須賀京太郎は彼女が欲しい   作:ファンの人

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9 空回り

今朝の出来事は過去のこと、きれいさっぱり振り切って、教室で授業を受ける京太郎。

いや、授業を聞いているのであろうか?この男、こっそり教本を読んでいるではないか。

そんなこんなで昼休み、今日も今日とて学食に向かい、パパっと飯を平らげる。

今日は嫁さん召喚されず、稀に現るタコスもおらず、特に何事もなく昼が終わる。

午後の授業も普段通り、退屈な授業が行われる。それが終わると漸く放課後、待っていました部活の時間だ。

須賀京太郎、何やら気合の入れようが違う、何かを覚悟しているようだ。

いざ!と教室を出ようとするが、クラスメイトに引き留められる。そういや掃除当番だ。

ササっと掃除し、ゴミを捨てにいき、改めていざ!と教室を出る。

意気揚々と旧校舎に入り込み、てっぺんに向かって階段昇る。やってきました部室前。

彼、京太郎はそのドアを勢いよく開けると、そこには馴染み深い五人の少女が既に居る。

ドアの音が大きかったのだろうか、動揺を隠せない五人の少女。

須賀京太郎、こう発す。

 

「今日はよろしくお願いします!」

 

ポカンとする五人、頭を下げる一人。

それもそのはず、特に何の変哲もない一日なのに、この気合の入れよう。

 

「え、えーと、どうしたのかしら?」

 

とりあえず説明を求める部長、少し涙目なのは何なのだろうか。

 

「俺、決めたんです、部長たちと同じくらい、いやもっと強くなるって!」

 

そんな様子には気づかずに、溢れんばかりの感情をぶつける京太郎。

どういうことなのだろうと困惑する四人、しかし一人は違った。

 

「うむ!その心意気やよし!これからは私たちがみっちりと鍛えてやるじぇ!覚悟しろ!」

 

片岡優希である。この京太郎の様子を見て、本気なのだと確信して、すぐさま了承の意を伝える。

これに続いて残る四人、各々こう言葉を返す。

 

「分かったわ!必ず須賀君を全国トップクラスにしてみせるわ!」

「言うようになったのぅ、全力で協力するけぇ!」

「須賀君の熱意はよく分かりました、私が必ず強くしてみせます!」

「京ちゃんが本気なら、私も全力で応えるよ!」

 

おおう、まるで少年ジャンプのような展開だ、とても部室が盛り上がっている。

さあさあ、この熱気のままいざ部活へと移ろうとする六人。

もちろん、京太郎が卓につくのは当たり前として、残る三人は誰が入るか。

さて、席の奪い合いになるのかと思いきや、なにやらじゃんけんし始める五人娘。

小さくガッツポーズするのは竹井久、卓には座らず京太郎の横にイスを引っ張り座り始める。

京太郎、少し不思議に思いつつも、面子が揃うのを待つばかり。

さてさて面子が決まったようだ。京太郎から見て、上家染谷、下家原村、対面片岡、咲はどうやら牌譜を取るようだ。

 

「じゃ、私が教えてあげるわね」

 

耳元で囁かれる京太郎、未だに少しゾクゾクする。

しかし彼はスーパー京太郎、もう麻雀を極めることを決意したのだ、そんな誘惑なんぞにやられるわけない。

とりあえずサイコロ回りました東一局、配牌は普通、特にいうことなし。

しかし引きは中々に悪くない、手なりに牌を動かしていくが

 

「まって」

 

スッと横から手が伸びる。白い綺麗な手が牌に触れる。

 

「ここではこれを切るとね…」

 

レクチャーし始める竹井部長、手が滑らかに動き、静かな声が耳に響く。

京太郎、頭ではしっかり理解するものの、思うように体が動かない。金縛りのように。

 

「須賀君、分かった?」

 

ハッとする京太郎、パッと牌を捨て、慌てて理牌し始める。

そんな様子の傍でクスクスと笑う竹井久、京太郎はなんだか恥ずかしい気持ちになる。

そのまま局は進み、結局は和のツモで終わりを告げる。

手牌を崩そうとする京太郎、しかし

 

「待ってください」

 

原村和がそれを咎める。グイっと身を乗り出して須賀の手牌を覗き見る。

 

「やはり、この牌を捨てたじゃないですか…」

 

捨て牌から遡って教えようとしているのだ。

だが、問題はその体勢、そんなに乗り出すと胸にぶら下がっている大きな物は垂れるわけで

 

__!?

 

谷間が強調されるような形になるのである。これには須賀京太郎、驚愕、のち、興奮。

それはそれは桃源郷である、ああ神様、こんなものを拝めるとは感謝します。

 

「ふーん、和、少しはしたないわよ」

「あ、すみません」

 

この部長、自分が後ろで教えているのに指摘されるのが面白くないのか、はたまた別の理由か、不満気にそう忠告する。

それに対し原村和、顔色変えずにパッと引き下がる。いや、心なしか少し赤くなってるような。

京太郎、なんだか胃が痛くなってきたぞ。

 

「さっ、次の局に行きましょうか」

 

この部長、そう言うと京太郎の手に自分の手を添えて、牌を卓に飲み込ませる。

これには京太郎もドキッとする、というかドキドキだ!

 

__うわわわ!手が触れた!

 

触れたどころではないのは置いといて、やはりあわあわしている模様。

そんなこんなで卓は回り、半荘終わり、結果は京太郎が四位、とはいえ点差はさほどなし。

 

「うーん、やっぱジリ貧になるな」

 

そう呟く京太郎、それに対し染谷まこ

 

「ま、確かに点を大きく稼げることが少ないのぅ、一度大きく手を作ってみてもいいかもしれん」

 

思い切ったアドバイスをする。どうやら高火力を目指してみたらとのこと。

 

「なら私の出番だじぇ!」

 

そう宣言するは片岡優希、高速度高火力な打ち手である。

しかしこの子、なぜかその言葉と共に京太郎に抱きつき始める。

更にはスリスリと体を寄せているではないか。

 

「おいおい優希、京太郎が困っとるじゃろ」

 

宥めつつも離そうとする染谷まこ、それに対し片岡優希

 

「ふふーん、京太郎と私の仲だからな!別に迷惑じゃないよな!」

 

この返し、危険球である。京太郎は勢いに押され思わず相槌を打つ。

これに対し染谷まこ、口をへの字に曲げ、少し優希をにらみつける。

しかしそんな表情に慣れていないのか、小さな子供が拗ねて膨れたような顔になり、なんだか愛嬌ある顔に。

 

__あ、かわいい

 

これには須賀京太郎、ほっこりする。こんな一面もあるんだなとかわいく思う。

隣のタコス、そんな彼をグイっと引っ張り、教えてやるじぇ!と声をかけ、どこからか彼の教本を持ってくる。

それに対し竹井久

 

「あ、その本、私が昨日貸したやつね」

 

ここで自分のですよアピール、そしてススっと隣に移動。しかも膝に手を添える。

片岡優希、これに威嚇、さらに体を摺り寄せる。そんなものは意に介さない竹井久。

須賀京太郎、周りで色々起きすぎて何が何やら分からない様子。混乱している!

今現在の状況を把握し直そう、ソファーに座る京太郎、隣には竹井と片岡、対面に染谷、なんだこのキャバクラ。

 

「あ、この本、私も読んだことあります」

 

ここで原村賭けに出る!なんとソファーに後ろから京太郎に抱きつき、教本について教えようとするではないか!

つまりどういうことか、あすなろ抱きである。

 

__むむむむねが後頭部にににい!!?

 

そんな胸部装甲でそんなことをするとどうなるか、そりゃ谷間に頭がすっぽりですわ。

 

__あっ…

 

今朝の疲れもあったのか、周りの雰囲気の変化もあったのか、おっぱいアタックが効いたのか、須賀京太郎ブラックアウトである。

倒れこむ京太郎、どこからか現れ支える魔王、慌てるのどっち、同じく慌てるヒッサ、急いでベッドに運ぶワカメとタコス。

阿鼻叫喚である。どうしてこうなった。

 

次に続く

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