もう二度と勘違いしない   作:ホモ・サピエンス

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デートに怪我は付き物である

 

 

 

 

 

ぐおおお!めっさ腕痛い!まだビリビリいってる

 

 

 

 

いつの間に日菜先輩は格闘技の達人になってたんだ?

 

 

 

さっきまでいた映画館の中でも肘をギリギリとキメに来て最終的に腕全体が痺れてきたし、しかも逃げようとすると的確に足を踏んずけてくるんだもん(しかもヒール)

 

 

 

空手家みたいだった。いや関節技だから柔道家?

 

 

 

「楽しかったねぇホクサイ!」

 

 

 

「そうですね。任侠映画なんて俺初めて見ましたよ」

 

 

 

日菜先輩が「このタイトルにるんってきたよ!」って決めたやつだったけど思わず見入っちゃったな、ちょっと目を背けたくなる描写があったけど

 

 

 

今では関節技から解放されて映画館があるショッピングモールを二人で歩いている

 

 

 

「るーるーるるん♪」

 

 

 

オリジナルハナウタを奏でながら歩く日菜先輩

 

 

 

「ご機嫌ですね日菜先輩。そんな面白かったんですか?」

 

 

 

「ん?別に面白くないよ?」

 

 

 

「え、そうなの!じゃあなんで?」

 

 

 

面白いって思っちゃったよ

 

 

 

「・・・ホクサイと一緒だから?」

 

 

 

一瞬の間を置いて日菜先輩はぎこちない笑顔を見せる

 

 

 

あ、そう。なるほどね「ホクサイ(玩具)と一緒だから」か。よく分かったよ

 

 

 

ひでぇ人もいたもんだ

 

 

 

 

日菜先輩は俺の隣を歩く

 

 

 

俺と日菜先輩では歩幅が違うから一歩の大きい俺が合わせて歩く

 

 

 

昔はこの人が俺の手を握って連れ回していたのに今では逆だ。何だか違和感を覚えるよ

 

 

 

「ねぇホクサイ。次はどこに行こうか?」

 

 

 

「俺の意見は受け付けられるんですか?」

 

 

 

家に行きたいって言ったらどうなるかな?空手、柔道と来たから今度はレスリング技のタックルが来るかもしれない?

 

 

 

と言うより

 

 

 

「日菜先輩はどこか行きたい場所はないんですか」

 

 

 

「んー?特にないかな。それに今家にいるのちょっとね・・・」

 

 

 

えへへと日菜先輩はまたどこかぎこちない笑顔を見せる

 

 

 

この人が言い淀むなんて珍しいこともあるもんだ

 

 

 

「ホクサイの家は居心地いいよね」

 

 

 

「え?なんすかいきなり」

 

 

 

「ううん、なんでもない」

 

 

 

 

 

・・・またその顔か

 

 

 

 

 

それはもう何かあったって言っているものだろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ日菜先輩何かあ「あれ?りさちー?」

 

 

 

日菜先輩が目の前の雑貨屋を目を見開いて見つめる

 

 

 

「おーい!りさちー!」

 

 

 

「え、あれ?日菜じゃん奇遇だねぇ!」

 

 

 

そこには服装も髪型も身につけるアクセサリーまでも派手な格好をしているとても大人っぽい人がいた

 

 

 

 

うん、誰?

 

 

 

 

「それにしても意外!日菜がこういう店に来るの見たことないし、どうしたの・・・・・・ってあぁなるほどデートだなぁ!このこの!」

 

 

 

日菜先輩いわくその「りさちー」さんは俺の方と日菜先輩を交互に見て、その顔をニヤニヤと怪しい笑顔に変えて行った

 

 

 

でぇぃと?

 

 

 

あぁなるほど察したわ

 

 

 

 

この人は恐らく日菜先輩と俺が付き合ってると勘違いしているんだろう

 

 

 

まぁ確かに休日に男女の二人でショッピングモールに出かけているのを見たら誰でもそう思う、俺もそう思う

 

 

 

まぁそんな質問にももう慣れた。

 

 

 

小学校の頃は周りの男子からは毎日「お前、あの人の事好きなんだろ!」と言われ続けていたんだ。今更こんなことでうろたえない。どうせなら紗夜さんとの噂を流して欲しかったんだけど日菜先輩のせいでそれは一向に叶わなかった

 

 

 

ちなみにその男子達は俺が日菜先輩に無理矢理連れられているのを見てから、ポンと軽く肩を叩いて「お前大変だったんだな」と言ってくれた。元気かなぁあいつら

 

 

 

「デートだなデートだな!日菜も意外と隅に置けないねぇ!」

 

 

 

この「りさちー」さんは日菜先輩に向かって話しかける

 

 

 

日菜先輩も俺と同じように慣れてるだろう。きっと冷静な対応をしてくれるはずだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、で、ででで、でで、で、で!デートなんかじゃないよ!や、やややや、やだなぁりさちー!!ホホ、ホ、ホ、ホ、ホホクサイとはそんな関係じゃないから!!」

 

 

 

 

 

「え、日菜大丈夫?」

 

 

 

 

「だだ、だいだい大丈夫だよ!!大丈夫に決まってるよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

冷静な対応を・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

あれ?「れいせい」ってどんな意味だっけ?

 

 

 

 

日菜先輩は顔をリンゴのように赤くして胸の前で手をぶんぶん振る

 

 

 

パチッと目があったのは「りさちー」さん

 

 

 

なぜだか初対面のはずなのにここにいる「りさちー」さんとは目が合っただけでこの話題はもうやめようと意思疎通が出来た

 

 

 

 

これが空気を読むのにたけた民族、日本人の実力だ!

 

 

 

日本人で良かった

 

 

 

「え、えっと日菜先輩、こちらの方は?」

 

 

 

「あ、ああ!そうだよね、ホクサイ知らないよね。こちら私と同じクラスのりさちーだよ」

 

 

 

 

「「・・・・・・・・・・・・」」

 

 

 

俺と「りさちー」さんは驚きのあまり目を見開いてしまった

 

 

 

 

それで人の紹介をしているのつもりならこの人は病院に行くべきだ

 

 

 

「日菜、それだと分からないよ。初めまして私の名前は今井リサって言うんだ!よろしくねホクサイくん!」

 

 

 

「は、はじめまして!」

 

 

 

派手な格好とは裏腹にとても綺麗な姿勢と言葉遣いで挨拶をしてくれた今井さん

 

 

 

てか日菜先輩と同級生なんだ。てっきり大学生かと思った

 

 

 

「ふむふむなるほど君が噂のホクサイくんねぇ」

 

 

 

今井さんはジロジロと俺を観察する

 

 

 

なんだかムズ痒い

 

 

 

「ねぇねぇ知ってる?日菜ってね教室だとホクサイくんの話ばかりするんだよ」

 

 

 

「は?」

 

 

 

いきなり今井さんが俺に向かってよく分からない事を言ってきた

 

 

 

日菜先輩が俺の話ばかりする?なんで?

 

 

 

「あの、日菜先「きゃああああああああああ!!!!」

 

 

 

ズドンッ!!

 

 

 

 

俺が話を聞く前に日菜先輩が俺に向かって突っ張りを繰り出してきた

 

 

 

一瞬胸から心臓がそのまま飛び出るのかと錯覚するほどの衝撃が日菜先輩からきた

 

 

 

ま、ま、まさかレスリング技ではなく相撲だとわ!流石天才(氷川日菜)!意外性に事欠かないな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな事ばかりしていたをしていた昔の頃を思い出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこまで考えて俺の意識は途切れてなくなった

 

 

 

 

 










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