須賀京太郎は彼女が欲しい   作:ファンの人

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31 デート!

 

__どうしてこうなった

 

校門に佇んでいるのは須賀京太郎、微妙な時間なので人通りは少ない。

さて、彼は何をしているのだろうか?こんな時間に下校と言うのも不思議な話だ。

おや、そんな彼に小さな影が近寄ってくるではないか、トテテとかわいらしい様子で走り寄っている。

 

「京太郎、待ったか?」

「いえ、俺も今来たところですよ」

 

その口から出てくる言葉は、なぜだか年不相応に感じてしまう。

明らかに年上のように見える彼にため口で、上から目線で話しているような気がする。

そんな少女に対し、京太郎は定番のやり取りで返事する。彼女はそんな彼に大層満足したのか

 

「そうか、じゃあ早速行くぞ!」

「行きましょうか」

 

気分を高ぶらせ、待ちきれないと言わんばかりに彼の手を引っ張り、先を行こうとしている。

京太郎はそんな見た目相応な彼女の一面を見て、なんだか少し安心して、微笑みつつ言葉を返す。

 

さて、どういう状況かある程度はお分かりいただけただろうか?

そう、須賀京太郎、天江衣と絶賛デート中なのである。

ホントにどうしてこうなった…このままではロリコンだとか何だとかでご近所の噂話にされてしまう。

衣は立派な女子高生!そう説明したところで納得する人は果たして何人いるのだろうか…?

道行く人の視線が気になってきたところで、足早に目的地へと向かう京太郎、手は自然とつながれている。

ちなみに、はた目からすると少し年の離れた仲の良さそうな兄妹にしか見えないのだが、彼はそんなこと気づかない。

 

__補導されたりしないよな…?

 

こんな心配をしている始末、気持ちは分からなくもないけど失礼ではないか?

まあ、ホントのデートというよりか、デートごっこというべきか、彼女のわがままに付き合っているのである。

少しだけ時を遡ってみようか

 

~~~~~~

 

「つまり、こういうことじゃな」

「男性との交際経験がない彼女らを見返すために、須賀君とデートするってことね」

 

先輩お二人は分かりやすく要点をまとめる、彼女はマウントを取るためにデートをしたいと言っているのだ。

 

「いきなり押しかけて迷惑千万だと思うが、どうか認めてくれないか…?」

 

深々と頭を下げて頼みこむのは天江衣、傲岸不遜だった彼女からは到底想像できない姿だ。

これには、原村和、片岡優希、宮永咲も少し驚き、ここまで本気なら…と思い始める。

 

「そうね、私としてはただでは許可できないかしら、なんらかの対価を…」

「無論、それも覚悟している、衣に出来ることならば一切合切叶えてみせよう」

 

だがしかし、そんな情だけに流されるような部長ではない。何かしらの対価を欲するが、既に読まれていたのだろう、代わりに何でもするよと言われてしまう。

普通の人になんでもするよと言われても、価値はほぼないと言っていいが、相手はあの天江衣である。

彼女がそんな言葉を軽々しく言うとは思えないし、何より彼女はこれから大きくなる人物である。今のうちに恩を売っておくに越したことはない。

竹井久はそんな思考をすぐにして、あえて悩んだフリをしてから、短く了承の意を伝えた。

 

「よし!じゃあ早速デートするぞ京太郎!」

「え、今からですか!?」

「そうだ!京太郎は校門で待っててくれ、そこで待ち合わせしてることにしよう」

「は、え、って、どっか行かないで!?…行っちゃった」

 

そんな返事を聞いて、いきなり京太郎に言葉をかけて、嵐のように去ってしまった。

 

~~~~~~

 

これがここまでに至った一部始終である。なんともまあ、強引なことよ。

さ、この兄妹にしか見えない二人の様子を見ていこうか…おや?

そんな二人のやや後ろ、何やら怪しい影が蠢いている。

 

「京ちゃん大丈夫かなぁ…」

「どこに行くんでしょうか?」

「この方向は…駅の方向だじぇ」

「まあ、あっちは遊ぶ場所が色々あるからのぅ」

「流石にまとまって動くとバレそうね、別行動で連絡取り合いながら行きましょ?」

 

何をしているお前ら、部活はどうした、二日連続でまともに活動しない気なのか?

そんなこんなで駅の方に向かう2+5人、どうなることやら。

 

 

・・・・・・・・・

 

 

「で、どこに行きますか?」

「あれだ、げーせんとやらに行ってみたい!」

 

駅前に着いた二人、小さなお姫様はゲーセンをお望みのようである。

 

「ゲーセンですか、じゃあ行ってみますか」

「うん!」

 

そう言うとニッコリと笑って、ぴょんぴょん跳ねて喜び始める。

そんな彼女にほのぼのしつつ、やってきましたゲーセン前、既にもう騒がしい。

 

「騒々しいな」

「そういうものですから」

 

うるさいのにはあまり慣れていないのか、彼女はそう言って顔をしかめる。

そんな彼女を少し宥めて中に入ると

 

「おおぉ、摩訶不思議な機械が蠢いている…」

 

一転してそんなことを呟きながら目を輝かせて、視線をあちこちに彷徨わせているではないか。

騒がしいのは気にならないほどに、どうやらお気に召したらしい。京太郎もこれには思わずにっこり。

 

「あれはなんだ!?ぬいぐるみがいっぱい入ってるぞ!!」

「あれはクレーンゲームですね、一丁やってみますか!」

 

そんな彼女がまず目をつけたのは、大きなぬいぐるみがたくさん詰まった透明の箱、皆さんご存知のクレーンゲームである。

この少女、子供と言われたら怒ったり、やけに年上であることを強調したりするものの、趣味は見た目相応であったりする。

そこがなんともまあ可愛らしいのだが…そんなことは置いといて、早速クレーンゲームに向かう二人

 

「これで何をするんだ?」

「これはですね、そのクレーンを使って景品をとるゲームですね」

「ふむふむ、このボタンで操るんだな」

「そうです、よく分かりましたね」

「この程度のこと、衣にとっては朝餉前だ!」

 

どうやら察しが良いようだ、京太郎はそれなら話が早いと思い、コインを入れてまずは自分が手本を見せる。

 

「ここを長押しした分だけ横に動いて、同じようにこっちを長押しした分だけ縦に動いて…」

「うんうん」

「で、クレーンが降りてくると」

「おお、兎のようなぬいぐるみを掴んだぞ!」

「うまく持ち上げてくれたらいいが…」

「ああっ!?なんだこれは!?ふにゃふにゃで碌に掴めないじゃないか!」

 

手本を見せるものの、力のないアームでは持ち上げることもかなわず、ぬいぐるみはずるりとすり抜け転がるばかり。

そんな様子を見てご立腹な天江衣、どうやらアームはもっとがっしり掴んでくれるものだと思っていたようだ。

しかし入れた硬貨は最大の物、まだあと数回はチャンスがある。それに、目的はある程度達成されている。

 

「じゃあ、衣さんもやってみましょう」

「だが、運ぶは愚か、持ち上げることすら厳しいぞ」

「それは対策しておきました!シールド…出口付近に転がしておいたので、あとは少し持ち上げるだけでも上手く取ることが出来ます」

「おお、神算鬼謀!流石は京太郎!これであの兎が手に入るという算段だな!よし…」

 

京太郎も意味もなく手本をやった訳ではなく、衣が取りやすいようにお膳立てをしていたのだ。

この計らいには衣も感激したようで、賛辞の言葉を送りつつ、さてさて後詰めをしようとする。

上手いことクレーンを操れず悪戦苦闘するも、やっているうちに次第に慣れてきたようで、最後のチャンスできっちりと掴み、なんとか手に入れることが出来た。

これには衣も大喜び、

 

「やった!」

 

ぴょんぴょん飛び跳ね、そのオレンジ色のぬいぐるみを抱きしめている。

にしても、なぜゲーセンにジャ〇ット君が居るのだろうか…?不思議である。

筆者は中日ファンなので、この可愛い少女には巨人ファンになってほしくはないのだが…

っと、話が逸れてしまった、彼はそんな彼女の様子を

 

__かわいいなぁ

 

こんな感じで見守っている、妹が出来たらこんな感じであろうと思っているようだ。

確かに、同じ金髪であるし、顔立ちはどちらも整っている、彼からしても妹が出来たような気分であろう。

まあ、実際はおねーさんなのであるが、今のところはそんな姿を見せていない。

 

楽しそうにしていて何よりだ、このまま何事もなく…

 

「…」

「のどちゃん、エトペンが欲しいのは分かるけど、そこに居たらバレるじぇ」

「…!あ、あそこに居るのは…」

「お静かに、見つかってしまいます」

 

…何やらギャラリーの面子に見覚えがある気もするが、気のせいということにしておこう。

うん、他人の恋路を邪魔するものは馬に蹴られて云々かんぬんと言ったものだ、邪魔だけはよして欲しいものである。

 

「う、うぅ、見た目よりも難しいな」

「初めてにしてはかなり上手いですよ」

 

さ、その後はゲーセンで国民的太鼓式音ゲーを堪能したり、

 

「な、なんだこいつらは!?魑魅魍魎が襲ってくるぞ!?」

「その銃で焦点合わせて撃ってください!右右右!!」

「こ、こうか!」

 

なんかゾンビ物シューティングゲームでアタフタしつつも楽しんだりして、両者ともにくたくたに。

そんなに体を動かしたわけではないが、精神的疲労は溜まりやすく、特に慣れていない衣は疲労困憊の様子である。

そんな彼女を見かねてか、そろそろ場所を移そうと彼女を引っ張り店の外へ

店を出ると、なんとまあ綺麗な夕焼けだこと。雲はまばらに散っており、陰影がついて立体的に見える。

 

「さて、次はどうしますか?」

「そうだな、次は…ん?」

 

彼はそんな夕焼けには気にも留めずに隣の彼女にそう尋ねる。

すると彼女は何かないかときょろきょろすると、何かを見つけたようであり

 

「きょ、京太郎、あれはもしや」

 

キラキラと目を輝かせて

 

「ハミレスではないか!?」

 

そう声を上げた。

 

 

次に続く




初デートがころたんというね、これはもう犯罪ですわ…

いつも評価やお気に入り登録等ありがとうございます。
感想を書いてくれたりすると狂喜乱舞するので、よろしくお願いします。

流石にネタが尽きてきたかなぁ…
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