続・二人の魔女   作:ADONIS+

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※29~34は、『東方Project』の世界が舞台になっています。


■東方Project
29.帰還(東方地球史編)


 私たちは『東方Project』の原作開始に近づいてきたため、370年ぶりに扶桑国に帰還することにした。

 

 現在の扶桑国の人間は戦国時代に移民してきた日本人の子孫であるが、370年もたっていることからかなり人口が増えて発展していた。昔は東京都(約2000㎡)程度の範囲しか開拓できていなかったが、現在では移転した大陸の各地に入植して開拓していたのだ。

 

 まあ、大陸と言ってもオーストラリア大陸の半分程度の面積しかない小さな大陸で、他のもっと大きな大陸は未開拓のまま放置されている。流石に地球と同じ位の惑星だけに開拓できていない土地が多いのは仕方がない。

 

 文明レベルも依然と全く変わっていない為、信仰の低下も起きていなかった。これはその手の発展を神々が妨げていたという理由もあるが、日本と違って他国という刺激がないので、外から知識や技術が流入することがなかったからだ。

 

 最初は現地の人間と接触したが、370年も離れていただけに人間たちは私が誰かまったくわからないどころか妖怪に間違われてしまい揉め事になった。これは白人の容姿である私たちが日本人の子孫ばかりの現地人にとってあまりに異質であったことが原因だろう。仕方がないので、神社に行って神霊にあうことにした。

 

 この扶桑国の神は、すべて神道の神々で私たちとの交渉で分霊をこの世界に送り込んでいる存在だった。それだけに私たちを忘れておらずあっさりと身元の証明ができた。

 

 そこまではよかったが、私たちが国造りの偉人であることから扶桑国の人々から敬われ過ぎて動きずらくなったのは計算外だった。

 

 ちなみにこの国の巫女さんは幻想郷の巫女とちがって普通の巫女装束である。というか博麗神社の巫女(博麗霊夢)は服装が魔改造されすぎていてコスプレの巫女服に比べても突き抜けていて普通の日本人でも博麗の巫女を見ても巫女さんだと分からないよ。

 

 

 

 そんな扶桑国であるが、神に対する信仰と妖怪に対する恐れが充実した。神と妖怪にとって非常に恵まれた国となっていたが、ここ100年ほどは神々の間で地球との信仰心の差が問題になっていた。

 

 そもそも、神道の神は自らと全く同じ能力を持つ分霊を無制限に作ることができるために各地の分社で同じ神が同時に存在しているという事が可能となるのだ。

 

 例えば有名な八幡神を祭神としている神社は7817社にもなり、そのすべてに八幡神がいる。といっても文明の発達により人々の信仰心は目に見えて低下しているから、そんな八幡神ですら力を大きく落としており、信者の少ない他の神に至っては消滅の危機に陥っていた。

 

 つまり扶桑国に分社を建てて質の良い信仰心を得ている神が勝ち組で、扶桑国に分社を持たない神が負け組となってしまうのだ。こうなると負け組の神々が扶桑国に進出して分社を建てようとしたり、日本に見切りをつけて総本社ごと扶桑国に移転させようとするのは当然の事であった。

 

 そんな状況なだけに神々が集まる神無月の出雲大社では毎年のように揉め事になっているのだ。まあ、信仰を失い落ちぶれていく神がいる一方で、充実した信仰を得てうはうはな神がいれば揉めないはずがないだろう。

 

 しかし、そういわれても扶桑国は地球から一万光年の離れているのだ。そんなところに私たちの協力もなしに分社をたてるなどいくら神でもできない。結局「いずれ扶桑国に帰ってくる私たちに要請する」といって勝ち組の神がお茶を濁すのがいつものパターンとなっていた。

 

 それだけに私たちは神々から他の神の分社を作る手助けを頼まれてしまった。冗談抜きで神々にとって消滅の危機であるため、同じ神道の神々を見捨てるわけにもいかなかったのだろう。面倒な話ではあるが、彼らが他の神々を見殺しにして信仰を寡占しようとするよりはマシなので手を貸すことにした。

 

 しかし、扶桑国に分社を持たない神々は多くそのすべてに分社を建設するとなると、扶桑国だけでなく日本国にもかなり干渉しなくてはいけない。戦国時代ならともかく現代でそれをやるなら日本国と交渉しなくてはいけないね。

 

 私は降ってわいた厄介事に溜息をついた。




解説

■神道の神
 ここでは神道の神は分霊と同期しており、信仰心だけでなく意識記憶とかも共有している為、扶桑国に分霊を祭られている神は例え日本での信仰が0になってもやっていけることになります。

■負け組の神々
 エリーゼたちの扶桑国の計画は戦国時代ではかなり非常識であったことから、神道の神々の多くは協力を断っていたが、その所為で負け組になった神々は後々その判断の誤りを大いに悔やむことになった。
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