続・二人の魔女   作:ADONIS+

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24.トールギス

 炎龍を始末することにした私は現在監察軍の巡洋艦で炎龍の元に向かっていた。ここで何故巡洋艦で行くのかというと、この巡洋艦に私が乗る機体が搭載されているからであった。

 

 私は今回は監察軍からMS(モビルスーツ)トールギスをとりよせて炎龍退治に使用する事にした。このトールギスは『新機動戦記ガンダムW』で登場するMSである。勿論、そのままコピーではなく多少の改良はしている。

 

 エリーゼはそんなトールギスのコクピットに乗り込む。その操縦席は原作と違って全天周囲モニターとリニアシートになっている。原作のガンダムW系のMSはモニターが前方に集中しており視界が少々悪いから変更していたのだ。更にチタニュウム合金では強度に難があるから、装甲をガンダニュウム合金に変更している。

 

 しかし、ビームエネルギーはカートリッジ方式のままだしスーパーバーニアですら推進剤仕様なので継戦能力に難がある為、このトールギスを監察軍の巡洋艦に搭載したまま移動して現場で出撃するという手順をとることにした。

 

 こうした改良でトールギスの操縦性と防御力は向上しているが、それは原作のトールギスに比べてという但し書きが付く程度のものでその性能は大したことはない。逆を言うと最悪どこかの勢力に鹵獲されても技術流失という点では大した損失にはならないローテクしか使われていない。そういえばわかるでしょうが、このトールギスは私にとって使い捨ての玩具にすぎないわけです。

 

 さて、アイシャが炎龍を見つけたとのことなので出撃するとしましょう。私は素早くトールギスに乗り込み出撃したのであった。

 

 出撃してすぐに炎龍を補足した。炎龍は生物なだけにレーダーとは相性が悪いが、カラスのように小さいのならともかくあれほどの巨体ともなると普通にレーダーで捕捉可能なので見つけるのは容易だった。

 

 モニターには炎龍が多くの馬車を使っている人間たちを襲撃していた。この場面は原作の炎龍襲撃シーンのようだ。別にゴダ村の避難民たちを助ける義理はないが、見捨てる理由もないから介入するとしましょう。

 

 私は炎龍の後ろからトールギスの頭部20mmバルカン砲を連射する。このバルカン砲は原作のトールギスにはないが、ミサイルの迎撃や対人用など使い道はいろいろあるので頭部を作り直して搭載しておいたのだ。とはいえ21世紀の20mmバルカン砲を凌駕する火力があるが、炎龍の鱗に弾かれてまったく効いていない。

 

「まあ、当然よね」

 

 この結果は想定内である。この世界の竜の鱗はそれなりに強固で下級のワイバーンですら12.7mm機銃では柔らかい腹部でなければ効きづらく、古代龍ともなると戦車の正面装甲並みの防御力を持っているから、20mmバルカン砲が通用しないのは当然である。

 

 しかし、そんな攻撃でもいくつか受けていれば炎龍もこちらに気づいて予想通り攻撃をしかけてきた。あえて炎龍の注意をトールギスに集中させたのは避難民を助ける為でもあるが、この状況で下手に炎龍を攻撃する避難民に被害を与えかねないからだ。

 

 私はトールギスのスーパーバーニアを使って炎龍のブレスを回避する。トールギスは機動性に優れており、ブレスなどという見え見えな攻撃など当たるわけがない。予想通り炎龍はそんなトールギスを追って空中に飛び上がってきた。

 

「当たれ!」

 

 私は避難民に流れ弾が行かないように角度を調整しながらトールギスのドーバーガンを発射する。炎龍は自らの力を過信してそれを避けようともしないが、ドーバーガンから放たれたビームは炎龍の腹部に大穴を開ける。

 

 言うまでもないが、いくら戦車の正面装甲並みの防御力を持っていてもビーム兵器が命中したらどうにもならない。更に言えばガンダニュウム合金によって更に性能が上がったドーバーガンの高出力ビームは炎龍が防げるものではない。

 

 これは炎龍でも致命傷だったようで力なく地面に落下した。私はそんな炎龍の傍にトールギスを着地させる。

 

「止めよ」

 

 ほっといても死ぬと思うが、油断して思わぬ痛手を受けるのはいやなので念を押しておく。シールドからビームサーベルを取り出して炎龍の首を切り落とした。

 

 炎龍の止めを刺した私はコクピットから出て、コックピットハッチからワイヤーで地面に降りた。そしてすぐにトールギスをアイテムボックスに収納しておいた。いくら盗られても大した技術流出にならないローテクMSであっても奪われないにこしたことはないのだ。

 

 当然ながら自衛隊はそんな私を警戒していた。明確な敵というわけではないでしょうが、怪獣みたいな炎龍を倒した巨大ロボットに乗っていて更にそれがいきなり消えたとなると警戒しない方が可笑しいから彼らの行動は当然でしょう。

 

 しかし、自衛隊はその特性から明確に敵対しているわけでもない者を発砲するわけにはいかないでしょうし、仮に彼らが私に発砲しても魔法障壁を展開しているから問題ない。

 

 私はそんな自衛隊を無視して炎龍の死体に近づき炎龍をアイテムボックスに収納した。正直炎龍などの古代龍はこの世界の基準では生態系のトップに立つような生物でしょうが、怪獣映画で自衛隊と真っ向から戦えるような怪獣たちに比べたらかなり見劣りするのでサンプルとしてもいまいちなんですが、それでも貴重なドラゴンなわけだから一応調べておく価値はあるでしょう。

 

 余談であるが、ゴダ村の住民の四分の一が炎龍の犠牲になったものの炎龍そのものは倒れたことから大半の村人はゴダ村に帰ることになったが、身寄りのなくなった老人や子供&自衛隊に興味を持ったレレイ、カトー、ロゥリィはアルヌスに向かうのであった。

 

 私は当然ながら伊丹たちとその場で別れた。さすがにアルヌスまでついて行って自衛隊から余計な追及をされたくないからね。




解説

■全天周囲モニターとリニアシート
『機動戦士Zガンダム』以降の宇宙世紀のMSに使用された技術。

■20mmバルカン砲
 トールギスを作る際に追加した武装。ガンダムシリーズの大口径バルカン砲よりも口径を小さくすることで弾薬数を多くしているが、その分火力が低下している為、対人やミサイル迎撃程度しか使用できない。



あとがき

 今回はエリーゼはMSを使っていますが、実をいうとトールギスを使うよりも生身で戦う方が強かったりします。最も相手が巨体なためそれにあわせた玩具(エリーゼからみれば多少改良された程度のトールギスなら玩具に過ぎない)を使用しています。
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