バカとお酒とダイビング   作:群武

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大変お待たせしてすみません
内定率が50%を超える中未だに就活は一進一退の攻防を繰り返している状態です
お祈りされ過ぎて神様にでもなった気がします
久々の投稿で誤字脱字や変な文になってる可能性があるので見つけたら報告してもらえるとありがたいです


26杯目

ー明久サイドー

僕達は今お店の裏でソースの香ばしい匂いに包まれながら梓さんを眺めていた

その梓さんは手際良く具材を混ぜる

ジュージュー

ジャッジャ

パラパラ

梓「ほい、完成」

そう言って僕らの前に梓さん手製のお好み焼きが出てくる

伊織・耕平「「おおー」」

明久「美味しそうですね!」

雄二「これはなかなか」

各々感想が漏れる

千紗「相変わらず上手ですね」

梓「それほどでも♪」

古手川さんの感想にピースサインで返す梓さん

僕はその間に割り箸でお好み焼きを一口サイズに切り皿に移す

それを口の近くに持ってくる。するとソースのいい香りが食欲をそそる。口に入れると焼き加減も絶妙でふわっふわに仕上がっている

明久「美味しい・・・」

僕は素直に味の感想を伝える

雄二「確かに、美味いな」

隣でも同じように雄二が食べたようだ

明久「これくらい美味しかったらお店で出せそうですね」

寿「つまりそういうことだ」

明久「どういうことですか?」

僕には先輩の言いたいことがわからない

雄二「そういうことか」

明久「どういうこと雄二?」

雄二「春祭に出店するってことだよ」

明久「あー、なるほど」

僕はその一言で理解する

寿「その売り上げをサークル予算の足しにするからな。今年は人数も多いから合宿の費用もかかるしな」

時田「だからしっかり教えて貰って美味いのを作れるようになってくれよ」

伊織・耕平「「うーす」」

雄二「へーい」

明久「頑張ります」

千紗「わかりました」

各々返事を返す

梓「トッキーとブッキーは一緒に教えないの?」

確かにあの言い方だと教えてくれるのは梓さん1人みたいだ

時田「ああ、俺たちは・・・」

すると店の方から店長が歩いてくる

店長「そろそろ行くぞー」

時田「機材の準備に行ってくる」

どうやら先輩達は別行動らしい

店長「すまんが、もう1人一緒に来てくれないか?欠員がでてしまってな」

どうやら準備係で1人欠員が出たらしい

伊織「それだと俺らから1人行く必要があるな」

となると女性組の梓さんと古手川さん以外の僕達4人の内誰かだろう

明久「誰にする?」

耕平「1番力があるやつでいいんじゃないか?」

その言葉で僕らは雄二を見る

雄二「なら俺が行ってくるか」

面倒くさがり屋の雄二が意外にも引き受ける

雄二は僕を少し見てから先輩達の方へと歩いていった

確かに雄二なら力もあって料理も直ぐにマスター出来そうだし大丈夫かな

梓「じゃー始めよっか」

千紗「はい」

明久・伊織・耕平「「「・・・・・・」」」

梓さんと古手川さんの後ろ姿を見ながら僕らはアイコンタクトを送る

明久「(やるよ!二人とも!!)」

伊織「(チッあの場で詰めきっとけば)」

耕平「(ミスったら吉井を出場させてやる)」

なぜ、僕達(僕)がこんなにもやる気に満ち溢れているかと言うと今朝梓さんが起きる前まで遡る

 

 

僕達は部屋にいる梓さん以外のメンバーで円形に座りミーティングをしていた

雄二「伊豆春祭の大事な話?」

明久「絶対いい話じゃないですよね」

伊織「まさか、男コンの事じゃないでしょうね」

耕平「何度言われても嫌ですからね」

明久「僕も絶対嫌ですよ(伊織と耕平と雄二はどんな手段を使ってでも出場してもらうけど)」

男コンとはもうすぐある伊豆春祭のイベントで"サークル対抗ミスターコンテスト"と呼ばれる男子コンテストのことである

時田「まさにそれ絡みなんだが」

寿「お前らには千紗ちゃんの説得を頼みたい」

明久「古手川さんの?」

耕平「古手川の?」

伊織「どういう事です?」

何で女性の古手川さんの説得なのだろうか?

もしや!僕は1つの仮説を建てる

明久「先輩!それはいくらなんでも古手川さんが可哀想じゃないですか!!」

寿「しかし、明久よ。千紗ちゃんが出場してくれないとサークルの予算がきついんだ」

時田「そうだぞ明久。今年は新入生が多かったから活動の予算がギリギリなんだ」

寿「お金はあるに越したことはないからな」

なんてことだ!この先輩達はサークル予算のために古手川さんを男装させて男コンで優勝を狙うなんて!確かに古手川さんは胸は大きくないし手足もスラッとしてて、顔も整ってるから男装させたら優勝を狙えるかもしれない!でも、そんなの彼女の沽券に関わるじゃないか!

明久「僕は反対です!どんな手段を使ってでも止めてみせます!」

寿「そこまでいうなら仕方がない」

時田「あー、そうだな」

あっさりと引き下がる先輩達

どうやら僕の熱意が伝わったようだ

明久「分かってもらえて良かったです」

時田「まさか明久がここまで覚悟を決めていたなんてな」

寿「俺はお前を少し見誤ってたみたいだな」

そしていつの間にか僕の評価が上がる

時田「ならミスコンには明久が参加ということで」

明久「へ?」

寿「しかし明久の女装で優勝を狙えるのか?」

この人達は何を言っているんだ?

雄二「それは大丈夫ですよ先輩。こいつは高校時代にメイドのアキちゃんとしてクラスの売上トップを取ってますから」

耕平「確かにあの写真レベルなら優勝も有り得るな」

伊織「素材は悪くないしな」

明久「一体何の話をしてるの!?」

時田「おー、それなら大丈夫だな」

僕の声は誰にも届いてないらしい

寿「明久が出場してくれるなら千紗ちゃんの説得はしなくていいからな」

明久「待ってください先輩!話が噛み合ってません!」

この人達は古手川さんを男装させて男コンに出場させようとしてたんじゃないのか!?

寿・時田「「???」」

先輩達は何故か?を浮かべる

寿「千紗ちゃんがミスコンに出場しない代わりに明久が出場するって話だろ?」

明久「???」

今度は僕が?を浮かべる

この人達は一体何を言ってるんだ?

僕はさっきまでの会話を思い返す

古手川さんにミスコンに出場してもらうように説得する→それを拒否する僕→どんな手段を使ってでも出場を止める僕→古手川さんの代わりに僕が出場する

そこまで考えた瞬間、僕は冷や汗をかく

明久「今の会話は誤解です!」

雄二「誤解の余地もないくらいの男気を見せたじゃないか」

明久「雄二は黙ってて!」

伊織「明久は一体どんな勘違いをしたんだ?」

明久「.........」

僕は恥ずかしさと罪悪感で押し黙る

雄二「こいつは古手川を男コンに出場させると思ったんだろ」

雄二は見事に僕の間違いを的中させる

耕平「吉井、最低だな」

伊織「流石の俺でもそんなことは思わないぞ」

寿「お前そんなこと考えたのか」

時田「本人にバレたら一大事だぞ」

4人の視線が痛い

時田「そろそろ話を戻してもいいか?」

明久「...はい」

寿「それでミスコンにも賞金がでるから説得をして欲しいんだ」

伊織「殺されますよ!」

耕平「絶対無理ですよ!」

時田「やる前から諦めるんじゃない」

寿「失敗してもいい。やるだけやってみてくれ」

そう言われても

雄二「絶対無理だと思いますよ?」

明久「僕もそう思います」

僕達は誰も古手川さんが笑顔でステージにいるイメージがわかない

時田「だが、これで彼女が優勝でもしてくれたら・・・」

伊織「ん?」

耕平「優勝したら、なんです?」

明久「僕は出場しなくていいですね」

雄二「それは関係ないだろ」

古手川さんが優勝することで何が変わるのだろうか?

時田「お前らは男コンに出る必要がなくなるな」

その言葉を聞いた瞬間、僕達に雷が落ちる

明久・伊織・耕平「「「男コン出場の免除!?」」」

雄二「でもミスコン1つの賞金だけで大丈夫なんですか?」

寿「ミスコンの方が賞金が高いからな」

時田「男コンは初日の夜にやって結果まででるからな」

寿「それに比べミスコンは初日にやって翌日に結果発表だから力の入れようが違うんだ」

伊織「男コンは夜のテンションで最後まで行く感じですか」

時田「まー、そういうことだ。だから最悪男コンは出場しなくてもミスコンさえ優勝すればいいってことだ」

耕平「しゃー!」

伊織「やってやるぜえー!!」

寿「その意気だ」

時田「頑張ってくれ。失敗したら明久を出場させるだけだしな」

明久「絶対説得してみせます!」

寿「さっきの男気はどこに行ったんだ?」

男気?何それ?食えんの?




明久「そういえば無理に古手川さんを説得しなくても秀吉に頼んだら良かったんじゃ?」
雄二「それは無理だぞ」
明久「どうして!?」
雄二「男コンとミスコンの詳細を見なかったのか?」
明久「もちろん(見てない)!」
雄二「男コン、ミスコン共に秀吉の参加は認められてない」
明久「何だって!?秀吉はこの短期間で第3の性【秀吉】と認知されたの!?」
雄二「まーそういうことだ」
※一応本編でも秀吉の参加は出来ないとしていますがストーリー上もしかしたら変更する可能性があります

本作に出して欲しいキャラ※やってみたかったのでやってみます

  • 久保くん
  • 玉野さん
  • 根本くん
  • 清水さん
  • 鉄人又は高橋先生かババ長

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