月に寄りそう乙女の作法2~二人の小倉朝日~   作:ヘソカン

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この作品での入学してからの最初の才華の難関が判明します。
果たして彼は、この難関を乗り越えられるのか?
後、漸く三人目のつり乙2のヒロインがまともに登場。残すは後一人です。

烏瑠様、誤字報告ありがとうございました!



二月上旬(才華side)6

side才華

 

 エストに主人として仕える事になってから十日ほど経った。

 彼女と過ごす日々は楽しかった。デザインにもこれまでになかった発想力が加わり、充実していると言える日々を過ごしている。

 紹介してくれたルミねえへの挨拶も終わったし、アトレや九千代とも会わせる事が出来た。

 フィリア学院に通う事に問題は無くなったと言える。

 ただその反面、エストの桜小路才華への印象は最悪なものとなり、嫌悪と怒りしか彼女にはなくなってしまった。具体的に言えば。

 

『こんにちは、桜小路才華さん。私は今日本に居ます。フィリア学院日本校の服飾科に通う為、小倉朝陽という女性を付き人にしました。これだけで何が言いたいか、そして憤慨と軽蔑と激怒の心は伝わったと思います。彼女の懇願もあって表沙汰にはしませんが、一言言わせて貰えれば、『末代まで恥を知れ』。今をときめく桜小路家がなんぼのもんじゃい。文句があるならかかってこんかい!』

 

 その後はあらん限りの罵詈雑言が並べられていた。

 最後の、『お母様の手でお尻の穴に固く細くて長い何かを入れて貰え』は、かなり効いた。

 その単語は僕のトラウマを抉る言葉だからだ。

 ……小倉さん。本当にすいませんでした。他人にトラウマを抉られるのは、本当に辛いですね。

 正直、貴女に赦して貰える自信が無くなって来ました。

 唯一の救いがあるとすれば、『あんな美しい女性を利用していた。その事が最も許せない』と朝陽の為に怒ってくれた事だった。僕を美しいと言ってくれてありがとう。

 ただ桜小路才華が蛇蝎の如く嫌われてしまったのは、かなり不味い。

 例の事件の事もあるし、真実を話した時は、本当に海の底か墓の中に僕は入れられそうだ。そうならない為にも、小倉朝陽の立場を利用して桜小路才華の好感度を上げるようにしておきたい。

 後、エストにはくれぐれも僕を名字では呼ばないように頼んでおいた。

 言われた時は何でという顔をしたけど、子供の頃に容姿の件もあって名字を使って虐められたせいで、名字を不意に呼ばれると、慌てて周囲を見回してしまうトラウマが出来てしまったのだと説明した。

 最初は半信半疑だったエストだが、本当に不意打ちのつもりで呼んだ時に、僕が慌てて周囲を見回した事で納得してくれた。

 完璧に見えたのに、こんな弱点があったんだと苦笑いする彼女に、僕も苦笑いするしかなかった。

 その他には、本当にエストがだらしないと生活を送っていると実感できた。本当に全裸でベッドで寝ているし、時間通りに起きた試しは無い。

 僕も朝は弱い方だけど彼女ほどではないと思う。

 とにかく、全ては順調に進んでいる。後は、このままフィリア学院の入学式までエストや、時々ルミねえとアトレと過ごして行けば良い。

 そして、大変気分が良い僕が今何をしているかと言うと。

 

「できた」

 

 会心の出来栄えだ。流石は僕。縫製の実力も申し分ない。

 でも、正直言えば丁寧に縫い過ぎた。いや、丁寧に縫い過ぎる事に問題は無いんだけど、それでもエストと主従関係になってすぐに完成させたかった。

 『小倉朝陽』の名を名乗る以上、必須だと考えて1月下旬から作製していたのに、2週間も掛かってしまった。

 これではとてもお父様に及ばない。あの人は、速くて、上手くて、仕上がりが綺麗だ。

 でも完成した時ぐらいは喜ぼう。サイズも、うん、ぴったりで問題無し!

 早速エストに見て貰おう! 作ったばかりの服を着て、うきうきしながらエレベーターに乗り込んで、エストの部屋へと僕は向かった。

 

「何それ?」

 

「メイド服です」

 

 僕が着ているメイド服の完成度にエストは驚いている。

 ぽかんと口を開けて、何を言えば良いのか分からないみたいだ。

 

「自分で縫ったの?」

 

「自分で縫いました」

 

 メイド服を見て僕の能力に感心しているに違いない。

 これまではデザインの腕しかエストには見せて来なかった。デザインの腕は認めて貰っているけど、縫製の実力、つまり僕の縫った服を見て貰うのは初めてなんだ。

 僕にとって自信作のメイド服だ。さあ、エスト! 褒めてくれて良いよ! 一緒に世界一美しいこの髪も誉めてくれて良いよ!

 

「どうしてそんな服を用意したの?」

 

「ですよね」

 

 縫製云々の前に、其処が一番気になるよね。これまでは普通の服で仕事をしていたし。

 わざわざメイド服を着る理由なんて、本来はない。だけど……。

 

「エントランスにいるコンシェルジュの方は、もう覚えられましたか? 八十島さんという女性です」

 

「ああ、あの大柄な人の事ね。うん、覚えてる……アレ? そう言えば朝陽さんが着ている服に似た服を着ていたような?」

 

「そうです。彼女は日本における桜小路家のメイド長です。日本の使用人は、この手の『メイド服』が正装だと聞いています」

 

「あ、それはネットで見た事がある。日本人は少し装飾の多い『メイド服』を着るんだって」

 

「私が仕える家はアイルランド貴族であるアーノッツ家ですが、本国ならともかく、日本で使用人を務める以上は、日本における正装をしなければなりません」

 

「なるほど」

 

「とは言え、私が仕えているのはあくまでアーノッツ家のご息女であるエストお嬢様。ですから、桜小路家のメイド服を元に、お嬢様に仕えるためのメイド服をオリジナルのデザインで用意いたしました」

 

「もっともかも知れないね。私では気づかない事に気づいて、黙って準備までしてくれてありがとう」

 

 誉められた。だけど、エストじゃなくて誰に仕えてもメイド服は着るつもりだった。

 『小倉朝陽』を名乗るのだから、メイド服は必須だと思ったのだ。桜小路家のメイド服にしなかったのは、エストに説明した理由の他に、僕のトラウマの中のお父様が桜小路家のメイド服を着ていたからだ。

 着る度にあの日の事を思い出して、胸が熱くなる訳にはいかない。

 

「でも、よく出来ているね。アーノッツ家の日本版メイド服として、正式に採用しても良いと思う……まぁ、家の実家には使用人はいないんだけど」

 

「そこまで言っていただけるとは思いませんでした。光栄に思います」

 

「すごく出来が良いから、外へ出て色んな人に見せたいほどだけど……それが出来ないのは残念かな」

 

「そうですね。日本では使用人の服と見られて、注目を集めてしまうでしょう。本来は、人に見せたり、コンクールに出すべき服ではありませんから」

 

 幾ら出来が良くても、メイド服を着られる場は限られる。

 大金持ちの屋敷や、メイド喫茶など限られた場でしかメイド服は着られないのだ。

 

「もっともかも知れない。じゃあこれからは、そのメイド服を着てよろしくね、朝陽さん。それじゃおやすみなさい」

 

「朝です」

 

 何食わぬ顔でベッドに潜ろうとするエストの襟をむんずと掴んで引き止めた。

 

「ファ〇ク」

 

「お忘れのようですが、その単語を口にした時は我が子を抱く母親の如き力強さで」

 

 エストの手の甲の肌が伸びきるまで、僕は抓り上げた。

 

「ヘアトニック!」

 

「そう、出だしさえ変えればいいのです。よく出来ました」

 

 今日もエストが誇り高き道へ歩み寄った。良かった良かった。

 こんな感じで僕はエストと日々を過ごしている。

 その後、デザインの評価をしたり、アトレや九千代にメイド姿を見せた。

 アトレはとても感激してくれた。ただ写真を撮ろうとするのは止めて欲しい。僕が姿を残すのは、フィリア・クリスマス・コレクションだけだと決めているのだから。

 ルミねえにも見せた。どうやら会社の方に出社するらしく、僕は初めてスーツ姿で眼鏡を掛けたルミねえを見た。

 ただ何故か僕のメイド姿に、困惑していた。確かに着る場所は限られているかも知れないけど、メイドはメイド服を着るものなんだから、驚く事はないと思うけど。

 その後は甘い物を食べたがったエストと一緒に地下カフェで食事を取った。

 このマンション『桜の園』には、地下カフェやレストランがある。その他にも屋上には一年中花々が咲き誇るドーム状の庭園である『天空の桜の園』があるし、プールも他の階層にある。

 中々居心地の良いカフェで、デザートの味も悪くはなかった。

 

「中々居心地の良いカフェでしたね。デザートの味も悪くありませんでした。お嬢様はいかがでしたか?」

 

「んー……」

 

 エストは答えずに棚に置いてあるケーキの数々を見ている。

 たった今お菓子を食べたばかりの上に、アトレと九千代のところでもご馳走になっている。

 この上でケーキを追加でお持ち帰りしたら、エストの体重が心配だ。だけど、買うのを止めようとは思わない。

 買ったら、取り上げてしまえば良いだけだ。僕ももう一つくらい、甘い物が食べたいと思っているし。

 

「ああぁぁあああああぁぁああああ!!!」

 

 ただ甘い物にばかり気を取られ過ぎていた。

 周囲への警戒が低くなっていた僕の背後から、突然大声が響いた。

 びくっとしてしまった。何者かの接近に気が付けなかったなんて、屈辱だ。

 

「え、なに? 何事?」

 

 主人であるエストの問いにも答えられなかった。

 従者としての屈辱を感じながら、僕は真後ろを振り向いた。

 其処には茶色の髪色で、左側にリボンを二つ付けた女性が僕らを見つめながら立っていた。

 ……この人は?

 外出できない事情もあって、帰国してから僕が交流を持った人は少ない。だから、一度でも話した経験があれば、顔は覚えている筈だ。少なくとも僕の記憶の中に、目の前の女性の顔は無い。

 だけど、僕を見てとても嬉しそうにしている顔は、髪の色や外見に憧れているのとは違う、何かの期待に満ちた表情のような気がする。

 もしかしたら、僕が女装の練習する為に外出した時に会った人なのかも?

 

「メイドさんだ……」

 

「はい、メイドです」

 

「本物だ……白い髪の、あの綺麗ですね!」

 

「ありがとうございます。この髪を誉められる事が、私の一番の喜びです」

 

 ……聞き覚えのあるような声だ。

 確かに僕はこの声を聞いた事がある。思い出せ!

 僕にとっての一番の喜びである髪を彼女は誉めてくれたんだ! 必ず思い出さないと!

 

「とても綺麗です。ふあー! あれ? あの、覚えていますか?」

 

「やはり一度お会いした事がありましたか?」

 

 相手は僕を覚えてくれているのに、僕は彼女を覚えていない。

 その事が悲しく、僕は深々と頭を下げた。

 

「申し訳ありません。どうしてもお名前を思い出す事が出来ません。その声には確かに聞き覚えがあるのですが」

 

「ですよね。あ、『銀条春心(ぎんじょうはるこ)』です」

 

「銀条さん……」

 

 本当に思い出せない。これはいけない。相手は僕を覚えているのに、僕の方が覚えていないなんて。

 日本へ来てから、寝坊と並んで二番目の失態だ。

 因みに小倉さんにした事は、僕の人生の中で不動のトップになっている。今後もこの順位が変わる事は永久にないだろう。

 ……ごめんなさい、小倉さん。

 いけない! 今は目の前の人の方を優先しないと。

 現に僕の主人であるエストが、訝し気な目を向けて来ている。

 

「どうしたの朝陽さん? お友達の名前を思い出せないの?」

 

「本当に申し訳ありません。特徴のある名字ですから、一度聞けば忘れない筈なのですが」

 

「ごめんなさい。朝陽さんは優秀で、一度記憶した事を忘れるなんて殆どないんです。名前を忘れるなんて珍しい」

 

「仕方ないですよ、名前を言ったのは初めてっぽいですから」

 

 初めてなのか!? 僕の苦悩を返して欲しい。

 

「もしかしてと言うと私の顔を見るのも初めてですよね」

 

 それじゃ完全に初対面だ。

 そして君はアイルランド人のエストよりも日本語が不自由だね。

 

「つまり初対面だったんだね」

 

 確かに彼女の言葉が正しければ、僕と彼女は初対面だ。

 ……だけど、彼女の声には聞き覚えがある。そうあれは確か……。

 

「初対面ではないんですよ。こっちの白い方とは……」

 

「うぉら!」

 

「でゅうっふ!」

 

 肝心な部分に差し掛かったところで、銀条さんの首が背後から手刀で狩られた。

 ……覚えのある光景だ。そう、確かに僕は今起きた出来事に以前遭遇している。

 その証拠に、手刀を叩き込まれた首を擦っている銀条さんを見下ろす金髪の女性の顔を、僕はしっかりと思い出す事が出来た。

 

「心から痛いです」

 

「おまえ何処行ってた」

 

「ここです」

 

 銀条さんは足元を指で示した。

 なるほど、確かに彼女はそこに立っている。だけど、きっと金髪の人が言いたい事は違うと思うよ。

 

「なぜさっきまで私と地上にいたのに、何も言わないで地下行った? 探すのにどれだけ時間掛かった言ってみ? ん?」

 

「マジか。すんませんした」

 

「いやマジで10分以上探したからね? 『あ、あの子地下だ!』って気づいた瞬間の自分を誉めたい。そしてお前は謝れ」

 

「謝る時はね、きちんと自分がしたことの理由も述べなさいってパパンから教わった」

 

「マジか。言ってみろ」

 

「このお店のコーヒーゼリーがすっごく美味しかったと聞いたのを思い出して」

 

「マジか。それだけじゃないだろうね」

 

「自分ときゅうたろうに食べさせてあげたくて……か、買いに来た」

 

「なんだ私にもかうつもりだったのか……良い話じゃないか」

 

「そしたら綺麗な髪のひとを見つけたので声を掛けました! 許して下さい!」

 

「コーヒーゼリーを奢ってくれるみたいだから許すよ」

 

 抱き合う彼女達二人を見て、エストは不思議そうに首を傾けた。

 

「朝陽さん。私、日本語の勉強してきたつもりだったけど、彼女達の言葉が時々分からないの」

 

「文法を無視した友人同士の会話ですね。お嬢様が地元で喋る感覚に近いかと」

 

「なるほど」

 

 納得したのかエストは頷いた。そして彼女達の言語に自分が慣れるまで、僕との会話を見守る方針に決めたらしい。黙ってしまった。

 どうやら気を使う必要はなさそうだ。では、遠慮なく。

 

「銀条さん」

 

「はい! 銀条です!」

 

「ようやく銀条さんの声をいつどこで聞いたのか思い出す事が出来ました。渋谷でお会いした、ゆるキャラの着ぐるみの中に入っていた人だったのですね」

 

「はい! あの時は悪い子いねっがー! でした!」

 

 やっぱりそうだったのか。それなら覚えている。

 女装訓練の初日の外出の時に、僕を見て騒いでいたあの着ぐるみの中に入っていたのが、銀条さんだったんだ。

 でも、あの着ぐるみの中にこんなに可愛らしい人が入っていたとは思っても見なかった。

 『麗人』、『美女』といったカテゴリとはニュアンスが違うように思える。目鼻立ちの整った、愛嬌のある可愛らしい人だ。エストとは違った美人と言っても良いだろう。

 

「え、あの時のモデルさん? あ、だから今メイド服? 撮影だ?」

 

 どうやら彼女の方も僕を覚えていたらしい。

 でも、僕がメイド服を着ているのは撮影とかじゃないので訂正しておこう。

 

「いえ、私は本職のメイドです。この服は仕事用の制服です」

 

「え、メイド喫茶? ウソ、この辺にもあるの? え、超意外と言うか超街の中で浮いてそう」

 

「いえ、私は店員ではなく、此方のお嬢様に仕えるメイドです」

 

「え、なに? はい?」

 

「はじめまして。私はエスト・ギャラッハ・アーノッツ。アイルランドの貴族です」

 

 銀条さんにきゅうたろうと呼ばれた女性は、真顔で僕らを見つめた、

 そんなに可笑しいのだろうか、僕らは?

 

「貴女のお名前は?」

 

「いちまるきゅう……『一丸弓(いちまるきゅう)』です」

 

「銀条春心です! 日本語がお上手ですね!」

 

「あ! 海外の人か! だから貴族って、え、本格的な!? え、マジですか? メイドってそっちの? 本物?」

 

「はい、本物です。ただ、私は日本人で……朝陽と申します」

 

 悩んだけど名前の方を名乗った。

 今だに弱点を僕は克服出来ていない。この二人に急に名字を呼ばれてしまったら、僕は確実に慌ててしまう。

 それだったら、名前の方を名乗っておいた方が良い。

 だけど、一丸さんは別の方で驚いていた。

 

「日本人なの!? その髪と目で!? ええ、海外の人で本物の貴族とかで、そんでメイドも本物で、そっちは日本人で、ええええもうわかんなくなってきたあ……」

 

 何だか一丸さんは混乱しているようだ。

 対して銀条さんは屈託なく、エストに質問している。

 

「イギリスですか!?」

 

「先ほども言った通りアイルランドの貴族ですが、今の住まいはロンドンにあります」

 

「私凄い! てきとうな国言ったら当たった!」

 

「アイルランドの貴族だからイングランドで暮らしていると思ったのではないのですか?」

 

 エストの質問に、銀条さんは餌に喰いついた金魚のような顔で一丸さんをじっと見つめた。

 どうやら救いを銀条さんは求めているようだ。

 

「ごめんなさい。この子。地理に弱いんです。いや私もなんですけど、友達の外国人の顔しか覚えてなくて」

 

「では英国人の友人がいるのですか?」

 

「はい! 英語もしゃべれます」

 

 いきなり流暢な英語で銀条さんが喋り出した。

 内心でちょっと驚いたけど、僕も英語で話しかける。

 

「本当だ。綺麗な英語ですね」

 

「友達と話してる内に覚えました」

 

「この子、文法とか単語のテストは全然駄目なんですけど、リスニングとか英作文とかすんごく成績良いんですよ」

 

 なるほど。つまり、銀条さんは自分が必要とする知識に対して吸収力があるという事か。

 それだけ銀条さんは頭が良いのだろう。ただ、この手の人は逆に自分が興味が無いものに対しては駄目だと聞いた覚えがある。

 

「綺麗な英語ですが、申し訳ありませんけど、日本語で会話をお願いします。お嬢様の練習になるので」

 

「あ、はい」

 

 実のところエストの日本語力はどうでも良い。

 ただ綺麗な英語を話す銀条さんと違って、エストの英語には品が無いのだ。

 

「あ、そうだ。お二人のアドレスを教えて下さい。本物の貴族の人とメイドの人は初めてなので、また会いたいです」

 

「え。待って、この人達貴族でしょう? 日本で言えば超偉い人たちでしょう? それヤバくない?」

 

「いえ、構いませんよ」

 

 銀条さんと一丸さんは楽しい人達だったので、アドレスを交換した。

 何かの折に連絡したい。

 

「エストギャラッハさんも」

 

「お嬢様のお名前は『エスト』です。ただ、取り次ぎも私の役目となりますので、お嬢様へのお誘いがある時には、私に連絡を下さい」

 

「本物だ……連絡するのに間挟むとか、本物の偉い人達だ……」

 

「元気出せよ」

 

 何だか落ち込んでいる一丸さんを、銀条さんが慰めている。

 可笑しなところでもあったのかな?

 このまま二人の様子を眺めていたいけど、そろそろ部屋に戻らないとデザインを描く時間がなくなってしまう。

 

「では私達もそろそろ戻りましょうかお嬢様」

 

「そうですね。またお会いしましょう、ハルコさん、キュウさん」

 

「あ、私、パル子で良いです。みんなそう呼ぶんで」

 

「私、マルキューで良いです。この子以外はそう呼ぶんで」

 

「それではごきげんよう、銀条さん、一丸さん」

 

「パル子おおおォーン!」

 

 銀条さんの声が大きくなると周りの人達が、何事だと視線を集めた。

 以前の時もそうだったけど、銀条さんが叫ぶと賑やかだね。

 

「それじゃあ帰ったらデザインを描きましょう」

 

「はい。楽しみです」

 

「デザイン? 何のだろうね?」

 

「分かんね」

 

 よく考えたら、僕にとって彼女達は帰国してから初めて出来た友人になるのかな?

 いや、今は桜小路才華じゃなくて小倉朝陽だし。どちらにしてもネット上でのやり取り以外で出来た久しぶりの友人に、今更のようにワクワクした。

 

 

 

 

 その日の夜。

 基本的に、どんな偶然が起こるか分からない為、僕は『桜の園』からの無用な外出は避けている。

 だけど、今日はある事情で久しぶりに桜屋敷へと帰って来た。

 何故なら、一か月も連絡が取れなかった伯父様から連絡が来たからだ!

 一応僕らの近況はメールでは送っていた。返事は残念ながら返って来なかったけど。

 その伯父様と久しぶりに会える事に喜んだ僕は、ウィッグを付けて帽子を被り、周囲に気を配って『桜の園』から桜屋敷に帰って来たのだ!

 久しぶりの伯父様との会話が楽しみだ!

 

「お会いしたかったです、伯父様!」

 

「そうだな。直接顔を見るのは、『晩餐会』以来だ」

 

 桜屋敷の応接室で僕と伯父様は再会した。

 今日、この場には僕と伯父様しかいない。アトレやルミねえは受験を控えているので、伯父様が来なくて良いと連絡したらしい。

 伯父様を独り占めに出来る事に、僕は興奮を覚える!

 ……それに、もしかしたら小倉さんの事も教えてくれるかも知れない。

 以前と違い、小倉さんは伯父様の娘になったんだ。娘の話を、甥である僕にしてくれるかも知れない。

 家族思いの伯父様なら、娘となった小倉さんの自慢話でもしそうだから。

 

「大蔵家における俺の担当が、ヨーロッパ支部だということは知っているだろうが」

 

 他愛ない雑談を無視して、伯父様は本題から入った。

 僕への愛情や、アトレへの愛情など前置きがあっても良いのに。

 特に小倉さんが今どうしているのか教えて貰いたい。

 ……ルミねえの言っていた事が気になる。僕はあの人を信用しているけど、世間一般の考えではルミねえの方が正しい。

 伯父様がそんな危険人物を懐に入れるとは思えないけど。

 

「お前からメールでアーノッツ子爵家の娘を、雇用主としたとあったが、事実か?」

 

「はい。私の主人の名前はエスト・ギャラッハ・アーノッツ。伯父様も知りませんか? アメリカに居た頃、何度も私と賞を争った相手です」

 

「確かにそんな名前だったな。しかし、やはりそうだったか」

 

 ん? 何だろう?

 エストの名前を聞いた途端、伯父様の顔に苦いものが浮かんだような。

 だけど、すぐに表情を戻して伯父様は話を再開した。

 

「そのアーノッツ子爵家だが、部下に調べさせた。実家の方にきな臭い噂があったからな」

 

 噂に関しては、聞くまでもない。

 エストの実家が裏社会と繋がっている噂は、僕も聞いている。直接会ったエスト本人は善人だったけど、やはり実家の黒い噂は無視出来ない。

 ……もしも本当に噂通りだったら、来年には僕の命が無いかも知れない。

 伯父様が得た情報を聞き逃さない為に、集中しよう。

 

「先ずアーノッツ子爵だが、部下が直接面談したところ、小物ではあるが、善人だったと報告された」

 

「へえ!」

 

 これは嬉しい報告だ!

 エストと同じ善人だとしたら、僕の命が無事で済むかもしれない!

 いや、まだ油断は出来ない。噂の大本の部分が分からないんだから。

 

「報告では典型的なアイルランド人とでも言えば良いのか、実直で飾り気のない男のようだ。俺の名代として部下に会談させたが、何の狙いかと肝を冷やしていたそうだ」

 

「その伯父様の部下の人は?」

 

「安心しろ。部下については俺が保証する。人を見る目は間違いなくある人材だ」

 

 此処まで伯父様が言うのだから、その人の見る目は間違いないだろう。

 もしかしたら伯父様が直接出向きたいと思っていたのかも知れないけど、総裁殿に仕事を押し付けられていたから無理だったんだと思う。

 

「実際、大蔵家がその気になれば好きに扱える程度の規模の家だ。そう、好きにな。だからこそ家や家族を護る為に必死なようだ」

 

「その家を護る為に、良くない噂が流れていますが?」

 

「それを確かめるために、部下を送ったのだ。その結果だが、暴力や麻薬の類の犯罪には手を染めていないが、名家の名や爵位を利用したい連中の言いなりになり、詐欺まがいの行為には手を貸してしまっている。尤も。利用する側かされる側かが違うだけで、似たような事を過去に俺もしている。目的を誇りとするか、手段を誇りとするかによって、見方は変わるだろう。少なくとも……過去に俺がした行為に比べれば、間違いなく善良の類だ」

 

 なるほど。つまり、アーノッツ子爵にとっては家族を守る事が誇りであり、その為に自らが蔑まれても自らを省みたりはしないという事か。

 

「子爵が守ろうとしている家族とは、部下の方は会えたのですか?」

 

「会ったそうだ。妻が美人だったと報告が来た。我が大蔵家が声を掛けたのは、娘に目を付けたからでは、と父親が心配する程度には美人だったそうだ。ククッ、慰み者として差し出されるとでも思ったのだろう」

 

 そんな事はしませんよね。

 実際には僕の為に調べてくれただけだろうから。

 

「報告では四姉妹がいて、全員が母親に似ていたそうだ。その内の何人かは。顔が整い過ぎていて区別がつかなかったそうだ。一応、家族、それに実家の建物、周辺などの写真が付いた資料がある。必要か?」

 

「いえ……」

 

 四人が実家にいたという事は、うちのお嬢様をいれて五人姉妹。

 エスト本人は家族の話を避けているフシがある。だから、僕はエストの家族関係などの基本的な情報を知らない。

 だけど、知り過ぎても不味い。このレベルだとうっかり僕に話していない情報を、うっかり口にしてしまいそうで怖い。

 雇用主の家族を調べていたなんてことになれば、幾ら気の良いエストでも嫌悪感を示すだろう。

 ……もう少し親しくなってから、僕自身が家族構成をエスト本人から聞けば良い。

 

「資料はいりません。必要になれば伯父様に連絡をします」

 

「そうか……では、才華。俺が手を貸せなかった一か月の間に良くやった。故に褒美をやろう。お前の知りたがっているだろう『小倉朝日』に関してだ」

 

「本当ですか!?」

 

 小倉さんの話が聞ける!

 その事実に僕は嬉しくなった。あの人の正体や、今何処にいるのか、何をしているのか聞けるかもしれない!

 僕はワクワクする気持ちで、伯父様の話を待つ。

 

「お前の母親、桜小路ルナから『小倉朝日』を奪ったのは俺だ」

 

 ……えっ?

 

「『小倉朝日』の容姿は、生き写しと言えるほどにある女に似ていた。それに目を付けた俺が、桜小路から『小倉朝日』を奪ったのだ」

 

 ……何を?

 

「『小倉朝日』は元々は総裁殿である我が妹の使用人だった。何れは俺が大蔵家の総裁になる為に道具として使おうと考えていたが、総裁殿がその企みに気がついた。道具として使われる前に、桜小路家に使用人として逃がされた。だが、奴には運が無かった。選りにも選って、桜小路が通うフィリア女学院の学園長の座に、この俺が就いてしまったのだからな!」

 

 ……言っているの?

 この人は……誰?

 

「何処に行ったのかと思っていたら、まさか我が懐の中に紛れ込んでいたとは思っても見なかった。気がついて早々に桜小路から引き離すのは容易かったが、少々奴には俺が植え付けていた畏怖と恐怖が薄れてしまった。だから、思い出させてやった。この俺への畏怖と恐怖を。敬愛する主人に関して脅してやったら、その場で頭を上げる事無く詫びの言葉を述べ続けた」

 

『朝日は私の為に学院を辞めざるをえなかったのだ』

 

 脳裏にお母様の悔しさに滲んだ顔と言葉が浮かんだ。

 ……伯父様が、小倉さんの母親の『小倉朝日』さんを、お母様から奪った犯人?

 だとしたら、小倉さんの不幸な人生に伯父様が関わっている。

 そんな……。

 

「……ど……どういう……事ですか?」

 

「才華。お前は今の大蔵家しか知らない。故に俺が、嘗ての大蔵家を語ったのだ。大蔵家という家の恐ろしさを教える為にな」

 

 伯父様は鋭い視線を僕に向けた。

 思わず、背を預けていた椅子に強く背を押し付けてしまった。

 ……僕は今……伯父様が怖い。

 

「先日、パリに長期の休暇を取っていた総裁殿が帰国された。そして帰国後すぐに、フィリア学院における緊急理事会を開かれた。内容は、此処最近のフィリア学院内における生徒同士の競争の激化に関する問題に関してだ」

 

 その話は僕も知っている。

 現在の学園長が受験が免除される特別編成クラスと一般クラスの対立を故意に煽り、競争意識を高めた。

 結果的に、服飾部門の生徒のレベルが高くなっていると伯父様から聞いている。

 

「これまでは上手くいっていたが、此処二、三年は対立が激化し、問題が表面化しつつある。その事実を憂いた総裁殿は、学園内に調査員を派遣する事にした」

 

「ちょ、調査員ですか?」

 

「そうだ。上手くすれば、学園内での才華の協力者が増やせると俺は考えた」

 

「そ、それは助かります。それじゃ調査員は伯父様の部下か誰かなのでしょうか?」

 

「残念ながら違う。才華、此処からの話はお前だけが知っておけ。決してアトレ殿や、山吹の姪、そして何よりもルミネ殿にだけは知られるな」

 

「ル、ルミねえにですか? それは何故でしょうか? ルミねえは協力してくれているんですから、話しても問題はないと思いますけど」

 

「問題だからだ。この調査員の派遣の裏には、ルミネ殿の父親、『大蔵日懃』が動いている」

 

「ひい祖父様が!?」

 

 何で、ルミねえのお父様であるひい祖父様が、調査員の派遣に!?

 

「事の流れは、ルミネ殿がフィリア学院の服飾部門の特別編成クラスへの入学者を調べている事が前当主に知られたのが原因だ。ピアノ科を受験する筈なのに、何故服飾部門を? しかも特別編成クラスだけを絞ってとな」

 

 それは僕の為です。

 何て言える訳が無い。確かに事情が分からないと、ピアノ科を選考しているルミねえが服飾部門を、しかもお金持ちだけしか入れない特別編成クラスを調べるなんて可笑しいですよね。

 つまり、ルミねえは大丈夫だと言っていたけど……バレてしまっていた!?

 選りにも選って、あの『家族主義』でルミねえに対して過剰な愛情を抱いているひい祖父様に!?

 

「前当主はルミネ殿の行動に疑問を持ったが、会社経営の方で繋がりを得る為に調べていたのだろうと思って静観していた……だが、ルミネ殿が普通なら絶対に接触しないような家の人間と接触した事を知り、事態を重く見だした」

 

 誰なのか分かった。

 僕の主人であるエストの事だ。エスト本人は善良な人間だが、その家も先ほどの伯父様の話で、やっている事は不味いけど、内部は善良に近いと判明した。

 だけど、アーノッツ家が裏社会と繋がっている事実は本当で、その噂が流れてしまっている。『規則至上主義』のルミねえとは相反するどころか、水と油のような家だ。だけど、ルミねえは僕の為にデータ上で見て問題がないと判断して、エストを紹介してくれた。

 しかし、何も知らないひい祖父様からしたら心配どころの騒ぎじゃない。裏社会に繋がる家にルミねえが接触したなんて事実だけでも、慌てるどころの騒ぎじゃないだろう。

 

「加えて、ルミネ殿が今の学校を卒業する前に大蔵家本家から離れて一人暮らしを始めようとした事も問題となった。前当主殿はもしやアーノッツ家にルミネ殿が脅されているのではないかと心配し出したのだ」

 

 ……客観的に見たら、確かに心配になるような状況だ。

 実際、僕も依頼主じゃなくて事情を知らない第三者だったら、ルミねえを心配する。

 その上、本当の理由なんてもっと話せない。女装して僕がフィリア学院に通う為に、ルミねえが裏社会と繋がる家に接触してしまったなんて、死んでも言える訳が無い。知られたらその時点で、ひい祖父様の怒りが僕に襲い掛かる。

 身の破滅どころの騒ぎじゃ済まないよ。

 

「幸いにもルミネ殿が本家から離れて一人暮らしの準備を始めたので、深く聞いたら嫌われるかも知れないと思った前当主は、ルミネ殿に直接的に聞くよりも間接的に知る方法を選んだようだ。それが調査員の派遣だ。大蔵日懃の名前が総裁殿から出た時点で、フィリア学院の役員達は震えあがり、自分達の息が掛かった調査員を派遣するのを恐れた。下手な調査員を送って、失敗でもしたらその時点で終わりだからな。ならば、身内の総裁殿が送る調査員に任せた方が安全だと判断した訳だ。此処まで言えば分かると思うが、送られる調査員の優先対象はルミネ殿が接触したアーノッツ家の人間の周囲だ」

 

 ……伯父様が告げた事実に、頭の中が真っ白になった。

 

「才華。お前は知らなかっただろうが、大蔵日懃にとって人間性など関係はない。奴が重要視するのは、あくまで大蔵家という家族だ。そしてその愛が向けられている、ルミネ殿には輝かしい人生を歩んで欲しいと考えている。ルミネ殿の人生に汚点が僅かでも付けば、他の大蔵一族の言葉など、最早あの爺の耳には届かん。アーノッツ子爵家など潰され、ルミネ殿は関わっていなかった事にされる」

 

 ……エストの家が、ひい祖父様に潰される?

 僕がルミねえに頼り過ぎたせいで?

 

「無論、ソレだけではすまない。あの爺の怒りは、ルミネ殿にそうさせたお前だけでは無く、桜小路家にまで類を及ぼすだろう。我が弟、遊星が婿入りした家だとしても関係はない。大蔵一族にとって敵と認識した相手は、徹底的に叩き潰す。そうはさせないと、俺や総裁殿、次男家の連中は動くが、あの爺の力は衰えてもなお強大だ。最終的には勝てるだろうが、その過程でどれほどの被害が発生するのか、最早俺にも分からん」

 

「……」

 

 言葉も出せなかった。

 ……自分が大きな勘違いをしていた事に、僕は漸く気がついた。

 ルミねえは確かにひい祖父様に真っ向から正論を言う事が出来る。だけど、それはあくまで一定レベルまでだったんだ。一定のレベルを超えてしまった時に、何が起きるのか考えていなかった!

 

「先に言っておくが、最早お前には後がない。今更アーノッツ家の使用人を辞める事は無理だ。どちらにしても爺に目を付けられているのだからな。方法は一つ。フィリア学院の服飾部門に生徒として入って来る調査員を、お前一人で見つけ、調査員を説得しろ」

 

「……せ、説得出来なかったら、どうなるんでしょうか、伯父様?」

 

「この大蔵衣遠が、己だけの味方だなどと思うな。説得が失敗した時点で、貴様をアメリカに送り返し、桜小路家、そしてルミネ殿やアトレに被害が及ばないように尽力する」

 

 ……脅しではないと感じた。

 今の伯父様は失敗したら、本当に僕をアメリカに送り返すに違いない。

 さっきの『小倉朝日』の話もある。僕に甘かった伯父様は、今はいないと感じた。

 

「チッ! まさか、一か月、目を離しただけで爺が動きだすとは思っても見なかった。結果さえ出せば、総裁殿が何とかしてくれるだろう。それも調査員の説得が必須だがな。良いか、才華! ルミネ殿やアトレには今の話はするな! もしも今の話をして、特別編成クラスに入る予定のアトレはともかく、ルミネ殿が受験に落ちたら、その時点で終わりだと思え。では、俺は戻らせて貰う。総裁殿が送る予定の調査員を、何とか手の者に変えられるように進言せねばならんからな!」

 

 苛立つように伯父様は、力強く扉を閉めて応接室から出て行った。

 残された僕は、自分が立っている場所が崖っぷちだと理解し、頭を抱えずにはいられなかった。




原作では遊星と違ってイージーモードに近い才華ですけど、この作品ではバットエンドが無い代わりに、難易度が上がっています。

衣遠伯父様の心境としては。
『晩餐会前』
「遊星の養子入りの件で、恐らくは暫くの間は才華達との連絡は取れなくなるだろう。だが、問題はあるまい。才華達の才覚ならば、問題が起こる事など無いだろう。よしんば起きたとしても、この大蔵衣遠が解決すれば問題はないのだから』

『りそな帰国後』
大蔵日懃が間接的に動いた。
「……グハアあッ!?」

と言う感じです。
次回で最後のヒロインが漸く登場です!


人物紹介

名称:銀条春心(ぎんじょうはるこ)
詳細:『月に寄りそう乙女の作法2』のヒロイン。人懐っこく、喋り方がやや幼稚で、いつも楽しい表情をしている。興奮すると過剰と思えるほどに体で表現する。衣服制作には天才的な才能と技術を持っている。興味のある事に対する必要な知識の吸収力は高いものの、それ以外の事は苦手。才華とは着ぐるみ姿の時に出会った。あだ名は『パル子』。


名称:一丸弓(いちまるきゅう)
詳細:春心の親友で、見た目は金髪のギャルっぽい容姿をしている。春心に対しては強力なツッコミを入れる。愛称は『マルキュー』なのだが、春心だけは『きゅうたろう』と呼んでいる。
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