もう二度と勘違いしない   作:ホモ・サピエンス

18 / 39








トラウマを掘り返すのはやめましょう。ひどく傷つきます

吾輩はホクサイである、名前はまだ無い

 

 

「へぇつぐみ達と同じクラスなんだ。ふーん」

 

 

「らーん!どうしてそんなに固いの?知らない人いて緊張してる?」

 

 

「き、緊張なんてしてないし」

 

 

「蘭は人見知りだからね〜」

 

 

「そっか!ホクサイは今日のイベント来てくれたんだな!嬉しそうよ!」

 

 

「勝手なことばっか言わないでよ!モカ!」

 

 

「確か会場でやけに空いてる場所があったよね、あれがホクサイくんだったのかな?」

 

 

「ステージから見たらミステリーサークルみたいだったよね!」

 

 

「いやいや〜蘭は私達とばっかり喋るからモカちゃんはいつも心配してるんだよ〜」

 

 

「そんなことないし!私は無駄な話をしないだけだから」

 

 

「ああ!やたら不自然に空いてたな!あははは!」

 

 

「あははは!」

 

 

俺は絶賛ひとりきりでカウンター席について後ろで仲良くテーブル席での会話を聞かされている

 

 

いや、確かにいつも独りなんだけど今回はレベルが違うただ独りでいるのは苦痛じゃないけど周りが友達同士で俺だけ違うと思うと結構きついものがある

 

 

 

黒髪に赤いメッシュの人は美竹蘭さん

 

 

俺の知らなかったアフターグロウの最後の一人

 

 

つり目と周りの人を近づけさせない雰囲気を持つどこか狼のような人だ

 

 

なんというかちょっと怖い、いや何もされてないんだけどね

 

 

「そっか、つぐみを助けてくれた人ってあんたなんだ」

 

 

美竹さんが席を立って俺の隣まで来る

 

 

「えっと、あの、その、つぐみを助けてくれてありがとう」

 

 

美竹さんはそう言って俺にお礼を言ってくれた

 

 

「いや、別に俺がした事なんて大したことじゃないから」

 

 

「それでも助けてくれた事には変わりないし、もしつぐみが大変な事になってたらやっぱり嫌だし、だからありがとう」

 

 

美竹さんは少し照れながら、言葉をかけてきた

 

 

 

そっかこの人は・・・・・・

 

 

 

「そこまで言うならどういたしまして」

 

 

 

「うん、本当にありがとう」

 

 

 

そうだ。やっぱり、この人は

 

 

 

「その美竹さんはアフターグロウのメンバーがスゴく好きなんだな」

 

 

 

俺の何気ない一言にボンっ!と音がなりそうになるほど美竹さんは顔を真っ赤に染めた

 

 

 

「は、は、はぁ?!な、あ、い、いや!そうゆうのじゃないから!確かにつぐみは大事だし!いなくなったら嫌だけど!す、す、好きとかじゃないし!ふふ、ふ、普通だよ!」

 

 

 

手を激しく動かしなから俺の言葉を否定するけど顔を赤くしている時点で既に説得力が無い

 

 

そっかやっぱりこの人は・・・・・・ツンデレだ!!

 

 

後ろで俺達の会話を聞いていた四人はニヤニヤと笑いながらこっちを見ていた

 

 

 

「らーん!!!」

 

 

 

「ちょっとひまり!くっつかないでよ!」

 

 

 

上原さんが美竹さんに突撃して抱きしめている

 

 

うわぁー女の子だから許させる行動ですねぇ男同士なら目も向けられない状況だ

 

 

もしハジメが「ホクサーイ!」って突っ込んで来たら俺は余裕でその顔に膝蹴りをかませられる

 

 

 

「らーん!らーん!らーん!」

 

 

「ひまりー!離してっててば!」

 

 

「モカちゃんも蘭にとつげき〜」

 

 

「あははは!あたしも!つぐも来い!」

 

 

「え?!私も?え、え、ごめん蘭ちゃん!」

 

 

真ん中に美竹さんその両側を青葉さんと上原さん前後を羽沢さんと宇田川さんで囲んで美竹さんを抱きしめていた

 

 

「ち、ちょっとみんな!暑苦しいよ!もう!」

 

 

「ホクサイくん!これで写真撮って!」

 

 

「えっ」

 

 

上原さんはポケットから携帯を取り出して俺に急に話しかけてきた

 

 

俺は携帯を受け取ってカメラをそのよく分からない団体に向ける

 

 

 

「はい、じゃあ撮りまーす!はいチーズ!」

 

 

シャッターボタンを押すとフラッシュがたかれる

 

 

携帯の画面には五人の笑顔が綺麗に映されていた

 

 

こうゆうのなんかいいな

 

 

「はい、上原さん」

 

 

「ありがとうホクサイくん!わあ!これ見てみんな!」

 

 

「おお〜いいねぇ〜」

 

 

「ああ!よく撮れてるよ」

 

 

「ひまりちゃん私にもその写真送ってくれる?」

 

 

「いいよ!みんなに送るね!」

 

 

おお、みんなキャッキャウフフとテンション高いなぁ

 

 

 

楽しそうだなぁ

 

 

 

いや、仲間はずれにされて寂しいとかじゃないからそんなんじゃないから!

 

 

 

はぁぁぁ

 

 

 

「ホクサイくん」

 

 

俺がため息をついていると後ろから声をかけられる

 

 

振り向いて見るとそこには羽沢さん(母)がいて、その手にはケーキとマグカップがあった

 

 

「これ食べてホクサイくん。この前病院で言ったお礼よ」

 

 

「え?いいんですか?」

 

 

「いいのいいの!ホクサイくんのために作ったんだから君が食べないならこれは廃棄になっちゃうよ」

 

 

羽沢さん(母)は強引に俺の前にケーキとカップを置く

 

 

「・・・・・・まあそう言うことならいただきます」

 

 

俺はカウンター席に座ってフォークをとってケーキを食べようとしたら羽沢さん(母)が俺の耳もとに近づいて

 

 

「つぐみの事が好きなんだって?」

 

 

と小声で俺に話しかけてきた

 

 

って!はああぁ?!

 

 

「ひまりちゃんに聞いたわよ〜まあホクサイくんみたいないい子だったら私も心配要らないけどあの子が嫌がったら素直に身を引いてね」

 

 

またあの子犬か!いい加減にしろ!

 

 

「ち、違いますよ!そんなんじゃないです!」

 

 

「違うの?なんだぁガッカリだわ」

 

 

なんでだよ!

 

 

「でもどうして?親の贔屓目なしにしてもつぐみはいい子よ。確かにひまりちゃんや巴ちゃんみたいなスタイルじゃないけどあの子もそれなりに()()のよ」

 

 

なんの話しだ!

 

 

「それにつぐみは真面目だし努力家で真面目よ」

 

 

「は、はぁ」

 

 

俺はケーキを食べながらテキトウな返事をする、ケーキ上手い

 

 

 

「どうしてかしらーう〜ん?あっ!もしかして他に好きな子がいるの?」

 

 

「っぐが!!」

 

 

やばっ!

 

 

慌てて手で口を抑えるけどもう遅い、羽沢さん(母)はニヤニヤと嫌な笑を浮かべてきた

 

 

「そっかぁ好きな子がいるのかぁそれは残念ねぇ!」

 

 

おい!今わざと大きな声で言ってるだろ!周りに聞こえちゃうだろ!

 

 

「「えっ!ホクサイくん好きな子いるの?!」」

 

 

ほら見ろ!やっぱり食いついたじゃないか!

 

 

また振り向いて見るとわちゃわちゃしてた上原さんが嬉しそうな顔をして何故か羽沢さんが驚きの表情を浮かべ、

 

 

「そ、そそ、そっかホクサイくんすすすすす、す、す、好きな人がいるんだ」

 

 

羽沢さんが壊れたラジオみたいな喋り方してる大丈夫か?

 

 

「そうなんだ!誰?どんな人?私たちの学校の人?」

 

 

上原さんはいつも元気だなぁ関心するよ

 

 

てか来るなよジリジリよってくるな、アフターグロウ全員で俺を取り囲むのをやめろ

 

 

「ホクサイくん!逃げられないわよ!」

 

 

後ろで羽沢さん(母)が俺の両肩に手を置いた

 

 

四面楚歌ってこの事か!

 

 

「はぁぁぁ、確かにいましたよ。そ、その憧れの人は昔から知ってる人です」

 

 

 

「そ、そうなんだ、えっとどんな人なの?やっぱり日菜先輩かな?

 

 

 

「えぇ?えっと努力する人で自分に妥協を許さない人かな?」

 

 

本当につぐみじゃないんだぁそれでどうしたの?告白した?!」

 

 

上原さんは元気いいなぁ何かいいことでもあったのか?

 

 

「どうなのホクサイくん?もしかしてその人と付き合ってるの?」

 

 

なんで羽沢さんは泣きそうな顔してんの?

 

 

 

「・・・・・・いや・・・・・・ずっと片思いだったけどフラれたし」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

さっきまで明るかったバンドのメンバーが静まり返った

 

 

 

「そ、そのホクサイくん!元気出してきっといい事あるよ!」

 

 

「そうだって!これからだよホクサイ!」

 

「パンを食べれば幸せになれるよ〜」

 

 

「ど、どんまい」

 

 

なぐさめんの下手くそすぎだろお前ら!

 

 

「そっかぁ!ホクサイくん付き合ってないんだぁ!」

 

 

なんで羽沢さんはさっきとは違って嬉しそうなんだ!

 

 

「大丈夫よホクサイくん」

 

 

後ろで羽沢さん(母)が真剣な表情で俺に話しかけた

 

 

 

「男の子はフラれてカッコ良くなるのよ!」

 

 

 

もういいわ!!

 

 

 

 

トラウマ掘り返したせいでせっかくのライブの気分が台無しになったじゃねえか!

 

 

ちっくしょう!

 

 

 







  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。