テーブルに置いてある朝食は三人分だけだった
俺、日菜先輩、紗夜さんの三人は仲良く?食事を進める
「それで」
「「それで?」」
顔と声を合わせるな、ムカッとするわ!
「どうして二人がウチにいるんですか?何かようなんですか?そしてなんで三人分だけ?」
昨日の帰りに玄関に両親の靴、そしてリビングに大きいキャリーバッグがあるのは確認した
もしかしてまた急に出かけたのか?
「
なるほど時差ボケってやつか
というかサラッと心を読まないでよ紗夜さん
「だから昨日ホクサイのお母さんにメールで頼まれてご飯を作りにきたんだ!」
そうですかーそれはそれはありがたいーなんでウチの母親は俺に相談する前に日菜先輩に相談するの?俺の信用なさすぎじゃない?むしろそういうことは紗夜さんに報告するべきだろ
「私ね、ついこの間からホクサイのお母さんに料理を教わってるの!やってみると楽しいよね!」
へぇー教わってる
なるほどそれが日菜先輩の料理が食べられる理由か!
謎は全て解けた!
でもむしろ俺は紗夜さんの料理を食べたいかぁ食べたことなんだよね、まあ口には出さないけど
「ん?てかなんで今更、料理?別に興味なかったよな」
「え!!そ、それはホクサイに褒めて・・・」
ごにょごにょ言ってて全然聞こえない、なんて?
「生活に必要だからです」
紗夜さん?!な、なんて?
「せ、生活?」
「ええ、料理は生活する上で大事なこと。けどこの娘ったら全部適当に済ませるから料理するたびキッチンが酷いことになるのよ。だから私がホクサイのお母様に頼んだの」
「そ、そうなんだよホクサイ!あはははは!」
まるで台本を読むような口調で紗夜さんが話してくる、つか日菜先輩!笑うような所はひとつもないと思うけど?
それよりも紗夜さんが言う「お母様」っていい響きだなぁ
いやいやいや!何考えてる俺!ニヤニヤするな!
「キッチンが酷い事にか。なるほど、日菜先輩なら有り得るな」
「ええ、それはもう台風が通り過ぎたかのようになっているの」
「そ、そこまで酷くないよ!」
「
「確かに
「お姉さんもホクサイも酷いよ!本当にちょっとだけなんだから!」
信用出来ねぇ!絶対に大惨事になっていただろう
つかこの二人いつの間にこんなに仲良くなったんだ?
日菜先輩はいつもどうりなんだけど紗夜さんはかなり変わった。普段ならこんなに朝食を遅くしないし、それ以上に食べる暇が会ったら努力するような人じゃん。どうしたんだろう?
氷川姉妹の仲が悪くなった事をオカンから聞いた時は驚いたけど同時に納得してしまった
紗夜さんは耐えられなくなったんだと
でもこの二人の様子を見ているとそんなこともなかったみたいに思える
どうでもいいか仲が悪いより仲が良い方がいいに決まってるんだから
「ねぇねぇホクサイ!この後どうする?」
「え?どうするって?」
「何して遊ぶ?」
「寝る」
「えい♪」 ドス!
「いったい!!」
なんだ?足踏まれた?!目の前の天才に足踏まれた!
ニコニコすんな!
「ねぇホクサイは私と何したい?」
「だから俺は寝・・・痛い!」
「何するの?」
お前が俺に何してんだよ!踏むんじゃない!羽沢さん(母)みたいなこと言いやがって!
しかしまだまだだな日菜先輩!羽沢さん(母)に比べたら威圧感が足りないぞ!痛いだけで怖くは無いこれなら余裕で耐えられる!
嫌だぞ!俺は絶対に家から出ない!たとえこの脚ミンチになろうとも俺は絶対に寝る!
「いけませんよ斎くん。先程も言いましたが生活リズムを崩すのは良くありませんし、怠惰な生活も頂けません」
「ったくしょうがないなあ!今日は日菜先輩に付き合ってやるよ!」
「わーい!やったー!」
紗夜さんに言われてはしょうがない、手のひら返し?知らない言葉ですね!
俺達は朝食を食べ終わるとそれぞれ部屋に戻って出かける準備を始めた
急な話だけど三人で出かけるのか
少しだけ意識した格好をしてみるか
黒のスキニに薄青のポロシャツに灰色のパーカーを着て洗面所の鏡で髪を整える
玄関から出ると既に日菜先輩と紗夜さんが待っていた
あれ?
「紗夜さん?その背中にあるのは?」
「ギターですが?」
「ぎたー?」
「はい、これからバンドのメンバーと練習なので」
「頑張ってね!お姉ちゃん!」
ええ、と言って紗夜さんはそのまま俺たちに黒いケースを背負った姿のまま颯爽と歩いていった
俺達を置いていって
えええ!!!紗夜さん行っちゃうの?!!嘘でしょ日菜先輩だけ!!
「約束したもんね!今日はよろしくホクサイ!」
ニコニコすんな!
確かにさ日菜先輩に付き合うとは言いましたけどね、俺はてっきり紗夜さんもついてくると思っていたんですよねぇ
ふぅ、回れ右して帰るか
ガシ!!
・・・・・・・・・・・・
「おい」
「どうしたのホクサイ?」
「どうしたのじゃない、あんたがどうした?」
「何が?」
「何がじゃなくてどうして俺の左肘に関節技かけてる?」
日菜先輩は俺を逃がさないようにするためか両手で上手いことやって肘をキメにきている
「関節技じゃないよ、腕を組んでるの!」
確かに組んでるけどね
さっきから肘がギリギリって鳴って不穏な音鳴らしてるんだけど?
流石
「ホクサイこそどうして玄関に戻ろうとしているの?」
「わ、忘れ物」
「嘘だね」
バ、バレた!速攻でバレた!
「さぁ行こう!とりあえず映画館に!」
ゴーゴー!と日菜先輩は俺の腕をキメながらこの街にある映画館に向かって歩いて行くのだった