26.制約(ミッドチルダ編)
ミッドチルダを中心とした管理世界は主にミッドチルダ式魔法と近代ベルカ式魔法という二つの魔法が広く使用されている魔法世界である。というよりも基本的なインフラだけでなく質量兵器を禁止して治安維持にまで魔法だけを使用している魔法社会である。
これだけなら、この世界で魔法を習得すると思われるかもしれないが、私たちはこの世界の魔法を習得できない。魔法や魔術ならトリッパーでもトップレベルという自信がありますが、この世界の魔法とは相性が悪いんです。
それというのも私たちの転生特典の一つが【オカルトの鬼才】だからです。これは文字通り、ありとあらゆる下位世界でオカルトと呼ばれている分野に対して千年に一人という伝説的な偉人になれる才能です。
しかし、この特典は神秘、概念、幻想といったオカルトが絡まない非オカルト的な物はカバーできておらず、この世界の魔法は魔法と呼ばれていても科学技術の一形態にすぎない非オカルトの魔法が対象外です。当然、この世界の魔法を使うのに必要なリンカーコアはなく、魔導師になれません。
まあそんなことは監察軍では以前から分かりきっています。そもそも監察軍が設立した場所は『魔法少女リリカルなのは』の世界なのだから、ミッドチルダ式魔法、古代ベルカ式魔法、近代ベルカ式魔法が調べつくされているのは言うまでもないでしょう。
そんな私たちに取って相性の悪い魔法形式ですが、この世界の魔法は非殺傷設定という独自の機能があります。これは魔法を用いて治安維持を行う関係上発達した技術みたいですが、これが魔法がクリーンで安全という管理局のうたい文句の根拠の一つになっています。
魔法を用いて治安維持など監察軍はおろかブリタニア帝国ですらやっていないのでどうでもいいですが、魔法の競い合いをスポーツ感覚でやるには便利な技術な為、以前監察軍本部でその手の研究をしたことがあります。
勿論、ベヅァーとの戦いに使えないので息抜き程度の研究に過ぎませんが、正直私たちにはこの世界の魔法技術など息抜きか参考程度にしかなりません。
ここまで書いたら今更この世界に来る理由はないと思うかもしれませんが、この世界には無限書庫という膨大な量の書物が所蔵されている図書館があります。この世界のありとあらゆる知識があるともいわれる知識の宝庫ですが、ブリタニア帝国がある世界では昔の戦争で失われている為、この世界に行くことにしました。
闇の書事件の解決以前は無限書庫の重要度は低く一般人でも簡単に利用できるため、原作の10年ほど前から無限書庫にこもるようになりました。
勿論、無限書庫というだけあって私でも10年では読破することができなくて原作開始した為、また原作開始の10年前の並行世界にいって原作開始まで無限書庫で読書をするという作業を何回も繰り返すことにした。
一々並行世界に行くのは面倒ですが、何十年も外見が変わることがない少女たちが無限書庫を利用し続けていれば怪しまれてしまいます。場所が場所なだけに管理局に目を付けられて揉め事になったら嫌なので、ごまかすためにも10年ごとに切り換えなくてはいけません。
確かに私たちに取って管理局は脅威ではない。その気になればあっさりと潰せる程度の存在ですが、私たちは別に管理局アンチというわけではありません。ぶっちゃけるとどうでもいい無関心な存在なんです。
それに原作から見ても管理局の体制はかなり無理があるので100年とたたずに崩壊するのは目に見えているが、それをどうこうするつもりはありません。対立して潰すことはしないが、助けることもしない。面倒だから避けているだけです。
そして、約100年ほど(ゲームで言う10週目)で無限書庫の知識を粗方吸収できた。残念ながらこの世界はオカルト関係の技術が入手できず、ロストロギアと呼ばれているものでさえ科学の産物に過ぎなかった。
正直、監察軍にない未知の知識がとぼしく大して実りのない作業だったので失望しつつも、この世界から引き上げることにした。