この世界の魔法は悪魔の魔力や神の奇跡を解析して、独自の理論の方程式で人間に扱えるように構成された技術。北欧式、ギリシャ式、悪魔式、黒魔術に白魔術、精霊魔術など様々あるが北欧の魔法が一番優れているので、北欧の魔法を中心に学習することにした。
そこで北欧にいってその手の者たちに教えてもらうことにした。実のところ北欧神話は聖書の神に信仰を奪われてかなり衰退しており、近代以降は英雄が少なくなったことから経費削減の影響を受けてヴァルキリーが閑職となり冷遇される有様だった。
そんな北欧だけに金にものをいわせてば大抵の事はなんとかなる。実際、大金で北欧術式の家庭教師を雇い知識を吸収することができたのだ。
まあ、この世界の魔法はマーリン・アンブロジウスが編み出した悪魔の魔力を元にした悪魔式が一般的であるが、それに関してはアントニオに悪魔と契約させて知識を入手させることにしたので、私たちが直接そちらの魔法組織から学ぶ必要はなかった。
そして、粗方の魔法技術を習得したので今度は神器研究に乗り出すことにした。といっても神器研究は堕天使が進んでいるのが神器使いですらない魔法使いである私たちが堕天使陣営の研究に参加できるわけがない。
そうなると、禍の団(カオス・ブリゲード)に参加して神器研究を行うという選択肢を選ばざるを得ないから渦の団に参加した。勿論、渦の団の神器研究は原作のように神器所有者の安全など考慮しない非人道的なものであるが、そんなことはどうでもいい。
正直、大勢の神器所有者たちを使いつぶしても神器に関する知識と技術が得られるなら安いもの。だからこそ原作のように神器所有者たちを誘拐洗脳して強敵にぶつけるなどの非道な行動もやっていた。
しかし、それも曹操たちが敗北するまでだ。流石にその後のリゼヴィム・リヴァン・ルシファーがトップになると危なすぎて関われない。というのもリゼヴィムは異世界に侵攻することを企んでいるため万が一にも私たちが異世界人だと発覚したら極めて不味いことになるからだ。
渦の団による監察軍本部襲撃などと言った事態を招いたら困るのだ。まあ、所詮は悪魔にすぎないから監察軍の超技術があればどうとでもなる相手であるが、襲撃されないにこしたことはない。
言うまでもないが、私たちもわざわざ異世界人だとばれるようなことをするつもりはないが、念には念を入れて、曹操が敗北した時のどさくさまぎれに禍の団から抜けた。
勿論、いくら渦の団からぬけてもテロリストだったことはかわりなく、この世界の各陣営から狙われる危険性はあったためアントニオを回収してこの世界から撤退したのだった。
250年ほどの活動であったがこの世界で得られるものは粗方得ていた為、特に問題はない。
余談だが、この魔法や神器研究の他にミルたんと接触して魔法少女にも手を付けていた。ミルたんは異様な外見の人間だが、ある意味原作最強級のキャラクターでありながら各神話勢力からノーマークなのだ。
当然、あまりこの世界の勢力に目を付けられずに利益を得たい私たちに取って研究する価値のある相手であった。まあ、原作では少ししか登場していないサブキャラにすぎないのにとんでもないインパクトのキャラだったけどね。
ミルたんは魔法少女に憧れているから私たちがそのまま魔女として接触して協力関係を結んだわけですが、反応が凄かったです。言うまでもないですが私たちの外見年齢は15歳の美少女なので魔女というよりも魔女っ子に近いですから、ミルたんの琴線に触れたんです。
その過程でミルたんから魔法少女にしてほしいと頼まれましたが、これが思ったよりも難題です。というのも、普通の成人男性を魔法を使える魔法使いにすることは不可能ではありませんが、魔法少女にすることは問題がありすぎました。
成人男性を少女にするなら肉体改造や体の入れ替えという手段を用いるべきなんですが、そんなことをすれば戸籍がない身元不明の人間ができあがるだけなので現代社会では生活できない。
そこで、VRゲームの応用で魔法少女型の人形を遠隔操作させることにした。これなら普段は成人男性として生活して、魔法少女として活動したいときは人形に五感を移して操作させればいい。
こうして駒王町で魔法少女ミルたんが爆誕したわけであるが、普通にかわいらしい美少女だったので、さほどインパクトはなかった。といっても正統派の魔法使いたちからは非常に不評だったらしいが、そんなことはどうでもいいでしょう。