魔法少女あべ☆こべ   作:ただのアホ

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感想、お気に入りなどしてくれた方ありがとございます。



第四話

 

 

 

 

 

教室につき、自分の席へと向かう、そして隣の席の青い髪の少女と朝の挨拶を交わす。

 

「よう、おはようさやか」

 

 

「あ、おはよ!かずや」

 

 

そう、さやかちゃんである。最初のあいうえお順の席から席替えをした、その時隣になったのがさやかだった。

ちなみにまどかは俺の後ろの席だ。隣じゃなかったことを残念がっていた。「ずっと見ていられるし、これはこれで……」とかボソボソ言ってた気がするが俺は知らない。

それにしても席替えのときはひどい有り様だったな、席替えの結果を見て涙を流しながら喜ぶ者、この世の終わりの様な顔をして絶望する者。男子と席が近かった者とそうでない者だ。

俺の隣であるさやかは当然ように勝ち組で嫉妬の目を向けられていた。

まぁ嫉妬の目を向ける気持ちもわからないでもない、はっきり言うと俺は超絶美少年で人気がある、いやまぁこの体がなんだけど。前世と容姿がかけ離れ過ぎているからか容姿を褒められても素直に喜べないのだ。

鏡を見て自分でも驚いた、シミ一つない透き通るような白い肌、黄金に輝くサラサラとした金色の髪、ルビーよりも綺麗な赤い瞳、という金髪赤眼の中二病全開な美少年だった。母さんは黒髪黒眼だからこれは父親の方の遺伝子なのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

さやかと話をしている間にまどかが教室に入ってきた。

 

「も〜置いていくなんてひどいよ、かず君」

 

 

「寝坊したまどかが悪いんだろ?」

 

 

「そーだけど、一人で登校するなんて危ないよ!」

 

 

「わかった、わかった次から気をつけるよ」

 

 

いつもは一緒に登校しているが今日はまどかが寝坊したことによって一人で登校した。そのことにまどかは不満を抱いているようでぶつくさと文句を言ってくるがそれを軽くあしらう。

 

 

「相変わらず仲いいね〜」

 

「いや〜それほどでもあるかな〜//////」

 

そんな俺たちを見て、からかう様な口調で言ってきたさやかの言葉を真に受けて照れるまどか。

 

 

 

さやかとは席が近いこともあり、一緒に遊ぶくらいには仲良くなった。流石原作で一番仲がいいと言われていただけあってまどかとさやかはすぐに打ち解けた。

 

 

しかし…まどかとさやかが同じ小学校なのは知っていたが一年生から友達だったか?まどマギはアニメしか見ていない上に見たのはだいぶと昔だ。細かい設定は覚えていない。

 

杏子はまだ大丈夫だろうし、マミさんとほむらはぶっちゃけ今はどうしようもないし。

とりあえずの今の目標はまどかとさやかを魔法少女にしないことだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから一年、二年と時が過ぎ、小学校を卒業して中学生になる時期がやってきた。

 

その間これといった大きな問題はなかった。強いて言えばまどかの変態性が年々ひどくなってきたことだろうか。前々からその片鱗を見せていたが、小学五年生辺りから浮き彫りになり六年生で完全に開花したようだ。

 

具体的にどんなことかというと、盗聴でもしない限り俺しか知らないはずの情報を知っていたり、俺の日用品(服など)がなぜかまどかの部屋から出てきたり、盗撮でもしたかのような角度からの写真を大量に持っていたり、俺のファンクラブなるものを作ったりと。

結構やばいところまで行ってしまってるような気がする。あれ?もしかしてこれ手遅れ?まぁコレは置いておこう。

 

 

実はもう一つ問題がある、それは上条恭介君のことだ。

さやかと幼馴染みのはずなのだか恭介君の影すら見当たらないのだ。さやかに恭介という名前を聞いてみても知らないと言っていたし。何かがあったのだろう。考えられる理由は大きく分けて二つだ、一つ目は俺という存在が恭介君の存在する枠を取ってしまった可能性。もう一つはあべこべな世界が影響して今はいない可能性だ。

俺的には後者であってほしいが、どちらにせよ今はまだわからないから保留だな。

 

 

 

 

 

 

それとこれは問題というかなんというか。最近こんなニュースを見た。

 

 

『今話題の新宗教、その正体とは?!』

 

 

 

そのニュースに映っていた教会が見滝原の隣の風見野市ある教会だった、つまり佐倉杏子の家だ。どうやら新しく開いた宗教が人気になっているようだ。

まぁそのことはとても喜ばしい事なんだか…その宗教の内容が…

 

 

「この世は処女(絶望)であふれている、こんなときこそ新しい教えが必要だ」

 

 

「今のままでは人々を救うはできない。童貞(希望)が必要なのです」

 

 

 

大体こんな感じだ。宗教とは名ばかりですることと言えば、どうすれば男性と付き合えるとか、ヤりたいとか、ムラムラします、とかいうことを話しているだけだ。

それが人気になっているというのだから、この世界大丈夫なのだろうか?

 

 

実は気になって内緒でコッソリとこの教会へ行ったことがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが教会か…」

 

 

変装のためのサングラスとマスクとフードを教会をよく見るため、外しながらつぶやいた。

 

どうやらすでに信者は帰ったあとのようで人の気配はなかった。

すると不意に後ろから声をかけられた。

 

 

 

「あの、すいません入信希望者の方ですか?ごめんなさいもう時間が過ぎちゃっててまた明日……」

 

 

振り向くと言葉を途中で止めて固まってしまった。

 

そこには赤い髪を後ろに束ねた少女…佐倉杏子がいた。

買い物袋を持っている、買い物帰りなのだろう。

 

 

 

 

「え!?//////お、男の人!?//////な、なんでこんな所に……キャ!!」

 

 

顔を真っ赤にして動揺し、後退りして小石につまずき尻もちをついてしまった。

 

 

 

「イタタタ……」

 

 

「お、おい大丈夫か?」

 

 

 

杏子を立ち上がらせようと近づき手をとり立ち上がるのを手伝おうとして、手が触れたとき。

 

 

 

「て////手が!///// きゅー//////…………」

 

 

「え?…ま、まさか?…………………気絶してる……」

 

 

このまま放置するわけにはいかないのでとりあえず杏子を休ませるために教会に入ることにした。

 

 

 

「すいませーーーん!」

 

 

玄関らしき場所の扉をノックしながらこの家の人間を呼ぶ。

少しすると扉が開きシスター服を着た女性が出てきた。まさに清楚という言葉を表したような女性だった。

 

 

「はい、なんの御用でしょう」

 

 

「あの、この子が倒れていて」

 

 

「きょ、杏子! と、とりあえず中へどうぞ話も中でお聞きします」

 

 

「はい、ありがとうございます」

 

 

今はさっきの事を反省してマスクとサングラスをつけている。声もなるべく男だとバレないようにした。

 

 

 

 

家の中へ入らせてもらい事情を説明した。

いきなり倒れてしまったと言ったが嘘ではない、少し説明を省略しただけだ。

それとこの女性は杏子の母親だそうだ、そしてこの教会の教祖でもあるとも言っていた。

この世界では父親ではなく母親がやっているようだ。

 

 

 

「それにしてももうマスクとサングラスをとってはいかがですか?」

 

 

「えっと、あの、それは…」

 

 

「それとも人には顔を見せられないような事情でもあるのですか?」

 

 

 

疑うような目でこちらを見てくる。

そりゃー家の中に入ってもマスクとサングラスを外さないとか怪しさMAXだよな。

 

これ以上疑われるのも嫌なので仕方なくマスクとサングラスを外すことにした。

 

 

「あの……俺実は男なんです」

 

 

そう言いながらマスクとサングラスを外した。

 

 

 

「………………あ……………ああ…………」

 

 

「やっぱりこうなったか………ハァ…」

 

 

俺の顔を見た途端、目を見開いたまま絶句してしまった。俺を見た人は大体こういう反応をする。

 

俺もバカじゃない、理由はわかっている。俺が超絶美少年だからだ、うぬぼれでもなんでもなく事実だ。

前世で見たアイドルやモデルなんか比べ物にならないくらいのイケメンだ。

だから普段はなるべく顔を見られないようにしてる。

 

 

 

 

 

 

「ところで話は変わるのですが………」

 

 

少ししてショックから完全に目を覚ました杏子の母親が何やら覚悟を決めた顔で話かけてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「入信して、私とイッパツどうですか?」

 

 

 

 

 

……………………は?何言ってんだこの人。

 

 

 

 

 

「あの…言っている意味がわからないんですけど……」

 

 

 

「いえ、ですから入信して私とセッk「言わせねーーよ!!!」

 

 

 

 

 

いやホントに真顔で何言ってんの!?さっきの清楚さはどこに行ったんだよ!!

 

 

 

「いきなりそんな事言われてもこまるんですけど……」

 

 

 

「これは神が与えたもうた運命なのです………神は私達につながれと、そう言っているのです!!」

 

 

 

 

ダメだ話が通じねぇ!!助けて神様!いや神はダメだ信用できねぇ。もうこの際まどかでも誰でもいいから助けてくれ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う……ん……あれ?あたし、どうして……」

 

 

 

 

もうダメだと思ったその時、救いの女神が目を覚ました、杏子ちゃん!俺は信じてたぞ!ありがとう!

 

 

 

 

「杏子!大丈夫?おかしな所はない?」

 

 

「あ、うん大丈夫だけど…どうして…」

 

 

「この方が杏子が倒れているのを運んでくださったの」

 

なんかさっきとキャラ違うくないか?娘の前だとこうなるのか?とにかく助かったみたいだ。

 

 

 

そして、ここで初めて俺の方を見る杏子。

 

 

 

「あ!…そうだ!あたし……夢じゃなかったんだ…」

 

 

「やぁ大丈夫か?いきなり倒れたからビックリしたぞ」

 

 

「だ、大丈夫……あの//////…あたしを運んでくれたんでしょ?/////その……あ、ありがとう/////」

 

 

顔を真っ赤してうつむき、モジモジしながらお礼を言ってれた。お礼を言うのはコッチの方だ。

 

 

 

「私からもお礼申し上げます、本当にありがとうございました」

 

 

「いえそんな、頭を上げてください」

 

 

深々と頭を下げる杏子の母親、それほどのことはしていないし、ていうか原因俺だし。

頭を上げて欲しい、そう言った。

 

 

その時、壁に掛けてある時計が目に入った。マズイ!もうこんな時間だ。

帰るためのバスが来る時間だった、このバスを逃せば確実に門限に間に合わなくなる。そうなれば、まどか達と同じ学校に通えなくなるかもしれない。

 

母さんは俺を男子校に通わせたかったそうだ、だがそれは嫌なので、まどか、さやか、絢子さん、知久さん、俺の全員で説得した。その結果、門限を付けることを条件にようやく納得してくれた。

 

 

あの俺に激甘な母さんが門限を付けてようやく納得してくれたのだ、ここで門限を破ればまた説得し直さなくてはならないだろう。男子校に行くのは絶対に嫌だ!!

 

 

そうと決まれば俺の行動は速かった。

 

 

 

 

 

「すいません!もう時間なので行きます!」

 

 

 

「あらそうですか、まだお礼も充分にできていないのに」

 

 

「え?……もう行っちゃうのか?……」

 

 

「すいません、門限までに帰らないといけないので」

 

 

 

別れの挨拶もそこそこに俺はバス停へと急いだ。杏子と杏子の母親は最後まで見送ってくれた、お礼がしたいからまた来てくれと言っていたが多分もう行かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事、門限までに家につくことができたが内緒でコッソリ出かけていたのがバレて怒られた。

 

 

 

 

 

 

ちなみにアレから教会には行っていない。別に杏子の母親が怖いとかではない、でも多分二度と行くことはないだろう。

 

 

 

 

 

 

 





という訳で杏子ちゃん一家生存です。


杏子ちゃんかわいい。


それに比べてまどかは……どうしてこうなってしまったのか………。

最初はこんなふうにするつもりはなかったのに……。

一体誰がまどかをこんなふうにしたんだ!!



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