スーパーロボット大戦N   作:黒百合蜂

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皆様、お待たせしました
お待たせしすぎたかもしれません

アメリカルート最後の回です
今回も長い、長すぎる…が、それに見合った面白さは保証…できると思います!


第九話B DEMON EX MACHINA

~ナデシコ・アキトの部屋~

荷物や家具が乱雑に置かれた部屋で、アキトはスクリーンを見ていた。

 

アキト「……」

 

辰也「くぅ~~~っ!!! やっぱりいつ見てもゲキ・ガンガーは面白いぜ!! 性格は違えど、その根底は熱血な3人と、そいつらが乗るロボット、ゲキ・ガンガー!! いやもう……カッコいいったらねえ!!!」

 

……隣に辰也がいる状態で。

 

アキト「ゲキ・ガンガー、知ってるんだね」

 

辰也「はい! 友達がこれ持ってて、一緒に観てました!! マジンガーZとかガオガイガーとか、実際に活躍したロボットも勿論好きだけど、アニメの中のロボットもどっちも好きです!!」

 

だけど……そう辰也は呟く。

 

辰也「だけど、もうそいつとは……」

 

アキト「……何か、あったのかい?」

 

辰也「ああ、はい……」

 

そして辰也は、自分の友達である虎之助がいなくなってしまった事を話した。

 

アキト「そんな事が……」

 

辰也「でも、いつまでも落ち込んでたら、あいつが戻ってきた時にがっかりさせちまう……だから俺は、助けられなかった虎之助の分……それ以上に、周りの奴を守ろうって決めたんです」

 

アキト「そうなんだ……強いね、辰也は」

 

そう呟くと、アキトも自分の事を話し始めた。

 

アキト「実はこのゲキ・ガンガーも、ナデシコで知り合った友達に見せられてさ……だけどそいつも……」

 

辰也「アキトさんにも、そんな事が……」

 

アキト「でも、辰也の話を聞いて、俺もウジウジしてられないなって思った。だから俺も、少しずつ前に進んでみるよ」

 

頼りなさげな、だが力強い笑顔を作る。

 

ウリバタケ「入るぞ、テンカワ!」

 

そんな時、ウリバタケとフォントがやってきた。

 

フォント「辰也もいたのか……ちょうどいいや、お前が見たがってたモビルスーツのデータ、ある程度まとめてきたからさ、一緒に見ないか?」

 

辰也「マジでか!? 見る見る!! あ、アキトさんもどうですか?」

 

アキト「う~ん、俺はいいや。あと、そこにいるのも何だから上がっていいよ」

 

フォント「それじゃ、お邪魔します……っと」

 

そうして3人は、フォントのタブレットを眺める。

 

ジャック「ボスー、ここいるんすよね?」

 

ウッソ「アキトさんも、ちょっとお邪魔させてもらいます」

 

ジゼラ「訓練が終わった後、辰也さんがここに行ったと聞いたのですが……」

 

そんな中、新たな来客……ウッソ、ジャック、ジゼラが入ってきた。

 

ジゼラ「3人揃って何やってるのかと思ったら、やっぱりこういうのを見てたんですね……」

 

ふと、ジゼラがフォントの端末に目をやる。

 

辰也「何ならお前らも見るか? 面白えんだよこれが!!」

 

ジゼラ「いえ、遠慮しておきます……」

 

辰也「そうか……にしても、こいつはとんでもねえデータだぜ! F91やエピオンだけじゃねえ、GPシリーズやハーフゼータ、それにガンダムバエルなんて伝説みてえなモンがありやがるからな!!」

 

ウリバタケ「他には全身サイコフレームの一角獣みたいな機体や、ミノフスキークラフトが取り付けられた一回りも大きい機体、金星で発掘されたと噂のガンダムフレーム……とにもかくにも、珍しい物がいっぱいだ!」

 

ジャック「んだそりゃ? 聞いたこともねえなぁ」

 

ウッソ「僕は知ってます、父さんから教わったから。特にバエル……アグニカ・カイエルが乗っていた機体なんでしたよね」

 

フォント「その通りだよ! よく知ってるじゃないか!」

 

ウッソ「読まされたんです、アグニカ伝説の本を。でも、あの手の話は脚色が含まれてるので、あまり信じてませんよ」

 

懐疑的な目を向けるウッソ。

 

ウリバタケ「ふ~む……しかし、一番重要なのはロマンを感じるかどうかだ! 結局はこれに尽きるね!!」

 

辰也「さっすがウリバタケさん! いい事言いますね!!」

 

興奮気味に同調する辰也。

 

ジゼラ「全く……辰也さんはいっつもこんな調子なんだから……」

 

ウッソ「兵器に魅力を感じるなんて、変な人たち」

 

盛り上がっているウリバタケ達とは対照的に、ウッソは冷ややかに見ていた。

 

フォント「で、どうしてここに?」

 

ジゼラ「ナデシコから公開ミーティングの予定があるとの連絡なので、それを伝えに来ました」

 

ウッソ「各組織の立場や目的、他にも色々な事を説明するんですって……って、そろそろ始まります! アキトさん、画面見せて下さい!」

 

アキト「えっああ……」

 

慌ただしい様子で、ウッソがテレビの画面を変える。

真っ暗な画面が映った後、それは急に始まった。

 

〜〜〜

3……2……1……どっか~ん!!

 

 

 

わ~い!!

 

 

 

……軽快な音楽と共に、『なぜなにナデシコ』という文字が画面いっぱいに映る。

 

辰也「……」

 

ジゼラ「……」

 

ウッソ「これは……」

 

フォント「……」

 

そのある意味異様ともいえる映像に、空いた口が塞がらない一同。

 

ウリバタケ「始まったか、『なぜなにナデシコ』が!」

 

アキト「やっぱりな……これだと思ったよ……」

 

楽しそうなウリバタケとは対照的に、ため息を吐き呆れ顔なアキト。この映像は艦内全域にも映っており……

 

ヒカル「おっ、『なぜなにナデシコ』だ!」

 

三日月「え? 何これ?」

 

イズミ「見れば分かる……悪いもんじゃないよ」

 

昭弘「お、おう……」

 

また別の場所でも……

 

ドモン「……」

 

トロワ「『なぜなにナデシコ』か……」

 

五飛「下らん……ただの児戯だな」

 

チボデー「そう言いなさんな! 案外面白いかも知れねえぞ~?」

 

アレンビー「そうそう! ちょっとは楽しみにしてるよ!」

 

アルゴ「なら、いいのだがな……」

 

それぞれがそれぞれの反応を行っている。

 

ルリおねいさん「おーいみんな、集まれー。『なぜなにナデシコ』がはじまるよー」

 

ウサギユリカ「ねえ、ねえ、おねいさん! 『なぜなにナデシコ』ってなあに?」

 

ルリおねいさん「なぜなにナデシコは、高度な技術や世界情勢、その他色々と難しいお話について、分かりやすく面白く解説するコーナーだよ」

 

ウサギユリカ「へぇ〜、そうなんだ〜!」

 

ルリおねいさん「はい……とまあ、前置きはこのくらいにして、ちゃっちゃと説明しちゃいましょう。お願いします、ウサギさん」

 

ウサギユリカ「はいは~い! えっと、えっと、僕たちナデシコ隊は……何だったっけ?」

 

ルリおねいさん「……忘れてしまったんですか?」

 

ウサギユリカ「ご、ごめんね……何しろ僕、ウサギだから……」

 

ルリおねいさん「……」

ルリ(……という体で私たちは打ち合わせをしています。なので、決してユリカさんが忘れてしまった訳ではありません)

 

誰かに説明するかのように、ルリが心の中で呟く。

 

イネス「では、ここからは私が説明しましょう。まず、我々ナデシコ隊は、ネルガルによって組織された私兵部隊よ。宇宙から襲来する侵略者……主に木星蜥蜴やザンスカール帝国から地球を守るために戦っている……と考えてくれるといいわ」

 

ウッソ「私兵部隊……リガ・ミリティアと同じようなものか」

 

辰也「JUDA特務室に似てる所もあるな……俺達もあっちも、会社主体の組織だからよ」

 

イネス「では次に、その侵略者について詳しく説明させてもらうわ」

 

画面に木星と、以前戦った木星蜥蜴の機体群が映る。

 

イネス「まずは木星蜥蜴……その名の通り、木星に住んでいる蜥蜴……地球圏に襲来する無人機の外観からそう呼称されるようになったのよ」

 

辰也「木星を根城にしてる異星人だったよな……言っちゃ悪いけど、あの無人機のフォルムがまたいいんだよ!」

 

ジャック「異星人? 何言ってんだ?」

 

熱狂する辰也に、冷静に突っ込むジャック。

 

辰也「え?」

 

フォント「木連……地球の人が言う木星蜥蜴は、かつての木星帝国……クラックス・ドゥガチの思想をベースに創られた組織で、共和国となった木星の目の上のこぶだって聞いたけど……」

 

アキト「そ……そうなのか?」

 

明かされた事実に、少しだけ驚くアキト達。

 

ウッソ「それは……確かに考えられますね。そもそもこの宇宙の歴史が、アースノイドとスペースノイドの戦争で綴られてますから」

 

レイン「……だから木星蜥蜴の正体は、異星人などではなく人間で、連邦やギャラルホルンはそれを隠している……という噂があるわ」

 

シロー「なるほど……現に今も、スペースノイドであるザンスカール帝国と戦ってますからね……でも、そうとは言い切れない部分もあると思いますよ」

 

由木「異星人……もとい人間以外の侵略者にも、それこそ実例があるわ。MUにミケーネ帝国、邪魔大王国など……」

 

ヒカル「……とにかく、もしかしたら木星蜥蜴は本当に異星人で、三日月くん達の知ってる木連ってのは、実はそいつらに操られてる人達……なんて事もあるかもね~!」

 

ユージン「言われてみれば、そうかもな……」

 

しこりは残るものの、なんとなく受け入れたユージン達。

 

イネス「次にザンスカール帝国だけど……元はサイド2から始まった組織で、ギロチンによる恐怖政治によって周りのコロニー群を統治、そのまま宇宙の一大勢力となるまでに発展したのよ」

 

画面にはザンスカール帝国が形成されるまでの歴史や、恐怖政治の内容が表れている。

 

ウサギユリカ「ひぇ〜……何だかとってもおっかないね……」

 

その内容に戦慄するユリカ。

 

イネス「そしてザンスカール帝国は、地球にまで手を伸ばした……それに対抗するために、リガ・ミリティアという民兵組織が作られたわ」

 

さて、とイネスがスライドを変える……と、ナデシコの今回の目的が書かれていた。

 

ルリおねいさん「……今回のナデシコは火星へ行き、木星蜥蜴の侵略から火星を守り、そこに囚われている人を助けよう……という任務を受けました」

 

リョーコ「そういや俺達も、お前らの事は知らなかった訳じゃねえんだけどよ……何で事前に協力しようとしなかったんだろうな?」

 

ヒカル「そうだよね〜、こういう時は力を合わせた方が上手くいくはずなのに」

 

ユージン「そりゃあ……俺もよく分かんねえけど、ネルガルのお偉いさん方が、ナデシコの力を見せたかったからじゃねえか?」

 

昭弘「多分、そうだろうな」

 

イズミ「けれどあんた達は助けてくれた……そのおかげで任務は成功……アリが10匹、ってね」

 

三日月「え?」

 

唐突なダジャレに理解不能だという顔をする三日月。そんな一幕がありながらも、説明は続けられる。

 

イネス「鉄華団には、火星の研究所に閉じこめられた仲間を助けてもらった事についても、感謝してるわ」

 

昭弘「まあ……俺達の住んでる所でやべえ事が起こってんのに、放置すんのも寝覚めが悪いしな」

 

ルリおねいさん「そこでナデシコはチューリップに入って今に至る、という訳です」

 

ウサギユリカ「あそこに入った生き物はみんなミートソースみたいになっちゃう……って言われてたけど、何にもなんなかったね!」

 

イネス「それについては調査中よ……それにしても、しばらくスパゲッティが食べられなくなる例えね……」

 

口元を抑え、顔を歪ませるイネス。映像を見ている何人かも、不快な気分になってしまった。

 

ルリおねいさん「それじゃあ、次は『なぜなに視聴者参加コーナー』の時間です。新しく加わった団体さんの代表者から、色々な話を聞かせてもらいましょう」

 

ルリの言葉の後に、用意された座席に座っている3人のシルエットが映された。

その中で、最初に立ち上がったのは……

 

 

 

 

 

鉄也「こ、頭を垂れて蹲え。平伏しろ……」

 

シロー「……」

 

由木「……」

 

三日月「……」

 

ドモン「……」

 

鉄也「……見苦しい所を見せて悪かったな、俺はWSO……もとい、JUDA特務室の剣鉄也だ」

 

……黒いスーツに身を包み、白いハットを被った鉄也だった。

 

由木「……ふふっ……」

 

肩を震わせる由木。自分の上官が、あの剣鉄也が、まさかこんな催しに、それもコスプレして参加するとは思ってもいなかったのだ、当たり前だろう。

 

シロー「わ、笑っちゃ悪いですよ、由木大尉……」

 

由木「そ、そうね……でも、まさか剣大佐がこんな事をするなんて、思いもしなかったわ……」

 

シロー「気持ちは分かりますけどね……」

 

にしても鉄也さんのあの格好……見てると何か苛立ってくるな……

 

オデロ「というか、あの格好は何なんだ?」

 

ウォレン「さぁ……」

 

ヒカル「私の大好きな漫画に、あんな感じのキャラクターがいるんだよ! 確か名前はきぶ……」

 

イズミ「それ以上はいけない」

 

解説し出すヒカルを諌めるイズミ。

 

ウサギユリカ「え~っと……鉄也おにいさん! なんでこんなところに来たの?」

 

鉄也「そうだな……」

 

そして、鉄也は道中の事を話した。

 

鉄也「……って訳だ」

 

ルリおねいさん「ありがとうございます。堅物っぽい人だったので、こういう事もやってくれるなんて意外でした。では次は……」

 

ルリがそう言うと、次に立ち上がったのはオルガ。

 

オルガ「……なあイネスさん……本当にこの格好じゃなきゃいけねえのか? 息苦しくて仕方ねえんだけどよ……」

 

イネス「ごめんなさいねオルガ君、でも、我慢してもらえるとありがたいわ」

 

彼はいつもの赤いスーツ……ではなく黒のスーツを着ており、心臓のような形の覆面を被っていた。

 

三日月「え、オルガ? ねえ、何それ?」

 

ユージン「姿が見えねえと思ったら……つーか、あいつがこんなのに参加するなんてな」

 

昭弘「そのふざけた格好は何なんだ……?」

 

辰也「確かあれも漫画のキャラクターで、名前はし……」

 

フォント「辰也、そういうことは言うもんじゃない」

 

こちらでも先程と同様、釘を刺されていた。

 

オルガ「つー訳で俺達の事について説明させてもらうが……まず、鉄華団については知ってるよな?」

 

ルリおねいさん「はい。火星を拠点にしている民間企業さんですね。2年前のバーンスタイン抗争でギャラルホルンと戦い、有名になったと聞いています」

 

辰也「バーンスタイン抗争……火星の独立と火星移民の待遇改善を訴えた革命の乙女こと、クーデリア・藍那・バーンスタインがきっかけとなったんだったっけか」

 

フォント「辰也も知ってるんだな」

 

辰也「まあな。バーンスタイン抗争はニュースにもなったし、授業でもやるからよ。政治的な背景とかの詳しい事は虎之助……友達の方が分かってんだけどな……」

 

リョーコ「今じゃそこらの小学生でも、鉄華団の名前は知ってるはずだぜ」

 

ユージン「すげえ広まってんな……」

 

トロワ「鉄華団が行動を起こしたのと同時に、俺達もオペレーション・メテオを開始した。だから、俺達も何かと顔を合わせる機会があったな」

 

五飛「続くマリーメイア戦役、デビルガンダム事件でも、奴らは戦っていた」

 

ちらほらと鉄華団の話題が上がる。その間にも、映像は止まらず先へと進む。

 

ルリおねいさん「では、その鉄華団さんは何が目的で、今回地球に来たんですか?」

 

オルガ「えっとな、簡単に説明すると、俺達鉄華団はカーティスさんの頼みで、フォントとジャック……蛇の足と一緒に『エンジェル・コール』を奪うために地球に降りたんだよ」

 

ルリおねいさん「そのエンジェル・コールとは、どういう物なんですか?」

 

オルガ「ああ……こいつはやべえ代物でな……何でも宇宙細菌って話なんだが……」

 

そして、オルガは次の事を話した。

エンジェル・コールは宇宙からやってきた、感染すると人体を溶かしてしまう細菌である事。

 

現在それを所持しているのはエリン・シュナイダーという男で、ザンスカール帝国はそれを軍事利用、一方のフォント達『蛇の足』と鉄華団は殲滅しようとしている事。

 

しかし、エリンは見つからなかった。なので今は『タービンズ』と鉄華団地球支部に彼の身柄を捜索してもらっている事。

 

オルガ「……って話だ」

 

イネス「体を溶かす未知の細菌……とてもじゃないけど信じられないわね……」

 

オルガ「俺達も同じだったさ、最初はな。けど、こいつを見て欲しい」

 

オルガの言葉と共に、画面が切り替わる。

 

ルリおねいさん「これは?」

 

そこには、半壊した研究室のような部屋と、使い込まれた衣服、そして赤黒い液体が真空を漂っていた。

 

ウッソ「この赤黒いの……それに、脱ぎ捨てられたような服……まさか!」

 

フォント「……これが、エンジェル・コールによる被害だ」

 

チボデー「するってえとこいつは……元々は人間だったって事かぁ!?」

 

トロワ「そうみたいだな」

 

エンジェル・コールの被害を見た一同は固まる。中には怯えた声を漏らす者もいた。

 

ルリおねいさん「天使の呼び声……確かに、声に誘われれば天国に行けますが、その過程は地獄ですね」

 

ウサギユリカ「お、おね〜さぁん……あんまり怖いこと言わないでよぉ……」

 

画面の中の2人もまた、それは同じだった。

 

ルリおねいさん「じゃあ次は……リガ・ミリティアについてです」

 

このコーナーも終幕……その締めのために立ち上がったのは、眼鏡をかけ白衣を纏ったマーベットだった。

 

マーベット「では、話させてもらうわ。リガ・ミリティアは本来、ザンスカールに対抗するために創られた組織……だけど、今回はジン・ジャハナムからの指令で、エンジェル・コールの捜索任務を行っていたわ」

 

オルガ「んで、俺達もそれに協力していたって訳だ」

 

リガ・ミリティアについての説明がなされる……その流れを断ち切ったのはルリだった。

 

ルリおねいさん「すみませんマーベットさん、聞きたい事があります」

 

マーベット「何かしら?」

 

ルリおねいさん「ジン・ジャハナムさんの指示という事は、その人はエンジェル・コールを知っていたという事になりますよね?」

 

マーベット「それがどうかしたの?」

 

ルリおねいさん「オルガさんの話では、エンジェル・コールはその危険性によって秘密にされているはずです。なのに、何故その情報が知られているのでしょうか?」

 

マーベット「それは……」

 

イネス「……まあ、ジン・ジャハナムほどの人なら、知っていてもおかしくはないとも考えられるんじゃないかしら? ひとまずそういう事にしておきましょう」

 

ルリおねいさん「分かりました。では今度はオルガさんに質問です。鉄華団さんの方に『リガ・ミリティアと協力せよ』との依頼が来ていたのですか?」

 

オルガ「……ああ。本当はカーティスさんの意思を尊重したかったが、既に細菌の情報がリガ・ミリティアに知られてるって話だったんでな」

 

ルリおねいさん「その依頼を頼んだのは……ジン・ジャハナムさんでしょうか?」

 

ルリの質問に首を振るオルガ。

 

オルガ「俺達にその依頼をした奴は───

 

 

 

 

 

───『マクギリス・ファリド』……ギャラルホルンの人間だ」

 

フォント「なっ……!?」

 

オルガ「あいつがどうしてそれを知ってたかは分からねえが、とにかく俺達はそいつの依頼を受けた。そして今に至るって訳だ」

 

謎が深まる中、『なぜなにナデシコ』は終わりを迎えた。

 

イネス「さて……それじゃあ次は今後の予定についてよ」

 

鉄也「ああ……これより、打ち合わせた事を伝える。今後についてだが、俺達の……JUDAの指針に従ってほしい」

鉄也「……木星蜥蜴、ザンスカール帝国、エンジェル・コール、そしてエレミタ……各々でやらなきゃいけねえ事があるのは確かだが、各部隊がバラバラで行動してたらいざって時に立ち行かねえからな」

 

マーベット「……リガ・ミリティアの活動は全国各地で行われている。無責任かもしれないけど、リガ・ミリティアは私達が欠けても、全体が立ち行かなくなるほどヤワな組織じゃない……オリファーもそう言ってたわ」

 

オルガ「俺達とフォントとジャックも、カーティスさんからアンタらに従えって指示が出てるからな……んで、ナデシコは一応ネルガルの指揮下にあるけどよ……」

 

ルリ「問題ありません。ネルガルからもJUDAに従うように……と命令されてます」

 

ユリカ「という訳で、よろしくお願いしま~す!」

 

各組織の指標が、中継を通して各員に伝えられた。

 

鉄也「それじゃあこれからの行動についてだが……『マキナ』の調査のために、『アーカムシティ』に向かってほしい」

 

そして、二隻の進路はアメリカ……アーカムシティへと向けられた……。

 

~アーカムシティ~

一見すると、特に何の変哲もない町、アーカムシティ。しかしここは、魔術と錬金術が組み合わされた、混沌と不可思議が跋扈する土地なのだ。

その町にある古い教会……その中には1人のシスターと子供が4人、そして男が3人いた。

 

アル「ふふふ……アブドゥル・アルハザードの手により書かれし偉大なる魔導書、ネクロノミコンに敵うものか!」

 

ジョージ「だったらおれはサンドロックだ! 強いぞ、硬いぞー!」

 

コリン「じゃあ僕はデスサイズ! 死神様のお通りだー!」

 

アリスン「あ、危ないよぉ……」

 

ライカ「ふふ……子供達は元気でいいわね」

 

教会のシスターであるライカの目には、庭で遊んでいる子供達の姿が映っている。

 

カトル「ですね……こうして子供達が笑顔でいられる光景……これが平和というものなんだと、実感できます」

 

デュオ「色々騒ぎがあるが、俺らの経験した事に比べりゃあ、まあ可愛いもんだぜ」

 

オペレーション・メテオやマリーメイア戦役を潜り抜けたガンダムパイロット……デュオ・マックスウェルとカトル・ラバーバ・ウィナーもまた、その光景をしみじみと見ていた。

 

九郎「……平和平和ってのほほんとしてっけどなぁ……だったら俺の生活もちっとはマシになれってんだよ!」

 

……それに反するように1人の男、大十字九郎が喚き散らす。私立探偵を営んでいる彼は、万年金欠という有様で……

 

ライカ「……だから、毎日のように教会に来てご飯を集ってるっていうのかしら?」

 

九郎「人聞きの悪い事言うなって、ライカさん! 俺も俺で生活の術ってのをな……」

 

ライカ「九郎ちゃん……貴方も貧しいながらも生きている……教会を必要とする人間なのは分かるけど、だからってタダ飯食らいは勘弁してほしいわね?」

 

デュオ「そうそう、少しは働いて返せってこった。俺もジャンク屋やりつつ、ここで神父の真似事やったりとかはしてんだからよぉ」

 

カトル「僕も建築の仕事がてら、ここでの補修作業をやってたりはしますからね。それに、九郎さんも覇道財閥からお金は貰っているんでしょう?」

 

九郎「それはそうなんだけどよぉ……」

 

がっくりと肩を落とす九郎。滞納していた家賃やその他諸々の生活費などにより、覇道からの莫大な報酬も霞と化していたのであった。

 

九郎「……そういやデュオ、今日はヒルデはいねえのか?」

 

デュオ「ん? ああ、あいつは町外れのパン屋に行ったよ。俺らとここの教会の分だとさ」

 

ライカ「あそこのパンは子供達にも大人気なのよ。九郎ちゃんに食べさせるには勿体無いくらい美味しいのよね〜」

 

九郎「そいつあ嫌味かよ……?」

 

ライカ「言われたくないなら今まで貪り食った飲食代とささやかながら教会へのお布施を……」

 

その時、彼らのいる部屋が……いや、教会全体が激しい揺れに襲われた。

 

ライカ「きゃっ!」

 

カトル「この揺れ……まさか!」

 

アル「ブラックロッジだ、九郎!」

 

庭から子供達を後ろに、背丈が同じくらいの少女……アル・アジフが九郎へと呼びかけた。

 

九郎「アル! よし、行くぜ!」

 

デュオ「俺達も行くぞ、カトル!」

 

カトル「はい! ライカさん達はシェルターに避難を!」

 

そう言うと彼らは駆け出し、外へと飛び出していった。

 

 

 

第九話 DEMON EX MACHINA

 

 

 

~~~

教会の外では、ドラム缶のような形をしたロボット達が破壊活動を行っており、そのうちの1機には、白衣を着た緑髪の男がけたたましいギターの音を響かせながら立っていた。

 

ウェスト「ぬははははは! 親愛なるアーカムシティの皆さ〜ん!! 本日もこの世界が震えし大天才……いや、そんな言葉では括れぬほどの叡智を持つ、このドクタァァァ〜〜〜……ウェストが! 貴様らに愛しさと切なさと心強さかっこ心強さ抜きかっこ閉じと史上最大の恐怖を与えるために、やって来たのであ〜〜〜る!!」

ウェスト「思えば我輩は1年も2年も3年飛ばして4年も……いや! 心なしか5年も待ちくたびれたように感じる……そう! 我輩は5年も待ったのだ!! 出番をだろおっ!?」

ウェスト「さてさてさて……さてっ! アーカムとそこに住む観客(オーディエンス)達よ、我輩は帰って来たのであ〜〜〜るっ!!」

 

ストーン「くっ……相も変わらず訳の分からない事を! ネス警部、市民の誘導は後少しです!」

 

ネス「ああそう、じゃあぼちぼち逃げる準備だ。知っての通り、この町であんなのが出た時、俺達ができる事は少ないからね」

 

ストーン「……我々にもモビルスーツの1つでもあれば……」

 

ネス「そんな事言っても何にもならんでしょ……っと、噂をすればそのモビルスーツだ」

 

治安警察の前に、2機のガンダム……デスサイズヘルとサンドロック改が飛び出した。

 

デュオ「その警部さんの言う通りだぜ! あんたらは下がってな!」

 

カトル「皆さんは市民の誘導と避難を! 心苦しいとは思いますが、あのロボットは我々が引き受けます!」

 

ネス「……だってさ。それじゃあぼちぼち行こうか」

 

ストーン「はい……後は頼みましたよ、ガンダム!」

 

ストーン警部補がそう言うと同時に、治安警察達は撤収の準備を始めた。

 

ウェスト「ぬわぁぁぁ〜〜〜んとぅっ! またしても貴様らが我輩の邪魔をするか! せっかくこの我輩ドクター・ウェストとスーパーウェスト無敵ロボ28號改ドリル・エディション~男の夢を永久に~のミュージカル&オーケストラが5年ぶりに始まると言うのにぃぃぃ〜〜〜っ!! 全く! 監督とシナリオライターと指揮者は何を考えているであるか!!?」

 

デュオ「何言ってんだ? アンタがこの町で色々やらかしてるのは、いつもの事だろうがよ!」

 

カトル「デュオ! あんな男の言葉に耳を貸す事はありません!」

 

ウェスト「ほっほ〜う、貴様ら我輩を無視してコソコソ何をやっているであ〜るか!? そっちがその気ならこっちもこっち! とっととくたばるであ〜る!」

 

ウェストの破壊ロボットが、デスサイズヘル達に向かって機関銃を放つ、寸前───

 

 

 

 

 

憎悪の空より来たりて、正しき怒りを胸に───

 

 

 

───我等は魔を断つ剣を執る!

 

 

 

九郎「汝、無垢なる刃───デモンベインッ!!」

 

 

 

 

 

───巨大なロボット……『鬼械神(デウス・マキナ)』デモンベインが、彼らの目の前に現れた。

 

アル「待たせたな、汝等!」

 

九郎「まさか、俺達の事を忘れてんじゃねえだろうな、ウェスト!」

 

ウェスト「ぬぅぅ〜〜〜……大十字九郎とアル・アジフ……そしてデモンベイン!! やはり貴様らも邪魔をするであるか!!」

 

突然現れたデモンベインに苛立ち、声を荒げるウェスト。

 

九郎「当たり前だ! お前らブラックロッジが何やらかそうが、俺達がいる限り、好きにはさせねえ!」

 

デュオ「随分と気合が入ってんな、九郎の奴」

 

カトル「そうですね……僕達も負けてはいられません!」

 

アル「ふむ……汝等の腹は決まっているようだな……では行くぞ! 奴らの狼藉を止めるのだ!!」

 

九郎「おうよ! 覚悟しやがれ、ブラックロッジ!!」

 

その言葉を契機に、睨み合っていたロボット達は、戦いの火蓋を切る事となった。

 

~戦闘開始~

九郎(初戦闘時)

九郎「毎度毎度とこの町は騒ぎが止まねえな……!」

 

アル「ふっ……だが、それでも汝は歩みを止めぬのだろう?」

 

九郎「ああ! この町には俺にとって……俺達にとってかけがえのない人達がいるんだ! その人達のためにも、止まってられねえんだよ!!」

 

アル「その意気やよし! なれば行くぞ!!」

 

 

九郎(対ウェスト)

ウェスト「大十字九郎とアル・アジフよ! この大・天・才ドクター・ウェストが、貴様らに癒えない痛みと悲しみを与え、見上げた夜空の星達の光にしてやるであ〜る!! これで貴様らももう、見なくていい悲しみを見る必要はない……さあ! 夜風が運ぶ青い空を抜け、どこまで行きたいであるか!?」

 

九郎「悪いがな、俺らはテメェの駄弁りと三文芝居に付き合ってる暇はねえんだよ! いつもみてえにぶっ飛ばしてやるぜ!!」

 

アル「覚悟するがいい、ブラックロッジの奇天烈博士よ! 妾達とデモンベインの手によって、その身を打ち滅ぼしてくれるわ!!」

 

 

デュオ(初戦闘時)

デュオ「ったく、この町はとんでもねえ事だらけだせ。ま、俺達の経験してきた戦争よりはマシ……って感じだがな」

デュオ「さてと……ひとまずは面倒事を片付けますか!!」

 

 

デュオ(対ウェスト)

デュオ「しっかし、アンタも懲りねえ奴だなあ、ウェストさんよ」

 

ウェスト「ぬはははは! 我輩はこの天才である我輩自身が認めた、優秀や神などという陳腐な言葉では計れぬ大大大大、超大天才科学者! だから懲りる訳がないのであ〜る!! 分かったらそのスッカスカな頭を垂れて平伏するがいいであ〜る!!」

 

デュオ「はいはい、アンタはすげえよ、ある意味な……けど、これ以上は見過ごせねえんで、お引き取り願うぜ!!」

 

 

カトル(初戦闘時)

カトル「この町は他より事件が多い……それでも、戦争と比べれば……」

カトル「ですが、そこに住んでいる人を苦しめ、傷つけるという点では、どちらも同じ! だから、僕が止めます!!」

 

 

カトル(対ウェスト)

カトル「ドクター・ウェスト! 今回も、あなたとそのロボットを制圧させてもらいますよ!」

 

ウェスト「ふっふっふ……我輩の作りし破壊ロボ、通称スーパーウェスト無敵ロボ28號改ドリル・エディション~男の夢を永久に~は、貴様のサンドロック以上の火器を装備している究極最強元気爆発のロボット! そう簡単に制圧などさせんであ〜る!! 分かったらさっさと観念するがいいであるよ、カトルっち!!」

 

カトル「くっ……この人と話していると、頭がおかしくなってしまう……! ですが、あなたの言う通り観念してしまえば、この街が更なる危険に冒される! だから、あなたを倒します!!」

 

 

~~~

アル「やるぞ、九郎!」

 

九郎「おうよ! アトランティス……ストライィィィーーークッ!!」

 

デモンベインの重く鋭い一撃で。

 

デュオ「おらおらおらぁっ! 死神様のお通りだぜぇっ!!」

 

通りすがりに、デスサイズヘルが斬りつけて。

 

カトル「各機は左右へ展開! 中心へは僕が行く!!」

 

そして、数多の無人機とサンドロックによって、破壊ロボが蹂躙される。

 

ウェスト「なんとぉうっ!! 我輩が魂込めて造り上げた最強無敵のロボ達があっ!!」

 

九郎「お前が何をしようと、俺達がそれを止める! 何度だってなぁ!!」

 

デュオ「頼もしい奴だぜ、全く」

 

アル「普段のうつけっぷりとは月とすっぽんよの」

 

九郎「おい!」

 

ウェスト「……ふふふはははは!! 愚かであるな!! そう! 実に愚か!!」

 

自ら手塩にかけて造ったロボットが殲滅される。それを見て気が触れた……元々かもしれないが……のか、ウェストが高笑いをする。

 

カトル「何がおかしいのです!?」

 

ウェスト「まさか、我輩がたったこれだけの軍団で貴様らを倒せると考えていたと……そう思っていたのであるか!?」

 

デュオ「何ぃ!?」

 

アル「成程……まだ手数があると?」

 

ウェスト「その通り! さぁ~て、ジャンジャンバリバリぶち込んでやるのであ~る!!」

 

その声と共に、破壊ロボやビルゴ、サーペントが現れる。

 

デュオ「おいおい、OZやマリーメイア軍のモビルスーツまでいやがんのか!?」

 

ウェスト「その通り! そこらに不法投棄されていたモビルスーツを我輩が改修してやったのであ~る! しかもAIはあのモビルドールシステム……を我輩が独自に改良した超スーパーお得な奴であ~る!!」

 

カトル「あのモビルドールをですか……少々厄介ですね……!」

 

九郎「ちいっ、面倒くせぇぜ……けどよぉ!」

 

アル「うむ、何度だって止めるのであろう?」

 

九郎「おうよ! やってやろうぜ!!」

 

そう言い、自分と周りを奮い立たせる。

 

ウェスト「ぬはははははは!!! さぁ~て無敵ロボ、そしてモビルスーツ・イン・モビルドール・ウェストヴァージョンよ! 奴らを残らず潰してしまうのであぁぁ~~~るっ!!!」

 

ウェストが機体群に命令をしたその瞬間───

 

 

 

 

 

───突然現れた3機と1人が、ロボの何割かを破壊した。

 

デュオ「!?」

 

カトル「な……!」

 

ウェスト「! そ……そんな……!」

 

自らが手塩にかけ開発した破壊ロボ、そして改良したモビルスーツ。それらが斬られ、嬲られ、突かれ、爆ぜた。

 

ウェスト「わ……我輩のロボットがぁぁぁぁ〜〜〜っ!!?」

 

その惨状に、ウェストは慟哭する。

 

???1「ガラクタ共が……肩慣らしにもなりゃしねえなァ」

 

???2「モビルドールも大したコトないのねェ……そうそう、忘れてないと思うケド、目標はあの鬼械神の確保よ」

 

???3「分かってますよォ……しかし、ガンダムまでいるとは!」

 

???4「ふむ……試し斬りにはちょうどいいな」

 

ロボの残骸の上で話し込む4体。その視線はデモンベインに向けられている。

 

ウェスト「ままままままさか大十字九郎! 貴様らの仲間であるか!?」

 

九郎「んな訳ねえだろ! あんな奴ら知らねえよ!」

 

カトル「焦らないで! 余計に隙を与えてしまいます!」

 

九郎とウェストの言い合いを、カトルが諫める。

 

アル「汝達は何者だ?」

 

アルがそう尋ねた途端、待ってましたとばかりに、奴らが口を開いた。

 

沢渡「俺は加藤機関四番隊隊長、沢渡拓郎!」

 

ユリアンヌ「アタシは七番隊隊長、ユリアンヌ・フェイスフルよ」

 

陸「八番隊隊長、王政陸です」

 

ジャック[鉄]「そして六番隊隊長、ジャック・スミスだ!」

 

加藤機関、そう名乗った敵の周りからはそれらと類似した機体群が現れ、攻撃を仕掛けた。

 

九郎「ぐうっ!?」

 

ウェスト「ぬはぁっ!?」

 

謎の機体群から攻撃を受けるデモンベインと破壊ロボ。

 

デュオ「見境なしだな……!」

 

ウェスト「こうなれば……大十字九郎! 貴様ら諸共加藤機関とやらを排除してやるのであ~る!!」

 

ウェストも負けじと反撃する。

 

九郎「ぐおっ!? テメェ! 今どんな状況か分かってんのか!?」

 

ウェスト「もちろんであ〜る! だからこそ、デモンベインを倒すチャンス! え? もしかして我輩が貴様らと協力するとでもぉ~? ぬはははははは!! 残念だったであるな!! 我輩は腐っても貴様の敵! であるからして大十字九郎!! 我輩は貴様を倒すのであ~る!!」

 

九郎「くっ……!」

 

デュオ「お前、アイツが素直に協力してくれると思ってたのか……?」

 

九郎「い、いやまあ……呉越同舟って言うだろ?」

 

カトル「やれやれ……九郎さんはお人好しですね」

 

呆れた様子を見せるカトル。

 

沢渡「敵の前でおしゃべりとは、ずいぶん余裕じゃねェか!!」

 

陸「そんな呑気なアナタたちに、僕たちの恐ろしさでも想像させてあげましょうか!!」

 

加藤機関のアルマも、次々と攻撃をし始める。

 

アル「くっ……呆けてる場合ではないぞ! 今やるべきは、妾達の敵を殲滅する事だ!!」

 

九郎「だな……ええい! ボーッとするのはやめだ! アル、デュオ、カトル! ブラックロッジが何だ! 加藤機関が何だ! どんな悪党が来ようが、俺達でこの町を守り抜くぞ!!」

 

デュオ「へっ、言われなくても分かってるっての!」

 

カトル「この状況を抜け出す為の指揮は任せて下さい!」

 

アル「顔つきが変わったな……それでは、ここからが本番だ! 行け、九郎!!」

 

九郎「おうよ! 行くぜ!!」

 

その声と共に、デモンベインと2機のガンダムは前を見据える。敵の数が多くとも、負けてたまるか、という意志が彼らにはあった。

 

〜戦闘再開〜

九郎(対加藤機関)

九郎「加藤機関とか言ったが……何だってんだよ、こいつら!?」

 

沢渡「おっと、テメェらの自己紹介は必要ねえぜ!」

 

ユリアンヌ「アタシ達はアナタの鬼械神に興味があるの」

 

陸「ですから、機体はそのまま、パイロットには死んでもらいます!」

 

ジャック[鉄]「覚悟はいいか!」

 

アル「ほう……どうやらデモンベインに用があるみたいだな。だが、妾達をのけ者にした事は許せん」

 

九郎「そう簡単に奪われてたまるかよ! てめえらがどんな悪党かは分からねえが、行くぜ!!」

 

 

デュオorカトル(対加藤機関)

デュオ「何だぁ? はた迷惑な科学者さんの次は、最近有名な犯罪機関のお出ましか?」

 

沢渡「ほぉ~、ガンダムか……でも、今はお前らに構ってる暇はねえんだよ」

 

ユリアンヌ「アタシ達はあの鬼械神が目的で来ただけよ。ケド、まさかガンダムがいるなんてねェ」

 

カトル「どうやら、デモンベインが狙いのようですね……!」

 

陸「ですが、個人的にガンダムには恨みがあります! そのガンダニュウム合金を跡形もなく爆発させてやりますよォ!」

 

ジャック[鉄]「ガンダムの首……それもオペレーション・メテオとマリーメイア戦役で活躍した機体とあらば、価値は十分よ!」

 

デュオ「俺達を狙ってる奴もいやがるか……けどよ、そうみすみすやられるかっての! 死神と砂漠の勇士を相手した事、後悔させてやるぜ!!」

 

 

ウェスト(対加藤機関)

ウェスト「な、何奴であるか貴様ら!! ままままさか!! 我輩の頭脳とロボットを、朝も夜も恋いこがれて、君と僕が星になり、世界が朽ち果てるまで狙っていたであるか!?」

 

沢渡「そんなワケねえだろうが! 俺たちの目的はあの鬼械神だ!」

 

ユリアンヌ「アタシ達はアンタなんて眼中にないのよ。分かったらさっさと消えなさいな」

 

陸「それとも、そのガラクタごと爆発させられるのがお好きですかァ?」

 

ジャック[鉄]「ふむ……試し斬りにはちょうどよさそうな鉄柱だな」

 

ウェスト「お、おおおおおのれ貴様らぁ~~~!!! 我輩のスーパーウェスト無敵ロボ28號改ドリル・エディション~男の夢を永久に~を馬鹿にしているであるか!? ぬうう~~~……こうなればこの大天才ドクター・ウェストが命ずる!!! 貴様らは我がロボットの餌食となるがいいであ~る!!!」

 

 

~~~

九郎「食らいやがれ! ロイガー&ツァール!」

 

デモンベインが取り出した2対の双剣を合わせ、アルマ群に投擲する。

 

デュオ「よそ見してっと、首貰ってくぜぇ!」

 

カトル「僕達もいる事を忘れないで下さい!」

 

デスサイズヘルやサンドロック改の猛攻もあり、何割かは削る事が出来た。

 

ユリアンヌ「なかなかやるみたいねェ」

 

ジャック[鉄]「その努力だけは認めてやろう、だが───」

 

アル「───無駄な足掻き、とでも言うつもりか?」

 

九郎「生憎だが、無駄かどうかなんざは、やってみなきゃあ分かんねえんだよ!」

 

ウェスト「その通り! デモンベインもなんちゃら機関も、まとめて我輩がブッ飛ばすのであ~る!!」

 

火花を散らす三勢力。

 

カトル「! 皆さん、気をつけて下さい!」

 

デュオ「どうしたんだ、カトル!?」

 

カトル「何者かの反応が、こっちへ来ています!」

 

ウェスト「ぬうぅ~っ!? 大十字九郎、今度こそ貴様らの仲間であるか!?」

 

九郎「知らねえよ! 正直、敵じゃなきゃありがてえんだが……」

 

陸「そんな都合のいい展開、あるワケないでしょう! 少しは『想像』してくださいよォ!」

 

ユリアンヌ「アナタが言えたコトじゃ……いや、何でもないわ」

 

などと話していると、その反応の主……ナデシコとイサリビが現れた。

 

沢渡「ありゃあ……戦艦か?」

 

デュオ「! あれはイサリビ……って事は!」

 

陸「鉄華団……ですかァ!!」

 

カトル「もう1隻は何でしょうか? 見た事もありませんが……」

 

九郎達が話している一方……ナデシコとイサリビ内では、それぞれの艦長やオペレーターが話をしていた。

 

ルリ「ここが……アーカムシティですか」

 

オルガ「もうドンパチやってるみてえだが……どうする?」

 

ユリカ「決まってます! 皆さん、出撃を!」

 

ユリカの号令と共に、機体が出撃した。

 

フォント「す、すごい……デスサイズヘルにサンドロック改まで! あとはウイングガンダムゼロがいれば完璧なんだけど……」

 

三日月「デュオとカトル……久しぶりだね。ところでフォント、あのでかいの何?」

 

フォント「え? い、いやぁ……おれもよく分かんないけど……少なくともモビルスーツではないことだけは分かる!」

 

ハロロ『そんな自信満々に言われても……』

 

ドモン「加藤機関! 何故貴様らがここに!?」

 

沢渡「んなコト決まってるだろ? 俺たちもお前らも、目的はあの鬼械神だからだろうが!」

 

レイン「鬼械神……?」

 

オリファー「なるほどな……鉄也君達が探しているマキナが、どうやらあれのようだ」

 

鉄也「鬼械神……俺達の知ってるマキナとは違うみてえだが……」

 

辰也「カッコよさで言えば同じ位……いや、こういうのは比べちゃダメだ! どっちにもそれぞれ違うよさがあるからな!! 他にも操作系統や基本武装、色んな違いも……」

 

ジゼラ「……」

 

相変わらずの辰也に、もはや言葉を失うジゼラ。

 

アキト「はは……辰也はいつもこんな調子なのかい?」

 

ジゼラ「はい……いつもいつも……少しはしっかりして欲しいんですけどね……」

 

ヒカル「ガチガチに緊張してると力が出せないからね~、タッチーみたいに適度に力を抜いてる方が、案外戦えるんだよ!」

 

ジゼラ「そうなんですか……」

 

まあ、そんなものか……と納得するジゼラ。

 

ジゼラ(……それはそうとして)

 

ジゼラがデモンベインを一瞥する。

 

あの鬼械神という機体……どことなく気になる……

 

辰也「おっ、まさかジゼラもあいつが気になるか! 分かるぜその気持ち……何てったってカッコいいもんなぁ!」

 

ジゼラ「そ、そうじゃなくてですね……!」

 

デュオ「グレートマジンガー……って事は、あんた剣鉄也か?」

 

鉄也「その声……デュオか! それにカトルもいやがるとは……マリーメイア戦役以来だな!」

 

デュオ「へっ、相変わらずいい声してんなぁ! それにトロワや五飛、鉄華団まで……いったいどうしてこんな所に?」

 

トロワ「任務だ」

 

九郎「おいおい、あっちにいんのはチボデー・クロケットか!?」

 

チボデー「あん、俺か?」

 

アル「知っているのか、九郎?」

 

九郎「おうよ! チボデーはアメリカ代表選手、このアーカムでも知らねえ奴はいねえ、アメリカ最強の男だ!!」

 

チボデー「まさか俺のファンがいるなんてな……サインしてやりてえが、生憎そいつは後回しだ」

 

五飛「その通りだ……今やるべきは、敵を倒し、この状況を切り抜ける事!」

 

オルガ「カトルとデュオと……あの鬼械神ってえのは敵じゃねえ」

 

リョーコ「だったら、それ以外の奴を倒せばいいんだな!」

 

辰也「そうと決まりゃあ、行きますか!!」

 

辰也達を加え、戦闘は再開された。

 

〜戦闘再開〜

デュオorカトルorトロワor五飛(初戦闘時)

デュオ「生身で会うのは久しぶりだな、プリベンターのお二人さん!」

 

カトル「こうして顔を会わせてみると、何だか感慨深いですね」

 

トロワ「フ……どうやら平和にやってるみたいだな」

 

五飛「思い出話もいいが、まずはこいつらを片づけるぞ!」

 

デュオ「へいへい、分かってますって。しかしまあ、あいつがいねえと何か締まらねえなぁ……」

 

カトル「ですが、今は4人でもやれる事をやるだけです! それでは、行きましょう!!」

 

 

ウッソ(初戦闘時)

ウッソ「ザンスカールだけじゃない……もっと色んな敵がいる中で戦わなきゃいけないなんて……!」

ウッソ「でも、弱音を吐いてる暇はない! たとえ激しい雨に打たれてでも、進んで行かなくちゃならないんだぁぁーっ!!」

 

 

オリファー(初戦闘時)

オリファー「情勢から見て、ザンスカールだけを相手にしていればいい……という訳にはいかないようだな!」

オリファー「ならば、その時その時で臨機応変に対応するしかない! やる事が分かっているだけでも違うのだよ!」

 

 

マーベット(初戦闘時)

マーベット「アーカムシティ……聞いた事はあるけど、こういう事が日常茶飯事なんですってね……」

マーベット「でも、こっちだって想定外には慣れている! このどこかおかしな雰囲気に、圧される訳にはいかないわ!」

 

 

シュラク隊(初戦闘時)

ヘレン「ザンスカールにエンジェル・コールに、果てはあんなデカブツも相手にするなんてね……」

 

マヘリア「ふふ、イヤだったら降りてもいいのよ?」

 

ヘレン「冗談! もしそうするならマヘリアに口紅、餞別よ」

 

ケイト「じゃあ、あたしにも頂戴よ! ついでにキスもね!」

 

ジュンコ「あんた達ねぇ……適度に力抜くのはいいけど、はしゃぎ過ぎると死んじまうよ!」

 

ヘレン「はいはい、分かってますよ。それじゃ、気分も上がったし行きましょうか!」

 

 

フォント(初戦闘時)

フォント「カーティスさんの命令とはいえ、おれは本当にここにいていいのか心配になるな……」

フォント「……いや、カーティスさんはおれがどんな場所でも戦えるって思ってるんだ! だからおれがここにいる! その思いを無駄にしないためにも、戦いきるしかないっ!!」

 

 

ジャック[ゴースト](初戦闘時)

ジャック[ゴースト]「マーメイドにはもう別れを告げた、サーカスにも戻るつもりはねえ!」

ジャック[ゴースト]「俺はここで、ボスや鉄華団、そして他の連中と一緒に戦うんだ! へっ! やってやろうじゃねえかよ、行くぜ!!」

 

 

アキト(初戦闘時)

アキト(辰也にはああ言ったけど、正直まだガイの事とかが心に引っかかって、どうしようもない気持ちになるんだ……)

アキト「だけど、俺は前を向くって決めたんだ! 例えこの先にどんな事があっても……俺は戦って戦って、戦い続けてやる!!」

 

 

リョーコorヒカルorイズミ(初戦闘時)

リョーコ「火星から戻って来たと思ったら、マキナだか何だかを探さなきゃいけねえなんてな……」

 

ヒカル「まあ、しょうがないよね~……それが軍人さんだもん。ナデシコはネルガルグループの所有物だし、マキナを探してるのも会社だから、正確には違うけど」

 

イズミ「マキさんが名乗る……マキ、なのる……マキナ、のる……園児のエルちゃんが呼ぶ……えんじ、エル、こーる……えんじえるこーる……エンジェル・コール……ふっ、今日はキレがいいね」

 

リョーコ「どこがだよ!? むしろいつもよりしょうもねえんじゃねえのか!? ったく、下らねえダジャレなんて言ってねえで、とっとと行くぞ!!」

 

 

ユリカ(初戦闘時)

イネス「2人共お疲れ様。相変わらずよく似合ってたわよ」

 

ユリカ「わ~い、やったぁ! そうそう、ルリちゃんも可愛かったよ!」

 

ルリ「バカ……まあでも、楽しくない訳ではありませんでした」

 

メグミ「割と良くなってたけど……もうちょっと楽しそうな感じだったらなぁ」

 

ミナト「次やるなら私も出たいわね~……なんて話してたら、敵が正面まで来ちゃったわ」

 

ユリカ「了解! では、ここからは切り替えて行きましょう!!」

 

 

三日月(初戦闘時)

三日月「トロワと五飛もだけど、デュオとカトルも元気そうでよかったよ」

三日月「それじゃあ後は、邪魔な奴らを潰すだけ……行くよ、バルバトス!」

 

 

昭弘(初戦闘時)

明弘「訳分かんねえ細菌を追ってたら訳分かんねえ奴らと組んで、訳分かんねえ状況に放り込まれてる訳だが……」

明弘「……ゴチャゴチャ考えんのは性に合わねえな。ならどうするかって? 目の前の奴らを蹴散らすんだろうが!!」

 

 

オルガ(初戦闘時)

ユージン「しっかし、リガ・ミリティアにネルガル、しまいにゃJUDAとも組むなんて、思い切った事しやがるぜ……」

 

オルガ「今じゃ鉄華団も立派な企業だ、いざって時の味方は多い方がいいからな。でだユージン、その……さっきの俺はどうだった……?」

 

ユージン「ナデシコのアレか? まあなんて言うか……意外とウケてたぜ? もしかしたらお前、ああいうの向いてんのかもな!」

 

オルガ「そうか……ならよかったぜ。でももし次にあれをやるなら、ビスケットも出すぞ!」

 

ユージン「おう、アイツは子供ウケがいいからな……って、んな事言ってる場合じゃねえ!」

 

オルガ「ああ分かってる! 遊びは終わりだ、行くぞ!!」

 

 

ドモン(初戦闘時)

ドモン「鬼械神……と言ったな。見た所、俺達の知っているマキナとは違うようだが……」

ドモン「しかし、この状況でそれは気にしていられん! ならばやる事は一つ、周りの敵を倒すのみだっ!!」

 

 

鉄也(初戦闘時)

鉄也(テキサスプラントへの勤務で、こいつらとはここまでか……しかし、シローも由木も、この間で十分強くなったな……)

鉄也「さっきの余興も少しばかり楽しかったし、本当はずっとここにいてえが仕方ねえ……一旦は最後の大仕事、グレートできっちり締めてやるぜ!!」

 

 

辰也(初戦闘時)

辰也「オペレーション・メテオやマリーメイア戦役で活躍したガンダム2機に、鬼械神っつう奴……デモンベインって言うのか!? かあ~~~っ! いいモン見れて心が躍るぜ!!」

 

ジゼラ「いつもいつもそうやって……飽きないんですか? ……とはいえ、辰也さんのそういう所、嫌いじゃありませんよ」

 

辰也「お? 何か言ったか?」

 

ジゼラ「な、何でもありません!! というか、ガンダムよりもデモンベインよりも先に、目の前の敵を片づける事を考えて下さい!!」

 

辰也「お、おう……そうだな……そんじゃ、ジゼラの言う通りにやってやるか!!」

 

 

~~~

ウッソ「人が乗ってないならあっ!」

 

三日月「うん……あんまり手応えがないね」

 

トロワ「AI制御の機体……動きが分かればこちらのものだ」

 

破壊ロボ、モビルスーツを殲滅する。

 

ウェスト「ぬわぁぁぁぁぁっ! ロボォォォォーーーッ!!!」

 

虚空に響くのは、ウェストの絶叫。

 

アル「こちらは減らした! そっちはどうだ!?」

 

カトル「何とか削っています!」

 

フォント「コックピットは避けたい……けど!」

 

シロー「こっちも必死なんでな、覚悟しとけよ!」

 

アキト「これ以上、人殺しなんて真似はしたくないけど……そうも言ってられないんだっ!!」

 

アルマの過半数も減らしていった。

 

沢渡「チッ! 数じゃこっちが優勢だと思ったが……なかなかのモンじゃねえか!」

 

陸「キヒ……ですがまだ僕たちが残っていますよォ!」

 

ユリアンヌ「普通の兵士とアタシたちを、同列に見てもらっちゃあ困るわね!」

 

ジャック[鉄]「近づけば、容赦なく首を斬り落とす!」

 

鉄也「悪いが、そう簡単にはやられねえな!」

 

由木「心配されなくても……全員倒す!」

 

ジュンコ「そっちこそ、私達を有象無象のパイロットの集まりだとは思わないことね!」

 

ジャック[ゴースト]「斬られる前に、ブチ抜いてやるぜ!」

 

辰也「まだまだこっからだ!」

 

戦いがまた、始まる。

 

~戦闘再開~

ウッソ(対ウェスト)

ウェスト「その機体! かつての戦争の英雄、ガンダム!! 時代がメビウスの輪のようにめぐりあっても姿形は変わらず、いやむしろ洗練されているのであ~る!! この進化は始まりに過ぎない……つまり! ディスイズオンリーザビギニングなのであ~るっ!!」

 

ウッソ「な、何を言っているんだこの人は……そうか、きっと色々な事があってついに気が……」

 

ウェスト「な、なななななんとぉぉぉーーーっ貴様! 勝手に我輩の気がふれたように言うなであ~る! 我輩は精神精鋭徹頭徹尾大真面目!! そんな我輩を狂っているとのたまう貴様の性根を修正してやる!! のであ~~~るっ!!!」

 

ウッソ「そ、そうですか……って、こんな人のペースに乗るんじゃない! あんなのと話してると手元が狂う! だから早く倒さなくちゃ!!」

 

 

フォント(対ウェスト)

ウェスト「ぬあぁぁぁんとその機体! まさかあの光の翼システムが使われているであるか!? これは実に興味深い! 是非とも我輩の研究対象としてスミからスミまで徹底的に……」

 

フォント「やめて下さい! というか、いきなり何ですか!? だいたい敵であるあなたにそんなこと、させるわけないでしょう!」

 

ハロロ『ご主人様、この人はきっと頭がアレなんですよ。怪しげな呪術でこうなったか、もしくは先天性のものか……とにかく、こういうのは野放しにしない方がいいです!』

 

フォント「は、ハロロ! さすがに失礼が過ぎてないか!? でも、確かに言動からはそうも言えるな……いやいや! もしかしたらこういう演技の可能性だってあるし……」

 

ウェスト「ぬ、ぬぬぬぬぬぬわぁ~~~んとぉうっ!? 貴様ら揃いも揃って我輩を異常者か何かだと思っているのであるか!? これは我輩に対する名誉毀損!! とっとと謝罪と賠償としてその機体とAIを置いていくのであ~る!!」

 

フォント「……うん、やっぱりハロロの意見が正しいかも……って! ファントムとハロロを置いて逃げろだって!? それは、それだけはだめだ! こいつらはおれにとって大切な存在だからな!!」

 

 

アキト(対ウェスト)

ウェスト「貴様……よもやヒーローやその類が大大大大大大大大大だ~い好きな人間であるな!? なに、隠さなくともその独特な雰囲気から分かるであ~る!」

 

アキト「何か馬鹿にされた気分だ……でも確かに、ヒーロー全般って訳じゃないけど、ゲキ・ガンガーなら……」

 

ウェスト「ふむ……そんな貴様にはこの蒼穹の機獣創世記スーパーウェスト無敵ロボジェネシスEXODUS~夜鷹の夢はそこにありますか~をプレゼントしてやるのであ~る!! 人型にも獣型にもなる事ができ、更に空も飛べる! おまけにシリコンコーティングのムニムニ~っとしたロボット……を造ろうと考えているが、貴様はどう思うであるか?」

 

アキト「い、いや別に……いいんじゃないの……? 俺はいらないけどさ」

 

ウェスト「ななな、何おうっ!!? 我輩のロボットがいらんと申すであるか!! そんな貴様にはこのスーパーウェスト無敵ロボ28號改ドリル・エディション~男の夢を永久に~のドリルによって、我輩のロボットの恐怖と魅力と底力を理解させてやるのであああ~~~るっ!!!」

 

アキト「ええ……何かもう訳分からないけど、そんなの嫌だ! 何とかこいつを倒して、この状況から抜け出してやる!!」

 

 

三日月(対ウェスト)

ウェスト「ぬぁぁぁ~~~んと!!! その機体はまさか、あの厄祭戦で使われしガンダム! 悪魔の姿を象ったその造形……まさにデンジャァァァラス!! アァァァンド、デヴィルッ!!!!」

 

三日月「うるさいな……そこのガラクタに乗ってる人、訳分かんない事ごちゃごちゃ喋んないでよ」

 

ウェスト「な、なな、ななな、なななななぁ~んとぉぅっ!? こ、このスーパーウェスト無敵ロボ28號改ドリル・エディション~男の夢を永久に~を貴様はガガガッ、ガガガガ、ガガガガラクタ扱いとな!? ゆ、許せん……これは到底許されるべき発言ではないのであ~る!!!!」

 

三日月「だからさ、そういうのがうるさいんだよ……それでもまだ言うんなら、叩き潰すから!」

 

 

ドモン(対ウェスト)

ウェスト「ガンダム・ザ・ガンダム!! その強さや佇まい、全体から醸し出されるオーラ……流石は大会優勝者にして流派東方不敗、ゴッドガンダムは伊達ではないと言った所であるな!!」

 

ドモン「だが、その時点に満足し、歩みを止める訳にはいかない……お前も科学者ならば分かるだろう」

 

ウェスト「その通りであ~る!! 貴様も我輩も言わば発展途上!! そこで足を止めてしまえばそれ以上の物は産まれぬ!! ガンダムファイトも科学も、それによって発展してきたのであるからな!!!」

 

ドモン「分かっているじゃないか。では、俺の発展の第一歩として立ちふさがる者……すなわち、お前を倒す! 覚悟はいいな!!」

 

 

ジョルジュ(対ウェスト)

ウェスト「ジョルジュ・ド・サンド! 貴様からは何故か知らんが親近感を感じるであ~る! 貴様と我輩、根底では何か繋がる物があるのであろう……その我輩達が巡り会った運命を祝って、貴様の機体にとてつもない改造を施してやるのであ~る!!!」

 

ジョルジュ「お気持ちは有り難いですが、ご遠慮しておきます……というより、貴方と私が似ているとは思えませんね」

 

ウェスト「そうであるか……ならばこのスーパーウェスト無敵ロボ28號改ドリル・エディション~男の夢を永久に~のドリルの錆にしてやるのであ~る!! さあ!! 我輩の研究の前に、その薔薇を散らすがよい!!!」

 

ジョルジュ「そんな事は断じてさせません! 貴方に容易く毟られる程、私の思いは弱くありませんのでね!!」

 

 

鉄也(対ウェスト)

ウェスト「そ、そそそそその機体は~~~っ!! ミケーネとの戦いで活躍し、今現在も第一線で戦果を挙げているスゥゥゥーーーパァァァァーーーロボット!! グゥレイトォ! マジンガーであるな!!!」

 

鉄也「お、おう……とんでもねえ食いつきだな……」

 

ウェスト「当たり前である! 涙を流さず、しかしそれでも燃える友情を感じ、そして応援してくれる全国各地のちびっ子と共に悪を討つその姿に魅了された我輩、もう感動で頭がパァァーーーンッ!! となってしまったのであ~るっ!!」

 

鉄也「そりゃあ嬉しいな……だが、お前がその討たれる悪だって事には気づいてるのか? まあどちらにせよ、破壊活動をする悪党は、放置出来ねえがな!!」

 

 

辰也(対ウェスト)

ウェスト「貴様らの乗る機体……だが、まだ我輩達の敵ではないのであ~る!! ならば! このスーパーウェスト無敵ロボ28號改ドリル・エディション~男の夢を永久に~の力で目に物を言わせてやるのであ~る!!」

 

ジゼラ「そ、そんなドラム缶みたいな機械のどこに夢が……」

 

辰也「す、すげぇ……! こいつは見事に夢とロマンの塊!! そうそうあんたの言う通り、ドリルは男の夢だ!! それにこの機体、一見すると確かにドラム缶っぽく見えるけど、その中身にはとてつもないロマンが詰まって……」

 

ジゼラ「……はぁ……もうやだこの人……」

 

ウェスト「そこの如何にもお熱ぅ~い少年はよく分かっているであるな! 今なら戦機絶勝スーパーウェスト無敵ロボXV~その手には、悪魔を殺す力がある~をおつけしてやるであ~る!!」

 

辰也「くっ……欲しい! でも戦わなきゃいけねえ!! でも……ああ、迷っちまう!!」

 

ジゼラ「もう! いい加減に目を覚まして下さい!! 馬鹿な事やってないで行きますよ!!」 

 

 

~~~

九郎「デモンベインを舐めんじゃねえ!」

 

三日月「邪魔するなら、潰すだけだ」

 

辰也「とやかく言ってる場合じゃねえ、とにかく倒す!」

 

デモンベイン達の猛攻で、ウェストの破壊ロボは追い詰められる。

 

ウェスト「のぉぉぉぉ〜〜〜っ! 何と我輩がここまで追い詰められるとは!! おのれ許さんぞ大十字九郎とその仲間達よ!!」

 

九郎「ごちゃごちゃうるせえよ! それより、やっとここまで追い詰めたんだ……後はこいつでとどめを刺すだけだぜ!」

 

アル「ふむ、あれをやるつもりだな? 九郎」

 

九郎「おうよ! 姫さん、レムリア・インパクトだ!」

 

九郎の言葉が、覇道邸地下にも伝わる。

 

マコト「デモンベインパイロットより、第一近接昇華呪法、解凍要請が来ました」

 

瑠璃「ヒラニプラ・システム発動、言霊を暗号化、ナアカル・コードを要請せよ」

 

チアキ「了解!」

 

瑠璃「ナアカル・コード送信……術式解凍!」

 

そう叫ぶ瑠璃の胸元には光が集まる。次の瞬間に、彼女は掌から紋章を飛ばした。

 

九郎「ううおおおぉぉぉーーーっ!!!」

 

デモンベインが両の掌で、緑色のオーブを包み込むように抱え、魔法陣を背景にそれを広げる。

 

九郎「光差す世界に……汝ら暗黒、住まう場所なし!」

 

周囲に振動が起こる。同時に、デモンベインの右腕には、緑色に輝くオーラが纏われていた。

 

九郎「乾かず飢えず、無に還れぇぇぇーーーっ!!」

 

破壊ロボの前に、右腕を構える。

 

九郎「レムリア……インパクトォォォーーーッ!!」

 

アル「昇華ぁぁっ!!」

 

その瞬間、衝撃を伴う膨大な熱量の膨張と収縮により、破壊ロボは文字通り「無へと還った」……ウェストを残して。

 

ウェスト「ゲホッゲホッ……おのれ憎っくきデモンベインよ! だが、我輩はこんな所でやられる男ではないのであ〜る!! 何度でも何度でも、辛酸を舐め苦汁を飲み薪の上で眠ったとしても、我輩達の野望は決して挫けぬっ! のであ〜〜〜るっ!!」

 

九郎「いちいち話が長えんだよ! やられちまったら黙って逃げ帰れってんだ!!」

 

ウェスト「それもそうであるな……では、退散っ!!」

 

そのまま、ウェストはデモンベインの前から消えていった。

 

ジゼラ「……何だか、最後の最後まで訳の分からない人でしたね……」

 

辰也「もっとロボットについて語り合いたかったけどな……って、そんな事言ってる場合じゃねえ!」

 

ジャック[鉄]「その通り、まだ我々が残っている事を忘れるな!」

 

沢渡「邪魔でうるせえのが消えて清々したぜ! 後はテメェらと鬼械神だけだ!」

 

ブラックロッジが消え、残るは加藤機関のみ。

 

カトル「その言葉、そっくり貴方達に返させてもらいます!」

 

九郎「これ以上訳の分からねえ事に巻き込まれるのはゴメンだ! テメェらを倒して、この町を守ってみせるぜ!」

 

その敵達に、彼らは向かっていった。

 

〜戦闘再開〜

トロワ(対陸)

陸「ガンダムゥ……いくら機動力に優れているからといって、このヤオヨロズを舐めてもらっちゃ困りますねェ!」

 

トロワ「成程な……その巨体に見合わぬ機動力がお前の強みか」

 

陸「ヘェ……よく分かりましたねェ。ですが、分かったところで僕に敵うワケないんですよォ!」

 

トロワ「……俺の機体も、見かけによらず機敏に動ける。お前の敗因は、俺を甘く見た事だ……その無策を後悔するんだな!」

 

 

ウッソ(対陸)

陸「ガンダムにはハッキリ言って恨みしかありませんねェ……キヒヒ! その忌々しいアンテナを引きちぎってやりますよ!」

 

ウッソ「こいつ……っ! 気持ち悪さがにじみ出てるんですよ、あなたからは!」

 

陸「アナタも! その声が気に入りませんねェ! 何でかは分かりませんが、とにかくまあ、死んでもらうとしましょうか!」

 

ウッソ「そう簡単に死んでたまるか! 僕はまだ生きていたいんだぁっ!!」

 

 

ジャック[ゴースト](対陸)

陸「サーカス! あの時オマエたちがヘマしたせいで、ブルワーズが……僕の想像力を示す場が失われたんだよォ!」

 

ジャック[ゴースト]「へっ! ヒナどもに爆弾くくりつけて特攻させようとした、どうしようもねえバカ野郎を止めただけだぜ!」

 

陸「それがどうした! ヒューマンデブリは替えの利く兵器! 兵器をどうしようと使う側の勝手だろォ!?」

 

ジャック[ゴースト]「チッ……どうやら一番のバカ野郎は、話をまじめに聞いたおれの方だったみてえだな……! これ以上こいつの話を聞いてたらきれちまいそうだ……だから、とっとと潰す!!」

 

 

リョーコorヒカルorイズミ(対陸)

陸「ナデシコのエステバリス隊……ですかァ。ケド、いくら3機揃っていても、所詮僕の想像には勝てないってコトを教えてあげますよォ!」

 

ヒカル「あちゃ〜、私達も舐められたもんだね」

 

イズミ「想像……あれは象ですか? そう、象です……ククッ」

 

リョーコ「ウダウダやってる場合じゃねえだろ! 俺達を舐めた事、後悔させてやるぜ!」

 

 

三日月(対陸)

陸「そ、その機体……鉄華団の!」

 

三日月「アンタ、確かあの時の……」

 

陸「どうやら覚えてくれていたみたいだなァ……そうだよ、オマエたちに壊滅させられたブルワーズの人間だよォ! オマエらのせいで僕の想像の場が……」

 

三日月「……やっぱり、昌弘やアストンを傷つけてた奴か……じゃあ遠慮なく潰していいよね?」

 

陸「!? な、何だ……こいつから放たれる重圧は……!」

 

三日月「何でアンタがここにいるのか分かんないけど、俺たちの家族を苦しめた奴は……死んでいい奴だから!!」

 

 

昭弘(対陸)

昭弘「テメェ……あの時の爆弾野郎か!」

 

陸「おやぁ~? クダルさんの機体じゃないですか! ずいぶんと変わりましたねェ! そしてアナタは……ああ、あのデブリのお兄さんか!」

 

昭弘「テメェのせいで昌弘は……!」

 

陸「そう怒らないでくださいよォ、まだアナタの弟さんは生きてるじゃないですか! だから、兄弟そろって人間未満の兵器として、これからも惨めに生きてくださいねェ!」

 

昭弘「クソ野郎が……お望みなら、惨めったらしく地べたを這いずりながら生きてやるよ! だが、お前はここで惨めったらしくくたばれ!!」

 

 

オルガ(対陸)

陸「忌々しい鉄華団の艦船! 跡形もなく粉々に爆破させてやりますよォ!!」

 

オルガ「お前……ああ、あの野郎か」

 

ユージン「ブルワーズの爆弾野郎……! 胸クソ悪ぃ事思い出させやがって!」

 

陸「失礼だなァ! 僕はただ、あのデブリとオマエたちに『想像』させたんだよ! 自分が特攻のために爆弾になって、絶望の中で死ぬ恐怖をねェ!」

 

オルガ「そうかよ……じゃあ言わせてもらうが……鉄華団は家族を傷つけた奴は決して許さない。お前の言う下らねえ『想像』ってのを、今からその締まりのねえ体に刻み込んでやるよ!!」

 

 

ドモン(対陸)

陸「ドモン・カッシュ! オマエが来るのが遅ければ、アレンビーさんは絶望の中で力尽きていたのにィ!」

 

ドモン「勝負事に『たられば』はない……ただその結果だけが残る、それだけだ」

 

陸「ヘェ……その減らず口がどこまでもつか……少なくとも、僕の圧倒的な『想像力』を見れば、ソレもなくなるかなァ!」

 

ドモン「ならば教えてやろう! お前の下らない『想像』は、俺の積み重ねてきた『現実』の前では意味のない事をなぁっ!!」

 

 

アレンビー(対陸)

陸「アレンビーさん! もう一度アナタにあの絶望を与えてあげますよォ!」

 

アレンビー「悪いけど、こっちから願い下げよ! もうあの時のようにはならない……絶対に!」

 

陸「ソレがいつまで続きますかねェ~……とにかくまあ、やられて下さいよォ!」

 

アレンビー「やられる訳にはいかない! ファイターとして……人として! あんたなんかにやられてたまるもんかーっ!!」

 

 

アルゴ(対陸)

陸「コロニー荒らしのアルゴ・ガルスキーさん! いえ、今はガンダムファイターなんでしたっけねェ!」

 

アルゴ「お前は……悪名高いブルワーズの爆弾魔か。海賊から犯罪組織の一員とは、随分出世したな」

 

陸「そっちだって海賊からガンダムファイター……そしてシャッフル同盟だなんて、すごいコトですよォ! 国に尻尾を振れば、そういう地位が得られるのかなァ!?」

 

アルゴ「矜持も何もなく、いたずらに犯罪に手を染める男が、俺を……シャッフルを愚弄するな! 次に誇りを汚すならば、その風船のような体を吹き飛ばす!!」

 

 

サイ・サイシー(対陸)

サイ・サイシー「王政陸……って言やあ、オイラ達のコロニーを爆破した犯罪者じゃねえかよ!」

 

陸「ヘェ……やはり僕のコトは知られていたみたいですねェ! ガンダムファイターの人に覚えてもらえるなんて光栄ですよォ!」

 

サイ・サイシー「ふざけんじゃねえぞ! お前のせいでどれだけの人が巻き込まれたか……お前に分かるのかよ!」

 

陸「確か……23570人でしたっけか……あいつらは『想像』できなかったんですよ、コロニーで暮らしてる自分達が、爆発に巻き込まれてしまうなんてねェ!」

 

サイ・サイシー「お前は……さっきから想像だの何だの言ってるけどよぉ……巻き込まれちまった人達の気持ちは分かんねえのかよ! だったら今ここで、オイラがその体に教えてやるぜぇっ!!」

 

 

鉄也(対陸)

陸「剣鉄也! オマエのせいであの時僕たちは……!」

 

鉄也「どうやら、お前の『想像』通りに行かず、やられちまったのが相当来てるみてえだな」

 

陸「キヒヒ……しかし今回は前のようには行きませんよ! 僕の想像通りなら、その超合金ニューZの体は、ただの汚い鉄クズになるんですからねェ!」

 

鉄也「やれやれ……あの時から進歩がねえな……だったら冥途の土産に教えてやるぜ! 想像ってのは、お前にとって都合のいい『妄想』じゃねえって事をな!!」

 

 

由木(対陸)

陸「由木翼さん! グレートマジンガーさえ来なければ、アナタの心を砕くコトができました……ですが! 今ココでェ、もう一度アナタを絶望の淵へと立たせてあげますよォ!」

 

由木「呆れたわ……想像を語るなとは言ったけど、そもそも語るという水準にすら達していないわね」

 

陸「な、何ですってェ!?」

 

由木「来なけ『れば』って言葉が出てくるのは、あらゆる事態を想像していないのと同じ……その時点で、お前には想像力なんてない!」

由木「ついでにいい事を教えてあげるわ……お前は想像じゃなくて、自分に都合のいい『妄想』をしているのよ!!」

 

 

辰也(対陸)

陸「ラインバレルと同じくらい忌々しいその機体……グチャグチャのスクラップにしてやりますよォ!」

 

ジゼラ「スクラップになるのはそっちの方です! シズナさん達を苦しめた卑怯者には、それがお似合いですよ!!」

 

辰也「ジゼラの言う通りだ! 第一、イールソウルはお前なんざ屁でもねえんだよ! その無駄にデカい体をブッ飛ばしてやるぜ!!」

 

陸「子供がァ……大した『想像力』もないクセに、生意気なんだよォォッ!!」

 

ジゼラ「あなたはその『想像』という言葉に酔って、自分を特別だと勘違いしているだけ……それを分からせるためにも、私達があなたを倒します!!」

 

 

〜〜〜

アレンビー「ノーベル! フラフゥゥゥープッ!!」

 

由木「ウィングルの一撃、食らいなさいっ!!」

 

ノーベルガンダムとウィングルの攻撃で、ヤオヨロズを追い詰める。

 

陸「キヒィ……ですが、まだまだですねェ……!」

 

ウッソ「だったらぁっ!!」

 

Vガンダムがビームライフルを乱射する。が、ボロボロのヤオヨロズには何故かかすりもしなかった。

 

ウッソ「くそっ、大きいくせに……当たらないっ!」

 

得意げになった陸は、ヤオヨロズを駆りVガンダムへと近づいていく。

 

陸「どうしましたかぁ、ガンダムゥ! まさか、この見た目と損傷度合いに惑わされて、ヤオヨロズを簡単に落とせるとでも思っていたのでしょうかァ?」

 

ウッソ(そうだ……もっと寄ってこい……!)

 

陸「色々倒したい方はいらっしゃいますが、まずはアナタからですよォ!! リガ・ミリティアのォ───」

 

ウッソ「今です! 昭弘さん!!」

 

陸が言い終わらないうちに、Vガンダムの背後から現れたグシオンが、滑腔砲でヤオヨロズを撃ち抜いた。

 

陸「ギヘァ!!?」

 

昭弘「いいタイミングだ、ウッソ!」

 

地に伏し、行動不能となったヤオヨロズに、ハルバードを突き刺して固定するグシオン。

 

三日月「……ねえアンタ、ウッソがわざと外してたの、気づかなかったの?」

 

陸「へ……」

 

昭弘「ああ、そうだな。アイツの腕だったら、一発か二発……いや、それ以上はお前に当たっていた」

 

それでも外していたのは、完全に油断させ、より鋭い一撃……機体が使い物にならなくなるほど重いのをブチ込むため───そう聞かされた陸の脳内は、ミキサーにかき混ぜられたかのように混乱していた。

 

陸「そ……ソレじゃあ……僕は……」

 

由木「あなたの言葉を使わせてもらうと、アルトランド君の攻撃が『想像』出来ていなかった……って事ね」

 

アレンビー「何よ! 想像想像って言ってるくせに、結局は自分が一番『想像』出来てないじゃない!」

 

2人から自らの本質を突きつけられ、混乱から一転、激しい怒りに囚われる。

 

陸「……フザケるなァ!! 僕より劣る脳みそのヤツらが、僕の想像力をバカにするなんてェ!! こうなったら、オマエら全員ブッ殺して……」

 

ヤオヨロズが立ち上がろうとする……が、先程の一撃に加え、ハルバードで固定されていた事で、うまく動けずにいた。

 

陸「あ、アレ……?」

 

昭弘「おい、何遊んでんだ……? これ以上ふざけるなら、コックピットをブチ抜くぞ!!」

 

陸「ッヒィィ!?」

 

ハルバードを引き抜き、コックピットに突き刺そうとするグシオン。その場面と昭弘の圧に恐怖し、一目散に脱出する陸。

 

昭弘「野郎……待ちやがれ!!」

 

グシオンが追う……が、すんでの所でオルガに止められた。

 

オルガ「そこまでにしとけ、昭弘。俺達もあいつにはムカついてるが……今はそんな事にこだわってる暇はねえ」

 

イズミ「今はあの鬼械神を守るのが第一……カッとなって視野を狭めちまったら、足元掬われるよ」

 

昭弘「……分かった」

 

平静さを取り戻す昭弘。その瞳の中には怒り……そして、次は必ず仕留めるという決意の炎が渦巻いていた。

 

沢渡「陸がやられたか……」

 

ユリアンヌ「ま、あの子は加藤機関の中でも最弱なんだケドねェ」

 

ジャック[鉄]「機関、そして隊長の面汚しよ」

 

本人のいない場で、口々に散々な評価を下される陸。

 

三日月「じゃ、次いくよ、昭弘」

 

昭弘「ああ……こっから先も任せとけ!」

 

アキト「頼もしいな、昭弘は……よし、俺もやるしかない!」

 

戦いの火蓋は、また切って落とされた。

 

〜戦闘再開〜

五飛(対ユリアンヌ)

ユリアンヌ「アナタ、プリベンターの張五飛でしょ? 男尊女卑の古くさい石頭として有名よ」

 

五飛「そうか……だが俺はその考えを変えるつもりはない。女子供が……全ての人間が戦場に出る事のない、平和な世界のためにもな」

 

ユリアンヌ「ヘェ……考えによらず優しいのね。でも、アタシたちもアタシたちで、自分の正義のために戦ってるのよ? その権利を否定するのはよくないわねェ」

 

五飛「……正義とは必ずしも一つではない、戦いの中で学んだ事だ……だが断言する! 一方的に破壊活動を行うお前達には、正義などない事を!!」

 

 

ウッソ(対ユリアンヌ)

ユリアンヌ「アナタのコト、声はあまり好きじゃないケド結構気に入ったわ。リガ・ミリティアなんてほっぽりだして、アタシたちの所に来ない?」

 

ウッソ「な、何を言ってるんです!? そんな冗談を真に受ける訳ないでしょう!」

 

ユリアンヌ「チッ……子供のクセして無駄に賢いわねェ……まあいいわ、それならそれで倒すだけよ!」

 

ウッソ「そう簡単にやられるもんか! 女の人を傷つけたくはないけど、そっちが来るならぁっ!!」

 

 

シュラク隊(対ユリアンヌ)

ユリアンヌ「女だけの部隊だなんて……リガ・ミリティアもそうとう好きねェ」

 

ヘレン「悪いけど、あんまり私達を舐めないで欲しいわね!」

 

ケイト「シュラク隊は実力が認められた者しか入れない部隊よ! 生半可な奴らとは違うわ!」

 

ジュンコ「何なら、あなたも入るかしら? 見た所、腕もいいじゃないの」

 

ユリアンヌ「余計なお世話ね、アタシはココが気に入ってるからいいのよ。ソレに、早死にはしたくないからねェ!」

 

ジュンコ「それ、どういう意味かしら? まあいいわ……とにかくシュラク隊を舐めた事、後悔しなさいよ!!」

 

 

フォント(対ユリアンヌ)

ユリアンヌ「根暗で地味そうな子ねェ……ケド、そんなアナタには女のよさってのを教えてあげてもいいわよ?」

 

フォント「ええ!? い、いえ結構です! そういうのはトレスさんで間に合ってますので!」

 

ハロロ『だいたい、ご主人様があなたみたいなオバサンになびくわけありません! ご主人様は、わたしやベルさんみたいなのが好みなんですからね!』

 

フォント「こ、こらハロロ! 女性に向かって失礼なことをいうんじゃない! それにおれの趣味趣向をねつ造するな!」

 

ユリアンヌ「ヘェ……AIのクセに口は達者ねェ……アナタ、彼女に対する教育がなってないんじゃないかしら?」

 

フォント「す、すみません! こいつにはよく言って聞かせます……かといって、降伏まですることはありませんがね!」

 

ユリアンヌ「そんなコトは承知の上よ! アナタとそのガンダムも、とっくに敵なんだからねェ!!」

 

 

ユリカ(対ユリアンヌ)

ユリアンヌ「相手があのナデシコとはねェ……色々と繋がりがあるから知ってたケド、実物を目にすると驚いちゃうわ」

 

ユリカ「あの人、ユリアンヌって名前なんだって! ユリカとユリアンヌ……ユリユリ同士で、仲良くなれそうかも!」

 

ルリ「バカばっか……あのおばさんは敵ですよ、そんな呑気な事言ってる場合じゃありません」

 

ミナト「ルリルリ〜? いくら自分が若いからって、おばさんなんて言っちゃ駄目よ。『お姉さん』ならいいけどね」

 

ルリ「……失礼しました。という訳で、あの『お姉さん』は敵ですので、倒しちゃいましょう」

 

ミナト「ふふ……よくできました」

 

ユリアンヌ「何が『という訳で』なのかは分からないケド、失礼な小娘ねェ……! そんな子供には、大人の女性の恐ろしさってのを教えてあげましょうか!!」

 

 

アレンビー(対ユリアンヌ)

ユリアンヌ「恋に破れた若きガンダムファイター、アレンビー・ビアズリーね。よければアタシがそのテのコト、イロイロ教えてあげちゃうケド?」

 

アレンビー「悪いけど、私はもうドモンの事は吹っ切ったわ! それに、訳の分かんないおばさんから教えられる事なんて、何にもないからね!」

 

ユリアンヌ「こ、このガキ……若いからって調子に乗って……少しは目上の女の人を敬いなさい!」

 

アレンビー「わ、悪かったわね……でもそれはそれとして、敵でしかも悪党のあなたには、敬う所が全然ないのよ!」

 

ユリアンヌ「ソレもそうね……んじゃま、とりあえず……オバサン呼ばわりした代償は、うんと払わせてやるわ!!」

 

 

サイ・サイシー(対ユリアンヌ)

ユリアンヌ「中国の代表、サイ・サイシーね。どっかのお寺にいたらしいケド、煩悩は消し切れてないとか何とか……もしよかったら、アタシがその煩悩を発散させてあげちゃおうかしら?」

 

サイ・サイシー「そ、そんな手に誰が乗るかっての! どうせうまい事言って騙し討ちするのは分かってんだよ! で、でももし嘘じゃなかったらそれはぜひ……」

 

ユリアンヌ「バカね、ウソに決まってるじゃないの。途中まではよかったケド、最後で台無しねェ」

 

サイ・サイシー「や、やっぱりか……! だけど、オイラの純粋な思いを踏みにじった事は許さねえ! 弄ばれたこの怒りを思い知ってもらうぜぇぇーっ!!」

 

ユリアンヌ「こんなのに騙される時点で純粋とはほど遠いわよ。もっと女心を知ってから出直しなさい!!」

 

 

辰也(対ユリアンヌ)

ユリアンヌ「アナタ、面白い機体に乗ってるわねェ。あの鬼械神の次に特別だから、ここで捕獲しといてあげるわ」

 

辰也「悪いけど、あんたみたいなおばさんにやられるつもりはねえよ!!」

 

ジゼラ「ちょ……おばさんって! 女性に失礼ですよ!!」

 

辰也「あっ、すみません! つい口に出ちゃって……」

 

ユリアンヌ「……別にいいわよ。その失礼な口を塞ぐコトに決めたからねェ!!!」

 

 

~~~

ジュンコ「シュラク隊、撃てぇーっ!」

 

ヘレン「了解! どんどん撃つわよ!」

 

ケイト「よーく狙いな!」

 

ガンイージ達が、ツバキヒメにビームライフルの雨を降らせる。

 

ユリアンヌ「なかなかやるじゃないの……ケドね!」

 

ビームはかすりはするも、致命傷を負わせるまでにはいかなかった。

 

マヘリア「あいつ……速いっ!」

 

オリファー「奴のスピードは並のモビルスーツを凌駕している! 落ち着いて対応するんだ!」

 

そうこうしている間に、ツバキヒメはガンイージの1機に近づいた。

 

マヘリア「やられるっ!?」

 

ユリアンヌ「覚えておきなさいな、アタシの『ツバキヒメ』は、機動性だけならそんじょそこらのモビルスーツも凌駕しているのよ」

 

そう言いながら、チェーンソーを突き立てようとし───

 

 

 

 

 

フォント「───そ・こ・ま・でだぁぁーっ!!」

 

紫色の炎を煌めかせ、ファントムがツバキヒメの前へと飛び込む。

 

ユリアンヌ「ッ!」

 

息をつく暇もなく、ファントムのフレイム・ソードがツバキヒメの腕を切断した。

 

ユリアンヌ(速い……ツバキヒメよりもっ!)

 

フォント「こっち……もっ!」

 

続けてもう一方も切り落とす。ツバキヒメはもはや、武器を持って戦う事は出来ない。

 

ユリアンヌ「チッ……一瞬で両腕を切断するなんて、なかなかやるわねェ、坊や」

 

フォント「よしてください……っ! 敵に褒められたって、別に嬉しくもありません……!」

 

ユリアンヌ「そう……まったく可愛げのない坊やだコト」

 

さて……これからどうするか……武器は持てないし、周りにはライフルを構えたモビルスーツ……これは分が悪いわねェ……

 

絶望的な状況で、悪態をつくユリアンヌ。

 

ユリアンヌ「……それじゃ、後は残ってる奴に任せようかしら。何しろ、コッチはわざわざ岩手から来てやったのよ、ロクに休む暇もなかったわ」

 

そう言い、脱出ハッチを展開して撤退した。

 

フォント「勝った……のか……?」

 

空に消えるハッチを眺めながら、ファントムが膝をつきかける……が、すんでの所でソードを突き立て、耐えた。

 

マヘリア「やるじゃないの、坊や!」

 

ケイト「助かったわ、ありがとうね」

 

フォント「い、いえ……おれは当然の事をしたまでで……」

 

ハロロ『……』

 

フォント「は、ハロロ……?」

 

ハロロ『何でもありませんよ、ご主人様』

 

口では何ともないように言うが、ぶすっとふてくされるハロロ。これにはフォントも困惑した。

 

マヘリア「あらあら、ガールフレンドに嫉妬されちゃったわね」

 

ウッソ「同情しますよ、フォントさん」

 

フォント「はは……」

 

オリファー「よくやった……だが、戦いはまだ終わってはいない。余韻に浸るのは後にするんだ」

 

フォント「は、はい!」

 

オリファーの言葉で気を引き締めるフォント。同時に、倒れそうになったファントムも何とか立ち上がる。

 

ジャック[鉄]「ユリアンヌもやられるとはな……」

 

沢渡「残りは俺ら……ヘッ、上等! この程度の奴らなんざ、俺らだけで十分よォ!!」

 

チボデー「そうはいくかよ! このまま俺達のK.O.勝ちで終わらせてやるぜ!!」

 

ハロロ『まだまだたくさんいますよ、ご主人様!』

 

フォント「分かってる! おれもまだまだやれる!」

 

リョーコ「どんな奴が来ようが、蹴散らしてやるぜ!」

 

まだまだ、戦いは終わらない。

 

〜戦闘再開〜

カトル(対ジャック[鉄])

ジャック[鉄]「オペレーション・メテオのガンダムの首……貴様を倒せば、俺の腕も上がったようなものよ」

 

カトル(生身でモビルスーツと対峙……いえ、恐らくはサイボーグの類でしょう……でなければ、モビルスーツと対等に戦えるはずがない!)

 

ジャック[鉄]「どうした? 動きが止まっているぞ? それとも、俺の姿に怖じ気づいたか!」

 

カトル「モビルスーツ相手に相当の自信……勝つ見込みがあるのですね……でも、僕だって世界を相手に戦ったガンダムパイロット! そう易々と落とされはしませんよ!!」

 

 

ジャック[ゴースト](対ジャック[鉄])

ジャック[ゴースト]「あんた……どうやらおれと同じ名前みてえだな!」

 

ジャック[鉄]「ああ、何と奇遇なコトだろうな。出会い方が違えば友となれただろうが、俺とお前は敵同士……ならばここで会ったが運命! 俺と勝負だ!」

 

ジャック[ゴースト]「こっちはハナっからそのつもりだぜ! サーカスもとい蛇の足……ジャック・フライデイ! 行くぜ!!」

 

ジャック[鉄]「ならばこちらも! 加藤機関六番隊隊長……ジャック・スミス! いざ!!」

 

 

ドモン(対ジャック[鉄])

ジャック[鉄]「ドモン・カッシュ……俺の目の前に立ちふさがる好敵手と見た!」

 

ドモン「この男……己の身一つで向かって来るか。フッ、機会があれば生身で手合わせをしたかったな」

 

ジャック[鉄]「俺も同じ思いだ……だが、お前とそのモビルファイターで、やっと俺と同等! たとえガンダム・ザ・ガンダムとて、機体がなければ刀の錆よ!」

 

ドモン「ほう……面白い! ならばこのゴッドガンダムと俺の全力を、貴様に見せてやる! ガンダムファイターの力、とくと味わえ!!」

 

 

ジョルジュ(対ジャック[鉄])

ジャック[鉄]「ジョルジュ・ド・サンド……お前のレイピアの腕は聞いている」

 

ジョルジュ「それはどうも。しかし、生身での戦闘……あの男を思い出しますね」

 

ジャック[鉄]「お前のレイピア捌きと俺の太刀捌き……どちらが上かの勝負だ!」

 

ジョルジュ「この感覚……どうやら相当の手練れ……いいでしょう、私の剣をそこらの物とは思わないで下さい!」

 

 

辰也(対ジャック[鉄])

ジャック[鉄]「その姿……隠者の太陽だな! こんな所で会えるとは僥倖、俺と勝負しろ!」

 

ジゼラ「あ、あの人……生身で向かって来てますよ!?」

 

辰也「とんでもねえオッサンだ……あんな事が出来るのはガンダムファイターくらいか……何にしろすげえよ! 俺もあんな風に……」

 

ジゼラ「なれるって本気で思ってるんですか!?」

 

ジャック[鉄]「何を話している! 来ないのならば叩き斬るぞ!!」

 

辰也「そうはさせるかよ! 逆にこっちがぶった斬ってやるぜ、侍のオッサン!!」

 

 

~~~

ジャック[ゴースト]「おらぁっ! 食らえっ!!」

 

デスフィズのビームクローが、ジャックの肌を掠める。

 

ジャック[鉄]「ビーム兵器……どうりで容易く体に傷がつく訳だ……だが、まだまだ俺には届かん!」

 

ジャック[ゴースト]「ちっ……ふざけた格好だが、腕前はてぇしたもんだ……体も心も、本物のサムライってえわけか!」

 

1機と1人の鍔迫り合いは続く。

 

ユリカ「あのお侍さん、生身でモビルスーツと戦ってるよ!?」

 

ルリ「いえ、厳密には生身ではありません……体の大部分を機械に変えています。分かりやすく言えば、サイボーグというモノなのでしょう」

 

五飛「なるほどな……奴の特異な身体能力の答えはそれか」

 

そうこうしている間に、斬り合いは佳境へと入っていた。

 

ジャック[鉄]「さて……そろそろ遊びを終わらせるぞ」

 

ジャック[ゴースト]「へ、へ……こっからが本番ってか?」

 

ジャック[鉄]「その通り……丁度ここに、いい武器があったのでな!」

 

その瞬間、足下の地面に突き刺さっていた太刀を蹴り、抱えるジャック。

 

三日月「あの刀……バルバトスのだ。あんな所に落ちてたんだね」

 

リョーコ「お前のモノだったのかよ!? ったく……ちゃんとしまっとけよな!」

 

この会話の間にも、ジャックはデスフィズへと斬りかかる。

 

ジャック[ゴースト]「でけぇ刀で来やがったか……けどよ、こっちも負けねえ!!」

 

同時にデスフィズも爪を高速回転させ、鋼鉄の侍めがけてブチ込んだ。

 

ジャック[ゴースト]「く・ら・えぇぇぇーーーっ!!!」

 

 

 

 

 

───火花を散らし、刀がめり込む。デスフィズの頭部に、鋭い一撃が入った。

だが、それと同じくして、ジャックの腕もビームによって弾け飛んだ。

 

ジャック[ゴースト]「ってて……ところどころ曲がっちまった……」

 

頭にめり込んだ刀を引き抜くデスフィズ。一方のジャックは傷痕を押さえ、よろめきながら立ち上がった。

 

腕が消し飛んだか……これ以上の戦闘は不可能だな……

 

ジャック[鉄]「……ジャック・フライデイ! この腕の借り、いずれ返させてもらうぞ!」

 

そう吐き捨て、ジャック[鉄]は撤退した。

 

ジャック[ゴースト]「勝った……か。ボロボロとはいえ、まだ戦えるか……?」

 

フォント「大丈夫か、ジャック!」

 

ジャック[ゴースト]「ボス……ええ! 心配ありゃせんぜ! 残りも蹴散らしちまいましょう!」

 

沢渡「これで残ったのは俺だけか……」

 

辺りを見回し、自分以外が全て敵の戦場にため息をつく沢渡。

 

トロワ「やれるか、ジャック」

 

ジャック[ゴースト]「おう! どんとこいだぜ!」

 

オルガ「あんま無理はしねえようにな……んじゃ行くぞ!」

 

〜戦闘再開〜

デュオ(対沢渡)

沢渡「鬼械神だけを相手にするつもりが、結局ガンダムとも戦わなくちゃいけねえってのか……骨が折れるなァ」

 

デュオ「そりゃ悪かったな……でも、恨むなら俺じゃなくて、死神と出会っちまった自分の不運を恨めよ!」

 

沢渡「ほざけ! 死神だろうが俺の敵じゃねえよ! そんなに死神を自称すんなら、テメェをあの世に還してやるぜ!!」

 

デュオ「ははっ、面白え事言うじゃねえか! ま、もし俺が死ぬんなら、アンタを道連れにしてやるけどなぁ!!」

 

 

アキト(対沢渡)

沢渡「戦いのたの字も知らねェ青二才が、いっちょ前に戦場に立ってんじゃねェよ! ガキは帰っておねんねしてなァ!」

 

アキト「……確かに俺だって、出来れば戦争なんてしたくないよ……だけど、目の前で苦しんでる人がいるのに、見て見ぬふりが出来るかって言われたら、出来るわけないじゃないか! だから……だから俺は戦うんだ!」

 

沢渡「正義のヒーロー気取りがァ……そういうのは目障りで大嫌いだ! お前みたいな陳腐で偽善まみれのクソガキを、俺の手でブッ殺してやるぜ!!」

 

アキト「陳腐でも偽善でも結構だ! 俺は俺が正しいと思った事をやる! お前こそ、正義を否定してカッコつけてんじゃねえ!!」

 

 

ドモン(対沢渡)

沢渡「ドモン・カッシュ! あん時はよくもやってくれたじゃねえか!」

 

ドモン「搦め手を使わねばまともに戦えない半端者など、俺の敵ではない……何度やっても同じ事だ」

 

沢渡「言ってくれんじゃねえか! それじゃあ堂々としてる熱心なファイターに教えてやるぜ! 卑怯だろうが何だろうが、勝てばいいってコトをなァ!!」

 

ドモン「ならばこちらも教えてやろう! 性根の腐った人間などに、俺は負けないという事をな!!」

 

 

アレンビー(対沢渡)

沢渡「どうした? あん時みたいに泣き叫んでみろよ! 助けて下さいってなァ!」

 

アレンビー「嫌よ! あんたみたいなどうしようもないチンピラなんかの思い通りになんて、絶対にならないわ!」

 

沢渡「ほぉ~~~言うねェ。ソレじゃあ無理やりにでも、泣き叫ばせてやるとするか!」

 

アレンビー「あんたがその気なら、私はあんたを、泣く気も出ないほど叩き潰す! その覚悟はしてもらうわ!!」

 

 

チボデー(対沢渡)

沢渡「このメリケン野郎! ボクサーならボクサーらしく、大人しくリングの上でボクシングやってな!」

 

チボデー「バカ言いなさんな、地球の上ならどこだって俺のリングだ! それに俺のファイトスタイルはめっぽう荒いぜ、大人しく出来ねえ性分なんでなぁ!」

 

沢渡「うまいコト言うじゃねェか……だったら、そのリングごとてめェのコックピットをブチ抜いてやらァ!!」

 

チボデー「そうかい……そっちがその気なら、俺はお前を場外までブッ飛ばしてやるぜ!!」

 

 

鉄也(対沢渡)

沢渡「青戸ん時は世話になったな、剣鉄也ァ! あの時の恨みを今、ここで晴らしてやるぜ!」

 

鉄也「逆恨みも甚だしいな……まあ、こっちにもお前と戦う理由がある……部下を傷つけられたって理由がな!」

 

沢渡「いかにも正義の英雄サマの言いそうなコトだな! そういう偽善が俺は大嫌いだ……だから、お前をブッ殺す!!」

 

鉄也「……俺は戦士として育てられた……その経験から、正義の有り様は1つじゃないと分かっているつもりだ……だが、悪党に俺の行動を偽善と断ずる資格はねえ!」

鉄也「分かったら、その減らず口を閉じておくんだな! 今の俺は、お前如きじゃ相手にもならねえよ!」

 

 

由木(対沢渡)

沢渡「WSOのクソ女が……地獄に叩き落とされる覚悟はできてんだろうなァ!」

 

由木「地獄に叩き落とすなんて、馬鹿も休み休み言いなさい! あなた程度が軽々しく吐けるほど、地獄という言葉は安くないわ!」

 

沢渡「そうかよ……んじゃあ地獄に落とさねえ代わりに、死にたいと泣き叫ぶようになるまで、いたぶり尽くしてやるぜ!!」

 

由木「どこまでも下劣な悪党ね! あの2人の代わりとは言わないけど、今回は私があなたを地獄へと連れ……じゃない! ここがあなたの地獄よ!!」

 

 

辰也(対沢渡)

沢渡「その機体……どうやらとんでもねえモンらしいなァ。そんなのをてめェみてえなクソガキが使うなんざ馬鹿げてやがる……少しは身の程を知れってんだ!」

 

辰也「身の程を知れって……お前は何様なんだよ! 俺はこいつで、皆を守るために戦ってんだ! 第一、いたずらに破壊活動してやがる奴に、身の程がどうのなんて言われたくねえ!!」

 

沢渡「守るだの何だの、んな偽善者の戯れ言なんざ聞きたくねェ! その減らず口を利けねえようにしてやるよ!!」

 

ジゼラ「辰也さんが偽善者……? いい加減な事を言わないで下さい! 辰也さんはちゃんと自分の言葉通り私を、色んな人を守っています!」

ジゼラ「そっちこそ、悪人のくせに偉そうに……身の程をわきまえるのはあなたの方じゃないですか!?」

 

辰也「ジゼラ……ありがとな! そうだぜ、こいつの言う通り、あんたに偽善者だの身の程を知れだのなんて、説教される筋合いはねえ!」

辰也「それでもまだ言うってんなら、俺はあんたをぶっ飛ばす!!」

 

 

~~~

鉄也「食らいやがれ! ブレスト……バァァァーーーンッ!!」

 

ドモン「俺のこの手が真っ赤に燃える……お前を倒せと轟き叫ぶぅっ! ばぁぁぁぁくねつっ!! ゴッドフィンガァァァーーーッ!!!」

 

グレートマジンガーとゴッドガンダムの攻撃で、イダテンが吹き飛ぶ。相当の熱量により、中にいる沢渡も思わず悶えた。

 

沢渡「が……あ……ぐふっ……」

 

鉄也「悪いな……お前が俺の部下を苦しめた事を、まだ許せそうにねえ」

 

ドモン「俺もだ。アレンビーを傷つけた事、断じて許すつもりはないっ!」

 

由木「大佐……」

 

アレンビー「ドモン……」

 

沢渡「そうかよ……俺も随分嫌われたモンだなァ……」

 

ふと、手元に目が行く。眼前の光景に、ニヤァと嫌な笑みを浮かべる沢渡。

 

沢渡「……おいお前ら……それ以上、俺に攻撃しない方がいいぜ?」

 

鉄也「何?」

 

デュオ「! お前、そいつらは……!」

 

イダテンの手には、ジョージ、アリスン、コリンが握られていた。

 

ジョージ「おっ……おい! 離せよ、デカブツ!!」

 

アリスン「ご……ごめんなさい……私のせいで……!」

 

コリン「アリスンは悪くないよ……それよりも……ここから抜け出さないと……!」

 

九郎「なっ……お前ら!」

 

デュオ「まさか、逃げ遅れちまったのか!?」

 

沢渡「クソガキ共がピーピー喚くんじゃねェ! テメェら……こいつらが惜しけりゃあ、下手に動くんじゃねえぞ! 少しでも変なコトをしたら、ガキとこの女をブッ殺す!!」

 

イダテンの槍先には、ライカが。

 

ライカ「九郎ちゃん……皆……」

 

カトル「……ッ、悪党め!」

 

トロワ「カトル、あの手合いに話は通用しない。それよりも……」

 

九郎「分かってる! ライカさんと子供達を助けなきゃあな! けど、どうすりゃあ……」

 

アル「案ずるな、妾にいい方法がある」

 

何かを思いついたアル。

 

沢渡「善人ぶった奴らには、人質を取るのがいい手だな……さてと……まずはWSOのクソ生意気な女から───」

 

九郎「待ちやがれ、ド外道ッ!!」

 

イダテンが、声のする方へと体を向ける。そこに立っていたのはデモンベイン。

 

沢渡「鬼械神……ヘッ、もう忘れちまったのかァ? 下手に動きゃあ、こいつらブッ殺すってコトをよォ!」

 

九郎「……」

 

デモンベインは一歩も動かない。

 

ライカ(いざとなったら私がって思ったけど……信じてもいいのね? 九郎ちゃん……)

 

シロー「あいつ……どういう状況か分かってんのか!?」

 

サイ・サイシー「一歩でも間違えりゃあ、あの姉ちゃんも、子供達も死んじまうんだぞ!?」

 

アル「騒ぐでない! 此奴であれば……デモンベインならば問題はない。だから、落ち着いて見物していろ」

 

サイ・サイシー「そう言われたってよぉ!」

 

ドモン「いや、彼らは真剣だ。それだけ勝算があるのだろう……今はあの女の言う通りにしていた方がいい」

 

沢渡「何をゴチャゴチャ言ってやがる! ……ヘッ、威勢はいいが、結局は何もできねェでくの坊じゃねえか! 大人しくコイツらが死ぬところを、指くわえて───」

 

アル「今だ、九郎ッ!」

 

九郎「おうよ! アトラック=ナチャ!!」

 

九郎がそう叫ぶと、デモンベインの額から光が放たれ、蜘蛛の巣のように広がる。瞬間、イダテンが動きを止めた。

 

沢渡「ぐおっ!?」

 

突然の事に気を動転させた沢渡。

 

沢渡「だが……まだこの手は動……」

 

デュオ「……っと、そうは問屋が卸さねえぜ!」

 

影から現れたデスサイズヘルが、子供達を握り潰そうとしているイダテンの腕を、大鎌で切り裂いた。

 

デュオ「もう大丈夫だ、ガキ共、ライカさん!」

 

握られていた手の中にいる子供達を解放し、ライカの下に降ろす。

 

ライカ「ありがとう、デュオちゃん!」

 

カトル「九郎さん、今です!」

 

九郎「おうよ! 姫さん、もっかい行くぜ!」

 

瑠璃「分かりました!」

 

ウェストを倒した時のように、デモンベインがレムリア・インパクトを放つ。

 

九郎「しゃあっ! 二度撃ち……レムリア・インパクト!!」

 

アル「昇華ぁっ!」

 

レムリア・インパクトにより消滅するイダテン。沢渡は辛うじて、脱出する事ができた。

 

沢渡「クソがぁぁぁッ!! 覚えてやがれよ鬼械神! 次は必ずテメェを───」

 

九郎「悪党の断末魔なんざ、耳にも入らねえよ!」

 

空の彼方に消えていく沢渡と、それを見送る九郎。その目には、自らの正しさに殉ずる、激しい怒りが静かに燃えていた。

 

ドモン「……どうやら、終わったみたいだな」

 

オリファー「では、我々も戻るとしよう」

 

フィールドに点在していた機体群は、3機を残してナデシコとイサリビに戻った。

 

ルリ「……それで、そこの3機……貴方達はどうしますか?」

 

デュオ「どうすっかねえ……」

 

決めあぐねるデュオに、トロワと五飛が語りかける。

 

トロワ「……あの戦いの後、お前達が戦場を離れ、この町に来た事は知っている」

 

五飛「だが、まだこの世界で……いや宇宙では人類同士の争いが続いている……それを止めるためにも、お前達の力が欲しい」

 

カトル「トロワ……五飛……」

 

暫しの時間を経て、2人が口を開く。

 

デュオ「……丁度俺も、のんびりすんのに飽きてきたんだ、アンタらの所でひと暴れさせてもらうぜ!」

 

カトル「僕も同行しましょう。戦いの場から離れたとはいえ、現状を見て見ぬふりは出来ませんから」

 

2人は、特務室へ加わる事に決めた。

 

オルガ「そうか……んじゃ、イサリビに入ってくれ」

 

デュオ「へへっ。そんじゃ、よろしく頼むぜ!」

 

ルリ「これで後は……あの人達だけですね」

 

ルリの視線の先には、デモンベイン。

 

由木「アメリカのマキナ……鬼械神の調査が我々の目的ですので、ついて来てくれればいいのですが……」

 

九郎「……って言われてっけど、どうすんだよ、アル?」

 

アル「行こうにも、覇道の娘が許すかどうかだな」

 

そう呟いたアルに反応するかのように、デモンベインに通信が入る。

 

瑠璃『その通りです。大十字さんは一度、こちらに戻ってきて下さい』

 

九郎「おう、分かったぜ……って訳で悪いな、お2人さん!」

 

そう言うとデモンベインは、覇道邸へと姿を消した。

 

カトル「まあ……人には事情という物がありますからね」

 

デュオ「しっかし、あいつらがいねえとなると寂しくなるぜ」

 

鉄也「……」

 

どことなく寂しさを覚える2人。そんな姿を見かねたのか、鉄也は何かを考えていた。

 

鉄也「……なあ、ミスマル艦長、それに由木大尉。少し話があるんだが……」

 

~覇道邸地下・オペレータールーム~

瑠璃「……貴方がたの事情は理解しました。ですが、デモンベインをそちらへ配属させる事は出来かねます」

 

通信にて交渉を行うルリ。しかしもう1人のルリ……覇道瑠璃からの答えはNOであった。

 

ルリ『そうですか。デモンベインは戦力になり得る存在……調査という目的の前に、仲間になっていただけると助かりましたが……』

 

瑠璃「デモンベインは、このアーカムシティを守る存在……今ここを離れてしまえば、この町はブラックロッジの魔の手に堕ちてしまいます」

 

九郎「俺達……やっぱとんでもねえモン背負ってたんだな……」

 

アル「今更か、このうつけが」

 

軽口が混ざりつつも、交渉は難航している。

 

鉄也『……でしたら、デモンベインの代わりとして俺が戦いますか?』

 

通信に入り込んだのは剣鉄也。

 

瑠璃「貴方が?」

 

鉄也『ええ。丁度、テキサスプラントでの任務がありまして……基本的にはそっちが優先ですので、ついでという形にはなってしまいますが……』

 

瑠璃「……貴方がたにとっても、デモンベインはそれ程の価値を持つ……と? 剣様が自身の任務と並行して、この町を守ろうとする程に……デモンベインの穴を埋めようとする程に」

 

鉄也『はい……石神社長から下された任務のために、デモンベインが必要という理由もありますが……ここアーカムシティは、異質な力を持つ存在が跋扈すると聞きました。今後我々の前に、似たような奴らが現れないとも言い切れません』

鉄也『ですので、そういった奴らに対抗するために、デモンベインと……この2人の力が必要だと考えたためです』

鉄也『何より俺自身も、アーカムシティでそういう奴らとの戦闘経験を積みたいですからね』

 

九郎「アンタ……」

 

鉄也の言葉が終わると、瑠璃の背後で直立していた執事……ウィンフィールドが一歩前へと出、瑠璃に耳打ちする。

 

ウィンフィールド「お嬢様……お言葉ですが、彼とグレートマジンガーの力はデモンベインにも匹敵するほどです。それにブラックロッジの狙いの1つがデモンベインだとすれば、あえて距離を取るのも手……ここは一度、剣様の話も聞き入れた方がいいかと」

 

それに、この町を守る存在はデモンベイン以外にもおりますからね……

 

最後にそれを付け加えると、ウィンフィールドは瑠璃の後ろへと下がる。瑠璃も話を聞き、暫し考えた後に目線を鉄也へと向けた。

 

瑠璃「……では剣様、貴方にはデモンベインの代わりとして、このアーカムシティを守ってもらいます。勿論、任務のついでという形にはなりますから、何かと苦労する事はありますが……」

 

鉄也『問題はありません。むしろ、提案を聞き入れてくださり感謝します』

 

そう言うと、深々と一礼をする鉄也。顔を上げ、九郎へと目線を向ける。

 

鉄也『……って訳で、お前達には俺の代わりに、JUDA特務室へと参加してもらう。これはミスマル艦長にも伝えた事だ』

 

九郎「おうよ、俺達もあんたの穴埋めができるよう、精一杯働かせてもらうぜ!」

 

鉄也『フッ、そいつは楽しみだな』

 

ルリ『……それでは、覇道邸へナデシコを着陸させます。そこで九郎さんと鉄也さんは交代を』

 

ナデシコからの通信が途切れ、後には静寂が残った……。

 

~ナデシコ・食堂~

戦いと人員、機体の輸送が終わり、食堂で夕食を囲む面々。その間に、新顔の紹介も進む。

 

デュオ「……つー訳で、これからよろしくな!」

 

カトル「皆さんの力になれるように、精一杯やらせていただきます」

 

自己紹介が終わると、一同は拍手で彼らを迎えた。

 

トロワ「デュオにカトル……また一段と賑やかになりそうだな」

 

五飛「お前達とまた共に戦える事、嬉しく思うぞ」

 

三日月「そうだね」

 

穏やかな表情を浮かべる三日月。一時的とはいえ、共同戦線を張った者とまた共に戦える事が、彼にとっては嬉しいのだろう。

 

オルガ「……そういや、ヒイロの奴はここにもいねえのか?」

 

デュオ「ああ、あいつは……今どこにいるかは分かんねえよ。元気でやってるとは思うけどな」

 

寂しげな表情を浮かべるデュオ。だが、それでも根底には、ここにいない戦友への信頼があった。

 

デュオ(後はヒルデの事もあるが……ま、あいつもあいつで大丈夫だろ。とはいえ、せめて書き置きのひとつでもしてやりゃよかったか……?)

 

九郎「いや〜それにしても、ここの飯は美味いな!」

 

アル「意地汚いぞ、九郎……」

 

九郎は九郎で、美味い飯にありつけた事に感謝と感動を浮かべているようだ。

 

アキト「それ……俺の作ったラーメンなんだ。よかったら、もっと食べてくれないか?」

 

九郎「いいのか!? サンキュー! 食った分の働きはするぜ!」

 

チボデー「やれやれ……」

 

憎めねえ奴だぜ……と呆れながらも笑みを浮かべるチボデー。

 

ドモン「辰也、食い終わったならすぐに鍛練だ。鉄也がいない分、みっちりと鍛えていくから、覚悟しておけ」

 

辰也「は、はい!」

 

デュオ「俺も付き合うぜ~、アーカムのゴロツキ共よりは楽しめそうだからな」

 

三日月「俺も。ここの人たちがどれだけ強いのか知りたいから」

 

ドモン「よし、では行くぞ」

 

食器を片付け、訓練場に向かう辰也達。

 

辰也「んじゃジゼラ、後でな~! そうそう、体には気をつけんだぞ!」

 

ジゼラ「はい! 辰也さんもお気をつけて!」

 

そして、それを笑顔で見送るジゼラ。

 

アトラ「じゃあ私たちは、後片付けしよっか!」

 

シャクティ「そうですね……この量は大変だけど……」

 

ジゼラ「皆でやればすぐ終わりますよ! ね、アルさん!」

 

アル「なっ……妾がこのような雑用を……!?」

 

シャクティ「いい子にしてないと、終わった後のおやつはありませんよ」

 

アル「ぬぅぅ……仕方がない、妾も手伝ってやらんでもないぞ!」

 

そう言いながら食器洗いを進めるジゼラ達。

 

ジゼラ(……日本に着いたら、エレミタの事で色々言われるのかな……それにあの時から、辰也さんの事を考えてると、何だか胸が変になってくる……)

 

悶々としていたジゼラだった……。

 




中断メッセージ(大天才ドクター・ウェストの演説)
ウェスト「親愛なるプレイヤーと物語の観測者である皆さ〜〜〜ん!! この世界が羨む大・天・才、ドクター・ウェストの活躍は如何だったであるか!? これからも我輩はブラックロッジや貴様らのため、憎き大十字九郎やその仲間達を蹂躙し時には仲良く戦う事を今ここに宣言するであ〜る!!」
ウェスト「思えば長い、長い夢でした……何年もの月日が経って我輩の活躍が古ぼけた歴史の中に埋もれるかと思いきや、やっとの事で日を見る事となるとは!! 全く……ここのシナリオライターは言い訳ばかりする口ではなく早く手を動かせと何遍言いたくなったと……貴様は暗くて黒い未知なる大陸を目指し船の中で行われるバトルロワイヤルや、表と裏がある格闘技界で最強を決める戦いや、異世界で偉人達がドンパチしたりする英雄譚を創作する者ではないのであるよ! と我輩は口酸っぱくして言ってみたくなったりならなかったりして……」
ウェスト「……だがそれも過去の夢! これは現実、現実なのです!! それではまた会うその時まで……次に会ったが100年目、僕と握手! であ〜〜〜るっ!!」
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