異世界で勇者の護り人になったんだが、、   作:ポケモンっぽい人

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初陣

― 二日目 朝―

 

 

ピュルルルィィィィィ! ピュルルルルィィィィ!

 

 

 

ユウヤ「、、ッ、、」ムクリ

ユウヤ「、、、朝か、、、」

 

、、、異世界での初めての目覚めは、最悪な物だった、、

外で、よく分からない鳥が、よく分からない声で鳴いている、、、、

聞きなれないその声は、、ニワトリとは違い、起きるにはとても五月蝿く、不快だった

 

ユウヤ「、、ユウは、、」

 

隣に寝ているであろう、ユウを見る

 

ユウ「むにゃ、、zzz」

ユウヤ「、、」

 

昨日、遅くまで起きていたせいか、ユウはまだ夢の中だった

 

ユウヤ「、、、」ファサッ

 

ユウに毛布を掛け、ベッドを抜け出す

 

ゴソゴソ、、カチャカチャ、、バサァッ!

 

手早く着替えを済ませ、腰に鞘を通す

 

 

ユウヤ「、、、行くか」バァァーン!

 

 

 

そして俺は、ユウが目覚める前に、宿を出た

 

 

――――――――――――

――――――――

―――――

 

 

―宿 入り口前―

 

 

冒険者A「、、よぉ、待ってたぜ」

冒険者B「遅かったっすね!」

ユウヤ「、、?あんた達は、、確か、酒場で、、」

冒険者A「あぁ、、ボウ、、アンタが無適正って分かって、二番目に笑った奴と、、」

冒険者B「一番最後に笑ったオレっちっす!当然覚えてるっすよね?」

 

 

 

『ウッソだろ!?ある意味珍しーな!ボウヤ!』

 

『おっww俺初めてみたっスよ!職業適性無し何てwww』

 

、、そういえば、、

 

ユウヤ「、、、あぁ、確かに居たな」

冒険者A「オレは<ヴィルキス=ターエル>、飛竜狩り(ドラゴンハント)だ、

、、で、コイツは「<コーナズ=ベクター>、獣狩り(アニマハント)っす!」

 

ヴィルキスと名乗った男は、、背中に弓矢を背負っている、、如何やら、弓使い(アーチャー)の様だ、、

赤髪に鋭い目をしていて、所々破れた赤黒いシャツの上に、薄めの帷子(かたびら)を着ている、

そして、腰マントに薄い黒のジーンズに似た物と、レザーブーツを履いていた、

容姿は、俺よりも背が高く、その落ち着き振りから少し年上の印象を受けた、

顔の輪郭は細く、整った顔立ちをしていて、、ハンサムだ

 

もう一人、、コーナズと言った男は、緑髪に柔らかい目つきで、頭にバンダナを巻いている、

服の変わりに、袖の短い鎧を着ている、その上には、緑のマントにウエストバッグ、

そして下は、鉄のレギンスとブーツ

 

ユウヤ「、、その、<飛竜狩り(ドラゴンハント)>や、

魔獣狩り<(アニマハント)>、、というのは何だ?」

ヴィルキス「あぁ、コイツはギルドの種類で、大きく分けて4つある、

 

1つは<調和せし者(アルベウル)>、

これは、<ある特定の種族を狩る者>って事だ、

、、っつっても、何でもかんでも狩りまくる訳じゃねぇ、

増えすぎた魔獣や飛竜種を、増えすぎず、減らしすぎず、、

つまり、間引きするって事だ

 

2つ目は<探求せし者(レーベルファイゲン)>、

これは、、大雑把に言っちまえば、<世界の未知の謎を解き明かす者>って事だ、

迷宮なり秘境なり、文化や動植物なりな、

だが、調査をするのにも、当然だが莫大な費用が掛かる、

、、今ではそのせいか、ギルドに入るのは、金持ち位になったがな、、

 

3つ目は<守りし者(エメセーレ)>

これは、ギルドの人間や町の人間を救助、治療したり、

エルフ族の様な、絶滅の危険性がある生物、種族を保護するのが仕事だ、

、、まぁ、これはアルベウルの延長上だと思えば分かりやすいだろ?

 

最後は、、<抹殺せし者(グェルガンド>)

、、、コイツは、魔物を「殺す」のが生業の冒険者だ、

世界に蔓延る魔物共を、文字通り一掃する、、殺戮者さ」

 

ヴェルキス「、、で、それを統括してるのが、各地にある冒険者ギルドだ、

そこでギルドに入ったり、脱退したりするってワケだ、

、、どうだ、何となく分かったか?」

ユウヤ「ギルドの種類は分かった、、その上で、一つ、聞きたい事がある」

ヴィルキス「何だ?」

ユウヤ「その役職の名称だが、、

 

それは、全て『人』の名前か?」

ヴィルキス「察しが良いな、、その通りだ、

どれも、大昔に実在したと言われてる、

、、、因みに、『ギルド』を創設したのも、この4人らしいぜ」

ユウヤ「、、、通りで」

ヴィルキス「、、、ま、どんな奴だったのか、知っている奴はもう居ないんだろうがな」

ユウヤ「、、分かった、、それで、アンタ達は俺に何の用があって来たんだ?」

ヴィルキス「、、、一言で言えば、『アンタを笑った償い』だ」

コーナズ「今から、<入団試験>を受けに行くんすよね?

だったら、俺っち達がサポートするっすよ!」

ユウヤ「、、有難い申し出だが、、借りを作る気は無い」キッパリ

ヴェルキス「まぁ、そう言うなって、

引き受けて貰わねぇと、オレ達の立場が無ェのさ」ヤレヤレ

ユウヤ「、、、何故だ?」

ヴィルキス「、、、何せ、伝説の勇者様とそのお付だぜ?

普通なら、こんな宿に泊まらせるのだって可笑しいんだよ、、

、、それ以上に、アンタを嗤っちまったのが申し訳ねぇ、

、、、これは、オレなりのケジメさ」

コーナズ「俺っちも、殆どおんなじっす、

、、ユウヤさん、どうかご一緒させて下さいっす!」ペコリ

ユウヤ「、、分かった、、だったら、付いて来てくれ、

、、だが、付いて来るだけだ、手出しはしないで欲しい」

ヴィルキス「、、あぁ、、だが、ヤバそうになったら、各々の判断でやらせて貰うぜ」

ユウヤ「、、、了解した」

コーナズ「よ~し!それじゃあ、頑張るっすよー!!

旅立つ冒険者に、成功あれ!」グッ

ヴィルキス「あぁ、、成功あれ」グッ

 

コーナズの定型文の様な台詞にヴィルキスが続き、二人は握った拳を合わせた

 

ユウヤ「、、、それは何だ?」

コーナズ「冒険者の、縁起担ぎっす!

さぁ、ユウヤもやるっすよ!」

ユウヤ「あ、、あぁ」

 

 

ユウヤ「、、、成功あれ」グッ

ヴィルキス「あぁ」グッ

コーナズ「ハイッす!」グッ

 

ユウヤ(、、、案外、、悪くないかもしれないな)

 

――――――――――――

――――――――

――――――

 

[悪鬼の森]

 

コーナズ「いや~!ワクワクするっすね!」

ヴィルキス「、、あまりはしゃぐな、コーナズ、、、」

ユウヤ「・・・」

 

昨日とは打って変わり、今回は冒険者の同行もある、、

借りを作る気は毛頭無いが、、だが、頼りになる事も確かだ

 

 

ドスッ サッ!

 

コーナズ「・・・」

ヴィルキス「・・・」

ユウヤ「ッ、、」ザッ

 

、、茂みから物音が聞こえた瞬間、二人は一瞬で木の陰へと身を潜めた、

俺は、その数瞬後にようやく木の陰に隠れた

 

そして、音がした方を見ると、、

 

「フーッ!フーッ!」ザッザッ

 

緑の肌で、2m以上は有るであろう巨体に、大きな斧を持った怪物が、

俺達のすぐ傍を横断していった

 

 

ヴィルキス「、、来たな、、あれがゴブリンだ」

ユウヤ「、、もう少し、小さいのをイメージしていたんだがな、、」

ヴィルキス「何言ってる、、ゴブリンは、魔物の中でも小さな方に分類されるんだぞ、

その上、此処のゴブリンは小さな方だ、、、何せ、ルーキー向けだからな」

コーナズ「、、と言う訳で、、ユウヤ、ファイトっす」

ユウヤ「、、あぁ」スクッ

 

物音を立てない様に、そっと立ち上がる

 

 

 

ユウヤ「行って来る」

 

ヴィルキス「あぁ、、しくじるなよ」

ヴィルキス(、、見せて貰うぜ

勇者の連れである、お前の力)

 

 

 

 

ユウヤ「・・・」サッサッサッ

 

足音を殺し、駆け足で目標に近付く、、

 

ゴブリン「フーッ フーッ」

 

、、どうやら、気付かれてはいないようだ

 

ユウヤ「・・・」スーッ

 

音を立てない様に剣を抜き、目標との距離は2m程になった、、、今だ

 

 

ダッ!

 

音を気にせず素早く目標に近付き、背中に飛びつく

 

ゴブリン「ウガ!?」

 

ようやく奴は俺の存在に気付いたらしい、、奇襲に驚いている様だ、だが、もう遅い、

俺はその間にゴブリンの頭上に跨り、剣を振り上げる

 

ユウヤ「、、、」ヒュッ

 

ザグッ

 

、、狙い通り、刃はゴブリンの喉を貫いた、

そのまま刃を左右に動かす

 

 

ゴリゴリゴリ、、、ボトッ

 

 

ゴブリンの頭部が地面に転がる、

、、苦悶の表情を浮かべている、、如何やら、途中で絶命していたようだ

 

ユウヤ「、、済まない」

 

 

 

<茂みの中>

 

コーナズ「え、、エゲツないっす、、」

ヴィルキス「、、何の迷いも無く、背後から奇襲、、そして、首を一狩り、、

それに、やけに手馴れている、、、動きに一切の迷い、惑いが無い、、)

ヴィルキス「、、」

 

 

ユウヤ「・・・」ヒュッ

 

ザグッ ググ、、ストン

 

ゴブリンの腕を切り落とす、、、此処は軟らかいな

 

ヴィルキス「、、、待てユウヤ?

ゴブリンの再生能力は人並みだ、そこまでする必要は、、」

ユウヤ「そうなのか、、だが、肉質を調べているだけだ、、」ヒュッ ザクッ

ヴィルキス「あ、あぁそうか、、」

ヴィルキス(返り血にもお構いなし、か、、、

、、、だが、、流石にこれは、、、)

 

 

~数分後~

 

ユウヤ「、、、こんなものか」カエリチマミレ

コーナズ「う、、うわぁ、、」ヒキッ

ヴィルキス「、、ゴブリンの輪切りか、、、そんなになるまで確かめる必要はあるのか?」

ユウヤ「有る」

ヴィルキス「、、そ、そうか、、」ヒキッ

 

、、情報は大切だ、、どんなに些細な事でも、何かに繋がる可能性がある

 

ユウヤ「、、十分だ、次へ行こう」

コーナズ「返り血、拭かなくて良いっすか?」

ユウヤ「、、帰ってから洗濯する、、

とはいえ、それまでに染みて落ちなくなっても困るな、、」

コーナズ「なら、これを使うと良いっすよ!」スッ

ユウヤ「これは、、」

 

青い球の様な物を手渡された

 

コーナズ「青の魔力を詰め込んだ、<洗浄球(ブルーポルン)>っていう、魔宝具(マジカルルージュ)っす!

ユウヤ「魔宝具、、、」

コーナズ「開放(デーラ)の言葉で使えるっすから、試しに使ってみるっす!」

ユウヤ「、、開放(デーラ)

 

ゴボゴボゴボゴボ、、ゴォォォォ!

 

球からあふれた水が俺の体を包み、洗濯時の様に回りだした、、

、、体中の汚れが洗い流されるような感覚があり、気持ち良い

 

ザァァァァ、、、

 

服や顔に付着した返り血が全て流れ落ちた所で、自然に体から水が流れ落ちた

 

ユウヤ「、、、これは便利だな」

ヴィルキス「魔宝具の種類は、それだけではない、

そして、魔力を詰め込むだけで何度でも使える便利な道具だ、

、出し惜しみせず使うと良い」

ユウヤ「、、、何処で手に入るんだ?」

ヴィルキス「この程度の低級な魔宝具なら、店に行けば置いてあるだろう、

、、、だが、より高級な物になると、複製が出来ない上に、

太古の遺跡や施設に行かないと手に入れる事は出来ないんだ」

ユウヤ「、、成る程な、、」

 

 

ヴィルキス「、、さて、小話も終わりにして、そろそろ次を探すぞ」

ユウヤ「そうだったな、、、行くか」

コーナズ「、、ユウヤ、、これ、どうするっすか」ワギリノゴブリンユビサシ

ユウヤ「、、放っておいても、此処に住む獣が後処理をしてくれるだろう」

コーナズ「確かにそうっすね、、でも、何でそう思うんっすか?」

ユウヤ「、、俺の居た所だと、基本そうだったからだ、、

、、、出来れば来て欲しくは無いがな、、」

 

、、、そう、、向こうの世界でのある日、、

朝起きたら、毎日愛でていた猫が食い殺されていたのは、、、今でも鮮明に覚えている、、

 

 

ヴィルキス「、、このまま行き当たりで探しても良いが、、

、、丁度良い、オレの[魔技(アーツ)]を見せてやる」スチャ

ユウヤ「魔技、、、」

コーナズ「珍しいっすね!ヴィルキスが、人前で魔技を見せるなんて!

ユウヤ、よく見とくっすよ!こんな事、滅多に無いっすから!」

 

ヴィルキスは、腰を落とし、弓を空に向けて構え、矢を番えた

 

ヴィルキス「、、行くぞ」グググ、、

 

 

 

ヴィルキス「天透の瞳(ルクス・アウェイズ)!」バシュッ!

 

放った矢は、空高く上り、、強い光を放ち、その場に留まっている

 

ヴィルキス「、、、、此処からそう遠くない場所に、10体固まっている、、

中型小型、、大型までいるな」カタメトジ

ユウヤ「、、片目を媒介に使用する魔技か、、

効果は、半径2、3kmの中に居る者を、透視()る事が出来る、、、という所か」

コーナズ「!?」

ヴィルキス「、、、、確かにその通りだ、、だが、たった一度でよくそこまで理解出来たな」

ユウヤ「、、よく観ていれば、分からない事でもない」

ヴィルキス「・・・・」

 

、、今の魔技は、自分の眼を媒介に使った、、、が、恐らく、それだけではないのだろう、

一体、何を消費して使うのだろうか、、

 

、、思考を止め、ふと前を見ると、

ヴィルキスとコーナズは、今だ信じられないというような目で俺を見ていた

 

 

ユウヤ「、、次に行く場所は決まった、早く行こう」

コーナズ「・・・そうっすね」

ヴィルキス「、、、あぁ」

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

ユウヤ「、、そういえば、、」

ヴィルキス「如何した?」

ユウヤ「俺を襲った魔物、、グーラは、人間の言葉を話していた、、

人間の言葉を話す魔物が居るのか?」

ヴィルキス「成る程な、、そもそも、それを知らなかったのか、、」

ユウヤ「、、、すまない」

ヴィルキス「いや、謝るほどではも無い、、

そうだな、、厳密に言えば、「話している」のではなく、「発している」と言った方が正しい」

ユウヤ「人間の言葉を真似している、という事か」

ヴィルキス「そういう事だ」

 

コーナズ「二人とも、、いたっすよ」

ユウヤ「、、」スッ

 

ヴィルキス「ちょっと待て」

ユウヤ「、、何だ?」

ヴィルキス「今度は、正面から戦ってみてくれ」

コーナズ「え、、大丈夫何スか?」

ユウヤ「、、、隠密でなければ、容易ではないだろう」

ヴィルキス「危険になればオレ達が片付ける、、済まないが、試してくれないか」

ユウヤ「、、、了解した」ザッザッ

 

 

コーナズ「、、本当に大丈夫っすかね、、、

ユウヤ、俺達より体は貧弱そうっすけど、、」

ヴィルキス「、、恐らくはな、、

だが、それだけならば先ほどの戦闘も、不意打ちと言えどあれだけ速く決しなかった筈だ」

コーナズ「うーん、、でも「まぁ見てろ」、、おっす」

 

 

 

 

 

 

ユウヤ「・・・・」

 

ゴブリン「・・・」フーッ フーッ

 

ユウヤ(、、ヴィルキスも、えげつない縛りを持ち掛けてきたな、、

不意打ちならまだしも、正面から戦う、、か、、

、、一撃でもまともに喰らえば、ヴィルキス達が助けに入るまでもなく死ぬかもしれない、、

 

 

、、、ならば)

 

ゴブリン「ウオオォォォォ!!」グオッ!

 

ゴブリンが斧を振り上げた、、恐らく、そのまま振り下ろすつもりだろう

 

ユウヤ「、、回避するしかないな」

 

ブゥオン!  ズガアァァッ!

 

斧を叩き付けた衝撃で、地面に亀裂が入り、砂の塊が高速で飛び散る

 

ユウヤ「ッ、、、」ズサッ、、、

 

運悪く、その破片が幾らか当たってしまい、体制が崩れる

 

ゴブリン「グオォォォ!!」ブオンッ!

 

体制を崩した瞬間、即座に追撃が来る

 

ユウヤ(速い、、ッ)グルッ

 

ズドッ!!

 

咄嗟に体を捩り横転し、何とか追撃を回避する

 

ユウヤ「グ、、!」

ユウヤ(防戦一方だ、、一体、どうすれば、、)

 

、、この世界の人間の様に特殊な力、、魔力は、今の俺には無い、

かといって、超人的な力も、ある訳ではない、

、、そんな俺が、どうやって自力のみであんな化け物を倒せるだろうか

 

ユウヤ(、、フッ、、弱音を吐くには、速過ぎるな)

 

そう、これから俺は、この世界で生きていかなければいけないのだ、

、、、この位出来なくて、どうする

 

ゴブリン「オォォ!!」グオッ!

 

薙ぎ払いだ、、恐らく、俺に避ける事が出来ないと理解しているのだろう、

 

 

ユウヤ「、、、これが剣なら、死んでいたかもな、、」ダッ

 

 

 

 

メシャッ! ザグッ

 

懐に潜りこむが、巨大な斧での一撃を貰う、、が、代わりに、、

 

ゴブリン「ウ、、オォォォ、、、、」ドザッ、、、

 

奴の胸には、俺の剣が刺さっている

 

ユウヤ「、、懐に潜り込めば、多少のダメージは負うだろうが、隙が出来る、、

、、所詮、脳の無い獣なのか、、」

 

 

ユウヤ「残念だ」

 

「、、、ウォォォォォォ!」

 

ユウヤ「ッ!?」ミミフサギ

 

「・・・」

 

ユウヤ「、、、死んでいる、、」

 

ザワ、、、ザワ、、、ザワ、、、

ピュルィィィ! ピュルィィィィ!!

 

 

木々がざわめき、聞いた事のある鳴き声が聞こえる

 

ユウヤ「これは、、、ハウリングか?」

 

 

ヴィルキス「仲間を呼ばれた!一旦退くぞ、ユウヤ!」

ユウヤ「、、、どれ程来る?」

ヴィルキス「?、、先ほど見た限りでは、、恐らく8体程だが、、」

ユウヤ「、、、なら、逃げない」

コーナズ「!、、難しいと思うっすよ、

さっきのでさえギリギリだったのに、8体同時何て」

ユウヤ「同時じゃない、、確固撃破だ」

ヴィルキス「!、、た、確かに、、それならば可能かもしれない、、が、、」

ユウヤ「、、不可能でないのなら、俺はやってみせる」

ヴィルキス「だが、、、」

コーナズ「、、、」

 

 

コーナズ「、、勝てると思うなら、、、やってみると良いっす、ユウヤ!」

ユウヤ「、、あぁ、、なら、また見ていてくれ」

コーナズ「勿論っすよ!」

 

 

 

コーナズ「さてと、、、」クサムラノナカ

ヴィルキス「、、、以外だな、、てっきり、止めるものかと思っていたが、、」

コーナズ「冒険者になるんすから、冒険するのは当然っす!

、、それに、さっきヴィルキスも言ってたじゃないっすか!「黙って見てろ」って、

これが、ユウヤの「最初の冒険」なんすから!」

ヴィルキス「、、、そうだな」

 

――――――――――――――

 

 

ユウヤ「、、、来た、、」

 

俺の作戦は、酷く単純だ、

先ほど倒したゴブリンに向かってくるであろう同属を、途中で一匹ずつ仕留める、、

 

ユウヤ「、、今だ」サッ

 

ザグッ

 

、、最後尾の一体を倒す、そして、その遺体を気付かれないように茂みに隠した

 

ユウヤ「、、、次、、」

 

 

今度は、少し離れた場所で、、その次は、また少し離れた場所で、、、

そうしている内に、目的地についてしまった、、残りは2体だ

 

 

ゴブリン「あぅ、、あぁぁ、、、」

 

、、一体のゴブリンが、倒れたゴブリンの隣に跪き、手を握っている

 

ユウヤ「・・・」

 

、、、驚いた、、悲しむ事が出来るのか、、

 

ユウヤ「、、、」ザッ

ゴブリン「!う、、うぁ、、」サッ

 

、、、何かを隠した

 

ユウヤ「、、、これは、、小さなゴブリン、、いや、子供か」

 

 

ユウヤ「・・・」スチゃ

ユウヤ(、、この生物を殺すのか?

本当に、この生物を殺す事はユウの為になるのか?)

 

ゴブリン「うぁ、、、」ウルウル

 

 

ユウヤ「、、、すまない、ユウ」ヒュッ

 

 

 

 

 

 

ザクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウヤ「、、、ヴィルキス、コーナズ、、終わったぞ」

ヴィルキス「あぁ、丁度十匹、、この眼で見たぜ」

コーナズ「所でユウヤ、体は大丈夫っすか?」

ユウヤ「お陰で何処も問題ない、感謝する」

コーナズ「それなら良かったっす」

ヴィルキス「、、如何する、オレ達は報告の為に戻るが、、お前も戻るか?」

ユウヤ「、、あぁ、そうしよう」

 

 

 

 

ユウヤ「、、中々、大変だったな、、」

ヴィルキス「初の戦闘とは思えない程の動きだった」

コーナズ「ホントは、初めてじゃなかったんじゃないっすか?」

ユウヤ「いや、本当に初めてだ、

、、ただ、、如何すれば良いのかが、すぐに頭の中に浮かんで来た」

コーナズ「それは、、凄いっすね」

ヴィルキス「、、もしかしたら、お前の先祖は戦いに縁があったのかもな」

ユウヤ「さぁな、、興味も無い」

コーナズ「、、それにしても、、幾ら知らなかったとは言え、

ユウヤがグーラ程度に負ける何て考えられないっすよ」

ユウヤ「俺はただの人間だ、

不意を突かれれば、どうしようも、、、」

 

 

「、、ウ、、、ヤ、、、」

 

ユウヤ「、、、何だ?」

ヴィルキス「、、、如何した?」

ユウヤ「声が聞こえた、、俺を呼ぶ声が」

コーナズ「そうっすか?オレっちには聞こえないっすけど、、、」

ユウヤ「、、行ってみる、二人は先に戻っていてくれ」ダッ

ヴィルキス「待てユウヤ!また死にかけたら如何するつもりだ!」

 

ユウヤ「もう油断はしない」

 

 

 

 

 

俺は、生茂る草叢の中に入っていった、、、

 

 

その先に、何が待っているとも知らずに




疲れすぎて荒巻スカルチノフみたいになりそうです、、

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