朝チュン(誤字に在らず)   作:燕雀抜刀術を手取り足取りしっぽり習いたい

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書いた、書いて、もうマヂ無理…。

紅閻魔ちゃんが最高にちゅんちゅんでちでちしてて可愛い……。

「みんなのきもち」とか歌って欲しい


あ さ ち ゅ ん

 朝。

 

 

 チュンチュン

 

 

 田舎特有の身の凍るような寒さの中、体温で快適な温度となった布団に潜り込み、微睡むのはどんな感覚とも替え難い快感を齎してくれる。

 

 

 チュン……チュンチュン

 

 

 布団の中とはいえ、やはりうっすらと瞼を貫通してくる光から逃れるようにより一層深く布団に潜り身体を丸める。

 

 

「ちゅちゅん」

 

 

 遠くでは雀の可愛らしい声……声……あれ?結構近かった?

 

 というか、布団がいつもよりフカフカというか気持ちいいというか、とにかく寝慣れた物じゃない……。

 

 そこまで考えた時、ふと近くで何かが動いた気配がした。

 

 

「む、起きまちたか?」

 

 

 次いで聞こえてきたのは舌足らずな女の子の声。

 

「だれ!?!?!?」

 

 思わずそう叫びながら上体を上げると、目に入ってきたのは旅館の一室のような、高級感溢れる和室。

 

 そして、こちらを見つめる赤髪の和服の少女。

 

 何だか和服にしては妙ちくりんな改造が施されているが、ひとまずそこは気にせずに現状の把握を急ぐ。

 

 まずいつの間に見知らぬ場所まで来ていたのか。

 昨日は普通にいつも通り夜寝ただけで、どこか旅行に来たわけでもないし、ましてや外出すらしない自堕落な一日を送っていたのだ。こんな所に居るはずがない。

 

 次に目の前の女の子の。

 この娘も、見覚えもないし、心当たりも無い。親戚の女の子は従姉の立香さんしか居ない。

 

 此処はどこでこの子は誰なんだ……。

 

「ぐぬぬぬ」

 

 そう頭を抱えようとすると、おでこの辺りから何かが剥がれ落ちてきた。

 これは……冷えピタ?

 

「もう大丈夫でちゅか?」

 

 頭を捻っていると、またも女の子が話しかけてくる。

 そうか、事情を知っていそうな娘が目の前にいるんだから聞けばいいのか。

 

 寝ぼけてそんなことすら思い浮かばなかった頭に呆れつつ、女の子のといに答えつつ質問をしようと決める。

 

「えーと、体調は大丈夫です……えっと、此処は何処ですか?」

 

 そう返すと彼女は、あからさまにホッとした表情を見せた後、少し悩むような仕草をしてから口を開いた。

 

「詳しく話すと少し長くなりまちゅので、簡単に説明するとでちね、ここは『閻魔亭』という名前の旅館でち」

 

 そう答えた彼女に、では何故こんな所に自分がいるのか、そう聞こうとすると続けて言葉を紡いだ。

 

「ここはなんというか、神隠しにあった人が来るような場所でち。

 お客は入口の所で倒れていたから看病していたのでち」

 

 そこまで聞き、何となく事態を把握出来たのだが、神隠しやら倒れていたやら、こうして体験していなくては絶対に信じないような単語がボロボロと出てきて、把握はしても混乱が強まってきた。

 

 とにかく看病してくれたことに関して「事態はよく分からないけど、看病ありがとうございます」と感謝の意を伝えると、ひとつ頷き「急なことでもキチンとお礼を言えるのは偉いでちゅね」と頭をひと撫でされる。

 

 その時にふわりと香ったお香の匂いや、優しげな表情に、思わず心臓をやられそうになったが、なんとか耐えることが出来た。

 

 頭の上から小さな手が離れ、姿勢を改めたところで、再度きちんとした説明を受けることになった。

 

 

 まず、現在俺が寝ていたのは『閻魔亭』の客室の一つで、ここに運び込まれる前までは、旅館前にある朱塗りの大橋に倒れていたらしい。

 

 客室まで運び込んだが熱もあったようで、その看病をこの少女『紅閻魔』ちゃんがしてくれていたようだ。

 

『閻魔亭』について聞いてみれば、ここはマヨイガやら雀のお宿等と呼ばれる場所で、神隠しにあった人達がその最中に流れ着く場所だと説明された。

 

 話を聞く限り、やはり御伽噺等オカルトチックで以前ならば絶対に信じないような話だが、実際に体験したことや、話している最中に様子を見に来た可愛らしい雀の仲居さんを見たことで、信じないという選択肢が無くなった。

 

 

 

「それで、俺はここから帰ることが出来るのでしょうか……?」

 

「はい、大丈夫でち。帰りたくなったら、あの橋を渡ってしまえば一時の夢のように、気がつけば元いた場所に戻っているので」

 

「そうか……良かった……」

 

 ひとまず死ぬまでここにいるなんてことにはならないようで助かった。

 

 と、胸をなでおろしていると、襖をスパァーン!!!と派手に開け放ち、一羽の仲居さんが文字通り飛んでくる。

 

 それに対し紅閻魔ちゃんが「お客様の前ではちたないでちよ!!」と窘めるが、仲居さんは短く謝ると、またも慌てた様子で捲し立てる。

 

「女将!!大変だチュン橋の外が燃えてるちゅん!!」

 

 と。

 

 橋の外、と言うと、言い方からして俺の帰る方向なのでは?

 そこまで思い浮かぶと、俺も焦りが浮かんできた。

 

「あの!か、帰れるんでしょうか……?」

 

 再び聞いてみると、少しだけ考えた後「大丈夫でち」の一言が。

 ここは火事になったりはしないため、橋向こうの火さえ消えてしまえば先程述べた通り帰ることが出来るはず、との事だ。

 

「それにしても変でちゅね……」

 

「?何がですか?」

 

「橋の先はどこにも繋がっていないけれど繋がっている。そんな曖昧なものなのでちゅが、今はどこかにきちんと繋がっているのでち」

 

「珍しいんですか?」

 

「はい、でちゅが、全く無いという訳でもないのでたぶん大丈夫でち」

 

 そこまで聞いたところでふと、気がついてしまった。

 そういえばここ旅館だって言っていたけど……。

 

「あっ」

 

「どうしまちたか?」

 

「えっと……今お金ないんですけど……この場合どうなりますかね?」

 

 恐る恐ると聞くと、紅閻魔ちゃんは朗らかに笑いかけつつ、大丈夫という。

 

「本人の意で来た訳でもないのに宿代を無理に出させるなんてことはしないので安心して寛いでくだちゃい。

 もちろん、お食事を出さないなんてことはしまちぇん。」

 

 

 

 

 天使かよ。

 

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 

 あの後、橋向こうの炎が消え、霧に包まれたので、安全の調査のために雀さん達がきりの向こうへといってくれた。

 

 待っている間俺はと言うと。

 

「従業員が皆調査に向かっているから、こんな物しか用意できまちぇんでちたが、たんとお食べ、でち。」

 

「いやいや、めっちゃ美味しいし、滅茶苦茶豪華ですよ!」

 

 紅閻魔ちゃんの手料理でもでなされていた。

 

「それにしても本当に美味しいですね……山菜も川の幸も、しっかり処理されていて……美味しすぎますよ!煮物も味がしっかり染み込んでいますし!」

 

「ここまでべた褒めされると照れまちゅね……そんなに褒めてもお代わりくらいしか出まちぇんよ?」

 

「はい!お代わりいただきます!」

 

 しかし、本当に美味しいな……。前に旅行に行った時の旅館の料理も美味しくはあったけど、こちらの方が断然美味しく感じる。

 

「それにしても、世の中不思議なこともあるものですね、こんな体験をすることになるとは……」

 

「まあ確かに、新しい時代の方でここに迷い込む人は本当に珍しい……もしかしたら初めてなんじゃないでちかね?」

 

 へぇー。その言い方だと昔はありふれた事だったのか。

 

 神隠し、マヨヒガ。

 

 確かに昔話とかでは聞いたことがあるような内容だな。

 

「「鶏が先か、卵が先か」ここはあるいみ、神隠し等の信仰で存在していまちゅ、ですが現代ではもうそういった信仰が無くなってきまちたからね、ここも寂れてきているのでちゅ……」

 

「俺も体験するまではこんなことを信じることは無かったでしょうね……」

 

「ちゅん……」

 

 と、少ししんみりとした雰囲気の中、またも襖を勢いよく開け放ち、雀が慌てて入ってきた。

 

「大変でチュ女将!!!!!」

 

「はぁ、今度はなんでちか……」

 

 そんな朝と同じような可愛らしいやり取りにホッコリとしていたが、続く雀さんのセリフでそれも終わる。

 

「橋向こうというか、現し世が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人類が滅んでいます!!」

 

 

「「はああああああああああああああああああああああああああ!?」」

 

 

 宿に俺と紅閻魔ちゃんの悲鳴がこだまするのだった。

 

 







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