明久「新年号が決まるのって今日だっけ?」
群武「そうだぞ、ついさっき発表があった」
明久「何になったの?」
群武「お前だよ」
明久「へ?」
群武「新年号は明久になった」
明久「ほんとに!?」
群武「嘘だ」
明久「本当はなんなの!?」
群武「令和らしい」
明久「ふーん」
群武「(こいつ興味なかったな)」
ー明久サイドー
明久「意外と冷たくないんですね」
僕は初めてダイビング用のスーツを着て海に入っていた
雄二「確かにな、もっと冷えるもんだと思ってたな」
隣ではサイズの違うスーツを着た雄二も海に入っている
時田「ドライスーツを着てるからな」
明久「ドライスーツですか?」
伊織「おお・・・寒くない」
少し遅れて伊織も入ってきた
明久「古手川さんと何話してたの?」
伊織「ちょっとな」
明久「何か怪しいね」
伊織「特別なことは話してねーよ」
明久「てっきり古手川さんにエールを送って貰ってたのかと思ったよ」
伊織「お前、俺と千紗が仲良くないの知ってるだろ?」
明久「そうなの?」
伊織「いつものやり取りを見ていて疑問を持てるのか」
明久「伊織が思ってるほど仲が悪いとは思わないんだけどなー」
確かにいつも伊織は古手川さんに軽蔑の視線を送られているが普段は仲が悪い所か息ピッタリだと思うんだけど
時田「そろそろ始めてもいいか?」
明久・伊織「「お願いします」」
時田「今お前達に着てもらっているのはドライスーツという中に温かい空気が入っている」
伊織「あっ、それで寒くないんですね」
寿「そういうことだ。ウエットスーツにもいくつか種類があってな。長袖や半袖、生地が違ったりするんだ」
明久「シーズン毎に変えるんですか?」
寿「その場合もあれば、フルスーツっていう1年を通じて使えるスーツもあるぞ」
明久「へー、それは有難いですね」
僕の資金的に買ったとしてもフルスーツになりそうだ
寿「今着てるスーツも長袖、長ズボンだから手と足と頭以外は濡れないから寒くならないんだ」
耕平「なるほど」
それからスーツの説明を受けた後、少しだけ奥に進み水がへその辺りまでくる
明久「班分けはどうしますか?」
時田「そうだな」
先輩達が少し話し合い班は決まったようだ
時田「明久と雄二と耕平は俺とだ」
明久「はーい」
雄二「うす」
耕平「わかりました」
ということは伊織は寿先輩とマンツーマンのようだ
明久「最初は何をするんですか?」
僕は初めてのダイビングに少しテンションが上がってしまう
時田「それは今から説明するぞ。と言ってもやる事はシンプルだ。水の中で呼吸をしてもらう」
明久「呼吸ですか?」
時田「そうだ、まずはレギュを咥えてみろ」
僕はまずレギュレーターを探す
明久「レギュレーターってどれでしたっけ?」
僕はどれがどれか分からず探しまくる
雄二「右手の隣にあるだろ」
雄二はレギュレーターを手に持って教えてくれる
明久「あ、ありがと」
時田「まずはレギュを使って息を吸ってみろ」
僕達は言われた通りレギュレーターを咥えて息を吸う
すーーすーー
明久「ごほごほごほ」
僕は思った以上に空気が入ってきてむせてしまう
時田「どうした?」
明久「すみません、吸いすぎました」
時田「吸うと空気が一気に入ってくるからな」
僕はもう一度試してみる
明久「・・・・・・」
空気が入ってこない
時田「吸えたか?」
明久「吸えませんでした」
時田「多分吸うのが弱すぎるんだな。慣れるまでは少し強めに息を吸うことだな」
僕は3回目に成功することが出来た
時田「雄二と耕平は大丈夫そうか?」
耕平「大丈夫です」
雄二「余裕ですね」
雄二はそう言って伊織の方をチラッと見る
時田「じゃー次は実際に潜って吸ってみろ」
僕達は指示通りに潜る
トプンッ
僕は何回か呼吸をしてから浮上する
時田「どうだ?」
明久「前が見えないです」
僕はマスクを曇らせながら応える
時田「もしかして鼻で息を吐いたか?」
明久「いつも通り鼻で吐きましたね。ダメなんですか?」
時田「ダイビングでの呼吸は基本口でやるんだ。鼻を使うとさっきみたいにマスクが曇ってしまうからな」
明久「そうだったんですか」
僕はマスクを外し海水を入れて曇りを取る
そしてもう一度潜ろうとした瞬間
伊織「うおー!」
少し離れた所から伊織の雄叫びが聞こえる
明久「!?」
僕はその雄叫びに驚く
寿「しっかり見れたか?」
伊織「はい!めっちゃ綺麗でした!」
何を言っているか聞こえないが伊織は興奮しているみたいだ
明久「どうしたの伊織?」
僕は伊織に声をかけたがテンションが上がっていて聞こえていないみたいだ
明久「何があったんですか?」
伊織には理由が聞けないと思った僕は寿先輩に聞く
寿「俺にもさっぱりわからんが、もしかしたら海の中を見れたのかもな」
明久「?」
少し目を離した瞬間伊織は店の方に走っていった
ー伊織サイドー
やべー!まさか海の中がここまで綺麗だとは思ってなかった!
俺は初めて海の中の世界を見て興奮していた
あの景色を見て興奮しないやつはいないと断言出来るほどだった
最初はマスクの中に水が入るのが怖くて目を瞑っていた。それから息が出来るか自信はなかったが先輩を信じて少し強めに息を吸う。すると一気に空気が入ってくる。入ってきた空気をゆっくりと吐く。苦しくない。それから何回か呼吸を繰り返してみる。苦しくない。慣れない口呼吸の為少し息はしにくいが問題にならないくらいだ。少し落ち着いてから水が入ってくる感覚がなかった為目を開ける。少し俯いていたため視界には自分の体と岩場しか映らない。そこから視線を上げる。そこには海の世界が広がっていた。
海の中には日差しが入ってきており薄明光線のようになっていた
揺れる海面に日光が当たり海中に入ってくるが屈折した光は1本の柱になり地面を照らす
その地面は海面により不規則になった光が照らすため動いてないのに動いてるかのような錯覚に陥る
先程見た景色を思い出しながら俺はグランブルーに向かって走っていた
バンッ
俺は勢いよくドアを開けるとその勢いのまま雑誌を読んでいた千紗の元へと行く
勢いよく近ずいて来る俺に千紗は驚く
千紗「!?」
伊織「千紗っ!」
俺は興奮が冷めていないテンションで千紗の手を握る
千紗「伊織・・・?」
伊織「わかったよ。お前が言ってた事!」ブンブンブン
俺は握った千紗の手を勢いよく振る
千紗「???」
伊織「海の中で息ができるって凄いな!」
千紗は未だ状況が掴めていないようだが関係なしに続ける
伊織「頭の天辺まで水でも苦しくないんだぜ!俺、全然泳げないのに!」
千紗「そ、そう・・・」
伊織「これが――」
俺は今一度さっきみた景色を思い出しながら言う
伊織「新しい世界に触れるって事なんだな!」
千紗の読んでいた雑誌と千紗自身を濡らしてしまったことに気づかずに
千紗「・・・・・・伊織、わかったからとりあえず着替えて――」
千紗が何言ってるか耳に入ってこない俺は話し続ける
伊織「これってアレか!宇宙に行って無重力を体験するような感覚なのか!」
千紗「・・・・・・」
伊織「やっぱり本格的に潜ると浮遊感とかそういうのと同じような――」
千紗は諦めたような顔をしながら話を聞いてくれた
菜々華さんはとても嬉しそうに微笑みながら見守っていた
ー明久サイドー
僕と雄二と耕平は伊織を探しながら店の近くまで来ていた
明久「伊織はどこに行ったんだろ?」
耕平「あいつよくタンクを背負いながら走れるな」
明久「結構重たいのにね」
雄二「おい、居たぞ」
先に見つけた雄二は店の窓を指す
店の中では伊織が古手川さんの手を握りながらとても嬉しそうな顔をして話している
明久「何を話してるんだろ?」
耕平「さー」
とても幸せそうな伊織を見る
明久「それにしても何に喜んでるんだろ?」
雄二「それはあれだろ」
耕平「どれだ?」
雄二「出来ないことが出来るようになる喜びってヤツだ」
僕らは雄二の言葉を最後にその場を離れてスーツを洗いに行く
あそこまで嬉しそうな表情を見ると少し羨ましく思う
一同「かんぱーい!」
明久「うお!」
伊織「くはぁーっ!」
雄二「予想以上にうめーな!」
耕平「う・・・うまいっ!」
僕達4人は初めて海上がりのビールを飲んでいた
寿「染みるだろ」
時田「塩水で口の中が塩辛くなっていたから特にクるよな」
疲れた体と塩辛い口内にとてもマッチする
こんな生活をしていたらお酒好きになるのも納得だ
時田「おー、これ美味いな」
寿「誰が造ったんだ?」
そう言って先輩達は竜田揚げを頬張る
明久「竜田揚げは僕です」
耕平「お前料理出来たのか」
明久「一時期一人暮らししてたからね」
僕は姉さんが戻ってくるまで一人暮らしをしていたため、料理の腕は結構自信ある
まー姉さんが帰ってきてからも料理は僕がやってたんだけどね(姉さんに料理をさせないためだけど)
伊織「これも美味いぞ!」
ずっとテンションの高い伊織が食べたのはお刺身を使ったユッケだ
雄二「それは俺だ」
明久「ぐっ、相変わらず美味しいね」
雄二もとある事情で料理をしていたため、僕と同等レベルの腕をしている
伊織「それにしてもビールによく合うな!」
耕平「そうだな、おかげでビールが止まらんぞ」
伊織と耕平はかなりのハイペースでお酒を飲む
明久「そう言ってくれると嬉しいよ」
雄二「あー作ったかいがあるな」
料理した側としては美味そうに食べてくれるのはとても嬉しい
明久「でも良かったね伊織」
伊織「ん?」
明久「苦手を克服できて」
伊織「まー、克服って程ではないけどな」
雄二「新しい世界に踏み込む楽しさを知ることが出来て良かったな」
伊織「おう」
伊織はとても嬉しそうにしている
伊織「ありがとうございました」
先輩達にお礼を言って頭を下げた
耕平「あの伊織が頭を下げただと!?」
明久「やばいんじゃない!?」
伊織「お前らは俺の事をなんだと思ってんだ。普通に感謝したらお礼は言うだろ」
時田「随分と素直だな」
伊織「今回ばかりは本当に感謝してますから」
少しハニカミながら応える
寿「いやいや、礼には及ばんさ」ゴソゴソ
時田「そうだとも、これで――」ゴソゴソ
明久「ほんと良かったよ」ゴソゴソ
雄二「あーそうだな」ゴソゴソ
寿先輩が女子高生の制服(ブレザー)
時田先輩が女子高生の制服(スカート)
僕がカッターシャツとリボン
雄二がカツラを取り出す
明久・雄二・時田・寿「「「「こっちの新世界を断る理由もなくなったわけだしな」」」」
伊織「嫌ですよ!そんなもん着ませんし男コンにも出ませんからね」
寿「ええい!我儘を言うな!」
時田「出ると言うまで飲ませてくれる!」
伊織「嫌じゃああああー!!」
伊織の叫び声が谺響する
耕平「お前ら鬼だな」
他人事の様に楽しみながらお酒を飲む耕平
明久「この為にわざわざビールに合う味付けにしたからね」
雄二「わざわざ疲れてる体に鞭打って作ったんだからな」
明久「これで伊織も出場決定だね」
雄二「お前も他人事じゃねーぞ?」
明久「へ?」
そういって雄二は新たにもう1着制服(女子高校生用)を取り出す
明久「嫌じゃああああー!!」
今度は僕の叫び声が谺響した
エイプリルフールにルールがないことを初めて知った群武です
とうとう学生生活最終年になりました
というか1年後卒業し就職出来てますように
本作に出して欲しいキャラ※やってみたかったのでやってみます
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久保くん
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玉野さん
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根本くん
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清水さん
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鉄人又は高橋先生かババ長