダメージを与える存在を選択できる都合の良さもある。

 間違いなく世界屈指の攻撃スキルだ。

 

 《極竜光牙剣》に対してこれ以上ないほどの相性を持つ攻撃手段。

 仮に高熱に溶かされても、一瞬でそれほどの質量を蒸発させるのは不可能。

 そもそも生物にしか影響を及ぼさないため熱には干渉されず直撃する。

 天敵である光も、上から叩き潰せるほどの威力と質量。

 

『ですが、難点が一つ』

 

「先制と逃走ですね」

 

『話が早くて助かります』

 

 魔法を使うには術式を編む時間がかかる。

 スキルとして登録した魔法でも、大魔法には《詠唱》時間が必要なもの。

 《イマジナリー・メテオ》ほどの魔法となれば【大賢者】でも一定の手間と時間を要する。

 《詠唱》中に存在の隠蔽を続けるのは難しく、隠蔽をとけば狙われるのは間違いない。

 

 そして彼らにとって最悪なのが、場所を知られ、その上で無視された場合。

 超音速を越えた【グローリア】は一秒で一㎞を踏破し、五秒もあればクレーミルまで辿り着く。

 街を破壊するのには十秒とかからず、《詠唱》終了前に射程外に逃げられてしまう。

 "敵からの逃亡"は管理AIによって禁じられているが、"王都に向かう"命令がある以上、距離を離し逃げたようにも見える【大賢者】を追う必要はない。

 それを防ぐためには、"一定以下の狙えなくもない距離"で攻撃を誘い、かつ誰かが足止めをするしかない。

 

『【グローリア】を倒すには最低でも()()()()()は必要でしょう。

 連発にすれば遥かに時間は縮まりますが、強化がこれ以上進むのは危険だ。

 極限まで時間を短縮しますが、並行して構築するため欲しい時間は、"三分"です』

 

「三分、ですか。わかりました」

 

 三分。

 この超音速域において、あまりにも長い時間。

 三分もあればマッハ一でも六十㎞は移動でき、極竜の速度はその四倍以上。

 クレーミルを数十回破壊してなおあまりある。

 それでも、勝つためには最低限必要な条件。

 やるしかない。

 

『最悪我々だけでもなんとか凌いでみせる。可能な限り長い足止め、そう思ってくれれば充分だ』

 

 厳しい条件にフォルテスラが打ちのめされないよう、【天騎士】がフォローを入れる。

 速度差を考えれば現実的ではない提案であったが、その優しさは伝わった。

 気合を入れ直し、勝負に挑む意を決する。

 

 

 

「うぬぼれるなよ、邪悪な竜」

 

 【大賢者】が隠蔽をとき、《詠唱》を開始する。

 低空に留まっている【黄金之雷霆】を目掛け進む三極竜の前に、フォルテスラは立ちはだかる。

 

「俺の最後の力が枯れるまで、たとえこの剣が折れようと」

 

 全長二百mの巨竜と、身長二mとない人。

 盾となる存在はなく、光鎧を喰らえばひとたまりもない。

 蟻が象に挑むかのような無謀。

 握った決意以外に彼が竜に勝っているものはなく、しかしその目は未だ輝きを保っている。

 

「俺の大切な人達を、俺の世界を守るため」

 

 彼の後ろにあるのは、勝利のための希望(【大賢者】)生きるための希望(クレーミル)

 どちらも大切なものであり、彼にとっての"世界"に必要なもの。

 故に彼は、荷が重くても、可能性が極小でも、絶対に下がらない。

 

「ここからは一歩も通さない。勝負だ【三極竜 グローリア】(<SUBM>)!」

 

 たった一人のクレーミル絶対防衛線。

 限界に挑む、絶望的な戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今頃彼らは戦っている頃かねぇ」

 

 クレーミルにある病院。

 フォルテスラの妻エーリカが勤めるそこでは話し声が響いていた。

 もはやこの街に住民はほとんどいない。<SUBM>の襲来とともに避難したのだから。

 今残っているのは動けない人々。

 病気の都合や本人の主義で街をどうしても離れられない人々のみだ。

 

「大丈夫かな、<SUBM>ってすっごく強いんでしょ?」

 

 呼吸器の疾患により、結界を張っている病院の外に出られない少年が心配そうに呟いた。

 

「きっと大丈夫よ。<バビロニア戦闘団>はすっごく強いんだから」

 

 エーリカは少年に笑いかけ、努めて不安を取り除こうとする。

 今病院にいるのはエーリカを含めて数人程度。

 最低限の人数を残し、【医師】や【薬師】も避難していた。

 エーリカのように強く残ることを主張した者もいたが、院長が最低限以上は残さないと命じ避難させた。

 その院長は今病院で最も重体の患者達の面倒を見ている。

 

「今からでも、エーリカちゃんは逃げた方が良いんじゃないかい」

 

「わしらのことは気にせんでもええ、元々病院のみなさんがいなければとっくに死んでた命じゃ」

 

「大丈夫ですよ、きっとフォルテスラさんたちなら大丈夫」

 

 病院でも一際熱心に患者に寄り添ってきたエーリカは皆から好かれている。

 先輩が残るなら、と残ろうとした後輩もいた。

 俺が代わる、といった先輩もいた。

 その全てを振り切って、エーリカは最後まで残っている。

 

 それは、何も職務への意志だけが理由ではない。

 フォルテスラ達への信頼、患者への愛情、そして胸に灯る希望だ。

 そう、希望。<SUBM>相手でも、彼女は希望を確かに持っている。

 戦力を理解していないのはあるだろう。

 凶竜の隠している技も、今の戦況も彼女は知らない。

 だが、知っていたとしても、きっと彼女の希望は消えない。

 

「昔、フォルテスラさんたちが<UBM>に挑んだときのことです」

 

 それはフォルテスラ達が初めて伝説級の<UBM>に挑んだときのこと。

 まだ超級職ではなかった彼らは圧倒的に格上の相手と闘い、なんとか勝利を勝ち取った。

 

 その戦いの前、エーリカはフォルテスラに言った。

 逃げた方が良い、なんとかやり過ごした方が良いと。

 結局その制止を振り切って戦闘に行ってしまったが、エーリカは不安の中にいた。

 そんなとき、変な着ぐるみの変な語尾の人に遭遇した。

 たまたま街を訪れたという彼は、挙動不審な彼女を見て、親身に話を聞いてくれた。

 その時に言われた言葉が、今も心に残っている。

 

『どうして敗北の可能性が高いのに挑むのか、か。そいつはちょっと方向が違うな。

 勝つ可能性が低くとも挑むのか、と考えた方がわかりやすいクマー』

 

 どちらも同じではないのか、とエーリカが聞くと、彼は優しく教えてくれた。

 

『負けて何かを失うかも、じゃない。勝って何かを得るために戦うんだ。

 勝った先に得るものが大きければ大きいほど、危険を冒してでも挑む価値がある』

 

 なるほど、と彼女は思った。

 きっとこの人もフォルテスラさんと同様、勝利の先にあるもののために戦う人なのだろうと。

 でも、それを理解したからと言って彼女の不安が消えるわけではない。

 唸っている彼女を見て、彼は一つの質問を投げかけた。

 

『そいつ、諦めが悪いか?』

 

 絶対諦めない人です、と答えると、にこやかに笑って言った。

 

『なら大丈夫だろ』

 

 適当過ぎやしないかと思ったが、彼の口振りは真剣だ。

 大真面目に、そんなことを言っている。

 

『可能性はいつだって、人の意思と共にある。

 極僅かな、ゼロが幾つも並んだ小数点の彼方であろうと、必ずある。

 未来を掴むことそのものを諦めなければ、可能性が消えることはない。

 そいつが諦めず、未来を望んで選択する限り、たとえ小数点の彼方でも可能性は消えない』

 

「思考を止めず、勝利のために足掻き続ければ、きっと勝機は掴み取れる」

 

 そんなことを言われたのだと、彼女は語って話を終えた。

 

「だから私も、あの人が勝つ理由の一つになりたいんです」

 

 彼女の存在が最後まで諦めない理由になればと。

 街の存在が敗北の理由になる可能性もないわけじゃない。

 街を庇うため無理をして、本来なら勝利できるところを逃すこともありうる。

 それでも、敗北の可能性を減らすのではなく、勝利の可能性を増やすために。

 

「最後まで"勝つ"ことを諦めなければ、きっとあの人は大丈夫」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【グローリア】とフォルテスラの戦いは、意外にもまともに成立していた。

 

 それをもたらしたのはやはり《超克を果たす者》だ。

 三極竜の防御力を上回る攻撃力で、フォルテスラは執拗に急所を狙う。

 刀身を延長し、頭部コアを狙われれば、極竜とて回避するほかない。

 剣が光で構成されているため、熱に強いことも功を奏した。

 強化を重ねたAGIは竜にさえ追随可能。

 先手をひたすら取ることで、なんとか勝負は成り立っている。

 

 だが、それも長くは続かない。

 竜のAGIがフォルテスラのそれを上回っていることもまた事実。

 そして、竜の攻撃を防ぐことができないのも、事実だった。

 

「チッ」

 

 竜の四肢による攻撃が身を掠め、触れた皮膚を融かしていく。

 《炎熱耐性》などを付与する装備を身に着けても、生中な耐性は役に立たない。

 戦闘が始まってすぐにそれを身をもって思い知り、既に装備は回復系や補正を優先している。

 竜の纏う光が熱を内部へ完璧に留め、周囲へ熱を伝えないものだから多少はマシだが、焼かれた部位から伝わる熱は確かに彼を傷付けていく。

 剣で受けるにも、剣の耐久性自体はそこまで高くない以上、折れる可能性を否定できない。

 

 手近に来た"三本角"を狙って剣を振るい、回避されても切り返して"一本角"を狙い、それもかわされ繰り出される反撃の両腕を身を投げ出して避けてみせる。

 体の下に入った敵を殺そうとした足踏み(スタンピング)を転がりながらかわし、再び身の下から出たところをブレスで狙われる。

 身の自由がきかない状態でも剣を伸ばすことで高跳びのようにかわしてその勢いで反撃。

 懸命な一撃を、竜は長い首を曲げるだけで容易に無効化し、身を(よじ)らせ傷からの光線を放つ。

 人数が少なかったが故に傷口も少なく、新たに使っている傷口からのブレスの本数は少ない。

 それでも何本かが空中のフォルテスラを通る軌道で迫りくる。

 

「舐めるな!」

 

 《瞬間装着》を発動し、装備したのは《空中跳躍》用の靴。

 落下の軌道を変え地上に降り立ち、休むことなくまた走り出した。

 

 竜が迎撃に使える手段は四通り。

 両腕での攻撃。体の下に入った瞬間のみ使える足での踏み潰し。

 全身からのブレスと、"一本角"の喉元からのブレス。

 首は切られることを恐れて使えず、最大の威力を誇る尻尾は既に切り落とされている。

 手段がここまで限定されているからこそフォルテスラは戦えている。

 

 また、体格差による死角の多さで竜は効率的な攻撃が出来ていない。

 特に背後に回れば切られた尻尾の傷からのブレス以外は使えない。

 ここで小休止を挟み、空を踏み空中から首を狙いに行くのが基本パターン。

 斬撃に斬撃を重ね、《ソード・アヴァランチ》でさえ移動と時間稼ぎのために連発している。

 その尽くを回避されながらも、あらゆる方法で首を狙いに行く。

 まるで倒すための全力だが、実際には時間を稼ぐためのものでしかない。

 もはや全力の殺意を込めなければ時間稼ぎにもならないのだ。

 

 戦闘再開から、ここまでで一分半。

 半分を折り返し、フォルテスラのSP、MPも底が見えてきた。

 僅かな隙を作って薬を飲み回復、戦闘を続けてはいるが、このペースでは後半持つかどうか。

 

(だが出し惜しむ余裕も先を考える余裕もない)

 

 全力で限界以上の動きをし、その上で勝負は互角から動かない。

 限界を越えた分の無茶と疲労は積み重なり、それを無視するのにまた無理をする。

 限界ギリギリを超過した頑張り、それでもピンチは連続して訪れる。

 

 残り一分を切った時、フォルテスラの全身に傷がない場所は無かった。

 

「―――ッ! まだだ!」

 

 全身が火傷に覆われ、動きが僅かに遅くなっている。

 左手は指が溶け落ち、ブレスに巻き込まれ両足の先端は欠けている。

 目の前で熱された空気を吸ったことで肺は(ただ)れた。

 それでも右手一本で剣を握り、フォルテスラは諦めず戦い続ける。

 

 回復薬を飲み、体が癒える前から大地を蹴る。

 首のみを狙う余裕も消えた。敵の足を斬り肉を断ち、動きの邪魔をしなければ戦えない。

 それにより竜の強化が進んでいくが、この一瞬を凌ぐのが先だ。

 右と見せかけて左に飛び、誘った竜の左腕の内側をくぐり、喉元への牽制を振るって体を起こさせ胴体をくぐる。

 半ばまで入って後ろに飛んで右腕をかわし、空を跳んで首に迫り致命の一撃を放った。

 

「こ、れ、でぇ!」

 

 殺す気で放たれた斬撃を、竜はブレスを当てることで空気を熱し起こした強風を当てて曲げる。

 長大化されている剣は僅かな軌道変化で大きく逸れ、首を逃した。

 フォルテスラの大技を、【グローリア】の小技が防ぐ。

 体躯に反した攻防は、ここまで幾度となく繰り返されてきた光景である。

 

 そして<SUBM>の反撃が始まる。

 全力の斬撃をかわされ無防備なフォルテスラを喉からのブレスが襲う。

 角度を変えるだけで放てる光線は全力の回避を要求し、次の攻撃を躱す余裕を奪う。

 

 下に跳んだフォルテスラを待っていたのは両腕の二連撃。

 左腕を融け切るより速く押し付けることで一本目をやり過ごす。

 感覚を研ぎ澄ませるため痛覚はオフにしていない。

 纏っているのが痛みを感じる前に融けるほどの高熱なのは不幸中の幸いだった。

 

 腕を犠牲に体勢を整え、正面から二本目を迎え撃つ。

 折れる危険を承知で、細心の注意を払って剣で上に受け流し、立ち位置を調整し竜の腕を盾としブレスを受ける。

 腕を傘のようにして迫るフォルテスラを察知し、腕を下に振るう【グローリア】だが一拍遅い。

 タイミングを合わせ腕の下から跳躍、脇をすり抜け背後に回って大地に降りる。

 尾の痕から放たれる極太のブレスは地に伏せれば当たらない。

 ここまでが攻防のワンセットだ。

 

(左腕が肘まで溶け落ち、それを犠牲に稼げた時間は数秒か)

 

 値千金の時間とはいえ気の遠くなる話だ。

 残りの時間を稼ぐまでにいくつの部位が焼け落ちるか。

 痛みと欠損は動きを悪くするが、痛み止めを飲んで我慢する。

 痛覚以外は可能な限り残る特殊な一品。便利な代物だが、これで在庫は尽きた。

 

(よし、これでいい。エーリカ作の薬は相変わらずよく効く)

 

『団長、あと二回も受け流したらたぶんアタシ折れると思う』

 

『……そうか、わかった。十分だ』

 

 ネイリングからの念話による申告を受け、これからの戦術を修正する。

 一度の攻防を終えれば【グローリア】もフォルテスラも一瞬の小休止に入る。

 数秒とないこの時間に考えを纏め、再びの攻防に挑んでいく。

 二度、三度と繰り返すうち、フォルテスラの精神の糸も肉体も擦り減り削れる。

 逆に【グローリア】は致命傷を受けなければ延々と強化される。

 地味に大きなこの差をなんとか気合で埋めるも、そんなものが長く続くはずもない。

 残り時間が三十五秒を切った時点で、フォルテスラは追いつめられていた。

 

「がっ、まだ、まだだ……!」

 

 左腕は肩から消え、脇も大きく削れている。

 足も火傷と傷が酷いが、《超克を果たす者》で上がったAGIはどんな状況でも機能はする。

 竜の攻撃が高熱を纏っているため、傷口が焼け出血こそないが、削れた分の血は消耗している。

 痛み止めも激しい傷に効果を使い切り、痛みがぶり返してきた。

 おそらく次が正真正銘最後の攻防になる。

 飲めるだけの薬、かけられるだけの薬を摂取し、見下ろす極竜に挑みかかった。

 

 【グローリア】からすれば、もはや勝負は決まっている。

 付けられた傷により"三本角"の《起死回生》、肉体強化はだいぶ進んだ。

 "三本角"が破壊されないように気を配っていれば敗北はあり得ない。

 目の前の存在を殺し、空の【大賢者】を戦場から排除し、クレーミルを破壊する。

 【大賢者】の《詠唱》終了前に全てを遂行できるだろう。

 準<超級>の身で尻尾を破壊し、ここまで足掻いた者に回復薬の服用を許す程度の余裕はある。

 全力で殺してやる。その思いを込め、最後の攻防は始まった。

 

 

 

 上昇したAGIと巨体を活かし、【グローリア】は突撃する。

 ENDが高まった結果フォルテスラでも一振りで切り裂くのは難しい肉体で叩き潰しにかかった。

 AGI型超級職でも躱せない速度と耐久型超級職でも耐えられない威力を両立する重撃。

 

「《ソード・アヴァランチ》!」

 

 フォルテスラは腕の振りに合わせ体を動かすことで超超音速連撃を移動に使う。

 巨体の左側に回り込み《オーヴァー・エッジ》で斬撃拡張。

 三極竜の"二本角"頭部を狙って斬撃が飛来する。

 

 対する【グローリア】はこの攻撃にはもう慣れている。

 "一本角"の喉ブレスを、斬撃を放つ本人を狙い照射した。

 長い首を少し曲げるだけで光速のブレスが飛来し、フォルテスラを襲う。

 斬撃が届くよりもブレスが届く方が早い。

 やむなくフォルテスラは奥義を中断し横に大きく跳躍。

 足を掠らせながらも最大の攻撃を避けきった。

 

 【グローリア】の猛攻が続く。

 次手は全身からのブレスの乱打だ。

 位置もタイミングも見慣れた光撃を、フォルテスラは難なく躱す。

 傷口は小さく、ブレスも細い。人が一人通る程度の隙間は無限にある。

 速度で上を行かれようとも最適化された動きは竜の攻撃を上回る。

 より巧みに、より正確に。少し前の自分を越えるのは得意分野だ。

 傷付いた肉体で、今までで一番のパフォーマンスを発揮する。

 まるで、燃え尽きる寸前の蝋燭のように、死に際のフォルテスラは輝いていた。

 

 空中を跳躍し、狙うのは"首の根本"。

 高い頭まで行き、頭蓋骨を破壊し、内部のコアを潰すのは今のフォルテスラには難しい。

 だが、長い首を根本から切り分ければ。

 最低でも動きは取れなくなり、【大賢者】を狙うことも不可能になる。

 フォルテスラの体が持てば、落ちてきた頭部の破壊も可能かもしれない。

 

 ここまでひたすら頭部だけを狙っていたからこそ利く変化球。

 【グローリア】を認め、その強さを信じてこの一瞬のために全てを布石と変えた。

 ただ強いだけの存在が、この技を看破できるはずはない。

 

(三本纏めて―――待て、何だ?)

 

 振りかぶった瞬間に、()()()()

 

 

 

 首の付け根、既にブレスの噴射口と化していた真新しい傷口が見える。

 この瞬間まで閉じていた口が開きかけ、光が僅かに漏れている。

 

 それを視認したフォルテスラの反応は早かった。

 全力で空を踏み、速度(AGI)筋力(STR)を尽くして離脱する。

 放たれたブレスが鼻先をかすめた。

 

(何故気付かれた、こんな小細工を、何故!?)

 

 理由は一つ。

 【三極竜 グローリア】の、【剣王】フォルテスラへの警戒。

 なによりも先に尻尾を落とし、<SUBM>を前に単独で時間を稼いでみせた。

 何度となく命に迫ったその男の強さを、極竜でさえも認めざるを得なかった。

 格下を見下し、適当に対応する【グローリア】でさえも。

 

 行動を予測し、"この敵であれば何を狙うか"から対策を練る。

 根本への攻撃を読み、フォルテスラが背後に回って見えていない時に傷を()()()()()()

 その上で、傷が発射口へと転じてもしばらくは閉じ、不意打つことすら選択した。

 或いは【グローリア】にここまで手を尽くさせたのはフォルテスラが唯一無二かもしれない。

 その称賛すべき事実は、しかし今この時はマイナスにしか働かない。

 

 ブレスを避けたフォルテスラを、【グローリア】の腕が薙ぎ払った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(おれは、どうなった……?)

 

 一時の【気絶】から脱し、フォルテスラは目を覚ました。

 目の前は真っ暗で、全身の感覚もない。

 思考はぼんやりとしていたが、少しずつ正常に動き始めた。

 

(そうだ、【グローリア】の攻撃を喰らったんだ。

 直撃は【ブローチ】で耐えたが大地に叩きつけられ、意識を失った)

 

 致死ダメージを無効化する【ブローチ】が機能し、腕の薙ぎ払いでは死ななかった。

 しかしそのまま吹き飛ばされ、地に落ちた時のダメージで【気絶】したのだろう。

 思考は高いAGIの恩恵で加速されているため、直撃から何秒経ったのかはわからない。

 だが防御力はかなり上がっている。気絶時間はそう長くないはずだ。

 そこまでは理解できたが、やはり体の感覚は戻らない。

 【気絶】時に意識が送られる空間とは勝手が違う。現実に戻っているのは間違いない。

 何故だ、と考えて、フォルテスラはすぐに気が付いた。

 

(もう、力が尽きたのか)

 

 視界が暗いのも当然だった。

 体の感覚も、瞼を上げる力も残っていないのだ。

 最後の力は、とっくの昔に枯れはてていた。

 

(駄目だったか。だが希望は託せた)

 

 残った時間は三十秒もないだろう。

 【黄金之雷霆】と【天騎士】ならば【大賢者】を守りきれるかもしれない。

 ……守り切れない可能性は高かったが、信じるしかない。

 フォルテスラはもう戦えないのだ。

 

(俺にはもう、信じることしかできない。

 【グローリア】は俺にトドメを刺すかどうか。力尽きたと判断して殺さない可能性もある。

 どちらにせよ、この戦闘中の復帰は無理か)

 

 よしんば奇跡的に立ち上がれたとしても、もう抗う手段はないだろう。

 極竜はフォルテスラに脅威を感じている。

 この状況で立ち上がれば、これまで以上に警戒する。

 必要とあらば自傷してでも百%勝てる域にまでステータスを上げるだろう。

 それならまだ、【天騎士】達だけで挑んだ方が勝機があるかもしれない。

 

(俺の戦いは終わった。剣を置いて、眠るとしよう)

 

 剣を手放し、力を抜き、勝負を諦めても試合を諦めずに終わる。

 そうしようとしたところで。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

(……? 何故手を離さない。もう何もできないんだぞ?

 いや待て、()()()()()()()()()()()()()

 

 今のフォルテスラに全身の感覚は無いのだ。

 右手に込めている力はおろか、剣を握っていることさえ気付くはずもない。

 

 それは心が剣を握ることをやめなかったことを意味している。

 彼にとって"この状況でも剣を手放さない自分"は考えるまでもなく当たり前のことだった。

 だから意識がなくとも、感覚が消えても、手と心は剣を手放していなかったのだ。

 

(俺はまだ足掻くつもりなのか)

 

 最後の力が枯れ、全力を尽くし、希望を託せたとしても。

 その手で剣を握り戦うことを決して辞めない。

 

(俺は"勝ちたい"のか)

 

 己を自覚したフォルテスラの脳裏に、戦いの前に交わした言葉が想起される。

 

 

 

『それでも。剣折れても立ち上がる君が、此度も勝利することを願っている』

 

 【グローリア】の性能を完全に理解し、それでも勝利を願ってくれた先達。

 

『わかった。君の挑戦を待っているよ』

 

 フォルテスラの意地に付き合い、信じて待つことを選択してくれた好敵手(ライバル)

 

『アタシたちなら大丈夫! 勝って、堂々とあいつらに宣言してやればいいよ!

 王国で本当に一番のクランは<バビロニア戦闘団>だってさ!』

 

 脅威を実感しながらも勝利を謳い、励ましてくれた半身(エンブリオ)

 

『大丈夫ですか、オーナー』

 

 破壊(ロスト)の危険を冒してでも、身を挺し庇ってくれた仲間。

 

『わたしは誰より、あなたのことを信じています』

 

 そして、最愛の妻。

 

『あなたが揺らがなければ、きっと奇跡だって起こせますよ』

 

 

 

 勝ちたい。

 負けたくないのではなく、失いたくないのではなく、勝ちたい。

 自分を信じてくれた者達に胸を張れるように。

 愛する者達の笑顔があふれる未来。そんな願いを自らの手で叶えるために。

 

 こんなところで、終われるものか。

 

 消えたはずの気力が胸から溢れてくる。

 全身に力がみなぎり、剣を握る手の感覚も戻る。

 ボロボロの体を剣を杖にして立ち上がると、目の前にはまだ竜がいた。

 

 彼が思っていたより時間は経っていなかったのだろう。

 信じられないように彼を見る極竜を見上げ、宣言する。

 己の存在を、意地を、自己規定を。

 

「例え剣折れ力尽きても、諦めず超えてみせる」

 

「それが俺だ」

 

 彼こそが、王国決闘ランキング三位、クランランキング二位。

 <バビロニア戦闘団>オーナーにして"決闘王者"フィガロの好敵手。

 

「"凌駕剣"フォルテスラだ!」

 

 

 

 

 

 <エンブリオ>は<マスター>の想いより生まれ、願いを叶えるために存在するもの。

 故に今こそ、フォルテスラの意志に【ネイリング】は応える。

 

 

 

同調者(マスター)生命危機感知】

【同調者生存意思感知】

【<エンブリオ>TYPE:メイデン【超克嬢子 ネイリング】の蓄積経験値――グリーン】

【■■■実行可能】

【■■■起動準備中】

【停止する場合はあと20秒以内に停止操作を行ってください】

【停止しますか? Y/N】

【Yが選択されました】

【■■■による緊急進化プロセス実行の意思を認めます】

【現状蓄積経験より採りうる二四一パターンより現状最適解を算出】

【対象<エンブリオ>:【超克嬢子 ネイリング】に対して■■■による緊急進化を実行します】

 

 

 

 瞬間、掌中のネイリングが粒子と解け、フォルテスラを優しく包み込む。

 周囲を渦巻き揺蕩うその光に圧され、【グローリア】(<SUBM>)が一歩下がった。

 

 

 

「来い―――ネイリング!!!」

 

【■■■――完了しました】

【――Form() 【The Gleam Keen LongSword】】

 

 光が収束し、フォルテスラの手に再び剣として顕現する。

 長剣を握り締め、フォルテスラは不敵に笑ってみせた。

 

 "()()()()"。

 揺るがぬ思い。勝利への渇望。望んだ自分である覚悟。

 希望を信じ限界を超える強い意志が、必然の奇跡を引き寄せる。

 心の中の未来を叶えるため、フォルテスラは進化(真価)を、超克を果たした。

 

 

「『俺達の世界は終わらない、終わらせない!』」

 

 叫ぶ彼らに、グローリアもまた雄叫びで返す。

 

 互いの夢の全てを賭けて。

 最後の戦い(Final War)が今、始まった。

 

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