月に寄りそう乙女の作法2~二人の小倉朝日~ 作:ヘソカン
えりのる様、烏瑠様、誤字報告ありがとうございました!
side才華
「楽しかったね!」
「はい! とても楽しかったです!」
全身全霊を出し切った後の心地よい満足感と疲れに浸りながら、僕とエストは控え室で笑い合った。
本当に楽しかった!
幼い頃のあの日から心の奥に抱いてしまった劣等感なんて消え去った!
エストと一緒に夢の舞台を歩けて幸せだった。思い浮かべれば、脳裏にすぐさま万雷の拍手と喝采が僕らに向かって上がる光景が浮かんで来る!
楽しくて幸せな一時だったと断言できるよ。
「お疲れ様ハニーにご主人! 俺も見ていたけど、最高の舞台だったぜ! こいつは俺からの差し入れだ。飲んでくれ!」
ジュニア氏は僕らに飲み物を差し出してくれた。ありがたいことだけど……。
「ありがとうございます、ジュニアさん。ですが、頂くのはもう少し後にさせて頂きます」
「ん? 何でだい?」
「出来れば、もう暫くこの衣装を着ていたいのです」
今頃は会場でショーの審査がされている筈だ。
フィリア・クリスマス・コレクションは、審査員の評価と会場に来客された方々に手渡されるタブレットに依る投票の集計結果で受賞者が決まる。
言うまでも無い事だけど、僕ら生徒達には投票権は無い。他の部門の生徒でもだ。
来場者の席は満員だったし、立ち見をしていた人達も居た。
集計には時間が掛かるのは明らか。でも、一度衣装を着直すのは勿体無い。
僕らは服飾生なんだから、審査の結果が発表される時は今着ている衣装で聞きたい。
現に控え室にいる僕ら以外の生徒も、衣装を着たままでいる。
授業で製作した製作物じゃなくて、僕達のように『作品』の衣装の生徒なら尚更だ。
僕の言いたい事を察してくれたのかジュニア氏は頷いてくれた。
「なるほど。悪い、ハニーにご主人。俺の配慮が足りなかったぜ」
「いえ、お気持ちは大変嬉しいです。何だったら、少しだけ衣装を脱いでその間にメディィィックッ!?」
お馬鹿なことを言い始めたので、衣装に隠されていない素肌の部分を強くつねった。
「うぅ、やっぱり素肌は痛い」
「慎みの無い事を言うからです」
恋人の僕以外で慎みの無い発言を赦せる筈がない。
「こいつは審査の結果が出たら改めて渡すよ。皆で乾杯しようぜHAHAHA」
「ええ、その時は乾杯しましょう」
祝いの乾杯になるか分からないけど、それでも楽しい思い出の1つになる。
そんなやり取りをしていたら、僕らと同じように衣装を着たアトレがジャスティーヌ嬢を伴ってやってきた。
「お疲れ様です、お姉様、エストさん」
「お疲れ……2人のウォーキング。良かったと思うよ」
「お疲れ様です、アトレお嬢様、ジャスティーヌ様。其方も大変素晴らしいショーでしたね」
僕らと同じように衣装を着たアトレも、万雷の拍手と喝采を観客から浴びていた。
実際今もこうして衣装を着ているアトレを見ると、その美しさに見惚れそうだった。
恋人であるエストではなく、妹であるアトレの輝き。以前、『クワルツ・ド・ロッシュ』の表紙を飾っていたアトレの姿も見た時も嬉しかったけど、こうして衣装を着ているアトレを見てしまうと兄として感涙の涙を流しそうだ。
「ジャスティーヌ様……アトレお嬢様の衣装。ありがとうございました」
「何で白い子にお礼を言われるの?」
本当の事情を知らなければ、僕の言葉の意味は分からないよね。
でも、今は受賞を競い合うライバルだとしても、兄として一言だけ衣装を製作してくれたジャスティーヌ嬢に礼を言わずにはいられなかったんだ。
「あっ、居たね」
聞こえて来た声の方に顔を向けて見ると、其処にはルミねえと八日堂朔莉がいた。
わざわざ2人とも、控え室にまで来てくれたみたいだ。でも、何だか八日堂朔莉の方は神妙な顔をして身体を震わせている。
あっ! もしかして今の僕の姿を見て感動してるのかも。少しSっ気が疼いてしまったので、何気ない顔をして彼女に尋ねて見た。
「どうされました、朔莉お嬢様? 私に何か御用ですか?」
「あ、朝陽さん。今はちょっと朔莉さんには……」
何故かルミねえが慌て出した。どうして? そう思っていたら……。
「……かん」
「えっ?」
「もー、あかんってほんまにー。素敵過ぎて、口調が変えられへんよ」
……誰?
突然の変化に頭がついていけなかった。周囲を見回してみれば、エスト、アトレ、ジャスティーヌ嬢、2人の背後に控えている九千代、カトリーヌさん、そしてジュニア氏が目を見開いて固まっている。
驚いてないのは、一緒に来たルミねえだけだ。
「嫌やなあ、もう。学院ではルミネさんだけの秘密にしとくつもりやったのに、もう朝陽さんがめっちゃ素敵過ぎて、口調が戻ってしまうわあ」
「え~と……どちら様でしょうか?」
もしかして実は八日堂朔莉にもエストと同じように一卵性の双子の姉妹がいたとかじゃ……。
「もう何いうてはるの? どーもー、八日堂朔莉でーす」
『………えええええええええっ!?』
僕達は揃って声を上げてしまった。えっ? 嘘? 本当に目の前にいるお淑やかそうな女性が、あの普段から僕の髪を舐めたいとか変態的な言動が当たり前の八日堂朔莉本人なの!?
「はははっ、やっぱり驚くよね。私も最初に今の言葉遣いの朔莉さんと話した時は驚いたから」
「ルミねえ様はご存知だったのですか?」
「うん……落ち込んでいる時にね。教えてくれたの」
「流石に落ち込んでたルミネさんに、あっちの口調で話すんは不味いやろ? だから、ひとりん時のこっちの口調で話しとったんよ」
「じゃあ、これまでの朔莉さんは全部演技だったと言う事でしょうか?」
「寧ろあっちが素」
変態の方が本性である事に変わりはないようだ。
「でも、こっちの口調だと舐められるから、皆が知ってるあっちの口調で人前では過ごすようにしてたんよ……例外は一緒に行動するのが多くなったルミネさんだけのつもりやったんだけど、もうめっちゃ! めっちゃ! 感動していて! 口調が変えられへんよ、ほんまに!」
其処まで僕らのショーに感動してくれていたのは嬉しいけど……僕らの方は開いた口が塞がらなかった。
「こいつは、とんでもないサプライズだぜ。やっぱりアメリカで過ごす為かい?」
「せやねー。ジュニアさんには悪いかも知れへんけど、いやもーアメリカって枕の国で大変やってん。正確に言えばロリコンの国で大変やってん。やから人から避けられるような言葉遣いで過ごしてたんよ……まあ、やり過ぎてこっちの口調で話せる相手が畠山さんと最近になってルミネさんぐらいしか居なくなってしまったやけどね」
「もしも、朔莉さんにこれ以上そんな不埒な輩が近づいたら許さない。判決、死刑」
今まで一番重い刑だね、ルミねえ。友人である八日堂朔莉を護ろうとしているんだよね?
でも、驚かされた、これまでの八日堂朔莉との日々が脳裏に浮かんで来る。
まさか、僕が『小倉朝陽』を演じていたように、八日堂朔莉も別の自分として過ごしていたなんて思っていなかった。
いや、そう言えば、一度だけ僕は今の八日堂朔莉に会った事がある。
『……ありがとうなあ、大切に使わせて貰うわ』
ハンカチをプレゼントした時だ。
あの時はすぐに髪の毛を渡したら普段の彼女に戻ったから、目の錯覚だと思っていたけど、どうやら違ったみたいだ。
「これまで誰にもバレた事が無かったんですか?」
「1人だけ……もう会った瞬間に、一瞬で演技しとるって見抜かれたわ、あの人には。結構バレへん自信があったのに、すぐに見抜かれたさかいに」
1人いるのか。いや、半年以上も一緒に過ごしていた僕らでさえ気付けなかったのに、会った瞬間に世界的女優である八日堂朔莉の演技を見抜いたその人は凄いとしか言えない。一体誰なんだろう?
「あっ、いたいた。メイドさん、ギャラッハさん、アトレさん、ショーお疲れした」
「いや、ほんと凄かったですよね。最初の時はメイドさん並みに綺麗な人が審査員にいるって知って、どうなるかって思ったけど、パル子の衣装を着てくれた子もちゃんと歩けてほんと良かった」
「パル子さん。マルキューさん。あの衣装ってネットショップにでえへんの? 私、めっちゃあの衣装気に入ったんよ! めっちゃ欲しい!」
「えっ? 誰?」
総合部門の残りの班員が全員が、今の八日堂朔莉に会ったら大変驚くだろうなあ。
「……朝陽さん」
呼びかけられて顔を向けて見ると、神妙な顔して僕を見ている制服姿の梅宮伊瀬也と大津賀かぐやが居た。
梅宮伊瀬也は『作品』じゃなくて、授業で製作していた服を着て舞台を歩いた。なので、僕らと違って制服に着替えたようだ。
そして彼女が聞きたい事も見当がついている。きっとお母様の容姿を見て、僕とどんな関連性があるのか気になっているのだろう。
流石に容姿が似ていると言うだけでは、実は『小倉朝陽』が性別を偽っている『桜小路才華』だとは気付けない筈だ。
視界の端でアトレとエストが動きそうになっているけど、下手に介入するのは危ないと思ったのか何も口にせずに事の成り行きを見守っている。
思い悩むような顔をしていた梅宮伊瀬也は、ゆっくりと口を開く。
「……明日は頑張ろうね!」
「っ……ええ、頑張りましょう、伊瀬也お嬢様!」
ありがとう、梅宮伊瀬也。君の心遣いに感謝するよ。
「皆さん、此方にいたんですね」
次に僕らに声を掛けて来たのは、小倉さんだった。
「小倉お姉様!?」
「あっ、危ないですよ、アトレさん」
小倉さんの姿を確認したアトレは、すぐさま抱き着かんばかりに近寄った。
そんなアトレを小倉さんは優しく受け止める。衣装に汚れなどついていない事を確認するように手で掃いながら小倉さんは笑顔を浮かべた。
「会場で見ていました。アトレさん。凄く綺麗でしたよ」
「いえ、それを言うなら小倉お姉様の製作された衣装も素敵でした。まさか、モデルがあの人だと夢にも思っていませんでしたが」
「プロのデザイナーの衣装を、あそこまで製作出来るなんてね。私も見てたけど、流石は黒い子だよ」
「ありがとうございます」
小倉さんは本当に嬉しそうに微笑んだ。
どうやら例の衣装は小倉さん自身も認めている出来栄えのようだ。うぅ、お母様の件で見逃したのが本当に悔やまれる。
「ねえ、朝陽。今からでも動画を見れないかな?」
エストの提案には僕も乗りたい。でも、そろそろ……。
『集計が終わりましたので、もう間もなく審査結果の総評が発表されます。なお、今から名を呼ぶ生徒は壇上に移動して下さい』
来た!
ドクンドクンっと、心臓が高鳴る。フィリア・クリスマス・コレクションのショーは一年から三年と全員で行なわれる。
それだけの人数が壇上に並べる訳が居ないから、審査結果の上位入賞が先ず名を呼ばれる。
言うなれば、これは一次審査の結果発表だ。控え室に衣装を着たままの生徒達の中には祈るように両手を組んでいる人もいる。
今年のフィリア・クリスマス・コレクションは例年よりも注目度が高いだけじゃなくて、お母様達服飾の世界でも有名な方々の評価がある。
3年生の先輩方なんて将来がかかっているから鬼気迫る勢いだ。
「やった! 呼ばれた!」
「と、当然よね……良かった! 本当に!」
先輩方の中で呼ばれた人達は、早々に控え室を出て行った。呼ばれる順番はどうやら3年生からみたいだ。
2年生の先輩方の名前が呼ばれ始めると、泣き崩れる人達も出始めた。残念ながら彼女達は受賞を逃したと言う事だ。
名前を呼ばれて喜ぶ人や呼ばれずに泣き崩れる人もいる。そんな中……。
『銀条春子。そのモデル……』
「あっ。呼ばれた」
「やったじゃん、パル子!」
パル子さんの名が呼ばれた。マルキューさんが我が事のように喜んでいる。
流石はパル子さんだ。総合部門の衣装製作で忙しくて、製作時間が少なかった筈なのに呼ばれるなんて。
入学生の主席合格者であり、既に服飾の世界でプロとして歩み始めている実力者。
ちょっと個性的過ぎたけどね。入学生の挨拶は。
『ジャスティーヌ・アメリ・ラグランジェ。そのモデル、桜小路アトレ』
「まあ、当然だね」
「やりました! 小倉お姉様!」
「おめでとうございます、ジャスティーヌさん、アトレさん」
ジャスティーヌ嬢とアトレも呼ばれた。
此れも納得だ。ジャスティーヌ嬢がアトレの為に製作してくれた衣装は、先輩方の衣装に見劣りしないどころか、上回っている。
衣装を着ているアトレも堂々として、僕の背後に控えるようにしていた頃よりも綺麗で可愛らしい。
だけど、これで1年生で実力がある2人のデザイナーの名が呼ばれた。この後の名前が続かなければ……。
「大丈夫」
エストが僕の手を握ってくれた。
不思議と逸る気持ちが落ち着いていく。寧ろエストが握ってくれた手から安心感も感じた。
それと同時に……。
『エスト・ギャラッハ・アーノッツと小倉朝陽ペア』
呼ばれた!
「朝陽!?」
心から嬉しいとエストは笑顔を向けてくれた。
衣装を着ていなかったら抱き着いていたと言わんばかりだ。実際、僕も名を呼ばれた瞬間に、エストに抱き着きそうになっていた。
でも、やった! また、あの夢の舞台である壇上にエストと一緒に上がれる!
飛び上がらんばかりに僕達が喜んでいると、アナウンスが更に続いた。
『次で最後になります。ですが、既に同名の名前を上げましたが、別人ですのでご注意を。最後の1人の名前は『小倉朝日』。以上の生徒達は壇上に移動して下さい』
『えっ?』
「……………はいっ?」
呼ばれた名前に僕らは声を上げるが、当人である小倉さんは僕ら以上に呆気に取られたような声を出した。
side遊星
今の放送は聞き間違い?
僕の名前と言うか『小倉朝日』の名前が呼ばれる筈がない。
だって、僕はりそなの衣装の製作者の名前の発表を辞退しているから。
これは最初から、りそなが描いたデザインの衣装を製作したいと思った時から決めていた。
ラフォーレさんを始めとして、学院側は不正を疑われないように徹底してくれたけど、僕がりそなの身内である事は学院の生徒なら知っている事だ。
僕が衣装の製作者と知られてしまえば、不正を疑う人は必ず出てしまう。だから、辞退した。
本当なら製作者として名前を発表されるのを。
何かの手違いでもあったのか? そう思っていると……。
「小倉さん! 控え室にいてくれて助かったわ!」
「あっ! ケメ子先生だ!」
僕にとっては元同級生で、今はパル子さんが通っている一般クラスの担任であるケメ子先生が呼びかけて来た。
「もしかしたら会場を探し回らないといけないかと思っていたから、控え室にいてくれて本当に良かったわ。それで小倉さん。放送を聞いたと思うけど、アレは誤報じゃないから壇上に上がってね」
「えっ? 誤報じゃない?」
それじゃあ、僕は壇上に本当に呼ばれて上がらないといけない。いやでも……。
「あの……どうして私が壇上に呼ばれたのでしょうか? 私はその……」
「その件は私も知ってるわ。でも、総学院長と審査員の……そのルナさん達が呼んで欲しいと言ったらしくてね。スタンレーさんも、その面白そうだって言い出してね」
ルナ様あぁぁぁっ!? 皆あぁぁぁぁっ!? ジャァァァン!?
「ふぅん、良かったね、黒い子」
「ジャ、ジャスティーヌさん?」
いえ、あの良かったとかの話じゃなくて。
「私ね。ずっと思ってたの。黒い子は必ず良い衣装を製作するに決まってるのに、それがつまんない事で評価されないなんて。アトレもそう思うでしょう?」
「はい! 衣装を着たあの人はとても素敵でした! その衣装の製作者である小倉お姉様が壇上に呼ばれるのに問題はないと思います」
「お2人とも」
「……小倉さん。私も出ても問題無いと思います」
「ルミネさん……」
驚いた。まさか、ルミネさんまで勧めて来るなんて。
「規則的にも問題ありませんし。本当だったらあのイベントの衣装の製作者は発表されるんでしたよね、先生?」
「ええ、そうよ。小倉さんは学院側の事を考えて辞退してくれていたの」
「だったら、小倉さんが壇上に上がる事に問題は無い。そして辞退したにも関わらず、呼んだのは学院側の方なんだから、責任は学院側が取ってくれる。後は小倉さんの気持ち次第」
そう言われると考えてしまう。
本心からりそなの衣装を製作するだけで僕は満足だった。そして衣装を着たりそながフィリア・クリスマス・コレクションの舞台を歩いてくれた。
万雷の拍手と喝采を浴びて、華やかに歩くその姿を見るだけで満足していた。
なのに……僕自身も舞台に上がれる機会がいきなり訪れた。
ルナ様や皆、そしてジャンがあの舞台に僕を呼んだ。どう言う意図で呼んだのかは分からない。
でも、やっぱり……。
「……っ!?」
ポケットに入れておいた携帯が震えた。
確認をしてみると、りそなからのメールだった。
『放送は聞きました。遊星さんには私の衣装を製作する以外にもう1つ目標があった筈です。丁度良いので直接感想を聞いたらどうですか? 今度は私が会場からその瞬間を見てますから』
メールの内容を見て僕は思い出した。
そうだ。僕にはもう1つ。衣装を見たジャンから口にして貰いたい評価があった。
よくよく考えてみると、イベントの衣装の評価を会場で口にしてくれる筈がない。どれだけ盛り上がっても、あのイベントはおまけのようなもので、メインは学生のショーの方だ、
後でジャンに会えるのか正直分からない。
彼は前触れもなく颯爽と現れて、颯爽とそのまま去っていくから。話す事も出来ずに、そのまま居なくなってしまいそうだ。
フィリア学院に関わってなくても、色々と忙しい筈だし。
なら、聞ける機会を得る為にも壇上の方に行こう。
「分かりました。会場の方に行きます」
「良かったわ! それじゃあ急ぎましょう! もうすぐ審査結果が発表されるから、皆も急いで移動してね!」
「あっ! やばっ!」
「パル子! モデルの子は先に行ったから、あんたも急いで!」
「アトレ、行くよ」
「はい、ジャスティーヌさん! 小倉お姉様と一緒の舞台に立てるなんて、とても幸せです!」
「朝陽! 私達も急ぎましょう!」
「お嬢様! 足元には気を付けて下さいね!」
うぅ……何だか皆を待たせてしまったようで申し訳ない。
……煌びやかな衣装の中で制服。しかも女装。
ちょっと複雑な気持ちになりながら、僕も皆の後に続いて会場に向かった。
次回で本当に服飾部門の審査が終わります。
どうなるのかは次回をお待ちください。