もう二度と勘違いしない   作:ホモ・サピエンス

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ステージに立つと人は変わる

目の前のステージからカラフルな光と大量の振動が来る

 

 

 

 

俺も周りの人も全員がその音を通してこの場所でひとつになる

 

 

 

羽沢さんからラブレターではなくライブイベントのチケットを受け取った俺はライブ当日にライブハウスに来てイベントを楽しんでいた

 

 

 

 

「Glitter*Greenでしたー!!みんなー!今日はありがとう!!楽しかったよー!!」

 

 

 

「「「「イエエェェーーーーェエエエイ!!」」」」

 

 

 

ステージではいまさっきまで歌っていたバンドが退場していく

 

 

周りからは「グリグリよかったねぇ!」「最後の新曲かな?」「次どこのバンドだっけ?」などなど同世代の女の子の会話が聞こえる

 

 

 

当然、俺は一人だ。ちょうど俺の周りだけ人が集まらず真上から見たら人間のミステリーサークルみたいに見えそうだ

 

 

 

一人には慣れているけど正直帰りたいがけどまだ目的のグループを見ていない

 

 

 

「続いてのグループはAfterglowです」

 

 

会場のアナウンスから声が聞こえる

 

 

 

来た!ついに来た!

 

 

 

羽沢さん達のグループだ!やっと来た!

 

 

おお!本当に羽沢さんが・・・・・・ん?

 

 

 

・・・・・・あれは羽沢さんなのか?

 

 

 

ステージに立った羽沢さんはいつもとは全然違って見える

 

 

当然いつもの服装じゃなくて衣装に着替えてるけど

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・だけどそれだけじゃなくて・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

羽沢さんを見てるけど顔が似てる別の人を見てる気分だ

 

 

 

ステージに立っている羽沢さんは何処か遠くの人になったようですごくカッコ良く見える

 

 

 

マイクの傍に立っている黒髪に赤いメッシュをいれた人が一言挨拶をする

 

 

 

「今からここの熱を全部あたし達のものにする。みんな遅れないで着いてきて!」

 

 

 

ハキハキと喋るつり目の彼女は狼のような印象を与える人でその声もすごく力強いものだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後のことはよく覚えていない

 

 

 

ひたすら「うおぉ!」とか「スゲー!」とか叫んだ気がするけどそれも結構曖昧だ

 

 

 

アフターグロウの演奏の後もいくつか見てから帰った

 

 

 

外の空気で少し頭が冷めてきたけどまだまだ興奮は収まらない

 

 

 

誰かにこの感想を伝えたい!

 

 

 

そうだ!羽沢さんにお礼とお疲れ様を言わないと!

 

 

スマホ、スマホ、あった!

 

 

 

じゃあ早速!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・羽沢さんのアドレス知らねぇわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああああああぁぁ無理じゃん!!俺の馬鹿野郎ぉ!!!

くそおおおおお!!がああああぁぁ!!

 

 

 

 

出来れば今日中に感想を言っておきたかったんだけどまぁこれじゃあ無理か、学校でそれとなく伝えよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁぁぁぁぁぁ帰ろうかな?

 

 

 

 

でもせっかくだしこのまま帰るのは勿体ない気がする

 

 

 

どこかで暇を潰したい気分だ

 

 

 

どこに行こう?ライブハウスが思ってたよりも学校の近場だったからあんまり家からも離れてないしうーん?

 

 

 

デパートは最近行ったばかりだし、たまには商店街にでも行ってみるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺はテクテクと商店街の中に入っていった

 

 

久しぶりに入ってみると色々と思い出す事がある

 

 

あそこの肉屋でコロッケ食ったなぁとか、あのパン屋美味かったなぁとか

 

 

 

まぁそれに伴ってトラウマもチラホラと!

 

 

 

・・・・・・・・・・・・これはいい、要らない記憶だな、しまっておこう

 

 

 

さっき買ったコロッケを片手に散歩していると『珈琲店』の文字が目に入る

 

 

 

喫茶店ってやつ?あんまり入ったことないけど、今日ぐらい行ってみよう

 

 

 

そう思ってドアノブに手をかけようとすると、二つの手が同時にドアノブに触れる

 

 

 

「「え?」」

 

 

 

つい隣を見る

 

 

 

背中にギターケースらしきものを背負った黒髪に赤いメッシュをいれたつり目の人・・・

 

 

 

 

 

あ、あれ?この人どこかで見たことあるぞ?

 

 

 

 

 

 

見間違いじゃなければこの人、Afterglowのボーカルじゃないか?

 

 

 

「ねぇ?先にいい?」

 

 

 

俺が固まってその人の顔を見つめていると声をかけてきた

 

 

 

「あ、ああどうぞ」

 

 

 

特に急いでいたわけではないので先に譲る

 

 

 

ボーカルさんはそのまま俺に目もくれず店内に入っていった

 

 

カランカラン

 

 

 

ドアに着いていたカウベルのようなものが鳴る

 

 

 

「蘭おそーい!もうみんな始めちゃうよ?」

 

 

「ごめんひまり、片付けにちょっと時間かかって」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、あ、あれ〜〜おかしいな〜〜なにか聞いたことがある人の声がするゾー

 

 

 

そう例えばポメラニアンのような雰囲気をまとう少女

 

 

 

ドアについてる小窓から店内を見てみると・・・

 

 

 

やっぱりいる上原さん(ポメラニアン)がいる

 

 

青葉さん(パンダ)宇田川さん(ワシ)もいる

 

 

 

なんなんだ?ここは?もしかしてAfterglowの巣なのか?

 

 

もう一度店名を見てみると『羽沢珈琲店』とやっぱり珈琲店と書いてある・・・・・・・・・羽沢?

 

 

 

えっ〜と?ハザワ?はざわ?羽沢?

 

 

 

 

羽沢さん?

 

 

 

いやいやいや待て待て待て俺!そうとは限らないだろ!『羽沢』なんてよくある名字じゃないか?そうだそうだここの羽沢が俺の知ってる羽沢さんなわけないじゃなないか!

 

 

 

カランカラン

 

 

 

またベルの音がする

 

 

 

「ねえあんた、入るなら早く入りなよ。そこに立たれるとお店にも迷惑じゃん」

 

 

 

黒赤(黒髪赤いメッシュ)さんがもう一度扉を開いて俺に話しかける

 

当然、扉で遮られていた中の様子が見れる

 

 

逆に言えば中からも俺の姿が見える

 

 

すると

 

 

「なぁひまり?あいつホクサイじゃないか?」

 

 

 

「ああ!本当だ!ホクサイくんだ!」

 

 

 

「おお〜ホクちんだ〜これはびっくりですな〜」

 

 

 

Afterglowのメンバー(子犬、パンダ、ワシ)が俺の事に気がついた

 

 

 

「あれ?ホクサイくん?いらっしゃい!()()に来たの初めてだね!」

 

 

 

驚くというかやはりというかやっぱりそこには羽沢さん(リス)もいて

 

 

 

「え?みんな知り合いなの?」

 

 

 

独り取り残された黒赤さんはいつまでもマヌケにドアの前につったっている俺を見上げる

 

 

 

後で知ったことだけどここ羽沢珈琲店は羽沢さんの実家でありアフターグロウの昔からのたまり場なんだそうです

 

 

 

 

やっぱり『巣』だったか!

 

 

 

 

 

 

 






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