月に寄りそう乙女の作法2~二人の小倉朝日~   作:ヘソカン

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今話を持って十一月編は終わりです。
遂に残すところ十二月編とエピローグのみとなりました。
十二月編は遂に彼や彼女達も登場します。

烏瑠様、秋ウサギ様、えりのる様、誤字報告ありがとうございました!


十一月下旬22

side才華

 

 フィリア・クリスマス・コレクションまで残り1ヶ月。衣装の製作作業も追い込みの段階に入って来た。

 だけど、僕らには衣装製作の他にもやらないといけない事が在る。それは……。

 

「其処! 少し音楽と流れがズレてる! 身体の動きに注意して!」

 

 紅葉に許可を貰って借りた一室の中に、演出担当者である八日堂朔莉の注意が響き渡った。

 僕らが製作以外にしないといけない事。それはファッションショーの練習だ。

 

「結構キツイ」

 

「だろう。あたしだって文化祭の時は本当に頭真っ白だったからな」

 

「いや、マジでキツイ。仮縫い用の衣装。処分しないで良かったって心から思った。本気で制服姿で歩くのと違うんだもん」

 

「マルキュー。マジで尊敬するわー。文化祭の時って、制服でしかリハーサルしてなかったのに、成功させたんだからさ」

 

「隠れた才能って奴?」

 

 何時もは元気一杯のパル子さん達だけど、今日は衣装製作とは違う疲労を感じているようだ。

 実際、僕も結構疲れている。練習でこれだけ疲れるんだから、文化祭の時のエストが舞台から戻って来た時の疲れ切った姿も頷ける。

 

「皆さん。冷たい飲み物と温かい飲み物をご用意しました。どうぞ、好きなのをお取りください」

 

「じゃあ、私、これ貰うね」

 

「え~と、じゃあ私はこれで……ありがとう、桜小路さん」

 

「いえ、製作の方には私は力を貸せませんから、これぐらいは九千代と一緒にさせて下さい」

 

 一緒に練習に参加しながらも疲れた様子が見えないアトレが用意した飲み物を、ジャスティーヌ嬢と梅宮伊瀬也が受け取って行く。

 少し前の梅宮伊瀬也の態度を知っている僕からすれば信じられないような光景だ。アトレに対して徹底的に接触を絶っていた梅宮伊瀬也が、アトレから手渡される飲み物を受け取っているんだから。

 同様に、梅宮伊瀬也の従者である大津賀かぐやも九千代から飲み物を受け取っている。

 家の関係を考えれば信じられないような光景だなあ……絶対に僕の正体はバレないようにしないと。

 

「うぅ、それにしても思ったよりも緊張した。緊張したよね? したよね?」

 

「私は別にしなかったよ」

 

「私は少ししましたが、クアルツ賞の時の事を思い出したら自然と落ち着く事が出来ました」

 

「あっ、そう言えば桜小路さん。ジャス子のデザインのモデルを務めたんだっけ。やっぱり、その時は緊張したの」

 

「あの時のアトレって凄かったよ。緊張で口が回らなくなって、10回ぐらい従者の子と同じやり取りを繰り返していたから」

 

「ジャ、ジャス子さん。その事は余り他の人には」

 

 アトレもクアルツ賞の時は緊張していたんだ。

 実際、舞台に立つつもりでいた僕だって練習なのにも関わらず緊張して動きが硬くなっているのを自分でも感じた。僕の陰に居るような立場を望んでいたアトレからすれば、今僕が感じている緊張よりも強い緊張感を感じたに違いない。

 しかも参加したのは、クアルツ賞と言う日本でも有数の服飾コンクール。どうやって緊張感を解したのか思わず聞き耳を立ててしまう。

 

「そんなに緊張していたのに、クワルツ賞で最優秀賞のモデルを務めたんでしょう。凄いね。どうやって緊張とか無くせたの?」

 

「それは私だけの力ではありません。審査前の小倉お姉様のおかげです。手を握ってくれながら、小倉お姉様がアクセサリーを付けてくれたんです。そのおかげで緊張も落ち着く事が出来ました」

 

「小倉さんが? 凄いね」

 

 うん、本当に凄い。

 あの総学院長や伯父様から『支える者』と認められるだけあるよ、小倉さんは。でも、そのやり方だと誰かに頼る方法だから僕が感じている緊張をなくせなさそう。残念。

 おっと、あんまり聞き耳を立てているのは不味い。僕も従者としての仕事をしないとね。

 

「お嬢様、どうぞ」

 

「ありがとう、朝陽」

 

 用意されていたタオルで汗を拭っていたエストに、僕はアトレが用意してくれた冷たい飲み物を渡した。

 それにしても、思っていた以上に体力を消費する。時間で言えば、僅か1分。舞台袖から出て、舞台の中央で曲がり、そのままランウェイを歩く。

 嘗て母が歩いて脚光を浴びた栄光への道。僕はその道を歩くつもりでフィリア学院に通っていた筈なのに、リハーサルとは言え実際に歩いてみると緊張して動きが硬くなってしまった。

 おかげで演出担当の八日堂朔莉から注意が飛んで来た。悔しい。

 だけど、見本として歩いてくれた彼女の姿は、文化祭の時のエスト以上に堂々としたもので思わず見惚れてしまった。硬い動きしか出来ない自分が恥ずかしい。

 そして今、その八日堂朔莉はと言えば……。

 

「ジュニアさん。山県さん。どうだった?」

 

「中々のショーだったぜ。衣装の方は仮縫いって言う仕立て用の服らしいが、それを着ているハニー達を見られたおかげで本番の時にハニー達にするメイクのイメージが浮かんで美容師魂が疼いて仕方ない。今からでも練習したいぐらいだ」

 

「僕も良かったと思うよ。次のリハーサルの時に演奏するのが楽しみだよ。勿論本番の時も全力で演奏するつもりでいるから安心して」

 

 観客役として僕らのショーの練習を見学していたジュニア氏を始めとした美容師科の人達と、山県先輩にリサイタルの時の人達から意見を聞いていた。

 僕らと同じようにリハーサルを行なって、注意もしていたのに八日堂朔莉は疲れた様子がない。やっぱり世界的女優である彼女からすれば、僕が考えたショーは苦ではないのだろうか?

 

「ああ、見えて結構、朔莉さんも疲れてるよ」

 

 顔に出ていたのかな? 僕が疑問に思った事に仮縫いの衣装を着たルミねえが答えてくれた。

 

「そうなのですか?」

 

 僕にはあんまり疲れているように見えないけど。

 

「うん。ただ朔莉さんは、私もだけど、朝陽さん達と違って衣装の製作には手が出せないでしょう? だから、自分に出来ることは精一杯頑張るから疲れなんて見せないようにしているみたい」

 

 本当に八日堂朔莉は凄いなあ。僕の性別の事を隠してくれていた事もあるし、彼女にも頭が上がらないよ。

 ……ただ、ルミねえ。何で見ただけで八日堂朔莉が疲れているって分かるの? えっ? まさか、本当にそっちの道に入ってないよね? あくまで八日堂朔莉とは友人だよね?

 慕っていた姉が危ない道に入ろうとしているんじゃないかと戦々恐々としていたら、件の八日堂朔莉が近寄って来た。

 

「ジュニアさん達との打ち合わせは終わり。皆それなりに好評だったわよ」

 

「ご苦労様でした、朔莉お嬢様」

 

「別にお礼を言われる事じゃないわよ。自分でやりたくてやってるんだし。結構充実して楽しんでいるからね。それにジュニアさんと知り合えたおかげで良い物も手に入ったから」

 

「良い物ですか?」

 

 結構嬉しそうにしてる。彼女が一番喜ぶ物と言えば、僕の白い髪だけど。まさか、ジュニア氏が八日堂朔莉の髪の脱色をするとか? いや、物と言ったんだから違うか。じゃあ、何だろう?

 

「良い物とは何でしょうか?」

 

 僕だけじゃなくて話を聞いていたエストも気になったのか質問してくれた。

 

「知りたい? 実はね。彼って朝陽さんの髪をカットしているでしょう?」

 

「ええ、はい。5月から時々ですが、髪のケアをして貰っています」

 

 本当にジュニア氏の腕は良いからね。フィリア・クリスマス・コレクションの事が無くても、下手な相手に任せるよりは信頼出来る彼に任せた方が良い。

 ……だから、ルミねえ。そんな『危ない事して』をなんて目で見ないで。本当に彼には他意はないし、僕にだって無いんだから。

 

「それが何か朔莉お嬢様にお喜びになる物に繋がるのですか?」

 

「繋がるわよ。だって、彼のおかげで朝陽さんの髪の色と同じウィッグが手に入ったんだから」

 

「私の髪色のウィッグですか?」

 

 驚いた。まさか、僕の髪色のウィッグがあるなんて。

 

「ほら、朝陽さんって彼にカットの依頼をしているでしょう? それを参考にわざわざ作ったみたいなの。で、私って結構無理やりな脱色をしているでしょう?」

 

「確かに以前そうおっしゃいましたね」

 

「その事で注意された時に、ウィッグの話が出てね。朝陽さんの髪を参考にして作ったって聞いて、即座に注文して買ったの」

 

 流石は白髪フェチ。きっと即決して買ったんだろうなあ。アレ? でも、今目の前にいる八日堂朔莉の髪は、見慣れた脱色した髪だよね。

 

「買われたウィッグはお使いにならないのですか?」

 

「使ったわよ。でも、駄目だった。生でも煮ても焼いても味がしない」

 

 ウィッグの使い方、思いっきり間違ってるよね?

 

「まあ、今のは冗談で朝陽さんのデザインで描いてくれた私の衣装って、今の脱色した髪の方をイメージして描いたんでしょう。だったら、このままの方が良いかなって思って。でも、味がしなかったのは本当」

 

「最後の方のお言葉が無ければ、朔莉お嬢様に感謝の念が湧いたのですけどね」

 

 やっぱり君は白髪フェチ……白髪ストだよ、八日堂朔莉。

 

「えっ? 買ったって、メイドさんの髪色のウィッグをですか?」

 

「マジであるの? 私も欲しいかも」

 

 話が聞こえたのかパル子さんとマルキューさんも話に加わって来た。

 

「でも、結構値段がするわよ。最先端の技術もつかっているそうだから、確かジュニアさんの紹介でも1つ50万近くするって話」

 

「私とパル子だけでお店開いていた頃に、あくせく働いて、やっとこさ稼いだ金額がウィッグひとつか……」

 

「彼のツテがなかったら120万らしいけどね」

 

「やべえよパル子。私いま、自分の人生の価値に疑問を抱き始めてる」

 

「今さらかよおせーよ。今のうちらとメイドさんの顔と衣装姿を見比べてみろよ」

 

「マジだ。120万どころか1億2000万くらいの女だ。私らどんくらいだろうな?」

 

「1200円じゃね」

 

「いえそんな事はありません。皆様にはお金になど出来ない価値があります。こうして一緒に作業してそれを私は今も実感しています」

 

 そうだ。パル子さん達と出会っていなかったら、総合部門の企画だって形にする事が出来なかった。

 こうして形にする事が出来て、1つの目標にする事が出来たのはパル子さん達のおかげだ。お金で表せる価値じゃないよ。それはこの企画に参加してくれた他の皆も同じだ。

 

「いやーなんか照れますなあ」

 

「メイドさんにそう言って貰えて、何か自信が湧いてきました」

 

「じゃあ、もう1回最初からリハーサルをやりましょう。こうして全員集まってリハーサルが出来る機会なんて、そんなに無いんだから。時間ギリギリまでやるからね」

 

「きびしいー!」

 

 稽古の時の八日堂朔莉は本当に容赦がない。

 でも、この厳しさを乗り越えた先に皆で笑顔が浮かべられる最高の舞台が待っているんだ。頑張るぞ!

 

「朝陽さん! 出るのが5秒遅れてる! 本番じゃストップウォッチなんて持てないんだから、ちゃんと感覚で覚えておいて!」

 

「も、申し訳ありません!」

 

 

 

 

side遊星

 

 凄く胸がドキドキしている。こんなに胸が張り裂けそうなほどにドキドキしているのは、何時以来だろうか?

 今日は漸く仮縫いまでりそなの衣装の製作が終わり、今りそながアトリエの方で試着をしてくれている。この仮縫いで問題が無ければ、遂に本格的な裁断に入る。自分が出来る最高の型紙を引いて製作した仮縫いの衣装。大丈夫なのかと思う不安と仮縫いとは言え、僕が製作した衣装を着て来るりそなの姿を思い浮かべると不安と期待で胸の高鳴りが治まらない。

 それに他にも緊張を感じている事がある。

 

「………」

 

 椅子に座って無言で書類を捲っているお父様。

 メールで、今日りそなに仮縫い用の衣装を着て貰うと連絡したらすぐに来てくれた。忙しい中、こうして来てくれたのは嬉しいけど、喜んでばかりもいられない。

 お父様がわざわざ来たのには、僕の衣装の出来を見るのが目的だ。

 りそなをモデルとしてフィリア・クリスマス・コレクションに参加して貰う事はお父様も認めてくれた。でも、衣装の出来が悪ければその話は無かった事にされてしまう。

 自分では問題無いと思うけど、他の人の目から見たら違うかも知れない。だから、仮縫いだけど製作した衣装をお父様に見て貰いたい。僕が製作している最中の大切な人の衣装を。

 でも……何だか空気が重く感じる。

 りそなが嫌がるから髪は纏めずにそのままにして男物の服を着ているからかな?

 

「…………」

 

「何を壁に手を着いて落ち込んでいる? 今更自分の衣装に自信でもなくなったか?」

 

「いえ、違います」

 

 うん。落ち込んでいるのは衣装の事じゃなくて、お父様の前で男性物の服を着ている自分に違和感を感じてしまったこと。

 違うよね。女性物の服を着ている事の方がおかしくて、男性物を着ているのが本当は普通だよね。

 僕は男。僕は男。恋人も出来たんだから、男としてこれからも頑張らないと!

 

「……エスト・ギャラッハ・アーノッツに我々が陰ながらアーノッツ家を支援している事を知られたそうだな」

 

「あっ。はい……エストさんは確信しているようでしたから、カリンさんにも確認して話しました」

 

「下手に隠して話が拗れるぐらいならば構わん。だが、今後此方を当てにするようなことはあるまいな?」

 

「其方に関しては私達の現状も説明しましたので、無いと思います」

 

「ならばいい。此方も爺の最後の追い込みに入る予定でいる。悪名を広めているアーノッツ家と間接的にしろ接触がある事を知られるのは、此方の弱みに気付かれる恐れもある。それにアーノッツ家への支援は、あの家が正道に立ち戻るまでだ。その後の維持に関しては当主の手腕次第だ」

 

 お父様の言う通り、アーノッツ家とお父様達が関わってる事がお爺様に知られるのは不味い。

 お爺様は今も諦めていない。此処で対応を間違うと、危ない状況に置かれているのは変わっていないんだ。

 

「それに俺個人としてはアーノッツ家とは余り関わりたくはない。エスト・ギャラッハ・アーノッツの才能は認めるところだが、あの家にはその才能を腐らせ台無しにしかねん愚か者がいる」

 

 こ、怖い。分かっていた事だけど、本当にお父様はエストさんのお姉さんであるエステル・グリアン・アーノッツさんが嫌いみたいだ。

 この様子だとエストさんと才華さんの関係を認める条件に、『アーノッツ家からの独立』とかを加えそう。人の事を言える恋愛をしていないけど、才華さん。頑張って下さい。

 

「それと遊星。りそなが着替えを終える前に改めて言っておくが、才華同様にお前がフィリア学院に通う事が出来るのはフィリア・クリスマス・コレクションまでだ」

 

「はい。それは分かっています」

 

 才華さんと同じように決まっていた。調査員としての仕事も殆ど終わっている。

 後はフィリア・クリスマス・コレクションの時に、特別編成クラスと一般クラスの生徒の間で諍いが起きないように気を付ける事ぐらいだ。

 

「元々僕の中に残っていたフィリア学院への未練は、フィリア・クリスマス・コレクションだけです。それにこうして大切な人が僕が製作した衣装を着て参加してくれる。これだけでもう思い残す事はありません」

 

「そうか。ならば、悔いのない衣装を製作して見せろ」

 

「はい、お父様」

 

「2人とも準備出来ましたよ」

 

 来た!

 アトリエの方から聞こえた声に、僕とお父様は身体を向けた。

 ゆっくりとアトリエの扉が開き、中から仮縫い用の衣装を着たりそなが出て来た。

 

「ど、どうですか? う、上の兄?」

 

 お父様の反応が気になるけど……僕はそれよりも仮縫い用の衣装を着ているりそなから目を逸らせなかった。

 まだ仮縫いでしかない衣装。生地は安物だけど、縫製はセシルさんに教わったやり方も加えて手を抜かずに行なった。その衣装を着たりそなが今目の前にいる。

 何だろう? まだ本番じゃない。本格的な製作はこれからなのに……胸に温かい物が湧いて来るのを感じた。

 

「悪くはない」

 

「えっ?」

 

「悪くない衣装だ。無論、仮縫いとしてだ。後はこれから始まる本格的な製作で、何処までその衣装の魅力を引き上げる事が出来るのか次第だ」

 

「はい、お父様! 必ずりそなの衣装を仕上げて、この世で最も輝く事が出来る衣装を世に生み出して見せます」

 

「期待しているぞ、遊星」

 

 お父様は僕に向かって微笑むと椅子から立ち上がった。

 

「俺がお前達の衣装を確認するのは今日で最後だ。次はフィリア・クリスマス・コレクションの舞台で観客として見させて貰うとしよう」

 

 言い終えるとお父様はリビングの扉に向かって歩いて行く。今日はもうお帰りになるみたいだ。

 

「それとこれは老婆心ながらのアドバイスだが。せっかくこの俺が認める衣装が出来たのだ。祝いとして、身体を重ね合い、その愛情をより強固とするならば、それが何よりも力となってより良い衣装を生み出せるかも知れんぞ」

 

「何言ってるんですか!? この兄は!?」

 

 りそなは顔を真っ赤にしながら、クッションを手に取ってリビングの扉に向かって投げた。

 でも、その時には既にお父様はリビングの扉を閉めていて、空しく床にクッションは落ちた。

 

「はぁはぁ、本気で早く私と遊星さんに肉体関係を持って貰いたいみたいですね、あの兄は」

 

「うぅ……少し恥ずかしいよ」

 

 りそなとそう言う関係になるのは嬉しいんだけど……キスより先の関係はどうにも尻込みする。

 いや、お父様が僕らの関係を認める条件に『子を為せ』なんてあるから、何れはしないといけないのは分かってる。でも……最後の一歩を踏み出すのは、やっぱりあの人に僕らの関係を伝えてからだ。

 僕の大切な人。大蔵りそなの兄。桜小路遊星様。

 彼に僕らの関係を認めて貰う………気絶しないと良いなあ。僕はもう踏み越えてしまったけど、桜小路遊星様は近親婚反対だろうから。

 気絶されたら……誠心誠意謝ろう。




朝日的に言えば、父親の真星よりも遊星にりそなとの恋人関係を話す方が難易度高いです。
漸く此処まで来れました。お気に入り、評価してくれた皆様、ありがとうございます!
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