須賀京太郎は彼女が欲しい   作:ファンの人

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長くなりすぎたので二つに分けました。
そのため変なところで切れますが、ご了承ください。


23 攻城戦(前編)

ベッドの上で腕を組むのは須賀京太郎、床で正座するのは宮永咲。先ほどまで彼を襲っていた魔王である。

この魔王、スライムのようにプルプルしている。顔を真っ赤にして俯くことしか出来ないようだ。

さてさて京太郎、少し気を落ち着かせ、淡々と尋問を開始する。第二ラウンドの開始だ。

 

「で、なんであんなことしたんだ?」

「そ、それは、その…」

 

まずは訳を聞いてみる。すると彼女は視線をあちこちに彷徨わせ、なんともまあ歯切れの悪いこと、肝心の答えは返ってこない。

これでは埒が明かない、彼女は恥ずかしがって喋ってくれない、咲という人間はそういうところがあるのだ。

京太郎、ため息をつき、もう一度聞き直す

 

「なんであんなことしたんだ?」

「う、うぅ…」

 

またもや俯いてしまう魔王、これでは尋問にもならない。黙秘権を執行するようだ。

どうしたもんかと思う京太郎、やはり少しは攻めないと堅い城門は破れなさそうだ。

 

「そ、そのだな…もうちょい順序ってもんが」

「だ、だってぇ…最近京ちゃん人気だし…」

 

とりあえず色々と過程をすっ飛ばしてるところを突っ込む京太郎、しかしさっきのことを思い出し、頭がかぁっと熱くなる。

それに対し魔王、子供のように愚図りながら、ぶつぶつと文句を垂れている。とはいえ、その内容は文句というかなんというか。

どうやら話が進みそうだ、京太郎は熱くなった頭を回して、次の言葉を発する。

 

「いや、まあ、なんていうか…もうちょい落ち着こうぜ?」

「むむむ…京ちゃんには分からないじゃん!アプローチ受ける側だし!」

 

なんて言えばいいかよく分からなかったので、とりあえずペースダウンを要求する京太郎。

しかし何かが逆鱗に触れたのであろう、今度は突然プリプリと怒り始め、何やら京太郎に不満をぶつける。

とはいえ、その不満は理不尽というか、間違ってはないが彼にぶつけても意味がないというか。

 

「いやなぁ!そ、それはそうだけど…」

「そうじゃん!」

 

この理不尽な怒りに対して咄嗟に反論しようとするも、肝心の内容が思いつかない、終ぞや肯定する始末。

ここぞとばかりに食い気味で自分の理論を押して押して、さあ押して、なんとかこの場を切り抜けようとする魔王。

流石は文学少女だ、言葉遊びは得意な様で、あれよあれよと論点をずらして優位に立つ、も

 

「…いやまて、論点はそこじゃないだろ!なんで急に襲いかかるんだよ!」

「うぇえ!!?お、襲いかかってないもん!違うよ!」

「明らかに押し倒してマウント取ったやつが何を言う!?」

 

急に論点を戻される、それどころかオブラートなんぞ破り捨てたかのような直接的な言葉をぶつける京太郎!

これには魔王も思わずよろける、効果はバツグンだ!否定するだけしかかなわず。

さあさあ反撃の時間だ京太郎、そもそもお前は被害者なんだから、お前が文句を言われる筋合いはない!

 

「急にさ、あんなことされると流石の俺も驚くというかなァ…」

「ご、ごめんなさい…」

 

だが、そういう所で責めすぎないのが彼のいいところだ、困ったようにそう伝えるだけで済ませてあげる。

彼女も素直に謝り、申し訳なさそうに佇まいを直す。正座は実行中だ。

 

「でだ、なんであんなことしたんだ?」

 

さてさて、口も回るようになってきて、一息ついたところで最初の質問に戻してみる。

ここが分からないと始まらないし、彼女がどういう想いであんなことをしたのか、彼は知る必要があった。

それに、彼は彼の知らない彼女の正体も知りたがっている。まあ、あれは恐らく…

 

「そ、それは…」

 

しかししかし、だがしかし、それでも口を割ろうとしない宮永咲、どうやらこの城門は思ったよりも堅牢である。

これには仕方あるまいと思い、

 

「あー、そうかー、それが言えないんだったら、皆に襲われたって言いふらさないとなァー」

 

とても棒読みではあるが、こんな風に脅しをかける京太郎。流石に部員に言いふらすつもりは毛頭ない。

しかし混乱している魔王はそんなことは全く思わず、本気で言われる!と思い、アタフタ体を揺らし始める。

因みに余談であるが、彼女は言われること自体を恐れているのではなく、襲ったという事例が知れ渡ることによって無法地帯になる事を危惧しているのだが、目の前の京太郎はそんなことはゆめゆめ思わない。

ささ、どちらにしろ追い込まれた魔王、そして

 

__お、落ち着け…咲のことだからそろそろ…

 

メチャクチャ緊張している京太郎、まあ、なんとなく察しはついているのだ。それを彼女自身の口から言わせることが重要だからこんなことをしている。

彼もなんやかんや悪くは思っていない、むしろ男子高校生的には惜しいと思っているぐらいだ。やったね咲ちゃん!脈はありそうだよ!

さ、この魔王、またもやスライムのようにプルプルし始めて…そして

 

 

「だ、だって京ちゃんのことが好きなんだもん!!」

 

 

ここで愛の告白、文学少女らしからぬパンチのきいた右ストレート、これには京太郎、ガードをしていたにもかかわらず

 

__ぐはぁ!!

 

この威力である、ストレートに直接的な表現で異性から好きと言われたのは初めての体験だ。

予想していた答えとはいえども、実際に言われるのとはわけが違う。

勝手に心の底から喜びが込み上がり、血肉湧き踊り、頭の中はフィーバー状態!

ヤバい!このままでは彼もオーケーしてしまい、この小説が終わってしまう!まだ全国の人たちが出ていないではないか!

だがしかしご安心を、京太郎も成長したのだ、ここで落ち着いた対応で…

 

「京ちゃんのこと好きだけど、私こんなんだし…胸も大きくないし」

「それなのに他の人もアプローチし始めて、このままじゃマズイと思って」

「だから、いっそのこと…先にやっちゃえば…」

 

なんか自虐と共に目から光が失われていく魔王、最後の言葉はマジでヤバいと思う。

これには京太郎、彼女のことは理解しているとは言えども、流石にここまでとは想定してなかったのであろう、ただ硬直するのみ。

この魔王、中々に思い込みが激しく、独り善がりなところがあるのは知っての通りだ。そのせいであわあわは犠牲になった。

そして今回は京太郎が犠牲に…というかなんというか、ドロドロした感情の矛先になってしまった。

だがまあ、彼女をヤンデレだとかメンヘラだとか言わないでやってくれ、ただ内気な少女が数年間恋煩いしてしまったのだ。

…それってヤンデレとかの典型的なパターンかな?まあいいか。とりあえず刀傷沙汰とかにはならないから大丈夫…多分。

ささ、またもや身の危険を感じ始めた京太郎、先ほどのような雰囲気だ。背筋を冷や汗がつたり、首元からゾクゾクと鳥肌が立つ。

 

__あ、これがオカルトってやつか…

 

麻雀とは全く関係ないところでオカルトを感じる京太郎、目の前の少女の威圧感はそれほどまでに凄まじい。

例えるならば、マイクタイソンとリング上で対面するぐらい…いや、もっとかもしれない。本能が危険を察知するほどである。

通りで魔王などと言われるわけだ、ゾーマに対峙した勇者の気分を味わう京太郎。

 

__いや、落ち着け、目の前に居るのは咲だ!あのポンコツな宮永咲だ!

 

その京太郎、勇敢にも目の前の魔王をしっかりと見つめ直し、そしてはっきりと…

 

 

 

 

 

 

申し訳ないが今日はここまでだ、明日の後編を待ってくれ

 

 




いつもお気に入り登録等ありがとうございます。喜んで舞う!

これはメインヒロインですねぇ…(決まってはない)
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