新入生が入学してからもうすぐ1ヶ月が経ち学生たちも新しい生活環境に慣れてきた頃だろう。そんなある日の昼下がりとある学園の一室で老女がパソコンの画面を見ながら頭を抱えていた
「は〜、あのクソジャリどもは歳をとるとバカになる病気にでもかかってるのかね」
誰もいない部屋で老女はパソコンの画面を見ながら呟く
コンコンコン
頭を抱えていると誰かが扉をノックする音が聞こえた
去年の卒業生のごく一部は扉をノックするという文化を忘れた連中も居たが今年はそこまでの無礼者は居なくなったので少し治安は良くなったはずである。そんな事を考えていると
「失礼します」
と言って1人の男性が入ってきた。糊のきいたスーツを身にまとった男性は女性の太腿くらいありそうな腕、190センチ近い身長で趣味がトライアスロンという教育者と言うよりもスポーツマンを彷彿するような男性である
「急に呼んで悪かったね」
「いえ、丁度採点が終わったところでしたので」
そう言って男性は部屋の中に入ってくる
「先生は今週の土曜日空いてるかい?」
「はぁ?特に予定はありませんが」
男性には今回話す内容を伝えずに呼び出したのでいきなり予定を聞かれて頭にハテナを浮かべている
「もし良かったらここの学園祭に行ってきて欲しいんだがね」
そう言って老女が男性に1枚のプリントを手渡す
「これってもしかして」
「理解が早くて助かるね。クソジャリ共の進学先さね」
男性はクソジャリと聞き4人の学生を思い浮かべる。学園初の観察処分者とその相棒の元神童で元悪鬼羅刹の問題児、尻尾は掴むことが出来なかったが校内で何やら密売をしていた保健体育のスペシャリスト、演劇に力を入れすぎて学業が疎かになった学生
そんな4人が進学した先の大学祭
「何か問題でも起こしましたか?」
男性は厄介な事に巻き込まれたと言いたげな表情をしながら応える
「これを見て欲しいさね」
老女がパソコンの画面を男性に見せる
そこに映っていたのは慣れた2人の学生が校内と思われる場所を走り回っているものであった
「全くあの馬鹿どもは」
男性は額に手を当ててため息がこぼれる
晴れて卒業した学生が全裸で映っていたら頭が痛くなるのは当然だろう
「真偽と原因を確かめ次第教育的指導をしてきます」
あまり乗り気はしないが放っておけないのが教育者の性なのだろう
「そうしてくれるとありがたいね」
老女は少しほっとした表情をする
この男性以外にあのクソジャリ共を止めることの出来る教員はこの学園には存在しない
「しかし、アイツらの運動神経は侮っては行けません。いくら私でも見知らぬ土地では限界があります。なのでもう1人くらい体力のある人を付けて貰えませんか」
男性は自他ともに認める運動神経と体力の持ち主である。そんな彼でも1人では限界があるとは思ってもいなかった為、ほかの先生には声をかけていない
出来れば体育の先生。それが出来なくてもせめて男性教員の手助けが欲しいと男性は付け足した
「ほかの先生にも声をかけてみるさね」
「よろしくお願いします」
そう言い残して男性は部屋を後にした
「さて、どうしたものかね〜」
今度は画面ではなくグランドの方を除く。そこには下校中の学生や部活に勤しんでいる学生が目に映る
そんな中1人スーツを着た教員が目に入った
「いいのがいるじゃないか」
そう零すとすぐさまパソコンからメールを送った
ー明久サイドー
明久「まだ朝早いのに人多いね」
今日は伊豆春祭当日ということもあってか朝の8時過ぎなのに結構な人数の学生が準備に取り掛かっている
雄二「まー文化祭当日だからな」
ふぁと大きな欠伸をしながら応えるのは悪友の雄二だった
雄二の欠伸が移ったのか僕も欠伸をしてしまう
秀吉「朝から大きな欠伸がじゃのう明久に雄二よ」
すると後ろから久しく聞いていなかった声が聞こえてくる
明久「え!?」
僕は声の方を向くために振り向くと
明久「秀吉!」
声の主は爺言葉を使っているが正真正銘美少女の秀吉だった
秀吉「久しぶりじゃのう2人とも」
雄二「おう久しぶりだな秀吉」
明久「ほんとに久しぶりだよ!」
いつも一緒に行動していた秀吉がなぜがここ数日サークルに顔を出さなくなってしまっていたし、連絡も取れなくなっていたのでかなり心配していた
今まで雄二やムッツリーニと連絡が途絶えた事は多々あったけど秀吉が携帯を買ってから連絡が取れなくなったのは今回が初めてだった
明久「最近サークルに顔出してなかったけど何かあったの?」
秀吉は無断で休むタイプじゃないので何か理由があったに違いない
秀吉「うむ、実は姉上と少々あっての」
明久「そうだったんだ」
なんでだろう?この話はこれ以上しては行けない気がする。でも秀吉のお姉ちゃんと言えば木下優子さん。見た目は秀吉と瓜二つで文月学園のAクラスでもトップクラスの成績を誇る優等生で歌も上手で非の打ち所のない人なんだよね。僕の姉さんと交換してほしいくらいだよ
雄二「(あの姉の事だ。秀吉の生活が荒れたことに怒って折檻でもしたか)」
秀吉「ワシのことよりも準備を手伝わせて欲しいのじゃ」
秀吉は今まで準備を手伝えなかった分を取り戻したいのかやる気に満ち溢れた目をしている。しかし、意外と雄二も手伝ってくれてほとんど終わってしまっている
明久「と言っても結構準備進んでるんだよね」
秀吉「うむ、それは残念じゃ」
雄二「という訳だから時間までゆっくりしといてくれ」
そういうと雄二はいつの間にか屋台の奥に簡易ベットを作って寝てしまった
確かに伊豆春祭が始まるまで1時間近くある
こいつ寝る為に手伝ってたのか
確かにもう一方の組だと寝ることは出来なさそうだもんね
秀吉「他の人達はどこに行ったのじゃ?」
屋台の周りをキョロキョロ見回す
明久「みんなは買い出しと打ち上げ会場の準備をしにいってるよ」
秀吉「会場の準備は気が早いと思うのじゃ」
秀吉は少し呆れながらも楽しそうに言う
それからは秀吉と他愛もない話をする
30分ほど雑談をしているとふとある事を思い出す
明久「そう言えばムッツリーニについて何か知ってる?」
サークルに顔を出していなかったのは秀吉以外にもう1人ムッツリーニも来ていなかったのである
そのムッツリーニはプールでの鼻血騒動以来学校にすら来ていない
大量出血で入院したとも聞いてないので生きてはいると思うけど
秀吉「ワシは何も聞いておらぬぞ」
明久「そっか」
どうやら秀吉も知らないらしい
ムッツリーニの事だから写真を撮る旅にでも出てるのかな。などと考えていると
ムッツリーニ「……生きてる」パシャパシャ
いきなり真後ろから呟くような声とシャッター音が聞こえる
明久・秀吉「「!?」」
そこに居たのはプロのカメラマンが使うような大きなカメラを覗き込んでいるムッツリーニだった
突然の出現に驚く僕と秀吉を他所にムッツリーニは写真を撮り続けている
僕は神出鬼没の友人に問いかける
明久「今までどこに行ってたの?」
ムッツリーニ「……出家」パシャパシャ
カメラから視線を外さずに応える
明久「しゅっけ?」
僕は聞きなれない言葉についオウム返しをしてしまう
ムッツリーニ「……お寺で修行していた」パシャパシャ
なぜお寺に?
煩悩の塊であるムッツリーニとお寺とでは全く結びつかない
なのでなんの為に出家をしたのか聞こうと思ったが
伊織「おーっす」
寿「準備ご苦労」
時田「おっ秀吉とムッツリーニも参加出来たんだな」
タイミング悪く会場準備兼買い出し組が帰ってきた
秀吉「おかえりなのじゃ」
明久「おかえり」
ムッツリーニ「……」ペコ
雄二「……」ヒラヒラ
雄二は片手を上げて応じると直ぐに寝直してしまった
先輩達が帰ってきてから程なくして校内マイクのスイッチが入る音がする
その瞬間楽しそうに話していた周りに少し緊張の色が見える
明久「そろそろ始まるかな?」
僕の予想は当たり実行委員の声がマイクに入る
実行委員A「アーアーマイクパス……マイクテス」
マイクパス?
実行委員A「マイクパス!!」
ボォン
実行委員B「本当にパスすんなっ」
どうやら言い間違えた勢いのままもう一人いた男性の方へ投げたらしい。そのせいでマイクがボォンという音を拾う。
実行委員A「すまん。勢い余って投げてしもうた」
その瞬間今まで少し緊張していた周りからはドっと笑い声が聞こえる
実行委員B「まーそれはいいとしてそろそろ開会の挨拶たのむわ」
実行委員A「了解。まもなく伊豆春祭の会場時間です。徹夜明けの人もそうでない方も……準備は万端か!?」
その掛け声と共にみんなが一斉にオー!と拳を上げる
実行委員A「心の準備も出来たみたいやししっかり楽しんでちょうだい。これより伊豆春祭スタートです」
その言葉を皮切りにみんなは一斉に動き出した
そして僕達にとって初めての伊豆春祭が幕を開けたのであった
明久「なんか文月学園で何やら動きがありそうだね」
雄二「あー、ババ長が何かしてやがるな」
秀吉「どうやら鉄人がお仕置をしにくるらしいの」
明久「なんだって!?雄二が校内を走るから鉄人が来ちゃうじゃないか!」
雄二「あ?走ってたのはお互い様だろうが!」
秀吉「いや、学園長が呆れていたのはそこじゃないと思うのじゃ」
雄二「走る以外に何かあったか?」
明久「何も無かったと思うよ」
秀吉「裸でいることがデフォになっておるのじゃ」
本作に出して欲しいキャラ※やってみたかったのでやってみます
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久保くん
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玉野さん
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根本くん
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清水さん
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鉄人又は高橋先生かババ長