彼の名前は須賀京太郎、15歳の男子高校生である。
最近あった出来事は…色々ありすぎて説明しきれない、どうしても知りたいのなら0話から見返してくれ。
直近では、あの原村和さんと二人きりでネトマをするという素晴らしいイベントがあった。
その結果は…とりあえず快感と虚脱感と罪悪感は手に入れたようだ。仕方ないね。
さ、そんな彼女の顔を見づらいと思いつつ、今日も今日とて麻雀部、今日は皆が揃っている。
「咲、風邪は大丈夫だったか?」
「うん、エアコンつけっぱで寝ちゃっただけだったし、大事ではなかったよ」
「まったく、咲ちゃんは相変わらずドジっ子だじぇ」
「課題を忘れて補習に捕まってた優希が言えることですか?」
「赤点だけは取らんようにな、しばらく部活に出れなくなるけぇ」
「苦手な科目があるんだったら私が教えてあげるわ、暇だし」
風邪をひいていた幼なじみの体調を気にする京太郎、その幼なじみは本を読んでいたら寝落ちしたのだろう、そんな理由で風邪をひいてた。
ツッコミをいれる優希であったが、すぐさま親友からの厳しいお言葉が飛んでくる。
そんな彼女の成績を心配して注意しておく先輩と、教えてあげようかと少し小馬鹿にするような感じで言ってくる議会長。
ちなみに、そんなに暇ではないし、彼女のためにも赤点は取ってほしくないと強く思っているのは、本人しか知らない。
そんな感じでいつものようにワイワイと賑やかに雑談している麻雀部、今は休憩中である。
国麻があるとはいえ、インハイの時ほど熱を入れているわけではない。いや、熱を入れていないのではないが、切羽詰まってるわけではない。
こうして部員同士で仲良く茶でも飲みながらお話しするのも信頼関係を築くためには必要である。
「そういえば、のどちゃん、昨日はどうしたんだじぇ?」
「と、いいますと?」
そんな雑談の中に一つ何かが投げ込まれる。
「いや、私たち全員行けなくなったから、のどちゃんと京太郎だけになっちゃったけど、どうしたのかなーって」
どうやら昨日の部活について知りたいらしいのだ。それもそのはず、京太郎という想い人と美麗な親友が何をしていたのか気になるのは必然である。
これには他の部員も食いついて
「そのまま帰ったんか?」
「まあ、まさか二人きりで部活だなんてねぇ…」
「京ちゃん、どうだったの?」
質問を重ねていく、どうやらすぐに帰ったのではないかと思っているようだ。
染谷まこは普通に質問するものの、竹井久は二人きりで部活をすることにはやや否定的、宮永咲は目を覗き込むようにして聞いている。
そこの部長よ、嫉妬心を持つのは致し方ないとはいえ、希望的観測は隙を生むぞ、常に冷静であれ。
さ、こんな聞かれ方をされたら素直に二人きりで部活をしていましたとは言いづらい。どうしようかと困ったように和の方を一瞥すると、珍しいことに察しが良かったようだ
「ええ、二人だけではやれることもありませんし、昨日は休養日ということでお互いに帰宅しました」
話を合わせてくれるではないか、これにはひと安心する京太郎
「ああ、そのまま家に帰ったんだよ」
「やっぱそうだったのね」
「すまんのぅ…」
「まあ、京ちゃんのことだから、帰ってから家で教本読んでたんでしょ」
真っ赤な嘘であるのだが、誰ひとりとして疑わずに信じ込んでいるようだ。否定する材料もないし、特にこれといって話を引っ張る理由もない。
まあ、何があったか知ってる二人にとっては、尋問されるととても困るのであるが、そんな様子はおくびにも出さない。
幼なじみの事ならほぼほぼ何でも理解している魔王ですら、この噓を見破ることは出来ないようだ。この話はお流れになるだろう。
「へぇ、ところでのどちゃん」
だがしかし、そうは問屋が卸さない。
「これはどういうことだじぇ?」
そうしてニッコリと笑顔を咲かせながら、スマホを親友に見せる少女。
とても可愛らしい笑顔であるが、なぜだろうか、見ていると背筋に悪寒が走るような。
そういやどこかで聞いたことがある、笑顔とは本来攻撃的なものであり、牙をむく行為が原点云々…
っと、話を戻そうか、差し出されたスマホの画面を見てみると、そこにはなんと、ああなんてこった、校門から二人仲良く下校する姿が写ってるではないか。
「え」
これには和も目を丸くして驚きを隠せない様子だ。
実を言うと、彼女が補習を受けていた教室からは校門が丸見えであり、何気なく外を見ていたら見慣れたピンクと金色が見えたのである。
しかもその時間はやや遅め、不思議に思った優希はとりあえず写真に収めておいたのだ。これによって、すぐに帰ったという証言との矛盾が明らかにされた。
もう言い逃れは出来ないぞ、そう言わんばかりにズイズイ距離を詰めていく優希、終始笑顔なのが恐ろしい。
「そ、そのですねゆーき、それはたまたま…」
「じゃあ、なんですぐに帰宅しただなんて噓を言ったんだ?これは五時過ぎの写真だじぇ」
「う、うぅ…」
なにやらお話を始めた二人にわらわらと人が集まっていく、優希が珍しく和を圧しているのだ、観客は増える増える。
なんやなんやと画面をのぞくと、嗚呼なんだこれは、話が違うではないか。
「あ、えええっとですねこここれは」
「京ちゃん?」
「へぇ、須賀君…これはどういうことかしら?」
「ま、とりあえずもう一杯茶でも汲むか、京太郎はそこに座りんさい」
須賀京太郎、ワタワタ慌てながら視線をあちこちに彷徨わせる。
宮永咲、真顔で京太郎の顔を見つめてる、後ろに修羅か何かが佇んでいるのは気のせいか。
竹井久、口元は笑っているものの目は笑っていない。これが零細麻雀部を全国まで連れて行った部長の威圧感か。
染谷まこ、これから始まる長い尋問の準備をし始める。用意するのは茶だけではない。眼鏡の奥の表情はよく分からない。
これには京太郎、本能的にヤバいと思う。昨日のアレとは違うヤバさだ、生命の危機を感じる。
「あ、あははは、ちょっと急用思い出したんで行ってきます!」
これは逃走ではない、戦術的撤退である。多勢に無勢、まずは一時撤退して態勢を整えるのが最善策だ。
彼はくるりと方向転換すると、颯爽とドアの方へと走り始めたではないか。この突飛な行動には咄嗟に反応できず、三人の少女は置いてかれるばかり。
しかも彼は元運動部、卓にジッと座ってきた少女なんぞには足で負けたりはしないだろう。
「あ、待ちなさい!」
麻雀部部長、そう咎めるも時すでに遅し、彼はもう手の届かないとこへ。
さ、早くこの部室からすたこらさっさと逃げたして、ほとぼりが冷めるまでどこかをうろつこうではないか。
そんなことを思っていると、目の前に少女が飛び出してくる。
「ここは通さないじぇ!」
その小さな体を目一杯広げてドアの前で通せんぼ、なんというか可愛い。
ただまあ、彼はそんな彼女を構っている場合ではないのだ、ええいどけぇ!と軽く払いのけて、ドアノブを掴もうとすると
「いたっ!」
まるで空箱を退けたかのように軽くふっ飛んでしまうではないか、ここまで軽いものなのかと驚愕する京太郎。
そしてすぐさま優希の方に視線を移すと、倒れ込んで涙目になっているではないか。足首でも捻ったのだろうか、苦痛に顔が歪んでいる。
これには彼も血の気がサッと引き、罪悪感と共に素早く彼女に近寄って、安否確認と謝罪をしようとする。
「すまん優希!大丈夫か!?」
さ、彼はこう声をかける。逃走中だったことなど記憶の彼方へと行ってしまった。
自分がしてしまったことなのだ、必要であれば何でもすると思っていると
彼女は腕を首に巻き付け
「つーかまえた」
さらには足を絡めてホールド状態にしてしまう。口から出てきた言葉に対して反応が遅れる京太郎、
しばらくポカンとした後に、ようやくどういうことが理解したようで
「な、お前、だましたな!?」
「先にだまそうとした方が悪いんだじぇ!」
どうやら彼女は演技派女優だったようだ、押し払われて倒れ込んだのも、痛がっていたのも、目に涙を溜めていたのも演技であったのだ。
頑張って振りほどこうとするも、そう簡単には離れない。というかこの態勢、完全に…いや、よそう。
「あん、やめてダーリン!」
「ちょ、何を言い始めてるんだ!?」
おい片岡優希よ、そんな態勢で艶っぽい声を出すんじゃあない、完全に18禁になってしまう。
しかも目を潤ませて顔を赤らめるんじゃない、そんなに密着するんじゃない、喘ぐんじゃない、流石の京太郎もここまでされると意識はそっちに行ってしまう。
そんな彼女を諫めつつ、どうしようかと困っていると
「京ちゃん、こっちでお話ししようか」
どうやら魔王に背後を取られてしまったようだ、南無三宝!
油の切れたロボットのように首を回す京太郎、眼前にあるのは無表情で佇んでいる宮永咲。
視界の端には原村和が先輩お二人に囲まれて、なにやら尋問されている。
もはやこれまでかと思ったそのとき
「お邪魔するぞ」
なにやらドアが勝手に開いていくではないか。
突然の来訪者に一瞬だけ時が止まる、皆がその方を見つめると
何やらかわいらしいリボンがぴょこんと立っていた。
次に続く
話し方はかなりテキトーというか、あそこまでの語彙力は再現できないけど許して
いつもお気に入り登録等ありがとうございます。
一度消してしまったにも関わらず引き続き読んでくださり、非常に喜んでます。
あと本日は須賀京太郎の誕生日です。
二次創作や本編での彼の今後の活躍を期待しています。
だから皆さんも書いてもええんやで?皆様の作品を楽しみにしてます。