遅くなって申し訳ありませんm(_ _)m
放課後
学生達が部活や習い事、友達との思い出作りに力を入れるこの時間に俺達は大きいテーブルの上にノートと教科書を広げている
そんなこんなで俺、ハジメ、上原さん、羽沢さんの四人は我が家のリビングにあるテーブルに付いていた
「いやーホクサイの家久しぶりだなぁ!中一の時以来かな!」
「よーし!今日は勉強頑張ろう!」
「こ、ここがホクサイくんのお家!緊張する!」
「はぁぁぁ、じゃ始めますか」
やべースゲー憂鬱だ
自分の家に可愛い女の子が二人も来ているのに全然テンションが上がらないわ
今日の勉強会は俺と羽沢さんが上原さんとハジメに教えるっと言った感じで進めることに決めた
「まず、ハジメは苦手な教科から行くか。何が苦手だ?」
「全部」
「帰れ」
ハジメのアホすぎる言動に俺は速攻で返答し、ヤツの首根っこを掴もうとする
もう無理だろお前、このままここから出ていってくれ
「待て待て待て!冗談だ!あ〜〜え、英語!英語はすごい苦手だ!」
「はぁ〜お前次やったら窓から捨てるからな」
「あはは悪い悪い!・・・・・・・・・・・・え?捨てる?」
ハジメが疑問の声を上げるのを無視して上原さんに声をかける
「上原さんは何が苦手?」
「私は数学かな?特に数Aだよ!最近の授業はもう何言ってるか分からないんだよね〜」
なるほどハジメは英語、上原さんは数学か
「羽沢さんは数学と英語どっちが得意?」
「え? 私は〜どっちかって言えば英語かな?」
良し、なら丁度いい
「なら、俺が上原さんに数学を教えるから羽沢さんはハジメの奴を頼んでもいいかな?」
羽沢さんは一瞬驚いた顔をしたけど、
「うん、大丈夫だよ!そう言えば私もホクサイくんに数学教えて貰ったことがあったよね」
確か、初めて羽沢さん達と一緒に昼飯を食べた時だな。羽沢さんは随分前の事をよく覚えているなぁ
「さわりだけだけど、よく覚えてるな」
「うん、嬉しかったから」
羽沢さんはそう言ってからハジメに向かって英語の教科書を持って説明を始めた
俺も気合いを入れてやろう、人に教えるなんて初めてだけど大丈夫だろうか?
「それじゃあよろしくね!ホクサイくん!」
「おう、始めようか」
その後は淡々と勉強を進める
と言っても二人とも勉強苦手だと言っている割にサクサクと進んだ、
まあまだ高校の最初のテストだから簡単だしな
上原さんは単純に『数学』と言う言葉に苦手意識を持っているだけで理解力は十分にあった
あとは繰り返して練習問題を解いていけばテストなら十分に間に合う
ハジメも暗記は苦手だがわかりやすい羽沢さんの説明とバドミントンで鍛えた集中力で勉強を進めていた
日が沈み初めて空の色が青から赤に変わりだす
だいたい三時間近く勉強していたと思う
「よし、今日はここまでにしておこう。上原さんお疲れ様」
「あぁぁー疲れたぁぁ〜」
「じゃあハジメくんもここまでにしておこうか!」
「俺もぉぉ〜あー腹減ったあぁ!」
二人は同時に机に突っ伏して体から力を抜いていた
確かにハジメの言う通り腹が減ってる
壁の時計を見ると夕食を食べても問題なさそうな時間になってきた
「なぁホクサイ。お前さぁお母さん居ないのに弁当とか飯とかどうしてんの?お前不器用だし料理とか出来ねぇだろ」
ハジメが頭だけでこっちを見て話しかけてきた
何気なく失礼かますな!このイケメンは俺を怒らせる天才なのか?
「うっさい。別に料理できなくても飯は食える。出前取ったりファミレス行ったりすればいいだろ」
「そっかぁそれなら・・・」
「ふ〜んなるほどねぇ・・・・・・あ!ヤバッ!!」
羽沢さんが何か小声で呟いていたいるけどその時に丁度ハジメが急に立ち上がる
どうかしたのかコイツ?
「あ、いや!今日保健委員と一緒に飯食う約束してたんだ!」
ああぁ、ウチの保健委員は可愛いよね〜ハイハイいつものね〜
それじゃ!と言ってハジメはリュックに勉強道具を詰め込んで慌てて外に出ていく
本当にいつも落ち着きのないやつだな
「ハジメくんってモテるんだね〜やっぱりカッコイイもんね〜ねぇつぐ」
「え?う、うんそうだねひまりちゃん」
二人も遅くなる前に帰ったほうがいいよな、暗いと危ないし
「二人も帰ったほうがいいんじゃない?夕飯の時間になるんじゃないか?」
「それもそうだね!つぐ帰ろ〜」
「え!あ、あぁ。そっかそうだよね」
羽沢さん意外そうに声をあげる
そりゃあそうでしょう。やることやったら帰らないと、それに恐らくだけど怒った羽沢さんのお母さんはきっと怖い
いつの間にか身支度を終えた上原さんが立ち上がって、羽沢さんの手を掴む
一応上原さんと羽沢さんを玄関まで送ってみる
まあ、一応礼儀としてね
二人は靴を履いて扉に手をかける
「それじゃホクサイくん!勉強教えてくれてありがとう!また明日学校でね!」
「えっと、ま、またねホクサイくん」
上原さんが笑顔で俺に手を振って挨拶をしてくるが逆に羽沢さんは何故か少し困り顔だ
「うん、また明日教室で」
うんうんこうやって挨拶するのがやっぱり正しいよな!
日菜先輩はいつも唐突に突撃してくるからなぁそれに出ていく時も音しないだよ。どこの忍者?って感じだ
ガチャア
扉が開いて赤い光が玄関の中に満ちる
二人はそのまま外に向かって歩き出した。俺はそれを見て心の中でお疲れ様と労いの言葉をかけて置いてリビングに戻ろうとする
ガッチャン
扉が閉まる音がする
「ホ、ホクサイくん!!」
声が聞こえた
驚いて振り返ったらそこにはまだ羽沢さんが立ったままそこにいた
この人は一体何をしてんの?
「な、何かな羽沢さん?もしかして忘れ物?」
「え、えっとそのち、違くて。わ、忘れ物じゃなくて・・・」
羽沢さんは顔を赤くしながら両手で持ったカバンの取っ手を強く握ってローファーの先でコツコツと地面を叩きながら何かを告げようとしている
なんだろう?何を言いたいんだ?ここまでもったいぶるのはきっと言いづらいことだからかな?う〜ん分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ!いや、わかった!
「羽沢さん」
「は、はははい!」
「え、なんでそんなに『は』を連呼してんの?」
「な、なんでもないからそれで何かな?ホクサイくん」
「ああ、うん。確かに女の子には言いずらいと思うからこの場で俺から言うよ」
一瞬ポカンとした表情を浮かべる羽沢さんはその後にすぐ、
「・・・・・・え!えぇぇ!!・・・その待って!ち、違うの!そう言うことじゃなくて!確かにホクサイくんはいい人だし嬉しいけどそういうのはもっとお互いを良く知ってからのほうがいいと思うから・・・・・・でも私が嬉しいならそれは・・・・・・って!私何言ってるの?!違うよそうじゃないよ!」
さらに顔を赤くしてきた羽沢さんはよく分からないことを早口に呟きながら顔を横にブンブンと振る
何を慌てているんだこの人は?そんなに
「えっと羽沢さん?大丈夫?」
「だ、だだだ、だだだだだいだいだい大丈夫だよ!!!」
うむ、大丈夫じゃなさそうだ。それなら手っ取り早くすませよう
「羽沢さん」
「は、はは、はい!!」
羽沢さんはとても緊張した面持ちで俺を真っ直ぐに見つめ返す
「ここの廊下を突き当たりを右に曲がって最初の扉だよ」
「はい喜ん!・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
羽沢さんの顔は赤から急に平常の顔色に戻る
何をそんなに戸惑っているんだ?いや、だからさ
「ここの廊下を突き当たりを右に曲がって最初の扉だよ」
「え、えっと何が?」
「え?だからトイレ」
「え?」
「いや、トイレを借りたいから戻って来たんじゃないの?」
まあそれを女の子から言わせるのは恥ずかしいと思うから俺から言ったのに
「ち、違うよ!御手洗借りたいわけじゃないから!」
「違うの!!」
絶対に当たっていると思ったのに!
「じゃあ羽沢さんは一体どうしてここに?」
うん、そうじゃないなら一体どうして?忘れ物なし。トイレを借りる訳でもないならここに残る理由はもうないよな
「いや、ホクサイくんはこれからどうするのかな?」
「どうするって何が?」
「だからそのご飯とかどうするの?」
「え?まあコンビニ行くかファミレス行くかかな?」
まあ、あと二日か三日もすればそれも終わるんだけどな
「それじゃホクサイくん良かったら今晩はウチで食べない?」
「はい?」
思わず聞き返してしまった。なんてったこの人?
「いや、だからウチで。ほら今日の勉強会でお家お借りしたからそのお礼に!」
これは一体どういう事?!どうして羽沢さんにディナーのお誘いされてんの?!!
それも羽沢さんのお家で!!
待て待て待て落ち着け!あの時を思い出せ!あの『ラブレターかと思ったら残念チケットでしたぁぁ!』事件を!あの時の絶望感を思い出せ!これは何かの罠だ!トラップだ!絶対に引っかかるな!ダメだダメだ!!
「そうだよね急にそんなこと言われても困るよねごめんねホクサイくん」
「是非行かせてください」
即答する
断れるわけが無い。やめてそんな悲しそうな顔してから急に嬉しそうな顔しないで!
何かハプニングを期待しちゃうから!
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
この人は天使じゃなくて天然悪魔なんじゃないかな?