続・二人の魔女   作:ADONIS+

22 / 38
22.扶桑国

 扶桑樹が存在する未開惑星ですが、流石に何時までも未開惑星では困るので惑星天樹(あまぎ)と名づけ、その惑星すべてを領土として扶桑国(ふそうこく)を建国した。と言ってもあくまで宣言しただけで天樹全土を実効支配したわけではなく、あくまでごく一部に移民しただけです。

 

 しかし、領有宣言なんてものは先に言ったもの勝ちという面もあるし、私たち以外に天樹に知的生命体がいない以上誰も文句は言いませんからね。

 

 そんな扶桑国は一応国家と称しているが、実態は神や妖怪の自治区のあつまりにすぎない。自治区は、強力な妖怪が主として君臨している領域と、神が治めている人間が住む地域に分けられており、妖怪に人間の住みわけがされていた。というか、妖怪と人間がそう簡単に同じ地域に住めるわけがありません。

 

 それでも妖怪が人里を襲撃したりするし、森や山に入った人間が妖怪に襲われて食い殺されてしまうというのも日常茶飯事なので割と物騒な国だったりする。

 

 しかし、妖怪が人間の脅威となっているのは戦国時代の日本も同じなので、別に扶桑国だけが危ないというわけでもないですけどね。寧ろ武士や公家などの支配階層がいないから過酷な税を取られたり兵役に駆り出されたりしない分だけ庶民には暮らしやすい国です。

 

 人々の暮らしぶりは文明コントロールの一環でわざと文明レベルを江戸時代辺りに抑えている。つまり電気・ガス・水道・電話などのインフラは一切ないし、ガソリンエンジンなどの内燃機関どころか蒸気機関すら存在しません。

 

 といっても、火打石で火をおこしたり、井戸から水を組むのは面倒だし、人工光源がたいまつとろうそくしかないのは流石に不味いので改善はしている。

 

 具体的にはライター(使い捨てではなく油を補充することで長期間使用できるようにしている)で片手で火をつけたり、くみ上げ井戸用の手押しポンプを使って楽に水汲みができ、人工光源もランプを使うことでろうそくよりも安全で明るい光源を得られるようにしておいた。

 

 

 

 扶桑国では移民と共に神道から仏教を分離させて再構成する宗教改革を行っていた。そもそも日本の神道は豊聡耳神子たちが仏教を取り入れてからというもの神仏習合が行われており、神道と仏教、神と仏、神社と寺院がごっちゃまぜになってしまっていた。

 

 そこで、扶桑国では明治時代の神仏分離を参考に仏教を切り離して国家神道による統治を目指していた。尚、移民の際に意図的に僧侶を省いている。戦国時代の寺院は腐敗しているところが多いから面倒事を避けるためにそうしていたわけです。

 

 仏教を切り離した結果、葬式は神道の葬儀「神葬祭(しんそうさい)」で済ませることにしたが、問題は仏教の地獄や閻魔大王がないので、死者の魂の扱いが問題になった。

 

 これは伊邪那美を黄泉の主宰神として死者の魂と管理して転生させる管理人になってもらうことで解決した。この辺りの調整で日本神話の神々と話し合いに手間取りました。

 

 こうして、仏教を切り捨てた扶桑国となったのだったが、その実態は人間の国ではなく神道の神々と妖怪たちの談合によって運営させる国家だったりする。まあ、そもそも国造りの目的自体が神や妖怪の研究の為なのですから、人間は信仰心と恐れを得るために養殖されているわけです。

 

 人間は妖怪に襲われることで妖怪を恐れ、妖怪はその恐れを食らう。神は信仰を得る為に人間をある程度守るが過度に守ることはない。信仰を得るには妖怪という悪役がいた方が何かと都合がいい為、自分が担当する自治区で目に余る妖怪は退治するが、妖怪そのものを駆逐したりはしない。

 

 つまり神と妖怪は表向き敵対しているが、裏では談合を行っているので、あからさまに人間を家畜扱いはしないけど実態は牧場と変わらないというブラックぶりです。

 

 

 

 それと、この国独自の神もいたりする。元々この国を作る際に見どころのある人間たちを部下にして国を作る手伝いをやらせていたが、その人間たちの功績から死後に神として神社で祭られるようになった神です。

 

 また、この国には元々妖怪はいなかったが、私が移民させたそこそこ強力な妖怪だけでなく、人間の恐れから扶桑国で新たに妖怪が誕生するようになった。それらの妖怪は移民した妖怪たちがまとめ上げており各地で妖怪勢力を構築している。

 

 そんなこんなで国を作り上げるのに手間取ったが、江戸時代になると国も軌道に乗った。手間をかけた甲斐もあり神や妖怪に関する研究も終わりました。原作開始まで時間がかなりあることから時間が空いてしまったので、神々に国を託して私たちはこの世界から一旦引き上げることにした。




あとがき

 エリーゼたちは原作の幻想郷に興味があるのですが、この時代の幻想郷はまだ博麗大結界が存在しない為、原作まで時間を潰してからこの世界に干渉するつもりです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。